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シーズン1 始まりの街
1-1 白沢茜は、オワコンゲームの続きが欲しい
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「今日もないかー。はー」
そう、私こと白沢茜は、大きな岩山に近づき。
その奥の、『遠くに王都が見えている』。黒い森へ行こうとして。
――ソーリー。ここから先のエリアは、開発中です。もう少しお待ちください。By『ファンタジア・エルドーン』開発スタッフ一同。
っというメッセージに、ため息が出た。
(もうずっとじゃん。半年ずっとこうじゃん。続きでないのかなァ……はァ……)
もう半年も、『始まりの街』と、『静かな森』、『岩山』を行き来して。新しい追加エリアが来ないかを確かめているが。
絶賛敗北中だ。
つらい。これはつらい。
新しいエリアが全然来なく。始まりの街と、その周辺しかないのが、マジでつらい。
半年前までは世界ユーザー300万人の超人気ゲーだった『ファンタジア・エルドーン』が、いまやユーザー300人という『過疎ゲー』となってしまったのがつらい。
(半年前は、学校の全員がやってたのに。今じゃ、私と桃と唯しかやってないしなァ)
平均ユーザー100万人と言われるVRMMO界隈で、300人とは、そういうこと。
仲のいい友人たちは『いつまで待ってもエリアこないし。別のゲームするわ』と、他のゲームをやっている。
まァ気持ちは分かる。
半年あれば、他のゲームも出るし。普通に面白そうなのや、やってみたい! と思わせるゲームも出てくる。
かくいう私も、前より夢中でこのゲームをやっていない。
数日前に、大手のゲーム会社から出た、『スマホにモンスターを入れて旅するゲーム! スマモー・シリーズ』の最新作が出て、そっちに情熱が傾いているのだ。
(桃や唯も、スマモーやってるし。なんなら、学校でも流行ってるし。やっぱ、スマモーの方を遊んだほうが楽しいかなァ)
皆とわいわいできるし、可愛いモンスターを育てて、勝てば楽しい。
スマモーって、いいよね!(唐突なダイマ)
……でも、それはそれで悲しいのだ。
このゲーム。『ファンタジア・エルドーン』は、マジで楽しいゲームだったから。
・桃
なんか変化あった~?
ちな、森ィ~。特になんもなしー。
モンスターもいつも通り~。
でも、猫ちゃんたちが、モフモフしてるのが、めっちゃくぁいい!! スクショ取りまくり!
モモンガ・モンスター親子の、一家・空中飛行団らん! 可愛すぎ!
昨日まで三兄弟だった間抜け面・ビーバーたちに、まさかのもう一人の弟が!? いっしょにアホ面で泳いでるのマジ可愛すぎィィい!!
ああああ~~~♡♡♡!!! スクショとまらないのぉぉお!!! んっほおおお~~~♡♡♡!!!
他はなし。スヤァ。
・唯
寝るな。可愛いモンスターとそれ以外で、テンションを上げ下げするな。落差で風邪ひくわ。
始まりの街も変化なし。街の人も、NPCも変化ないわ。
脇道通りの薬屋で働いている、ジョン君の膝小僧だけが救いね。うへへ///
・茜
岩もなし! 解散! もー、いつになったら次のエリア来るのよぉ~!
桃、スクショナイス! あほあほ・ビーバーズ可愛い! あああ~~~♡♡♡
あと、唯。あんまりやったら捕まるから。自重しようね?
・桃
それなー。確かにこのゲーム。景色も人も、動物も♡! モンスターも!!! めっちゃビジュアル凄いけど!
魔法の演出とか、技のエフェクトも派手で、それが人気の一つだったけど。
犯罪行為はだめー。
・唯
大丈夫。今、牢屋だから。
・桃&茜
もう捕まってた!?
(何やってんだ。あのショタコン)
そう思いながら、私は岩山から降りた。
桃の言う通り、このゲームが人気だったのには、景色や人、エフェクト表現が素晴らしかったのもある。
配信もOKで、ただモンスターとバトルしたり、お使いクエストをやるだけでも、『綺麗!』『美しい!』『マジでファンタジーじゃん!』『モンスター可愛い! カッコいい!!』と大人気だった。
まァ、それによって唯のような『ショタを見守りたい』とか。
『ギルドの受付嬢を見守る会』とか、『始まりの街ナンバーワンの女NPC決定戦』とか、『めっちゃ可愛い娘見つけクラブ』とか、『ダンディーなおじさま♡! みっけ隊』とかいう、業の深いクランも誕生したが。
裏を返せば、それほどゲームに熱中する人が、多く生まれたということで。
ファンタジア・エルドーンには、人々を虜にする。
美しいファンタジーが、あったのである。
私も、その美しさにハマった一人であった。
……まァ、その美しさも、『半年なにもない』には勝てなかった訳だが。
(でも、好きなんだよなァ。この美しい森とか、街とか。ごつごつして、空気も変わる岩山の雰囲気とか)
ぶっちゃけ、散歩ゲーとしては神ゲーである。
時間経過で、朝・昼・夜があり、それに応じて、景色も変わる。
太陽があることで、光り輝く美しい景色が見え。
月と漆黒の夜で、見入るような美がある。
街に行けば、人が織りなす景色に、にぎやかさを楽しめて。
森に行けば、自然や動物、モンスターの生態なんかが見えて、引き込まれる。
見れば見るほど、新し発見と気付きがあって楽しい。
マジで飽きることのない、散歩ゲーだ。
散歩ゲーム部門があれば、1位に輝いただろう。
それくらい、面白いゲームなのである!!!
