上 下
82 / 89

一年後(その七)♡

しおりを挟む

「ひゃあぁっ!」

 ふたりの姿を確認すると、すぐに湯船に飛び込んだ。

「熱いっ! うっ、違う、ヌルい……」

 でも出るわけにいかない。そこには裸の錬と環くんがいるし、なにより私がすっぽんぽんなのだから!

「ユリちゃん、大丈夫? まだぬるかった?」

 環くんが、ぬけぬけとそんなことを言う。

「ひどいよ、環くん。シャワーを浴びろって、ゆっくりしたらいいなんて、こういうことだったの? だますなんて、ほんとにひどいっ!」

 そりゃあ、私だって……そのぉ、することは、考えたけど……?
 でも、これは……こんな、お風呂に一緒に入るなんて、考えてなかったもん!
 
「環、お前そんなこと言ったのか? ひどい奴だな」
「ちょっと錬。僕だけ悪者にする気? 順番変わるけどいいかって、最初に言い出したのは錬のほうだよ? ひどいよ、僕だけに罪を着せようとするなんて」
「俺はこんなだますようなマネはしてねーよ? ただ、ユリがあまりに可愛いこと言いだすから。メシより先に抱きたいとは思ったけど?」
「同じことでしょ。結局ユリちゃんを抱きたいんだから。だったら逆に僕を褒めてよ。ユリちゃん、絶対シャワー浴びなきゃ嫌だって言うだろうし、こうなれば一石二鳥でしょ」
「……なるほど、そうか。頭いいな、環」
「でしょー?」

 ふたりは私を無視してどんどん会話を進めている。
 なんとか今のうちにこっそり出られないかな。
 湯船の端から出ようと試みるが……いや、無理でしょ、無理っ! この状態でこっそり出られないって!
 ふたりは盛り上がって会話をしつつ、シャワーを浴びている。
 その間にお湯は温まり、体のほうもだいぶ温まってきた。

「あのー、私、そろそろ、出たい、かな……?」

 そう言うと、キュッとシャワーのハンドルを止め、ふたりが湯船に入ってくる。

「やだー……こないで……」

 背中を向け、壁際に張り付くが、そうなるともう逃げ場はない。
 縮こまっていると、右側から錬に抱き締められる。

「ユリ、一年……長かった。ずっと、会いたかった」

 左側からは環くんが抱き締める。

「ユリちゃん、髪を切ったんだね? 可愛いよ」
「あ、あの、私……」


   * * * * * *


 錬が右手で私の顔を自分のほうに寄せると、キスをする。
最初は軽く、でもすぐに舌が入ってくる。

「ん、むう」

 しばらく舌をネットリと絡め合う。

「ユリ、もっとちゃんと顔見せて」

 錬がキスを続けようとすると、環くんが遮る。

「ユリちゃん、ダメ。今度はこっち」

 環くんは両手で私の頬を押さえると、有無を言わさず舌を絡めてくる。

「うっ、んん……はあっ」

 ネチャネチャと音を立て、息も荒く絡め取られる。
 錬の手が後ろから胸を優しくまさぐる。

「あっ、んっ!」

 思わず声が漏れると、環くんがその先端に吸い付く。

「ああっ!」

 舌先でコロコロと転がすと、今度は唾液たっぷりに乳房を舐め回す。

「あっ、ああ、いやっ」

 すると、錬の手がお尻を滑り抜け、中央のくぼんだ部分に触れる。

「あっ! いやぁ……錬、そこ……だめ……」
「ユリ、もうヌルヌルしてるぞ。お湯の中でも、わかる」

 錬の指先が前後に小刻みに動くと、腰がそれに合わせて勝手に動き出す。

「あっ、はぁん」
「はっ、ユリ。いやらしいな。腰、動いてるぞ」
「ううっ、やだ、イジワル……」

 涙声でそう言うと、環くんがいきなり私の腰を持ち、そのままグイッと手前に持ち上げる。

「⁉︎」

 反動でお湯の中に落ちそうになった私の頭を、錬が慌てて支える。
 お湯の中では、体はまるで無重力のように簡単に環くんの自由にされる。
 環くんは私の両腿を自分の両肩に乗せると、そのままとろけ始めた真ん中部分に顔を埋めた。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

とある高校の淫らで背徳的な日常

神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。 クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。 後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。 ノクターンとかにもある お気に入りをしてくれると喜ぶ。 感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。 してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。

【なろう400万pv!】船が沈没して大海原に取り残されたオッサンと女子高生の漂流サバイバル&スローライフ

海凪ととかる
SF
離島に向かうフェリーでたまたま一緒になった一人旅のオッサン、岳人《がくと》と帰省途中の女子高生、美岬《みさき》。 二人は船を降りればそれっきりになるはずだった。しかし、運命はそれを許さなかった。  衝突事故により沈没するフェリー。乗員乗客が救命ボートで船から逃げ出す中、衝突の衝撃で海に転落した美岬と、そんな美岬を助けようと海に飛び込んでいた岳人は救命ボートに気づいてもらえず、サメの徘徊する大海原に取り残されてしまう。  絶体絶命のピンチ! しかし岳人はアウトドア業界ではサバイバルマスターの通り名で有名なサバイバルの専門家だった。  ありあわせの材料で筏を作り、漂流物で筏を補強し、雨水を集め、太陽熱で真水を蒸留し、プランクトンでビタミンを補給し、捕まえた魚を保存食に加工し……なんとか生き延びようと創意工夫する岳人と美岬。  大海原の筏というある意味密室空間で共に過ごし、語り合い、力を合わせて極限状態に立ち向かううちに二人の間に特別な感情が芽生え始め……。 はたして二人は絶体絶命のピンチを生き延びて社会復帰することができるのか?  小説家になろうSF(パニック)部門にて400万pv達成、日間/週間1位、月間2位、四半期/年間3位の実績あり。 カクヨムのSF部門においても高評価いただき80万pv達成、最高週間2位、月間3位の実績あり。  

お知らせ有り※※束縛上司!~溺愛体質の上司の深すぎる愛情~

ひなの琴莉
恋愛
イケメンで完璧な上司は自分にだけなぜかとても過保護でしつこい。そんな店長に秘密を握られた。秘密をすることに交換条件として色々求められてしまう。 溺愛体質のヒーロー☓地味子。ドタバタラブコメディ。 2021/3/10 しおりを挟んでくださっている皆様へ。 こちらの作品はすごく昔に書いたのをリメイクして連載していたものです。 しかし、古い作品なので……時代背景と言うか……いろいろ突っ込みどころ満載で、修正しながら書いていたのですが、やはり難しかったです(汗) 楽しい作品に仕上げるのが厳しいと判断し、連載を中止させていただくことにしました。 申しわけありません。 新作を書いて更新していきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 お詫びに過去に書いた原文のママ載せておきます。 修正していないのと、若かりし頃の作品のため、 甘めに見てくださいm(__)m

明智さんちの旦那さんたちR

明智 颯茄
恋愛
 あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。  奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。  ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。  *BL描写あり  毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。

処理中です...