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4.前立腺責め・エネマグラ
しおりを挟む待ちに待った週末。この日を定時で帰るためだけに、今週は毎日遅くまで仕事をがんばった。和馬は心を躍らせながらスマホを手に取る。
『仕事終わったから、今から向かうね』
メッセージを送り、いつものラブホテルへと車を走らせた。1週間ぶりに秋月に会える。期待に胸と下半身が膨らんだ。
「和馬さん、今日もご指名ありがとうございます」
「いえいえ」
秋月への想いを自覚をしたからか、一層彼が綺麗に見える。艶のある髪、透き通った肌、細いが華奢ではない体つき。慎ましやかな笑顔と言葉遣い。この細い指が自分を乱し、この薄い唇が自分を辱めるのだと、秋月の姿を見つめて熱い息を漏らした。
「そんなに見つめられると穴が開きそうです」
「え、ごめん!何でもないっ」
「ふふ、和馬さん、まるで私に抱かれたいみたいな顔」
「抱かれッ?!俺はずっとタチだったんだぞ?!」
「知ってますよ。でも私はどちらかと言うと和馬さんを抱きたい方ですけどね」
「へ・・・?」
秋月の言葉に頭がクラクラする。
(俺が秋月さんを抱くんじゃなくて、抱かれる?というか、抱いてくれるのか?いや、抱いて欲しいとかじゃなくて、俺とセックスできるのかっていう話で、それはもしかして・・・)
「そういうわけで、今日は後ろを開発しましょうね」
「そういうわけで、って・・・」
秋月の言葉に混乱しているところを手を引かれ、浴室に連れて行かれた。シャワーベッドをくるくると外す秋月に、和馬の顔面から血の気が引いていく。
「まさか・・・」
「お尻の洗い方、知ってますよね?」
「イヤアアアアア!!!」
和馬はベッドに仰向けになり茫然自失した。知識としては知っていたが、洗浄するのはもちろん初めてだ。自分に抱かれるネコの子達はいつもこんな大変なことをしていたのかと、改めて頭が下がった。幾分スッキリした腹をさすりながら、新しい扉を開けてしまったと遠い目で天井を見つめる。
「和馬さん、大丈夫ですか?まだお腹痛い?」
「うぇっ!大丈夫、す・・・」
突然見下ろしてきた秋月に驚くと、そのびびりように秋月が小さく笑った。
「じゃあうつ伏せになってください」
「う、本当にやるの?」
「はいっ」
ゴム手袋をつけながら、秋月がにっこりと笑う。その笑顔も綺麗だと見惚れつつ、和馬は諦めてうつ伏せになった。
緩く足を開かれ、その間に秋月が座る。温かい吐息を感じた次の瞬間には、そこを舌で舐られていた。
「は、っあ、あ」
「ここ、舐められるとすぐ声出るようになっちゃいましたね」
「う~~~~~」
じゅるじゅると吸われながら入り口を舌が撫で回す。ぬるついて温かいそれの感触に、体がぶるぶると震えた。勝手に跳ねようとする腰を抑えることができない。
「はぁっ、う、あっ」
「入り口とろとろ」
秋月が何度も尻やふぐりにキスをする。恥ずかしくて閉じた目の中が真っ赤になるが、正直な陰茎からは先走りが滲み続けていた。
音を立てて舐められると腰の奥からなんとも言えない甘い疼きが湧いてくる。思考がぼやけて目の焦点が合わない。
「あ・・・はぁっ、うう」
「ん、お尻気持ちいいね、和馬さん」
「う、う、あ」
窄まりがふやけて、和馬の口から意味のある言葉が発せられなくなるまで、秋月はそこを舐め続けた。
ふと温かい吐息が離れ、そこに指を当てられる。和馬の尻に思わず力が入ったのを見て秋月がそっと太ももを撫でた。