……VRMMOとすれば?
続きがないゲームに、価値はあるんですか?(禁句)
まァ、そういうことだ。ええ。
(明日には、いや、今年中にはなんか来てくれるかなァ。ぶっちゃけ、マジで何もないと……他のゲームに移るかも。この景色、マジで心躍って好きなんだけどなァ。はー)
勉強で疲れた時。学校で嫌なことがあった時。
一番リラックスできて、心を助けてくれたであろうゲームをやめるのは忍びない。
というか、本当はVRMMOなんだから! 続き早く出して!
散歩ゲーにも限界はあるからね!! まァ、めっちゃ楽しいけど!!
そう思いながら、岩山を抜けて、森を抜け。
そろそろ、始まりの街だなァ。桃が『先に牢屋に行って、ショタコン・唯にゃんを釈放させう』とメッセージ来てたから、街で合流。
その後なにしよ? ……スマモー?
いや、でもなーっと、悩んでいた。
その時!!
「ああ、すいません。ちょっといいですか?」
そう、声を掛けられたのである。
うん。
声を掛けられたのだ。
半年前から、何度も往復した、森から始まりの街。その間で。
正確には、あと3歩で、街の中に入る。
まだ、『森エリア』の場所で。
「……あ、はい……!! な、なんでしょうか……!!(大興奮)」
「ええ、実はわたくし。『王都』から来ました、チャリン・スキーと申すもので。冒険者の方々に、ちょっとした依頼を頼みたくでですね。こうして声をおかけしたんです」
白髪で、目にモノクルを掛けた、老人!
頭のマークは、ノンプレイヤ―! つまり、NPC!!!
今まであったことあるNPC? ノン! 記憶にない!
街中にいるNPC? ノン! 半年歩いて、街中の全NPC覚えてる! 該当なし!
王都! 王都! 王都!!! 初めて出た単語!!
始まりの街以外の、街! 王都!!!
王都から、来たNPC!!!
(ユニークNPCの可能性高し! つまり……!!!)
・茜
イベント!!! キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!!
・桃
あ?
・唯
は?
・茜
い、今、始まりの街の! 入口! 森からの入り口!
おじいさん! 王都から来たって言ってる、チャリン・スキーってNPCに話しかけっらえてきた!
半年の間で、ハイz馬手のディごと! イベントの可能性高いs!!!
ァァ興奮して字が撃てない! 早く来て!! はやっきて!! ああああ!!!
・桃
理解した! 今逝く!!!
・唯
わやしも! いまいう!!!
うおおおお!!!
おおお!!!
早く来て! 早く来て!
桃! 唯! 早く来て!!
イベントによっちゃ、人数制限あるから! 早く来てぇぇえ!!! ああああ!!!
「それで、お嬢さんのレベルなら、依頼を受けられると思いますが、受けていただけますか?」
――ユニーク・イベント! 銀行を作ろう! を、受けますか?
YES
NO
ユニークイベント!! 確定ィィい!!! HHHHHUUUUU!!!
銀行?! 銀行!? え、始まりの街に銀行作るの!? それとも、別の場所に!?
というか、レベル制限があるってことは、対戦あるわね! じゃあ、護衛系!!
チャリンを守って、銀行作りってことね! 一応、私魔法使い! 桃・ファイター! 唯・剣士で、全員レベル20以上!
ここら辺のモンスターは、一人でも倒せる!!
問題はないはず!!
……あ! でも、ユニーク・イベントってことは、ユニーク・モンスターも出る可能性ある!?
っく!
・茜
ユニーク・イベント確定!
ユニーク・イベント! 銀行を作ろう! だった!!
私のレベルなら受けられるってあるから、二人も大丈夫!
ただ、ユニーク・モンスター出るかもだから、回復薬ほしいかも!
・桃
OK! 把握! 銀行? 銀行!?
なにそれ、何作るんだろ! 何するんだろ! めっちゃテンション上がる!!!
回復薬は、唯が持ってる!
・唯
ジョン君のところに通い詰めて買い占めてたわ! これが愛!!
絶対違う! でもナイス!!!
じゃあ、あとは合流できればOKって、あ!
「お待たせ―! 茜!」
「薬あるわ! 武器もOK! いつでもいけるわよ!」
二人合流! よし!!
「OK! じゃ、三人で受けよう! いいですか?」
「ええ、良いですよ。護衛なので、ウエルカムです」
よし! 護衛!
