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「おう、さっきのわっぱ。無事だったか」張本人は腕を組んで、いやらしく口元をゆがめた。背丈のせいか、堂々とした態度がさまになる。
「ちょうどいい、同じわっぱならこの連中を追いはらってくれ」
「さっきみたいに飛んで逃げられないのか」
「これをみよ」と袖をあげると、小さい手がいくつも掴んでいる。「みな、おそらく十に満たぬだろう。十歳まで神の身内。私は逆らえる立場にない」
これまでの高飛車な態度が消えていた。神さまとは人とはちがうルールの下で生きているものらしい。今まで、朝晩に水と飯を運んでいた一春には、意外な一面だった。
「じゃあ、このまましばらく遊んでいたらいい」
「日が暮れるまでこうしていろというのか。来燎火はどうする」
そういえば来燎火について、どういったものなのかはっきりと聞いたことがない。
大人は「子供が首を突っこむ内容ではない」と口を閉ざすばかりだった。だが今、自分がだれよりも来燎火に近くにいるとしたら、相手の姿形を知らないではすまない。
「ようし」一春はひとりの子を持ち上げて、肩に乗せるとそのまま走り出した。「それそれそれ!」すると別の子供が腰につかまったので、さらに持ち上げてみせる。くちばしの黄色い悲鳴が連鎖して、新しいおもちゃをみつけた子供たちはいっせいに一春を追っていく。束縛を解かれたろくめいは風船のように浮きあがった。笑って子供の相手をする男の子の姿に、いらだちに似たノイズが走る。はて、これはなんだったろうか。なにかの記憶があることはわかる。けれども、彼女が地に下りたのは今日が初めてで、人の世にかつての知り合いなどあろうはずがない。名前、容姿、雰囲気、なにも覚えていない。けれども、それらが昔にそろっていた場所の跡が、その脳裏にはっきりと残っている。
「どういったわけだろうか」このまま逃げだしてしまおうと思っていたのに、ろくめいはすっかりその機会を逸してしまった。
「川のようだな」
神は歩道橋の欄干に腰掛けていった。下の交差点では様々な種類の車がひっきりなしに続いている。一春もそれを眺めている。取れないが姿は見える川面の小魚をみている感覚を思いだした。
「あの、じどうしゃなるもの。早いな。そして堅く、冷たい」
「車だからな」
「知っているか、裏返してみたがずいぶん重いぞ」
「俺がみてないところでなにしてくれてんだ。それより……」
「来燎火か。姉さまが申した通り、人より神の道具に近いしろものよ」ろくめいは顔を向けていった。「その杆、猩々の如く紅。纓、狒々の舌の如く縷縷。頭に月牙を供えて、すなわち戟。振れば千万の火矢。逃ぐるべし。来燎火……。槍の握る柄の部分は輝くばかりに、柄と刃先の間の房は大猿の舌のように赤い。刃には三日月状の別の刃がついているので、槍の仲間の『戟』だとわかる。一度でも振り回せば、千や万の火矢に匹敵する。逃げよ、原を焼き尽くす火がくるぞ。ゆえにその名前は来燎火」
声は朗々と伸び、アクセントにはガラス玉が転がるような心地よさがあった。相手の意思が直接頭に届いている感覚に、一春ははじめて溺れた。
「もとはこの国のものではない。あらゆる戦道具は戦がなくなれば用済みだが、いくつかは好事家の慰みものとして秘蔵される。とくに目を奪われるばかりに赤く輝く長兵器なら見栄えは申し分ない。戦場より人の手を伝ってきたとみたほうがよい」
『そもそも来燎火を押さえつけるための一族が、水和木家なんだぜ。水は火に克つ、五行相克だ。火にかけて水が沸く、ゆえに』
「ゆえに水和木……」風呂場でヘビにいわれたことが、すんなりと腑に落ちた。一族の連鎖をもって縛りつけられてきたほどの武器。たしかになにも知らない子供が手を出していい要件ではない。腹の底に氷を当てられたように、気分が冷たく重たかった。その来燎火が今、くびきを引きちぎって飛びだしている。自分になにができるというのか。
「本当になにもできないのかい」
声なき声で問いかけたのは、一春の手の中にある石くれだった。篠笛先輩は石包丁だといったこれを、あの女神がなんの意図で渡してくれたのか。これが刈りいれの道具だとしたら、そもそも武器ですらない。これで来燎火と切りむすべとは、さすがにいうまい。
けれども、石はたしかに神と約束をした証拠のものだった。破棄するなら投げすてて、忘れなければならない。それも勇気のいることだろう。ただの石が、これほどのプレッシャーをあたえるとは。手の汗を石が吸いあげている。
「燎原の火はすさまじいぞ」ろくめいがぽつりと言葉を漏らした。