く、ちゅ。
濡れた音と共に、中に侵入される。
「うっ」
たった指の一本でも異物感が凄まじい。あれだけ疼いていたはずなのに、和馬の額には脂汗が滲んでいた。
「ゆっくり息をしてください。まだ動かしませんから、大丈夫」
「う、ん、っはー・・・、はー・・・」
深呼吸をする和馬の背中を秋月が優しく撫でる。少しずつ緊張が緩んできたのを見計らって、中の指をぐるりと動かされた。
「はっ、うー・・・」
秋月がローションを足し、くちゅくちゅと小刻みに指を揺する。ぎちぎちに締まっていたそこは少しほぐれて、秋月の指を喰むように蠢いていた。
「痛みはなくなりましたか?」
「ん、ッ、でも、なんか、変な感じ・・・っ」
「もう少し我慢してくださいね。すぐに気持ちいいところ見つけてあげますから」
そう言った秋月の指が探るように動き始める。手前から少し奥まで浅く押し込みながら前後され、体の内側をかき混ぜられるような感覚に和馬の腰がぶるぶると震えた。すぐにそこは秋月の指に見つかり、和馬の背が大きくしなる。
「ゔああッ!そ、こぉッ!!」
「はい、和馬さんの前立腺はここですね。よかった、感じられる人で」
前立腺の刺激は快感を感じる人とそうでない人がいるらしい。秋月が見たところ和馬は間違いなく前者である。初めて感じる強烈な快感に呻きながら、和馬は勝手に振り乱れる腰を必死に抑えようとしていた。
「あ゙あ゙ッ、無理、動かさな、ゔん゙ん゙ッ!!」
「ここ気持ちいいですね。痺れるでしょう?」
「あ゙あ゙!ぐ、っお゙お゙お゙ッ」
どれだけ身を捩っても秋月の指は止まらない。規則的にそのしこりを押し込み続ける。和馬が枕を抱き込んで腰を揺すっているとその指はいつしか二本に増やされていた。
「ああっ、あああっ、俺、こんなッ、あ゙あ゙あ゙ッ!」
「たくさん気持ちよくなってください。ほら、前立腺、挟んでこりこりしてあげます。和馬さん、お尻気持ちよくてたまらないですね?」
「あ゙ーーーッ!それ、だめ、だああああッ」
秋月の指が腫れた前立腺を挟み、ぐにゅぐにゅと揉み合わせる。途端に和馬の背が弓なりに反りかえった。神経を直接嬲られているような刺激に涙があふれる。
「あ゙ーーーッ!あ゙ーーーッ!!」
「ふふ、お尻でイッちゃいそう」
「は、は、あ゙あ゙あ゙ッ、い゙、イく、かもぉ、やばい、やばい、秋月さ、んッ!あ゙あ゙、お、れ・・・っ」
「和馬さん、ずっとタチだったのにお尻気持ちよすぎて泣いてるの?可愛い・・・お尻でイクイクして?ほら、気持ちいい、イッちゃうよ、もうイッちゃう・・・」
「あ゙、あ゙、おれ、タチなのに、尻で、イッちゃ、う!イッ、あ゙あ゙、イくッ、イ゙、ぐ、ん゙ーーーッ!!」
和馬の尻にぐっと力が入り、シーツに何度も腰を押し付けながら痙攣した。後孔は激しく収縮し、動き続ける秋月の指を食い止めるようにひだが絡みつく。
「あ゙、あ゙、あ゙」
「和馬さん、お尻でイッてる・・・はあっ」
「ん゙あ゙あ゙、ゆび、と、とめ、てっ!や、また、あ゙あ゙、だめ、イくッ!あ゙ーーーッ!!!」
「は、は、すごい、連続で」
「やばい、あ゙あ゙ッ、たすけ、お゙ッ、ん゙ん゙ーーー!」
絶頂に痙攣する前立腺を指で捏ねられ続け、和馬が何度も体を硬直させ弾けた。震える両脚で何度もシーツを蹴る。腰が勝手に揺れるせいで、先走りや精液でぐしゃぐしゃのシーツに陰茎が擦り付けられ、ぬるつきが増した。
「ぉ゙ーー・・・っ」