受けよう!!
「「「YES!!!」」」
――ユニーク・イベント! 銀行を作ろう! を受けました!!!
「ありがとうございます。では、岩山へ行きますので、護衛を願います」
「岩山へ?」
「ええ、あそこでとれる鉱石が必要でしてね。錬金術師である私なら、発掘できるんですよ」
(((錬金術師!!!)))
なにそれ! なにそれ! なにそれ! んっほおおお~~~♡♡♡!!!
初めに選べる職業に、ない職業!
絶対上位職じゃん!!!
・桃
え、錬金術師!? 凄くね!?
・唯
今回のイベントの始まりだけで、王都、ユニーク・イベントの存在、銀行、錬金術師の存在が明らかに。
事態、動きすぎじゃない? 半年間、ピクリもしなかったくせに!
めっちゃドキドキしてるんだけど!!
・茜
私もよ! このユニーク・イベント! 絶対成功させよう!!
今後のアップデートや続編に、関係あるかもだし! ってか、絶対あるだろうし!!!
・桃&唯
もちろん! 絶対クリアする!!!(迫真)
そう意気込んで、私たちは護衛を張り切った。
っで!
『GGGGGAAAAA!!!』
「熊出てきた! 援護お願い!」
「任せて! サンダー・ボルトぉぉお!!!」
『!? ぐああああ!!!』
「!!! ケェェェンンン!!!」
「こっちは鹿か! 私が防いでるから、桃! ぶん殴って!」
「OK!! オラァァあ!!!」
「!! ぐえええ!!!」
「「「「「GGGGGAAAAA!!!」」」」」
「うわ! 狼まで来た!? 皆、回復! 攻撃UP! モンスターの群れに、氷の壁! あと任せた! 魔力回復する!!」
「「OK任せて! おりゃあああ!!!」」
いつもは、そんなに出てこない! 鹿や、クマ、狼・モンスターを倒し!
「お任せあれ! っはあああ!!! マグマ大噴火!!!」
――錬金術・マグマ大噴火! ドッガァァァンンン!!!
「「「「「「!?!? ぎゃっひいいい!!!」」」」」
――マグマの海に飲まれる、狼たち!!!
「「「!?!? うおおお!!! すっげえええ!!!」」」
錬金術師の実力に、驚き!!!
エフェクト! 威力! 範囲! すっげえええ!!!
そうして!
「よし、取れました! この黄金があれば、銀行を開けます! 始まりの街まで頼みますよ!」
「「「おおお!!!」」」
岩山に魔法陣を繰り出して、そこから大量の黄金をゲットしたチャリンさんを!
私たちは、街まで護衛したのだった!!!
いやー、面白かった!!
めっちゃモンスター出てきて、錬金術の戦闘見えて!
黄金錬成も、ド派手で!! ああああ!!
「「「めっちゃワクワク! しまくったあああ!!! ヒューーー!!!」」」
間違いなく、この半年間でめっちゃドキドキ! ワクワクした!!
うん! やったのは、ただの護衛だけど! めっちゃ楽しい!!!
戦闘が! 冒険が! 知らなかった技を見るのが! 楽しい!!!
やっぱ、ファンタジア・エルドーンは、神ゲー!!
テンション上がったわァァあ!!! っはあああ~~~♡♡♡!!!
っと、久々のモンスター連続戦闘と、錬金術師の技に、興奮していると!!!
「ありがとうございます。街に付きました。それで」
「できましたら、我が銀行の初めてのお客様になっていただいてもよろしいですか?」
そう、チャリンさんが言ってきたのである!!!
「え、それっ銀行のってことですか?」
「ええ、その通りです。あ、でも実物を見せてもないのに、話をするのはアレでしたね。失敬失敬。では……」
「すぐ作りますので、お待ちを」
そう言って、彼は街の中を歩いて行った。
うん。
「あんなNPCいたか?」
『え、見たことないぞ』
「誰だ? でも、後ろにいるんはプレイヤーだよな」
『そうだな……ま、まさか!?』
「え、そういうこと?!」
『嘘!?』
「新イベントが……発生した!?」
『『『『『「「「「「!? えええ!?!?」」」」」』』』』』
めっちゃ目立ってる。
・茜
まァ、目立つよねぇ。うん! 優越感半端ない!!!
・桃
それな!! ユニーク・イベントに遭遇し、唯一クリアした! それを全プレイヤーに知らせる!! あああ~~~♡♡♡!!! 気分いいわァァあ~~~♡♡♡ あああ~~~♡♡♡!!!
・唯
ユニーク・イベントって、基本1回とか、期間限定だからねぇ。銀行作りを考えると、1回だろうし。これをクリアした。これを見せつけるの、気持ちいい~~~!!! ああああ~~~♡♡♡!!!
うん! プレイヤーなら、分かる!!
この街のNPCではないチャリンさんを見て、私たちを見て!
何かのイベントをクリアした!! そう理解できる!!!
だからこそ!!