「草原も人家も畜生も分けへだてなく舐めていく。見ろ、ここに居並ぶ石の建物たちを。燎火は城壁さえのぼるぞ。中にはお前の知るものもあるだろう。人は理想では戦えん。まず手で触れられるもののために戦う。今も昔も変わるまい。他の誰でもない自分と親兄弟のため、他のどこにもない自分が住みくらした場所を守るために戦う。君主のため、国のため、あるいは金のためなどは、本来の変奏にすぎない。複雑に考えてしまったのなら、原点に立ちかえってみることだ」
まぶたの裏に、母代わりの伊豆見の後ろ姿が浮かんだ。腰掛けている篠笛先輩の姿が浮かぶ。新当主たる兄の姿がある。家の内外で立ち働く水和木家の従業員がおり、神農町を作る同業者がある。その町並みを目当てにくる観光客がいて、そのための各産業それぞれに人がいて、それぞれに大切な人がある。中には先ほど遊んでいた子供たちも含まれているかもしれない。
その一切が、自分の裁量ひとつで灰になる。一春は欄干に顔を伏せた。
「やる……」絞りだしたのは、結局最初と同じ言葉だった。やらなければしょうがない、などと捨て鉢な気持ちではなかった。なんの役にもたってこなかった自分に、今はじめて失敗すれば取りかえしのつかない役目が渡されようとしている。緊張感に押しつぶされているのは事実だ。しかし完全に圧死してはいない。わずかに一センチ、息をするだけの隙間があった。深く息を吐いて、へその裏側をふくらませるように息を吸う。そして
「やりますよ……」隙間に手をついて、男の顔を押しあげた。
「ろくめい、来燎火はみつかったか」
「新旧の町並みを巡ったがどこにも気配はないな」
「外へ飛びさったのか」
「名だたる名物は自分がもっとも活躍できる場を好む。来燎火なら戦場、あるいは戦道具と人が集中している場所だ」
「なら神農町の中にいるはずだ」
「力を発揮しやすいのは、やはり旧市街だろう」
「戻ろう」
「待て、わっぱ」一春のあごがつかまれ、ろくめいの顔がすぐそばに迫っていた。指を立てた力は、見た目よりずっと強かった。間近で見る相貌は、研ぎ澄まされた刃が頬を切り裂いていくような、恐ろしさと美しさが重なっていた。
「姉様の付けてくだすった名を、きちんと伝えていなかったな」伸ばした指先が一春の顔の表面に字をなぞっていく。「深山に鹿鳴く。その響きがこめられた現し身、ゆえにその字をあてて、鹿鳴だ。お前のは抑揚がちがう。次にまちがえたらこの素首をへし折るぞ」
顔をゆがませて濡れた歯をむいてみせるが、相手はお返しに鹿鳴の顔に指先で一文字を引いてみせた。
「そうか、俺は一春。水和木一春だ」
「立派すぎる名前だな。わっぱで十分だ」
「ちょうどいい、同じわっぱならこの連中を追いはらってくれ」
「さっきみたいに飛んで逃げられないのか」
「これをみよ」と袖をあげると、小さい手がいくつも掴んでいる。「みな、おそらく十に満たぬだろう。十歳まで神の身内。私は逆らえる立場にない」
これまでの高飛車な態度が消えていた。神さまとは人とはちがうルールの下で生きているものらしい。今まで、朝晩に水と飯を運んでいた一春には、意外な一面だった。
「じゃあ、このまましばらく遊んでいたらいい」
「日が暮れるまでこうしていろというのか。来燎火はどうする」
そういえば来燎火について、どういったものなのかはっきりと聞いたことがない。
大人は「子供が首を突っこむ内容ではない」と口を閉ざすばかりだった。だが今、自分がだれよりも来燎火に近くにいるとしたら、相手の姿形を知らないではすまない。
「ようし」一春はひとりの子を持ち上げて、肩に乗せるとそのまま走り出した。「それそれそれ!」すると別の子供が腰につかまったので、さらに持ち上げてみせる。くちばしの黄色い悲鳴が連鎖して、新しいおもちゃをみつけた子供たちはいっせいに一春を追っていく。束縛を解かれたろくめいは風船のように浮きあがった。笑って子供の相手をする男の子の姿に、いらだちに似たノイズが走る。はて、これはなんだったろうか。なにかの記憶があることはわかる。けれども、彼女が地に下りたのは今日が初めてで、人の世にかつての知り合いなどあろうはずがない。名前、容姿、雰囲気、なにも覚えていない。けれども、それらが昔にそろっていた場所の跡が、その脳裏にはっきりと残っている。
「どういったわけだろうか」このまま逃げだしてしまおうと思っていたのに、ろくめいはすっかりその機会を逸してしまった。
「川のようだな」
神は歩道橋の欄干に腰掛けていった。下の交差点では様々な種類の車がひっきりなしに続いている。一春もそれを眺めている。取れないが姿は見える川面の小魚をみている感覚を思いだした。
「あの、じどうしゃなるもの。早いな。そして堅く、冷たい」
「車だからな」
「知っているか、裏返してみたがずいぶん重いぞ」
「俺がみてないところでなにしてくれてんだ。それより……」
