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~プロローグ~ 動き出す闇の一族
闇を統べる者達
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「姫さん、ほんとに大丈夫か?」
先に立って進みながら、剛角は後ろを振り返った。
遅れて歩く刹鬼姫は、まだ表情が優れないものの、気丈にこちらの問いに答える。
「……大した事ないね。口惜しいが、あたしじゃ完全な殲滅呪詛が作れなかった。本当に完成してれば、どうやったって助かるもんじゃないのさ」
「だから、そんな術使わんといてくれ姫さん。そんな思いつめんでも、次はわしがどかんと活躍してやるからのお」
「あんたのそういう所も悩みの種なんだよっ」
刹鬼姫はいつもの調子でツッコミを入れた。どうやら本当に回復してきているようだ。
2人が進むのは、やたらと広い石畳の参道である。
辺りは薄暗く、立ち並ぶ石燈籠の灯りだけが頼りである。
瓦葺きの随身門に差しかかると、屋根の鬼板に跨っていた小柄な鬼……つまり紫蓮が、身軽にこちらに飛び降りて来た。
念のため先に進んで、襲撃者の有無を確かめていたのだ。
「よお紫蓮、誰かおったか?」
剛角が尋ねると、紫蓮は首を振って答えた。
「いいや、今日はふっかけて来る馬鹿もおらん。さっさと謁見の間に行っとるんじゃろ」
随身門を抜け、石造りの鳥居を幾つも潜ると、巨大な木造建築に辿り着いた。人間どもの神社そっくりの拝殿である。
中には既に様々な外見の一族が集まっていたが、何人かが振り返り、あざ笑うような表情を浮かべた。明らかに鬼の失敗を喜んでいるのである。
「……くそっ、気が重いのお」
剛角が呟くと、刹鬼姫が小声でいさめた。
「……我慢しな剛角、責めを負うのはあたしだ。あんたらは黙っといで」
鬼達は草履を脱いで拝殿に上がると、板間にどっかと腰を降ろした。
拝殿の最深部、一段高い高座には、古式の簾である御簾が垂らされている。
御簾の奥には灯りが点され、そこに座す存在達を照らし出していた。
それぞれ大きさは人間大であるものの、その身は妖しく立ち昇る邪気に包まれている。
彼らは足つきのお盆、つまり懸盤から杯を持ち上げ、何度も酒を口に運んだ。
「……夜祖大神様。一同、参上つかまつりました」
頃合を見計らって、黒い衣服を着た青年がそう言った。
名は笹鐘といい、つい先日まで、餓霊軍四国統括守護代・爪繰の右腕だった男だ。
刹鬼姫は神妙な面持ちで頭を下げ、侘びの言葉を発した。
「此度の失態、全て私の未熟が故でございます。偉大なる黒の御方の栄誉を傷つけました事、深くお詫び申し上げます」
剛角や紫蓮も刹鬼姫に倣い、素直に手をついて頭を下げる。
「ケケ、元々鬼には無理なんじゃねえの?」
刹鬼姫の右隣にいた、虎柄の衣裳を着た男がそう言った。
やや小柄だが、髪は獣の毛のように逆立ち、顔は派手な戦化粧で彩られている。
「ノロマなてめえらじゃ駄目だ、俺が代わりにやってやろうか?」
剛角はさすがに頭にきて、思わずその場に立ち上がった。
「んだとコラ、もっぺん言ってみろや! 皮ひっぺがして腰巻きにしてやるよ!」
「よっしゃ剛角、わしも乗るぞ!」
紫蓮も身を乗り出したが、次の瞬間、拝殿全体を揺るがすような振動が起こった。
「……控えろ剛角。わしに恥をかかせるな……!」
御簾の奥に座す角の生えた人影が、低く唸るような声でそう言ったのだ。
