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#9 一つ目の疑問②

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…やっぱり。

「ソウ…ソウが家出した理由…いや、逃げてきた理由って、親を殺したからだよね…?」
「は、はぁ!?」
大丈夫…私ならいける。ちゃんと…証拠はあるんだから!
「証拠はちゃんとあるよ」
「じゃあ教えろよ」

「親を殺した犯人は、私達が今いる場所に逃げてきたらしい。そして…その犯人は、母親のお金をすべて奪い、逃走したそうだ。」
「それだけで決めつけるのか!?」
「ううん、まだ終わってない。犯人は、親を〝プラスドライバー〟で殺したらしい。そして、傷口からして右利きだそうだ」
「確かに、俺は右利きだけど…右利きだったらたくさんいるだろ!?」

『そろそろ、白状してよ。私には、親が警察官という先輩がいるんだから。最新情報はもらってるの。現場に幸い落ちていたプラスドライバーには、指紋がついていたらしい。その指紋は…ソウのだったの』

「…っ、クソッ!上手くやったはずなのに!」
怒りに満ちたソウは、私を押し倒し上に乗る。
「殺されたくねぇなら、大人しく犯されろ!」
…そうか。
「…いいよ。でも、ちょっとトイレ行ってきていいかな。」
私はトイレに入る。
そして…
〝青い折り紙にソウの事を強く思いながら、濃く「死ね」と書いた。〟
…私は超能力者だ。これで父を殺したことがある。父は病気で殺し、ソウは今から謎の窒息死させる。原因不明を狙う為だ。
トイレから出ると、もう既にソウは死んでいた。
…さようなら、愛しき人。
残ったのは、私とハルとエトだけだ。
でも、エトはソウの遺体と一緒にふるさとへ帰るだろう。
…これからは私達、二人だけだ。

エトに兄の死を報告し、一応ホテル員に連絡。
もちろん悲しみをこらえているところもすべて演技だ。
エトはソウの遺体と一緒にふるさとへ帰っていった。

「ハルちゃん。これからは二人だよ。」
「うん」
「そろそろ、行方不明としてふるさとで広がる。今帰るのは危険だよ。」
「わかってる…私もう帰らなくていい。」
「本当に?」
「うん、今が楽しい」
「そっか」
少し安心した。
家が恋しかったハルも、結構成長している。
私達は、エトを見送り、部屋に戻っていった。

今回は一石二鳥だった。
1度に二つの疑問を解決することが出来た。
──────ソウの家出の理由
──────ソウの大量のお金
でも、この先こんな簡単に行くわけがない。
超能力だって、いつでも使える訳では無い。
本当にピンチな時や、自分の誕生日はよく出来る。
父さんの場合は、私の誕生日だ。
私の誕生日まで、あと一週間。
次はどんな疑問が来るのかな。
私はハルとコンビニに向かった。
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