「ああああ!!! くやしいいい!!!」
『があああ!!! イベントって、どんなイベントだよぉぉお!!! んっほおおお~~~!!!』
「知りてぇぇえ!!! めっちゃ、知りてぇぇえ!!!」
『掲示板に上げろよ! スレに描いて! 役目でしょ!!』
「情報プリーズ!」
『詳細くれぇぇぇ!!!』
「「「「「『『『『『!!! ああああああ!!!』』』』』」」」」
・茜&桃&唯
ああ、羨望&嫉妬が気持ち良いいんじゃあああ~~~♡♡♡ イエーーー!!!
ほんと、この優越感サイコーーー!!!
やっばいね! うひひ///
っと、有頂天になっていると!!!
「こちらです。少々お待ちを」
そう、始まりの街の商店街にある。
一軒のデカい家に着き。
チャリンさんは、家の中に入っていったのだ。
ここって。
「お金持ちのおばあちゃん家だよね?」
「そーそー。クエストで3回来たわ。迷い猫・換金所だよね」
「換金所WWW まァたしかに。猫を早く見つければ見つけるほど。報酬が高くなるのよね」
「「そうそう」」
何回もできるから、序盤の金策にもってこいのクエストなんだよなァ。
私もお世話になったけど、次のエリアが来ないから、ぶっちゃけ金も使い道がなくてねぇ。
でも、なんでここに入ったんだろう。
そう思っていると!!
――錬成・大銀行!!
――バァァァンンン!!!
「「「!?!?」」」
なんと、猫換金所が、巨大銀行に!! 変化!!!
いや、違う!!
あのエフェクトは間違いない!!!
チャリンさんの錬金術!!!
ってことは!
(家を、銀行に錬成したんだ!! っはあああ!!!)
うん! 商店街のど真ん中に!!
でっかい銀行を、錬成したんだよ!!
すっげえええ!!!
『『『『『「「「「「え!? ええ!?」」」」」』』』』』
あ、事情知らないプレイヤーたちが驚いてる。
まァ、そうよね。私も事情知らなかったら、そうだわ。うん。
って!
「お待たせしました。っさ、茜さん、桃さん、唯さん。中へどうぞ」
「「「あ、はい! お邪魔しまー、え!?」」」
銀行から出てきた、パリィさんに招かれて中に入ると! おお!!
「いらっしゃいませ! 始まりの街の銀行へようこそ!」
『わっせわっせ!』
「計算計算!」
『えー、この金貨の重みから計算すると……』
大勢の銀行員が、金貨を測ったり、計算したり、働いている!!
マジで銀行だァァあ!!! これえええ!!!
えええ!!!
「すっげ! お金!」
うん! 分かる! 桃!
凄い大金だよ! 金延べ棒あるよ!
天井には、シャンデリアもあるし!
マジで豪華な銀行だよ! これ!
やっべえええ!!!
「え、あの、住んでたおばあちゃんは?」
……あ!
そうだ! 唯の言葉で思い出した!
換金ばあさんは?
「ああ、姉の事ですか? 姉なら、この銀行の上の階で、暮らしてますよ。飼い猫が迷子になったら、探してください。お礼は、私からもたっぷりするので」
あ、お姉さんなんだ! へー!
そして、たっぷり!! チャリンさんからも! うっほおおお~~~♡♡♡!!!
・茜
これは大金の匂いがしますなァ!
・桃
奇遇だねぇ! 私もだよ! 茜ちゃん!!!
・唯
あんたらねぇ
へへへ!!!
「っで、こうして銀行が出来たので、ご説明します」
あ、そういえばそういう話でしたね。チャリンさん。
説明お願いします!
「当店のお客様となっていただくと、2つの利点がございます」
「一つは、貯金です。ここにゴールドを貯金していただくと、1週間で2倍の金利を得られます」
え。っということは……。
・茜
めっちゃ得?
・桃
ものすごく得だよ! 不労所得だよ!!
・唯
いや、働いて稼げば稼ぐほど、元のお金は大きくなって、それが倍になるから。働いた方が金持ちになるわよ。スピード的にも、金額的にも
マジか! すっごいな! それ!!!
でも。
「そんな大金、どうやって使うんですか?」
現状、使い道がポーションくらいしかありませんが?
新エリア解放はよう。
「ごもっともです。そこで、銀行でしか扱えない商品を、明日から販売します」
「今までにない武器・魔法・スキルなどです。是非購入して、冒険にお役立てください」
!!! ほう!
それはつまり!!!
・茜&桃&唯
明日から、続編! 新エリア解放ってこと!?
そういうことですよね! 信じていいんですよね!
やったああああ!!! イエーーー!!!
これは朗報!!!
掲示板に拡散しないと!!!(確信)
半年待った甲斐が、あったわあああ!!! ヒューーー!!!
っと、盛り上がりつつ!!!
「ということなので、我が銀行のお客様となり、貯金されますか?」
「「「はい! 貯金しまーす!!!」」」
私たちは、貯金したのであった!!!