鬼達は弾けるように飛びすさると、深々と頭を下げた。
刹鬼姫が一同を代表して言葉を発する。
「も、申し訳ございません。双角天様の仰せのままに……!」
角の生えた人影は、隣に座す相手にも声をかけた。
「無明、貴様も何か言え」
「…………虎丸、荒事は控えよ」
双角天の隣にいた長髪の人物がそう言うと、毛皮姿の男も姿勢を正した。
「し、失礼いたしましたっ! 無明権現様のお心のままに!」
御簾の中にはもう2人、別の人影も見てとれた。
一人は髪の長い和装の女性で、扇で口元を隠している。
もう一人は直衣姿に烏帽子を被り、いかにも平安貴族のような装いをした青年だった。
青年はその場を取り仕切る役目らしく、一同を代表して言葉をかける。
「案ずるな、刹鬼姫よ。相手は神人……道和多志の大鏡をはじめ、幾多の神器を有する敵の最高戦力である。故に処罰は考えておらぬ」
「ははっ、夜祖大神様の寛大なるお心遣い、我ら一同感謝いたします!」
刹鬼姫はこれ幸いと答え、再度深々と頭を下げた。
剛角と紫蓮もそれに続くが、剛角は頭を下げつつ、虎丸と呼ばれた男にあかんべをした。
「くっ、てめえ……!」
虎丸は顔をゆがめていたが、夜祖大神は言葉を続ける。
「……鬼神族の苦戦の通り、現状で四国を……伊予之二名島を攻めるは至難であろう。当面はここを攻めず、力を西に傾ける事とする」
夜祖の言葉と共に、虚空に日本地図が映し出される。地図はどんどん拡大され、九州地方が大映しになった。
九州各地の人間側や餓霊の戦力状況が表示されるが、特に阿蘇山のある辺りに、巨大な赤い円が輝いている。
「阿蘇は日の本でも屈指の龍穴。ここが完全開放されれば、我が軍勢は日の本全土を埋め尽くすだろう。さすれば勝利は時間の問題」
そこで扇子を持った女が、待ち切れぬように言を発した。
「ふふ、既に手はずは万全じゃ。わらわの可愛い子供達が、懐かしき故郷を取り戻してくれようぞ」
「はい、勿論でございます」
女の言葉に、今まで黙っていた別の男が頭を下げた。
「手はずは九分九厘終わっております。熊襲御前様の御名に恥じぬよう、迅速に鎮西を収めてごらんに入れましょう」
だがそこで、先程の毛皮を着た男が食い下がった。
「し、しかし、鬼どもは失敗したんですぜ。何かしらのけじめは必要かと」
「てめえ……あいてっ!?」
剛角は思わず声を上げ、刹鬼姫にゲンコツをくらった。
やがて角の生えた人影が口を開いた。
「……確かに我ら一族にも責めは必要だろう。剛角、紫蓮、貴様らはしばし鎮西で下働きをせよ」
「なっ……!」
剛角達は目を丸くし、刹鬼姫は遠慮がちに声を上げた。
「お、お言葉ですが双角天様、これらに責はありませぬ。罰を負うなら私めが……」
角の生えた人物は、そこで刹鬼姫の言葉を遮った。
「刹鬼よ、お前は呪詛で身を焼いた。しばし動くな、我が命じる」
「……か、かしこまりましたっ……!」
そうまで言われれば、刹鬼姫も引き下がるしかない。
夜祖と呼ばれた人影は、そこで一同を見渡して告げた。
「敵の神人は厄介であるが、策が無いわけではない。間もなく肥河の奴も動けるようになろう」
夜祖の言葉と共に、拝殿に大きな衝撃が走った。
凄まじい轟音が響き、彼方に見える山あいに、巨大な龍のような影がのたうったのだ。
通常の餓霊を遥かに越えるその巨体は、大口を開けて轟くような声で吠えた。
すると見る間に黒雲が押し寄せ、激しい雨が拝殿の屋根を打ち付ける。
