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第58話 沖縄県② 首里城、美ら海水族館、沖縄料理

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「美しい赤色の城じゃが、今までに見てきた城とは少し違う感じなのじゃな」

「もともと沖縄県は琉球王国と呼ばれておりました。その頃に建てられた首里城には当時の国王やその家族が住んでおりましたが、中国と日本両方の特徴が取り入れられた独自の建築様式が築かれておりますね」

「通ってきた守礼門も同じように朱色で他のお城とは全然違うのが面白いよね」

 昼食を食べてやってきたのは首里城だ。首里城は琉球王国のグスクおよび関連遺産として世界遺産にも登録されている。正確に言うと首里城は戦争で焼け落ちてしまって復元をしているので、登録されているのは首里城の跡地なんだけれどな。

「中では当時の資料なんかも見ることができるよ」

 展示コーナーでは当時の王冠や当時食べていた食事の再現などが展示されていた。王冠なんかをみると、当時の琉球王国は日本ではなかったんだなあと思ってしまう。

 こういった昔から引き継がれている伝統的な文化を残して引き継いでいくことはとても大事なのである。



「な、なんじゃこれは! 大きな水槽の中にたくさんの魚がおるぞ!?」

「ここは水族館といって、海に生息する生き物を安全に見て回れる場所だよ」

 続いてやってきたのは美ら海水族館だ。ここは那覇とはかなり離れているのだが、ミルネさんの魔法を使えば一瞬で来られたので本当に助かる。沖縄に電車はなく、モノレールと車での移動が基本となるので、本島を回るのには基本的に車が必須となる。

 そういえばサファリパークに行ったことはあったが、水族館は初めてきたことになるのか。確かに、水の中で生活している魚などのを眺めることができる水族館ってよく考えるとすごいことだよな。

「沖縄付近でしか見ることができない魚なんかも多くいるからね。それにサンゴや熱帯魚も見られるんだよ。そしてなんといっても、この世界最大規模のアクリルパネルから巨大なジンベイザメやマンタを大迫力で見られるのが最大の特徴だね」

 美ら海水族館ではさまざまな魚を見て回れるのだが、その中でも一際巨大な水槽の中で悠々と泳いでいるジンベイザメたちの姿がとても魅力的だ。しかもこの水槽は上からも見ることができるのである。美ら海水族館といえば、このジンベイザメを見るために那覇から遠くまでやってくるイメージだな。

「おお、器用に泳いでいるのじゃな」

「ここでは毎日エサをやる時間が決まっております。こうやってエサの時間になるとジンベイザメたちがエサを食べる姿を一目に見るため大勢のお客さんがやってくるのです。自分たちがエサを食べる光景が観光客を呼び込むエサになっていることなど、彼らはまったく気付いていないのでしょうね」

「いや、誰が面白いことを言えと……」

 喜屋武さんも地元に帰ってきて変なテンションになっているのかもしれない。俺も生まれ育った地元を案内するときはいつもより熱が入る気もする。島は違えど同じ県ということで、いろいろと説明をしてくれるのはとてもありがたいんだけどね。

 ジンベイザメのエサをやる時間は決まっているので、もしここを訪れるのなら、しっかりと時間を確認してから訪れることをお勧めするぞ。

「あれだけ大きな魚が泳ぎながらエサを食べている姿はとても見ごたえがあるのじゃ。妾たちの世界にもこういったものがあってもいいかもしれんのう」

 大きな身体をしていながらエサをねだって身体を縦にしている姿も可愛らしいものである。

 ……異世界だととんでもないモンスターもいるだろうからな。動物園や水族館を作るのなら十分に注意してもらわないといけない。



「ほお~これまたいろいろな料理がならんでおるのう! どれもとてもおいしそうじゃ!」

 明日は本当以外の島をいくつか回る予定のため、今日の観光は少し早めに切り上げて、様々な沖縄料理を出してくれる店にやってきた。

 昼間は定番のチャンプルー定食を食べたが、晩ご飯は沖縄料理をたくさん頼んで少しずつ食べる。ただでさえ沖縄料理は種類が多いから、ひとつずつ店で食べるのは難しいからな。

「まずは沖縄の定番の沖縄そばだよ。そばといっているけれど、そば粉は使わず小麦粉にかん水を加えた平麺で豚骨やカツオ節からとった濃厚なスープが特徴なんだ。そして豚のスペアリブであるソーキが入っているからソーキそばとも言われているね」

 小麦粉にかん水を加えているのでラーメンに近い感覚だな。具材は紅ショウガや薄く切ったカマボコといったものが基本となるようだ。

「こちらはニンジンシリシリです。シリシリとは沖縄の方言ですりおろすという意味で、細く千切りにしたニンジンを卵とコンビーフと一緒に炒めた料理となります。シンプルな沖縄の家庭料理ですが、意外とあとを引く味です」

 このニンジンシリシリも素朴だけれどおいしいんだよねえ。

「こっちのラフテーは豚のバラ肉をじっくりと煮込んだ料理だね。ふつうの角煮と違って泡盛を使って煮込んでいるんだよ」

 トロトロに柔らかく煮込まれた豚バラ肉は口の中で優しく溶けていく。テビチもおいしいんだけれど、あの豚の足がドンッという見た目がね……

 他にもプチプチとした食感が味わえる海ブドウ、独特の香りがするジーマーミ豆腐、慣れるとクセになるらしい島豆腐を麹と泡盛で発酵させた豆腐よう、かなり独特な臭みのある山羊汁などもご愛敬だな。

 沖縄県は本当に独特な料理が多い。他にも島それぞれに特徴もあったりするから、明日からが楽しみだな。
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チートなキャンピングカーで旅する異世界徒然紀行〜もふもふと愉快な仲間を添えて〜
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