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~エピローグ~ 鎮西のジャンヌダルク
いざ決戦の地、日本海へ!
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突如、室内の明かりが激しく点滅し、モニターにノイズが入った。
「何? 状況を確認して!」
天草は素早く指示を出すが、そこで画面に何者かが映った。
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
瞬間、一同は戦慄した。
漆黒の空間に、着物姿の童女が座している。
一見して髪の長い日本人形のようであるが、その目は人ならぬ狂気を帯びていた。
口元にのぞく幾多の牙、顎から頬にかけて刻まれた、古代化粧のような刺青。
全員が本能的に理解した。
魔族。それもとてつもなく高位の存在である。
この相手こそが災厄の始まり。
冥界の魔を従える頂……ディアヌスの名を持つ覇王なのだ。
「……そろそろ小競り合いも飽きてきた。小ざかしい人間ども、決着を付けようぞ」
子供は……いや、子供の姿をとる魔王は、そう言って大きく目を見開いた。
眉間に深い皺を寄せ、牙を剥き出した童女は、物凄い大音量で叫んだ。
「来たれ、決戦の地へ、魂を打ち砕いて食ろうてやろう!!!」
童女の姿が消えると同時に、地響きが日本列島を揺さぶった。
各地の地震計が大きな揺れを記録し、巨大な力の顕現を示したのだ。
やがて通信技士の青年が、慌しく読み上げる。
「報告! 餓霊の大軍勢が、第2・第4船団の共同避難区付近を襲撃しているとのことです!」
「さすが魔王だ、休ませてくれないね」
コマがそう言うと、モニターに女神・岩凪姫の姿が映った。
女神は誠達に言い放つ。
「鶴、黒鷹、第4船団側に救援申請が受け入れられた。動ける者はどれだけいる?」
「隊員達の機体は修理が必要ですが、俺とヒメ子ならすぐ行けます!」
誠は即断して答えた。
「それではただちに急行だ! 目標、能登半島付近、詳しい事は追って指示する!」
「了解っ!」
誠と鶴、それにコマは、弾けるように駆け出した。
「鳴っち、気いつけや!」
「ケガしたら、今度こそ許さないわよ!」
人ごみの向こうで、難波やカノンが叫んでいる。
宮島も香川も、そして志布志隊の面々も。
彼らの声を聞きながら、誠は不思議な高揚感にとらわれていた。
体が熱い。足が勝手に動いていく。
さっきの童女……以前見た風貌とは違うが、間違いなく魔王ディアヌス。
いよいよなのだ。
いよいよこの災厄の始まりである餓霊の総大将と、対決する時が来たのだ。
今度こそ絶対にあれを葬り、この10年に及ぶ災厄を終わらせるのだ。
格納庫に戻ると、心神のコクピットに飛び乗り、機体を急速起動させる。
「ヒメ子とコマは、着くまで休んでてくれ!」
「分かったわ、お昼寝は得意中の得意よ!」
鶴は補助席に陣取ってそう答える。
機体のモニターには、既に味方の輸送機との合流地点も示されていた。
「翼部属性添加機起動、収束斥力場展開。防御及び消音、空気抵抗軽減式、全身保護……J―X2試作型心神、鳴瀬誠、いきます!」
機体は急速に加速し、一気に空へと舞い上がった。
誠はもう一度、目に焼き付けるように景色を見る。
晴れ渡る九州の空、そして青い鹿児島湾。
煙を上げる桜島は、人類の反撃の狼煙のように誠には思えた。
誠は機体の属性添加機を操作し、進路を北東へと向けた。
いざ、決戦の血、日本海沿岸へ……!
※※第2章の九州奪還編はここまでです。お読みいただきありがとうございました。
一つ一つが長いため、次章も別ブックにて再開する予定です。
どうぞよろしくお願いします。
「何? 状況を確認して!」
天草は素早く指示を出すが、そこで画面に何者かが映った。
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
瞬間、一同は戦慄した。
漆黒の空間に、着物姿の童女が座している。
一見して髪の長い日本人形のようであるが、その目は人ならぬ狂気を帯びていた。
口元にのぞく幾多の牙、顎から頬にかけて刻まれた、古代化粧のような刺青。
全員が本能的に理解した。
魔族。それもとてつもなく高位の存在である。
この相手こそが災厄の始まり。
冥界の魔を従える頂……ディアヌスの名を持つ覇王なのだ。
「……そろそろ小競り合いも飽きてきた。小ざかしい人間ども、決着を付けようぞ」
子供は……いや、子供の姿をとる魔王は、そう言って大きく目を見開いた。
眉間に深い皺を寄せ、牙を剥き出した童女は、物凄い大音量で叫んだ。
「来たれ、決戦の地へ、魂を打ち砕いて食ろうてやろう!!!」
童女の姿が消えると同時に、地響きが日本列島を揺さぶった。
各地の地震計が大きな揺れを記録し、巨大な力の顕現を示したのだ。
やがて通信技士の青年が、慌しく読み上げる。
「報告! 餓霊の大軍勢が、第2・第4船団の共同避難区付近を襲撃しているとのことです!」
「さすが魔王だ、休ませてくれないね」
コマがそう言うと、モニターに女神・岩凪姫の姿が映った。
女神は誠達に言い放つ。
「鶴、黒鷹、第4船団側に救援申請が受け入れられた。動ける者はどれだけいる?」
「隊員達の機体は修理が必要ですが、俺とヒメ子ならすぐ行けます!」
誠は即断して答えた。
「それではただちに急行だ! 目標、能登半島付近、詳しい事は追って指示する!」
「了解っ!」
誠と鶴、それにコマは、弾けるように駆け出した。
「鳴っち、気いつけや!」
「ケガしたら、今度こそ許さないわよ!」
人ごみの向こうで、難波やカノンが叫んでいる。
宮島も香川も、そして志布志隊の面々も。
彼らの声を聞きながら、誠は不思議な高揚感にとらわれていた。
体が熱い。足が勝手に動いていく。
さっきの童女……以前見た風貌とは違うが、間違いなく魔王ディアヌス。
いよいよなのだ。
いよいよこの災厄の始まりである餓霊の総大将と、対決する時が来たのだ。
今度こそ絶対にあれを葬り、この10年に及ぶ災厄を終わらせるのだ。
格納庫に戻ると、心神のコクピットに飛び乗り、機体を急速起動させる。
「ヒメ子とコマは、着くまで休んでてくれ!」
「分かったわ、お昼寝は得意中の得意よ!」
鶴は補助席に陣取ってそう答える。
機体のモニターには、既に味方の輸送機との合流地点も示されていた。
「翼部属性添加機起動、収束斥力場展開。防御及び消音、空気抵抗軽減式、全身保護……J―X2試作型心神、鳴瀬誠、いきます!」
機体は急速に加速し、一気に空へと舞い上がった。
誠はもう一度、目に焼き付けるように景色を見る。
晴れ渡る九州の空、そして青い鹿児島湾。
煙を上げる桜島は、人類の反撃の狼煙のように誠には思えた。
誠は機体の属性添加機を操作し、進路を北東へと向けた。
いざ、決戦の血、日本海沿岸へ……!
※※第2章の九州奪還編はここまでです。お読みいただきありがとうございました。
一つ一つが長いため、次章も別ブックにて再開する予定です。
どうぞよろしくお願いします。
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