夜祖は満足げに続けた。
「……人間どもが勝利に浮かれている間に、鎮西を攻め落とせ。全ては黒の御方様と、正しきこの世の秩序がためだ……!」
先に立って進みながら、剛角は後ろを振り返った。
遅れて歩く刹鬼姫は、まだ表情が優れないものの、気丈にこちらの問いに答える。
「……大した事ないね。口惜しいが、あたしじゃ完全な殲滅呪詛が作れなかった。本当に完成してれば、どうやったって助かるもんじゃないのさ」
「だから、そんな術使わんといてくれ姫さん。そんな思いつめんでも、次はわしがどかんと活躍してやるからのお」
「あんたのそういう所も悩みの種なんだよっ」
刹鬼姫はいつもの調子でツッコミを入れた。どうやら本当に回復してきているようだ。
2人が進むのは、やたらと広い石畳の参道である。
辺りは薄暗く、立ち並ぶ石燈籠の灯りだけが頼りである。
瓦葺きの随身門に差しかかると、屋根の鬼板に跨っていた小柄な鬼……つまり紫蓮が、身軽にこちらに飛び降りて来た。
念のため先に進んで、襲撃者の有無を確かめていたのだ。
「よお紫蓮、誰かおったか?」
剛角が尋ねると、紫蓮は首を振って答えた。
「いいや、今日はふっかけて来る馬鹿もおらん。さっさと謁見の間に行っとるんじゃろ」
随身門を抜け、石造りの鳥居を幾つも潜ると、巨大な木造建築に辿り着いた。人間どもの神社そっくりの拝殿である。
中には既に様々な外見の一族が集まっていたが、何人かが振り返り、あざ笑うような表情を浮かべた。明らかに鬼の失敗を喜んでいるのである。
「……くそっ、気が重いのお」
剛角が呟くと、刹鬼姫が小声でいさめた。
「……我慢しな剛角、責めを負うのはあたしだ。あんたらは黙っといで」
鬼達は草履を脱いで拝殿に上がると、板間にどっかと腰を降ろした。
拝殿の最深部、一段高い高座には、古式の簾である御簾が垂らされている。
御簾の奥には灯りが点され、そこに座す存在達を照らし出していた。
それぞれ大きさは人間大であるものの、その身は妖しく立ち昇る邪気に包まれている。
彼らは足つきのお盆、つまり懸盤から杯を持ち上げ、何度も酒を口に運んだ。
「……夜祖大神様。一同、参上つかまつりました」
頃合を見計らって、黒い衣服を着た青年がそう言った。
名は笹鐘といい、つい先日まで、餓霊軍四国統括守護代・爪繰の右腕だった男だ。
刹鬼姫は神妙な面持ちで頭を下げ、侘びの言葉を発した。
「此度の失態、全て私の未熟が故でございます。偉大なる黒の御方の栄誉を傷つけました事、深くお詫び申し上げます」
剛角や紫蓮も刹鬼姫に倣い、素直に手をついて頭を下げる。
「ケケ、元々鬼には無理なんじゃねえの?」
刹鬼姫の右隣にいた、虎柄の衣裳を着た男がそう言った。
やや小柄だが、髪は獣の毛のように逆立ち、顔は派手な戦化粧で彩られている。
「ノロマなてめえらじゃ駄目だ、俺が代わりにやってやろうか?」
剛角はさすがに頭にきて、思わずその場に立ち上がった。
「んだとコラ、もっぺん言ってみろや! 皮ひっぺがして腰巻きにしてやるよ!」
「よっしゃ剛角、わしも乗るぞ!」
紫蓮も身を乗り出したが、次の瞬間、拝殿全体を揺るがすような振動が起こった。
「……控えろ剛角。わしに恥をかかせるな……!」
御簾の奥に座す角の生えた人影が、低く唸るような声でそう言ったのだ。
鬼達は弾けるように飛びすさると、深々と頭を下げた。
刹鬼姫が一同を代表して言葉を発する。
