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極普通な日常
〝水曜日の昼休憩〟
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…昼休みだ!
私は他のクラスの友達のところへ向かう。
「なぽち~!」
「きゃー!アハハ」
〝ナルミ〟あだ名はなぽち。
ポチと呼んでいたが「ナルミの要素がない!」と言われたので「な」をつけたしこのあだ名だ。
なぽちは天然で、現在リア充。
スタイルがよく、モテモテな彼女。
…羨ましい。
「なぽちってさ、どんな告白されたことある?」
「えーと…歌と手紙と直接とメールかな」
「歌ぁ!?」
歌で告白だなんて…おとぎ話じゃないか。
そんなことをする人が本当にいるんだな…
「ま、断ったけどね~」
「はは!近所迷惑で終わったんだ」
爆笑が起きる廊下、すごく楽しかった。
笑顔の耐えないこの廊下に、あいつらがやってきた。
そう、ヤンキーだ。
他学年の階に行くのは階段までがセーフとされている。だが、彼らはヤンキー。戸惑うことなく廊下に入ってくる。
ヤンキーが来たことにより、男子まで静かになる。
なんとなくここに来た理由は分かる。
私を探しに来たんだ。
この前あんなことしたから…
そこにマイキはいない。また別の軍団だろうか。
だが、マイキの手下という事に変わりはない。
彼らの足の向く方向は、私だ。
今日の朝はマイキと約束したばかり。情報が届いていないのだろうか。
ヤンキー軍団には同じ黄組の先輩が三人揃っている。私の前に立つと、少ししゃがみ、目線を合わせてくる。
…小さい子扱いだ。
ヤンキーはもう怖くない。思う存分睨みつけた。
流石ヤンキーと言ったところだろうか、後退りなんてしない。用がないなら帰れって言いたかったが、口が開かない。まず、言おうとしたら相手が先に口を開いたんだ。
「マイキが呼んでる」
声の感じでは起こってない。優しかったし、少し微笑んでいた。マイキからの呼び出しというわけで、わざと優しく言ったのかもしれない。
これがいいことのなのか悪いことなのか区別がつかなかった。
私はなぽちに小さく手を振り、ヤンキーと共にマイキがいる視聴覚室に行く。
ヤンキーの一人は、私の腰に手を回し、しっかりとエスコートをしてくれる。
…いい人だ。
こんなに心優しい人なのに…なぜヤンキーに?
まず、私を今エスコートしてくれている人は、殴り合いをしていた人だ。
何が表で何が裏か分かんない…
視聴覚室に着く。教室にはマイキしかいなかった。電気はついていない。マイキはただ窓辺にすがって、色気を出していた。
ブラウスのボタンは上二つ空いていた。
「…なに?」
「来て」
手招きをするマイキ。側に行く私。
マイキが耳元で言った。
「今日は一緒に…」
「嫌だ」
マイキが言いかけた言葉。〝今日は一緒に帰ろう〟
あんなことがあったのに一緒に帰れるわけがない。それだけはお断りだ。
「えー」
「じゃあね」
マイキがわがままを言っている間に私は帰ろうとした。
…いる。
扉の前にはさっきのヤンキーが三人。
通れない。
どうにか頼めば通らせてくれるよね…?
「あの…」
「あ、すんませーん」
すんなりどけてくれた。私は急いで外に出る。
「おいバカ!なにどいてんだよ!」
マイキの怒鳴り声と同時にさっきのヤンキーが飛び出てくる。
私は急いで階段を駆け上がる。
「走りまセーン!」と言われても気にしない。私には今走る理由がある。
ヤンキーという訳で体育の授業もろくに受けてなかったんだろう。足が遅い。
私は教室に駆け込み、息を整える。
その時、ちょうどチャイムがなった。
私は他のクラスの友達のところへ向かう。
「なぽち~!」
「きゃー!アハハ」
〝ナルミ〟あだ名はなぽち。
ポチと呼んでいたが「ナルミの要素がない!」と言われたので「な」をつけたしこのあだ名だ。
なぽちは天然で、現在リア充。
スタイルがよく、モテモテな彼女。
…羨ましい。
「なぽちってさ、どんな告白されたことある?」
「えーと…歌と手紙と直接とメールかな」
「歌ぁ!?」
歌で告白だなんて…おとぎ話じゃないか。
そんなことをする人が本当にいるんだな…
「ま、断ったけどね~」
「はは!近所迷惑で終わったんだ」
爆笑が起きる廊下、すごく楽しかった。
笑顔の耐えないこの廊下に、あいつらがやってきた。
そう、ヤンキーだ。
他学年の階に行くのは階段までがセーフとされている。だが、彼らはヤンキー。戸惑うことなく廊下に入ってくる。
ヤンキーが来たことにより、男子まで静かになる。
なんとなくここに来た理由は分かる。
私を探しに来たんだ。
この前あんなことしたから…
そこにマイキはいない。また別の軍団だろうか。
だが、マイキの手下という事に変わりはない。
彼らの足の向く方向は、私だ。
今日の朝はマイキと約束したばかり。情報が届いていないのだろうか。
ヤンキー軍団には同じ黄組の先輩が三人揃っている。私の前に立つと、少ししゃがみ、目線を合わせてくる。
…小さい子扱いだ。
ヤンキーはもう怖くない。思う存分睨みつけた。
流石ヤンキーと言ったところだろうか、後退りなんてしない。用がないなら帰れって言いたかったが、口が開かない。まず、言おうとしたら相手が先に口を開いたんだ。
「マイキが呼んでる」
声の感じでは起こってない。優しかったし、少し微笑んでいた。マイキからの呼び出しというわけで、わざと優しく言ったのかもしれない。
これがいいことのなのか悪いことなのか区別がつかなかった。
私はなぽちに小さく手を振り、ヤンキーと共にマイキがいる視聴覚室に行く。
ヤンキーの一人は、私の腰に手を回し、しっかりとエスコートをしてくれる。
…いい人だ。
こんなに心優しい人なのに…なぜヤンキーに?
まず、私を今エスコートしてくれている人は、殴り合いをしていた人だ。
何が表で何が裏か分かんない…
視聴覚室に着く。教室にはマイキしかいなかった。電気はついていない。マイキはただ窓辺にすがって、色気を出していた。
ブラウスのボタンは上二つ空いていた。
「…なに?」
「来て」
手招きをするマイキ。側に行く私。
マイキが耳元で言った。
「今日は一緒に…」
「嫌だ」
マイキが言いかけた言葉。〝今日は一緒に帰ろう〟
あんなことがあったのに一緒に帰れるわけがない。それだけはお断りだ。
「えー」
「じゃあね」
マイキがわがままを言っている間に私は帰ろうとした。
…いる。
扉の前にはさっきのヤンキーが三人。
通れない。
どうにか頼めば通らせてくれるよね…?
「あの…」
「あ、すんませーん」
すんなりどけてくれた。私は急いで外に出る。
「おいバカ!なにどいてんだよ!」
マイキの怒鳴り声と同時にさっきのヤンキーが飛び出てくる。
私は急いで階段を駆け上がる。
「走りまセーン!」と言われても気にしない。私には今走る理由がある。
ヤンキーという訳で体育の授業もろくに受けてなかったんだろう。足が遅い。
私は教室に駆け込み、息を整える。
その時、ちょうどチャイムがなった。
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