ウイーーー!!!(大歓喜!!!)
そう、私こと白沢茜は、大きな岩山に近づき。
その奥の、『遠くに王都が見えている』。黒い森へ行こうとして。
――ソーリー。ここから先のエリアは、開発中です。もう少しお待ちください。By『ファンタジア・エルドーン』開発スタッフ一同。
っというメッセージに、ため息が出た。
(もうずっとじゃん。半年ずっとこうじゃん。続きでないのかなァ……はァ……)
もう半年も、『始まりの街』と、『静かな森』、『岩山』を行き来して。新しい追加エリアが来ないかを確かめているが。
絶賛敗北中だ。
つらい。これはつらい。
新しいエリアが全然来なく。始まりの街と、その周辺しかないのが、マジでつらい。
半年前までは世界ユーザー300万人の超人気ゲーだった『ファンタジア・エルドーン』が、いまやユーザー300人という『過疎ゲー』となってしまったのがつらい。
(半年前は、学校の全員がやってたのに。今じゃ、私と桃と唯しかやってないしなァ)
平均ユーザー100万人と言われるVRMMO界隈で、300人とは、そういうこと。
仲のいい友人たちは『いつまで待ってもエリアこないし。別のゲームするわ』と、他のゲームをやっている。
まァ気持ちは分かる。
半年あれば、他のゲームも出るし。普通に面白そうなのや、やってみたい! と思わせるゲームも出てくる。
かくいう私も、前より夢中でこのゲームをやっていない。
数日前に、大手のゲーム会社から出た、『スマホにモンスターを入れて旅するゲーム! スマモー・シリーズ』の最新作が出て、そっちに情熱が傾いているのだ。
(桃や唯も、スマモーやってるし。なんなら、学校でも流行ってるし。やっぱ、スマモーの方を遊んだほうが楽しいかなァ)
皆とわいわいできるし、可愛いモンスターを育てて、勝てば楽しい。
スマモーって、いいよね!(唐突なダイマ)
……でも、それはそれで悲しいのだ。
このゲーム。『ファンタジア・エルドーン』は、マジで楽しいゲームだったから。
・桃
なんか変化あった~?
ちな、森ィ~。特になんもなしー。
モンスターもいつも通り~。
でも、猫ちゃんたちが、モフモフしてるのが、めっちゃくぁいい!! スクショ取りまくり!
モモンガ・モンスター親子の、一家・空中飛行団らん! 可愛すぎ!
昨日まで三兄弟だった間抜け面・ビーバーたちに、まさかのもう一人の弟が!? いっしょにアホ面で泳いでるのマジ可愛すぎィィい!!
ああああ~~~♡♡♡!!! スクショとまらないのぉぉお!!! んっほおおお~~~♡♡♡!!!
他はなし。スヤァ。
・唯
寝るな。可愛いモンスターとそれ以外で、テンションを上げ下げするな。落差で風邪ひくわ。
始まりの街も変化なし。街の人も、NPCも変化ないわ。
脇道通りの薬屋で働いている、ジョン君の膝小僧だけが救いね。うへへ///
・茜
岩もなし! 解散! もー、いつになったら次のエリア来るのよぉ~!
桃、スクショナイス! あほあほ・ビーバーズ可愛い! あああ~~~♡♡♡
あと、唯。あんまりやったら捕まるから。自重しようね?
・桃
それなー。確かにこのゲーム。景色も人も、動物も♡! モンスターも!!! めっちゃビジュアル凄いけど!
魔法の演出とか、技のエフェクトも派手で、それが人気の一つだったけど。
犯罪行為はだめー。
・唯
大丈夫。今、牢屋だから。
・桃&茜
もう捕まってた!?
(何やってんだ。あのショタコン)
そう思いながら、私は岩山から降りた。
桃の言う通り、このゲームが人気だったのには、景色や人、エフェクト表現が素晴らしかったのもある。
配信もOKで、ただモンスターとバトルしたり、お使いクエストをやるだけでも、『綺麗!』『美しい!』『マジでファンタジーじゃん!』『モンスター可愛い! カッコいい!!』と大人気だった。
まァ、それによって唯のような『ショタを見守りたい』とか。
『ギルドの受付嬢を見守る会』とか、『始まりの街ナンバーワンの女NPC決定戦』とか、『めっちゃ可愛い娘見つけクラブ』とか、『ダンディーなおじさま♡! みっけ隊』とかいう、業の深いクランも誕生したが。
裏を返せば、それほどゲームに熱中する人が、多く生まれたということで。
ファンタジア・エルドーンには、人々を虜にする。
美しいファンタジーが、あったのである。
私も、その美しさにハマった一人であった。
……まァ、その美しさも、『半年なにもない』には勝てなかった訳だが。
(でも、好きなんだよなァ。この美しい森とか、街とか。ごつごつして、空気も変わる岩山の雰囲気とか)
ぶっちゃけ、散歩ゲーとしては神ゲーである。
時間経過で、朝・昼・夜があり、それに応じて、景色も変わる。
太陽があることで、光り輝く美しい景色が見え。
月と漆黒の夜で、見入るような美がある。
街に行けば、人が織りなす景色に、にぎやかさを楽しめて。
森に行けば、自然や動物、モンスターの生態なんかが見えて、引き込まれる。
見れば見るほど、新し発見と気付きがあって楽しい。
マジで飽きることのない、散歩ゲーだ。
散歩ゲーム部門があれば、1位に輝いただろう。
それくらい、面白いゲームなのである!!!