「も、申し訳ございません。双角天様の仰せのままに……!」
角の生えた人影は、隣に座す相手にも声をかけた。
「無明、貴様も何か言え」
「…………虎丸、荒事は控えよ」
双角天の隣にいた長髪の人物がそう言うと、毛皮姿の男も姿勢を正した。
「し、失礼いたしましたっ! 無明権現様のお心のままに!」
御簾の中にはもう2人、別の人影も見てとれた。
一人は髪の長い和装の女性で、扇で口元を隠している。
もう一人は直衣姿に烏帽子を被り、いかにも平安貴族のような装いをした青年だった。
青年はその場を取り仕切る役目らしく、一同を代表して言葉をかける。
「案ずるな、刹鬼姫よ。相手は神人……道和多志の大鏡をはじめ、幾多の神器を有する敵の最高戦力である。故に処罰は考えておらぬ」
「ははっ、夜祖大神様の寛大なるお心遣い、我ら一同感謝いたします!」
刹鬼姫はこれ幸いと答え、再度深々と頭を下げた。
剛角と紫蓮もそれに続くが、剛角は頭を下げつつ、虎丸と呼ばれた男にあかんべをした。
「くっ、てめえ……!」
虎丸は顔をゆがめていたが、夜祖大神は言葉を続ける。
「……鬼神族の苦戦の通り、現状で四国を……伊予之二名島を攻めるは至難であろう。当面はここを攻めず、力を西に傾ける事とする」
夜祖の言葉と共に、虚空に日本地図が映し出される。地図はどんどん拡大され、九州地方が大映しになった。
九州各地の人間側や餓霊の戦力状況が表示されるが、特に阿蘇山のある辺りに、巨大な赤い円が輝いている。
「阿蘇は日の本でも屈指の龍穴。ここが完全開放されれば、我が軍勢は日の本全土を埋め尽くすだろう。さすれば勝利は時間の問題」
そこで扇子を持った女が、待ち切れぬように言を発した。
「ふふ、既に手はずは万全じゃ。わらわの可愛い子供達が、懐かしき故郷を取り戻してくれようぞ」
「はい、勿論でございます」
女の言葉に、今まで黙っていた別の男が頭を下げた。
「手はずは九分九厘終わっております。熊襲御前様の御名に恥じぬよう、迅速に鎮西を収めてごらんに入れましょう」
だがそこで、先程の毛皮を着た男が食い下がった。
「し、しかし、鬼どもは失敗したんですぜ。何かしらのけじめは必要かと」
「てめえ……あいてっ!?」
剛角は思わず声を上げ、刹鬼姫にゲンコツをくらった。
やがて角の生えた人影が口を開いた。
「……確かに我ら一族にも責めは必要だろう。剛角、紫蓮、貴様らはしばし鎮西で下働きをせよ」
「なっ……!」
剛角達は目を丸くし、刹鬼姫は遠慮がちに声を上げた。
「お、お言葉ですが双角天様、これらに責はありませぬ。罰を負うなら私めが……」
角の生えた人物は、そこで刹鬼姫の言葉を遮った。
「刹鬼よ、お前は呪詛で身を焼いた。しばし動くな、我が命じる」
「……か、かしこまりましたっ……!」
そうまで言われれば、刹鬼姫も引き下がるしかない。
夜祖と呼ばれた人影は、そこで一同を見渡して告げた。
「敵の神人は厄介であるが、策が無いわけではない。間もなく肥河の奴も動けるようになろう」
夜祖の言葉と共に、拝殿に大きな衝撃が走った。
凄まじい轟音が響き、彼方に見える山あいに、巨大な龍のような影がのたうったのだ。
通常の餓霊を遥かに越えるその巨体は、大口を開けて轟くような声で吠えた。
すると見る間に黒雲が押し寄せ、激しい雨が拝殿の屋根を打ち付ける。
夜祖は満足げに続けた。
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