しばらく絶頂に放置されて和馬の意識が朦朧となってきた時、後孔にまた指が増やされた。三本の指を飲み込んだそこが生き物のようにうねっている。
「中、もうとろっとろ。すごく気持ちよさそう・・・」
「ぁ゙、も、無理・・・指、ぬいて、ぇ」
「だーめ」
「ん゙あ゙あ゙あ゙っ、そこ、やめえええッ!お゙ん゙ん゙ッ!」
前立腺を抉られそのまま揺らされた。体が制御できず、勝手にガクガクと腰が振れる。そのまま腰を突き出し、獣のような雄叫びをあげた。後ろの快感に集中しすぎて柔らかいままの陰茎から、ぼとぼとと先走りの塊がシーツに落ちる。
「お゙あ゙ーーッ!あ゙ーーー!し、ぬ・・・っ!」
「大丈夫、死にませんよ」
「あ゙あ゙、それ、やだああッ!!」
楽器を弾くように三本の指をバラバラに動かし前立腺を弾かれた。一向にやまない快感に和馬の喉から悲鳴があがる。まるでセックスしているかのように激しく空腰を打ち、何度も腰を痙攣させて極まった。
「あ゙、あ゙、また、イ゙、く、イクイク、あ゙ーー!!」
「イくの止まらないね。和馬さんこれ好きなんだ」
「嫌っ、嫌あああ・・・っ、も、イキたく、な、いいい、ん゙ん゙ん゙っ」
浅くゆっくりと前立腺を捏ねるように揉まれると思考が蕩けて何も考えられない。跳ねていた体がシーツに沈み、小さく体が震える。腰の奥からどろどろに溶けるような甘すぎる快感に目の前が真っ赤に染まった。
「秋月さん、秋月さん、っ、ああ・・・っ」
「ゆっくりされると蕩けちゃうんだ。可愛い」
「尻、すご、い、ああ、またっ、おれ、また、ゔ~~~!」
「イッちゃう?」
「い、イく、ゆっくり、イ、く、イく、あ゙あ゙あ゙っ!これ、だめ・・・ッ!」
じーんと体に暖かい快感が染み渡り、指先がぴりぴりと痺れる。頭は真っ白になってチカチカと明滅した。長くて深い絶頂。体を覆う小さな痙攣は徐々に大きくなり、全身で絶頂の波に耐える。腰を2、3回激しく突き出してそのまま硬直した。萎えた陰茎の先からどぷっと精液が漏れる。
「ーーー・・・ッ!ぉ゙、ん・・・ッ!」
精液を出し切ったのを確認し、秋月がゆっくりと指を抜いた。和馬は自身の体液に濡れたシーツに体を沈め、冷たさに体を震わせる。起きあがろうにも未だ痙攣する両脚は言うことを聞いてくれそうになかった。
「どうですか?お尻、よかったでしょう?」
「ん、やばい・・・まだ、中で動いてる、感じ」
秋月が和馬を抱き起こし、ヘッドボードにもたれて後ろから抱き抱えられる。後ろからキスをされ、余韻の残る後孔がきゅんきゅんと締まった。
「もっと気持ちよくしてあげますからね」
「ぁ、もういいって・・・」
秋月がベッドの横に置いている鞄に手を伸ばしている。力の入らない腕でそれを静止しようとするが、唇を塞がれ舌を絡めとられるともう何もできなかった。
秋月の手には奇妙な形をした器具が乗っている。T字と言っていいのか、縦に長い部分はゴツゴツとした波型で太さがあった。対して横に伸びている部分は両端が歪曲しており、こちらは細い。秋月とのキスで蕩けた和馬は、太い方にローションを垂らす秋月をぼんやりと眺めた。
「和馬さん、少し腰を上げてください」
「んん・・・」
「いい子」
言われたとおりに腰を上げた和馬に、ご褒美だとまた舌が絡められ唾液を流し込まれる。うっとりとそれを飲み下していると、後孔に圧迫感を感じた。それは先ほどまでの指よりは細く、根元まで難なく飲み込めた。中に入っていない細い方を秋月が手に持って角度を調整し、湾曲した部分を会陰に食い込ませる。
