掟破りは甘党派!?

あ、あれは…

〝初めてな気持ち③〟

奪う…？
私を…？
それって…

──────
カチャカチャ

「よし！開いたぞ！」
「ありがとう…」
と言って私は檻から出る。
そして、スナイダーは私の手をとり…
「結婚してください」

なっ…何を妄想しているの私！
スナイダーがそんなこと…あるわけないし。
これが、恋というのね。初めてな気持ちです…

お父様、お母様、天使と言う名の頂点に立つ、レイタールは…悪魔に恋をしてしまったそうです。

──────スナイダー

うわぁ…言っちまったよ、俺…
レイタール…すげー焦ってるな…
うわぁ、本当に俺…

顔をぐしゃぐしゃにしながら言った。
でも…
なんかスッキリしたな。
これが恋ってやつ？ハハッ

「じゃ、じゃあ、今日はこれで…」

俺は別れを告げ、悪魔界へ戻っていった。
すると…

「何してるんですか！スナイダー様！」

ゲッ…見つかっちまった。
でも…こいつらは俺とレイタールがあってほしいって言ってたよな…

「レイタールと会ってたんだ」

「レイタール様と!?」

「あぁ…言葉という檻から解放してほしいって言ってたからな…」

「そうですか…では！」

と言って召使は外に出ていった。
…いや待てよ。あっちは、天界じゃないか…？

「まさかっ！」

俺は天界へかけ登った…すると…
召使は天界の方と話していた。
…やっちまった。

後日、そのことをレイタールに伝えた。

「知ってます…なので、私、今日別れを告げてこいと言われました。」
「…なんだって…!?」

そんな…俺のせいで…
責任は俺が取らなくてはな…
でも…これからどうやって会おうか。
きっと今もどっかで見てんだろうけど
…クソッ！

「レイタール！来い！」
「え!?」

スナイダーはレイタールの手を取り、悪魔界へ走って行く。
スナイダーの勘は当たっており、近くの木に隠れ、天界の者が見ていた。
天界の者は、悪魔界へスナイダー達を追いかけ、走って行く。

──────悪魔界

急いで屋敷に入り、召使に事情を話す。
そして…情報を伝えた召使は首を跳ねることになった。

がんがんがん！！

ドアが鳴る。
もちろん…誰一人開けない。
…だが天界の者だ。
ドアの鍵を魔術で開け、入ってくる。

『レイタール様をお返しください』

すごく冷静だった。
白く整った長い髪に、少し黄色がかった長いドレスを着ていた。
…レイタールには負けているが、美しい女性だった。

「返さなかったらどうする」
『掟を守らなかったもの同様、あなたをこの世界から消し去ります』
「ふーん」

いいかい、みんな。
俺は嘘はつかない。
「レイタール、俺は嘘はつかないからな」
「え？」
「レイタールは返さない！さぁ、早く帰れ！」
『そうですか…では、また後日』

ガンッとドアを閉め、帰っていった。

「スナイダー…あなた…」
涙目になりながらレイタールは言った。
「居なくなっちゃうの？」
「んなわけねぇだろ！」
「本当に？」
「あぁ…お前にまだ朝飯作ってもらってねぇからな」
照れくさそうにスナイダーは言う。
周りにいた召使がニヤニヤしながらみている。
『スナイダー様、御結婚式いつにしますか？』
「はぁ！？」
ワハハと笑いが起こった。