……VRMMOとすれば?
続きがないゲームに、価値はあるんですか?(禁句)
まァ、そういうことだ。ええ。
(明日には、いや、今年中にはなんか来てくれるかなァ。ぶっちゃけ、マジで何もないと……他のゲームに移るかも。この景色、マジで心躍って好きなんだけどなァ。はー)
勉強で疲れた時。学校で嫌なことがあった時。
一番リラックスできて、心を助けてくれたであろうゲームをやめるのは忍びない。
というか、本当はVRMMOなんだから! 続き早く出して!
散歩ゲーにも限界はあるからね!! まァ、めっちゃ楽しいけど!!
そう思いながら、岩山を抜けて、森を抜け。
そろそろ、始まりの街だなァ。桃が『先に牢屋に行って、ショタコン・唯にゃんを釈放させう』とメッセージ来てたから、街で合流。
その後なにしよ? ……スマモー?
いや、でもなーっと、悩んでいた。
その時!!
「ああ、すいません。ちょっといいですか?」
そう、声を掛けられたのである。
うん。
声を掛けられたのだ。
半年前から、何度も往復した、森から始まりの街。その間で。
正確には、あと3歩で、街の中に入る。
まだ、『森エリア』の場所で。
「……あ、はい……!! な、なんでしょうか……!!(大興奮)」
「ええ、実はわたくし。『王都』から来ました、チャリン・スキーと申すもので。冒険者の方々に、ちょっとした依頼を頼みたくでですね。こうして声をおかけしたんです」
白髪で、目にモノクルを掛けた、老人!
頭のマークは、ノンプレイヤ―! つまり、NPC!!!
今まであったことあるNPC? ノン! 記憶にない!
街中にいるNPC? ノン! 半年歩いて、街中の全NPC覚えてる! 該当なし!
王都! 王都! 王都!!! 初めて出た単語!!
始まりの街以外の、街! 王都!!!
王都から、来たNPC!!!
(ユニークNPCの可能性高し! つまり……!!!)
・茜
イベント!!! キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!!
・桃
あ?
・唯
は?
・茜
い、今、始まりの街の! 入口! 森からの入り口!
おじいさん! 王都から来たって言ってる、チャリン・スキーってNPCに話しかけっらえてきた!
半年の間で、ハイz馬手のディごと! イベントの可能性高いs!!!
ァァ興奮して字が撃てない! 早く来て!! はやっきて!! ああああ!!!
・桃
理解した! 今逝く!!!
・唯
わやしも! いまいう!!!
うおおおお!!!
おおお!!!
早く来て! 早く来て!
桃! 唯! 早く来て!!
イベントによっちゃ、人数制限あるから! 早く来てぇぇえ!!! ああああ!!!
「それで、お嬢さんのレベルなら、依頼を受けられると思いますが、受けていただけますか?」
――ユニーク・イベント! 銀行を作ろう! を、受けますか?
YES
NO
ユニークイベント!! 確定ィィい!!! HHHHHUUUUU!!!
銀行?! 銀行!? え、始まりの街に銀行作るの!? それとも、別の場所に!?
というか、レベル制限があるってことは、対戦あるわね! じゃあ、護衛系!!
チャリンを守って、銀行作りってことね! 一応、私魔法使い! 桃・ファイター! 唯・剣士で、全員レベル20以上!
ここら辺のモンスターは、一人でも倒せる!!
問題はないはず!!
……あ! でも、ユニーク・イベントってことは、ユニーク・モンスターも出る可能性ある!?
っく!
・茜
ユニーク・イベント確定!
ユニーク・イベント! 銀行を作ろう! だった!!
私のレベルなら受けられるってあるから、二人も大丈夫!
ただ、ユニーク・モンスター出るかもだから、回復薬ほしいかも!
・桃
OK! 把握! 銀行? 銀行!?
なにそれ、何作るんだろ! 何するんだろ! めっちゃテンション上がる!!!
回復薬は、唯が持ってる!
・唯
ジョン君のところに通い詰めて買い占めてたわ! これが愛!!
絶対違う! でもナイス!!!
じゃあ、あとは合流できればOKって、あ!
「お待たせ―! 茜!」
「薬あるわ! 武器もOK! いつでもいけるわよ!」
二人合流! よし!!
「OK! じゃ、三人で受けよう! いいですか?」
「ええ、良いですよ。護衛なので、ウエルカムです」
よし! 護衛!
受けよう!!