「来燎火か。姉さまが申した通り、人より神の道具に近いしろものよ」ろくめいは顔を向けていった。「その杆、猩々の如く紅。纓、狒々の舌の如く縷縷。頭に月牙を供えて、すなわち戟。振れば千万の火矢。逃ぐるべし。来燎火……。槍の握る柄の部分は輝くばかりに、柄と刃先の間の房は大猿の舌のように赤い。刃には三日月状の別の刃がついているので、槍の仲間の『戟』だとわかる。一度でも振り回せば、千や万の火矢に匹敵する。逃げよ、原を焼き尽くす火がくるぞ。ゆえにその名前は来燎火」
声は朗々と伸び、アクセントにはガラス玉が転がるような心地よさがあった。相手の意思が直接頭に届いている感覚に、一春ははじめて溺れた。
「もとはこの国のものではない。あらゆる戦道具は戦がなくなれば用済みだが、いくつかは好事家の慰みものとして秘蔵される。とくに目を奪われるばかりに赤く輝く長兵器なら見栄えは申し分ない。戦場より人の手を伝ってきたとみたほうがよい」
『そもそも来燎火を押さえつけるための一族が、水和木家なんだぜ。水は火に克つ、五行相克だ。火にかけて水が沸く、ゆえに』
「ゆえに水和木……」風呂場でヘビにいわれたことが、すんなりと腑に落ちた。一族の連鎖をもって縛りつけられてきたほどの武器。たしかになにも知らない子供が手を出していい要件ではない。腹の底に氷を当てられたように、気分が冷たく重たかった。その来燎火が今、くびきを引きちぎって飛びだしている。自分になにができるというのか。
「本当になにもできないのかい」
声なき声で問いかけたのは、一春の手の中にある石くれだった。篠笛先輩は石包丁だといったこれを、あの女神がなんの意図で渡してくれたのか。これが刈りいれの道具だとしたら、そもそも武器ですらない。これで来燎火と切りむすべとは、さすがにいうまい。
けれども、石はたしかに神と約束をした証拠のものだった。破棄するなら投げすてて、忘れなければならない。それも勇気のいることだろう。ただの石が、これほどのプレッシャーをあたえるとは。手の汗を石が吸いあげている。
「燎原の火はすさまじいぞ」ろくめいがぽつりと言葉を漏らした。
「草原も人家も畜生も分けへだてなく舐めていく。見ろ、ここに居並ぶ石の建物たちを。燎火は城壁さえのぼるぞ。中にはお前の知るものもあるだろう。人は理想では戦えん。まず手で触れられるもののために戦う。今も昔も変わるまい。他の誰でもない自分と親兄弟のため、他のどこにもない自分が住みくらした場所を守るために戦う。君主のため、国のため、あるいは金のためなどは、本来の変奏にすぎない。複雑に考えてしまったのなら、原点に立ちかえってみることだ」
まぶたの裏に、母代わりの伊豆見の後ろ姿が浮かんだ。腰掛けている篠笛先輩の姿が浮かぶ。新当主たる兄の姿がある。家の内外で立ち働く水和木家の従業員がおり、神農町を作る同業者がある。その町並みを目当てにくる観光客がいて、そのための各産業それぞれに人がいて、それぞれに大切な人がある。中には先ほど遊んでいた子供たちも含まれているかもしれない。
その一切が、自分の裁量ひとつで灰になる。一春は欄干に顔を伏せた。
「やる……」絞りだしたのは、結局最初と同じ言葉だった。やらなければしょうがない、などと捨て鉢な気持ちではなかった。なんの役にもたってこなかった自分に、今はじめて失敗すれば取りかえしのつかない役目が渡されようとしている。緊張感に押しつぶされているのは事実だ。しかし完全に圧死してはいない。わずかに一センチ、息をするだけの隙間があった。深く息を吐いて、へその裏側をふくらませるように息を吸う。そして
「やりますよ……」隙間に手をついて、男の顔を押しあげた。
「ろくめい、来燎火はみつかったか」
「新旧の町並みを巡ったがどこにも気配はないな」
「外へ飛びさったのか」
「名だたる名物は自分がもっとも活躍できる場を好む。来燎火なら戦場、あるいは戦道具と人が集中している場所だ」
「なら神農町の中にいるはずだ」
「力を発揮しやすいのは、やはり旧市街だろう」
「戻ろう」
「待て、わっぱ」一春のあごがつかまれ、ろくめいの顔がすぐそばに迫っていた。指を立てた力は、見た目よりずっと強かった。間近で見る相貌は、研ぎ澄まされた刃が頬を切り裂いていくような、恐ろしさと美しさが重なっていた。
「姉様の付けてくだすった名を、きちんと伝えていなかったな」伸ばした指先が一春の顔の表面に字をなぞっていく。「深山に鹿鳴く。その響きがこめられた現し身、ゆえにその字をあてて、鹿鳴だ。お前のは抑揚がちがう。次にまちがえたらこの素首をへし折るぞ」
顔をゆがませて濡れた歯をむいてみせるが、相手はお返しに鹿鳴の顔に指先で一文字を引いてみせた。
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