「んぅ」
「ちゃんと全部入りましたね。えらいですよ」
「は、は、は」
秋月に頭を撫でられ、またキスをされる。後孔の圧迫感よりも心地よさに気がとられ、そちらに夢中になった。キスを深めながら秋月の手が腹や脇腹をゆっくりとなぞる。耳や首筋に舌を這わされ胸の突起を優しく擦られると、ぞわぞわとした快感に和馬が足をもじもじと擦り合わせた。
「は、っあ、ん、っ」
「和馬さん、お尻、ゆっくり、ぎゅーって力入れて」
「ん、んん・・・あ゙あ゙、んッ!?あ、あ、あ、なに!!」
そこに力を入れると、突然入れられたものが前立腺を叩き始めた。ぐいぐいとピンポイントに抉られ、和馬の上半身が伸びあがる。両脚はきつく閉じて痙攣していた。
「や、なに、ああ、あ゙あ゙あ゙っ」
「上手に動かせてますね。エネマグラに前立腺トントンされるの気持ちいいでしょう」
「は、はあっ、や、ん゙ん゙ッ、とめて、あ゙あ゙だめッ!」
「とまらないですよ、和馬さんのお尻が動かしてるんですから」
「う、そだぁッ!あ゙あ゙、ん゙ん゙ッ、無理、はああっ」
「嘘じゃないですよ。ほら、おっぱいも触ってあげますね」
「やああッ、ん゙ーーーッ!」
脚を伸ばさないよう膝を曲げさせられ、緩く開かれる。力を入れて痙攣を誤魔化していたのに、それができなくなってぶるぶると両腿が激しく震えた。エネマグラだけでじっとしていられないくらい気持ちいいのに、耳元で囁いたりキスされながら敏感な胸まで摘まれると和馬の口から涎が垂れて止まらない。乳首の先端の窪みを優しく擦られ腰が浮いたところに前立腺をエネマグラに抉られて腰を引く。ベッドに両手をつき、上半身を秋月に預けてガクガクと腰を振り乱した。
「あっ、あっ、あっ、あっ」
「和馬さん、気持ちいいね?」
「あっ、あっ、気持ち、い、ああ、ああ、イく・・・っ」
ベッドに平行になるほど腰を高く掲げ、和馬が絶頂に登り詰める。もう前で達することは諦めたのか、陰茎はずっと萎えていた。揺れる腰に合わせて振り回されている陰茎が、透明の汁をだらだらと垂らしているのを見て秋月が微笑む。
「お尻だけで気持ちよくなれてえらいですよ」
「あ゙あ゙!あ゙ーー、イッてる、イッてる、のにぃ!イくの、止まんな、あ゙あ゙あ゙ッ!やばい、あ゙あ゙、また、おれ、イ゙ぐ、イ゙ぐぅッ!ん゙ん゙ーーーッ!!」
「ここからが気持ちいいですよ。何回でもイッてください」
「や゙ぁ、む、り、お゙お゙お゙ぉ゙ぉ゙ッ」
絶頂しながら絶頂している。エネマグラに抉られ続け、こりこりに腫れた前立腺は痙攣し続けていた。秋月の手が硬直したり波打ったりと落ち着かない和馬の体を撫で上げては胸の突起を弄ぶ。和馬はたまらなくなって身をくねらせながら後頭部を後ろの秋月に擦り寄せた。
「もう、だめ、はあああ、っんん、ああ、ああっ」
「気持ちよくてとろとろの和馬さん、可愛すぎ」
「はあああッ、またぁ、ああ、ッ」
「またイッちゃう?お尻でイクイクしちゃう?」
「んん、んん、も、お尻で、イクイク、する、ぅ、あ゙あ゙ッ」
「あー可愛い、はあっ」
和馬がまた絶頂の波に呑まれ始めると、腰あたりにあった秋月の陰茎がごりっと強く押し付けられた。
「あ゙あ゙あ゙ッ!イ゙ッて、る、ぉ゙ーーー・・・っ」
「は、は、和馬、さんっ」
秋月がそれを擦り付けながら息を乱している。その硬く張り詰めたものを感じて、和馬の後孔がきつく引き締まった。一段と深く抉ったエネマグラに前立腺を強く叩かれ、和馬の腰がしなる。