「「「YES!!!」」」
――ユニーク・イベント! 銀行を作ろう! を受けました!!!
「ありがとうございます。では、岩山へ行きますので、護衛を願います」
「岩山へ?」
「ええ、あそこでとれる鉱石が必要でしてね。錬金術師である私なら、発掘できるんですよ」
(((錬金術師!!!)))
なにそれ! なにそれ! なにそれ! んっほおおお~~~♡♡♡!!!
初めに選べる職業に、ない職業!
絶対上位職じゃん!!!
・桃
え、錬金術師!? 凄くね!?
・唯
今回のイベントの始まりだけで、王都、ユニーク・イベントの存在、銀行、錬金術師の存在が明らかに。
事態、動きすぎじゃない? 半年間、ピクリもしなかったくせに!
めっちゃドキドキしてるんだけど!!
・茜
私もよ! このユニーク・イベント! 絶対成功させよう!!
今後のアップデートや続編に、関係あるかもだし! ってか、絶対あるだろうし!!!
・桃&唯
もちろん! 絶対クリアする!!!(迫真)
そう意気込んで、私たちは護衛を張り切った。
っで!
『GGGGGAAAAA!!!』
「熊出てきた! 援護お願い!」
「任せて! サンダー・ボルトぉぉお!!!」
『!? ぐああああ!!!』
「!!! ケェェェンンン!!!」
「こっちは鹿か! 私が防いでるから、桃! ぶん殴って!」
「OK!! オラァァあ!!!」
「!! ぐえええ!!!」
「「「「「GGGGGAAAAA!!!」」」」」
「うわ! 狼まで来た!? 皆、回復! 攻撃UP! モンスターの群れに、氷の壁! あと任せた! 魔力回復する!!」
「「OK任せて! おりゃあああ!!!」」
いつもは、そんなに出てこない! 鹿や、クマ、狼・モンスターを倒し!
「お任せあれ! っはあああ!!! マグマ大噴火!!!」
――錬金術・マグマ大噴火! ドッガァァァンンン!!!
「「「「「「!?!? ぎゃっひいいい!!!」」」」」
――マグマの海に飲まれる、狼たち!!!
「「「!?!? うおおお!!! すっげえええ!!!」」」
錬金術師の実力に、驚き!!!
エフェクト! 威力! 範囲! すっげえええ!!!
そうして!
「よし、取れました! この黄金があれば、銀行を開けます! 始まりの街まで頼みますよ!」
「「「おおお!!!」」」
岩山に魔法陣を繰り出して、そこから大量の黄金をゲットしたチャリンさんを!
私たちは、街まで護衛したのだった!!!
いやー、面白かった!!
めっちゃモンスター出てきて、錬金術の戦闘見えて!
黄金錬成も、ド派手で!! ああああ!!
「「「めっちゃワクワク! しまくったあああ!!! ヒューーー!!!」」」
間違いなく、この半年間でめっちゃドキドキ! ワクワクした!!
うん! やったのは、ただの護衛だけど! めっちゃ楽しい!!!
戦闘が! 冒険が! 知らなかった技を見るのが! 楽しい!!!
やっぱ、ファンタジア・エルドーンは、神ゲー!!
テンション上がったわァァあ!!! っはあああ~~~♡♡♡!!!
っと、久々のモンスター連続戦闘と、錬金術師の技に、興奮していると!!!
「ありがとうございます。街に付きました。それで」
「できましたら、我が銀行の初めてのお客様になっていただいてもよろしいですか?」
そう、チャリンさんが言ってきたのである!!!
「え、それっ銀行のってことですか?」
「ええ、その通りです。あ、でも実物を見せてもないのに、話をするのはアレでしたね。失敬失敬。では……」
「すぐ作りますので、お待ちを」
そう言って、彼は街の中を歩いて行った。
うん。
「あんなNPCいたか?」
『え、見たことないぞ』
「誰だ? でも、後ろにいるんはプレイヤーだよな」
『そうだな……ま、まさか!?』
「え、そういうこと?!」
『嘘!?』
「新イベントが……発生した!?」
『『『『『「「「「「!? えええ!?!?」」」」」』』』』』
めっちゃ目立ってる。
・茜
まァ、目立つよねぇ。うん! 優越感半端ない!!!
・桃
それな!! ユニーク・イベントに遭遇し、唯一クリアした! それを全プレイヤーに知らせる!! あああ~~~♡♡♡!!! 気分いいわァァあ~~~♡♡♡ あああ~~~♡♡♡!!!
・唯
ユニーク・イベントって、基本1回とか、期間限定だからねぇ。銀行作りを考えると、1回だろうし。これをクリアした。これを見せつけるの、気持ちいい~~~!!! ああああ~~~♡♡♡!!!
うん! プレイヤーなら、分かる!!
この街のNPCではないチャリンさんを見て、私たちを見て!
何かのイベントをクリアした!! そう理解できる!!!
だからこそ!!
「ああああ!!! くやしいいい!!!」
『があああ!!! イベントって、どんなイベントだよぉぉお!!! んっほおおお~~~!!!』
「知りてぇぇえ!!! めっちゃ、知りてぇぇえ!!!」
『掲示板に上げろよ! スレに描いて! 役目でしょ!!』
「情報プリーズ!」
『詳細くれぇぇぇ!!!』
「「「「「『『『『『!!! ああああああ!!!』』』』』」」」」
・茜&桃&唯
ああ、羨望&嫉妬が気持ち良いいんじゃあああ~~~♡♡♡ イエーーー!!!
ほんと、この優越感サイコーーー!!!
やっばいね! うひひ///
っと、有頂天になっていると!!!
「こちらです。少々お待ちを」
そう、始まりの街の商店街にある。
一軒のデカい家に着き。
チャリンさんは、家の中に入っていったのだ。
ここって。
「お金持ちのおばあちゃん家だよね?」
「そーそー。クエストで3回来たわ。迷い猫・換金所だよね」
「換金所WWW まァたしかに。猫を早く見つければ見つけるほど。報酬が高くなるのよね」
「「そうそう」」
何回もできるから、序盤の金策にもってこいのクエストなんだよなァ。
私もお世話になったけど、次のエリアが来ないから、ぶっちゃけ金も使い道がなくてねぇ。
でも、なんでここに入ったんだろう。
そう思っていると!!
――錬成・大銀行!!
――バァァァンンン!!!
「「「!?!?」」」
なんと、猫換金所が、巨大銀行に!! 変化!!!
いや、違う!!
あのエフェクトは間違いない!!!
チャリンさんの錬金術!!!
ってことは!
(家を、銀行に錬成したんだ!! っはあああ!!!)
うん! 商店街のど真ん中に!!
でっかい銀行を、錬成したんだよ!!
すっげえええ!!!
『『『『『「「「「「え!? ええ!?」」」」」』』』』』
あ、事情知らないプレイヤーたちが驚いてる。
まァ、そうよね。私も事情知らなかったら、そうだわ。うん。
って!
「お待たせしました。っさ、茜さん、桃さん、唯さん。中へどうぞ」
「「「あ、はい! お邪魔しまー、え!?」」」
銀行から出てきた、パリィさんに招かれて中に入ると! おお!!
「いらっしゃいませ! 始まりの街の銀行へようこそ!」
『わっせわっせ!』
「計算計算!」
『えー、この金貨の重みから計算すると……』
大勢の銀行員が、金貨を測ったり、計算したり、働いている!!
マジで銀行だァァあ!!! これえええ!!!
えええ!!!
「すっげ! お金!」
うん! 分かる! 桃!
凄い大金だよ! 金延べ棒あるよ!
天井には、シャンデリアもあるし!
マジで豪華な銀行だよ! これ!
やっべえええ!!!
「え、あの、住んでたおばあちゃんは?」
……あ!
そうだ! 唯の言葉で思い出した!
換金ばあさんは?
「ああ、姉の事ですか? 姉なら、この銀行の上の階で、暮らしてますよ。飼い猫が迷子になったら、探してください。お礼は、私からもたっぷりするので」
あ、お姉さんなんだ! へー!
そして、たっぷり!! チャリンさんからも! うっほおおお~~~♡♡♡!!!
・茜
これは大金の匂いがしますなァ!
・桃
奇遇だねぇ! 私もだよ! 茜ちゃん!!!
・唯
あんたらねぇ
へへへ!!!
「っで、こうして銀行が出来たので、ご説明します」
あ、そういえばそういう話でしたね。チャリンさん。
説明お願いします!
「当店のお客様となっていただくと、2つの利点がございます」
「一つは、貯金です。ここにゴールドを貯金していただくと、1週間で2倍の金利を得られます」
え。っということは……。
・茜
めっちゃ得?
・桃
ものすごく得だよ! 不労所得だよ!!
・唯
いや、働いて稼げば稼ぐほど、元のお金は大きくなって、それが倍になるから。働いた方が金持ちになるわよ。スピード的にも、金額的にも
マジか! すっごいな! それ!!!
でも。
「そんな大金、どうやって使うんですか?」
現状、使い道がポーションくらいしかありませんが?
新エリア解放はよう。
「ごもっともです。そこで、銀行でしか扱えない商品を、明日から販売します」
「今までにない武器・魔法・スキルなどです。是非購入して、冒険にお役立てください」
!!! ほう!
それはつまり!!!
・茜&桃&唯
明日から、続編! 新エリア解放ってこと!?
そういうことですよね! 信じていいんですよね!
やったああああ!!! イエーーー!!!
これは朗報!!!
掲示板に拡散しないと!!!(確信)
半年待った甲斐が、あったわあああ!!! ヒューーー!!!
っと、盛り上がりつつ!!!
「ということなので、我が銀行のお客様となり、貯金されますか?」
「「「はい! 貯金しまーす!!!」」」
私たちは、貯金したのであった!!!
ウイーーー!!!(大歓喜!!!)
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