「うああああッ!も、だめええええ!」
「はっ、はっ、和馬さん、ゔ、出、るっ」
秋月の乱れた息が耳にかかってゾクゾクする。強く抱きしめられキスされると、まるで秋月に抱かれているかのように錯覚した。ゴリゴリと擦り付けられるそれに目が眩む。愛しげに首筋に吸い付かれ和馬の腰が戦慄いた。
「あ゙あ゙ッ、秋月さ、ん、好きっ、好きだぁっ」
「ゔ、ぁ゙、和馬さんッ」
絶頂の中で朦朧とそれを口にすると、背中に秋月の熱いものがぶちまけられた。何度もかかるそれと秋月が快感に呻く声に、和馬の体が沸騰し一層高いところに連れていかれる。秋月が後孔からエネマグラを抜いても、余韻で何度もびくびくと体を揺らした。
ひくひくと蠢き続けるそこに秋月の指が深く埋められる。それだけでのけ反って全身を硬直させる和馬を宥めながら、前立腺の奥を指で捏ねられた。
「あ゙ぁ゙ぁ゙・・・!ーーーッ!」
「もう何してもイッちゃいますね」
「ああッ!秋月さん、あ゙あ゙ッ、また、イく、イく、好き、あ゙、お゙ぉ゙ぉ゙ッ」
「・・・っ」
頭を振り乱し、反乱狂になって和馬がまた絶頂の波に呑まれる。もう何を言っているか自分でもわからない。好きな男が自分を快感でぐちゃぐちゃにしている。もっと秋月の好きにしてほしい。秋月も自分で気持ちよくなってほしい。指では足りない。もっと秋月を感じたい。
「秋月さ、ん、ゔ、あ゙ーーー・・・っ!」
「和馬さん、っ」
秋月に抱きすくめられ唇を塞がれる。秋月の指が前立腺を優しく捏ねた。視界が涙で滲んでしだいに真っ白になる。全身が痺れた後に暖かいもので満たされ、そのまま意識が溶けていった。
「ん、あ・・・?」
和馬の意識が戻った時にはどろどろの体は綺麗になっていた。秋月の腕に抱きしめられているのがわかって急に恥ずかしくなる。身じろぎした和馬の顔を秋月が覗き込んだ。
「体、大丈夫ですか?」
「う、ん」
秋月の腕から逃れることは許されず、そのまま閉じ込められる。なんだかじっとしていられなくて、和馬の口が勝手に開いた。
「つーか、尻ってこんなに良かったんだな」
「和馬さんなら気に入ってくれると思ってました」
「いやー、マジで秋月さんすごすぎ。尻じゃないとイケなくなるかと思った」
「ふふ、タチに飽きたらいつでも店に来てくださいね」
にっこりと笑う秋月に、和馬の胸が締め付けられる。客とボーイの関係だときっぱり線を引かれた気分だ。
「俺、秋月さんになら抱かれてもいいかと思っちゃった」
「・・・光栄です」
「なあ、俺に、入れてみる?」
「ふふ、嬉しいお申し出ですが、私はセックスNGでやってるので」
勇気を出して言った言葉はばっさりと切り捨てられた。噛み締めた唇から勝手に言葉があふれていく。
「キスはNGでもしてくれるのに」
「和馬さん・・・」
「俺、秋月さんのこと、好きだよ。客としてじゃなくて、秋月さんに触れたいし、触れられたくなった」
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「俺は、秋月さんが、好きだ」
「だからそれは」
「今日は、もう帰る」
砕けそうな腰をなんとか支えながら服を着る。振り返りたくなるのを必死に堪え、ラブホテルの部屋を出た。オートロックの鍵が閉まる。
「和馬さん・・・っ」
秋月の口から絞り出された言葉は、閉じた扉の向こうには届かなかった。
4、終わり。
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