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第3話 もしかして痩せたらイケメン?

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 そこに残ったのはケシズミになったオークの残骸と高熱により少し溶けたオークが持っていた鎧と大剣だけだった。

「……上級魔法だとオーバーキルだった気がするな」

 原型すら留めなかったオークの残骸を見ると中級魔法でも十分倒せた気がする。もしかしたら大魔導士が作ったというこの杖が魔法の威力を引き上げてくれたのかもしれない。とりあえずこの鎧や大剣はまだ熱を持っているし、回収するのは後回しにしよう。

 脅威が去ったことにより一気に身体中の力が抜けてしまった。というかお腹がとても空いている。よく考えたらこの異世界に来てから半日以上経っている。それに天井にある扉もそのままだし、机には遺書を置いたままだった。

「一度帰ろう」

 さっき見たところこの家には食料は何もなかった。一度戻って何かを食べてこれからどうするか考えよう。



 大魔導士の家の元の世界から来た黒い扉を通る。大魔導士の書いてある通りなら半永久的に繋がっているということだが、時間もかなり経っていそうだし本当なのかわからない。本を残したと書いてあったし、今度調べてみよう。

 元の世界に戻ると時刻はちょうど昼過ぎだった。異世界に行った時間が昨日の真夜中だったから、時間の流れはあちらの世界も同じのようだ。とりあえず開けっ放しだったカーテンを閉め、机の上に置いていた遺書を破いて捨てる。もうこれは必要ないな。

「そういえば元の世界でも魔法は使えるのか?」

 もしかしたら魔力は向こうにしかなくて異世界でしか使えない可能性もある。

「ライト」
 
 特に攻撃性もなく、辺りを明るく照らすだけの初級生活魔法を使ってみると普通に発動することができた。どうやらこっちでも魔法は使えるらしい。

 父さんは亡くなって、母さんはだいたい夜遅くに帰ってくるから簡単な食事くらいなら自分1人でも作れる。簡単な食事を作りながらこれからどうするかを考えよう。



 いじめの件についてはどうとでもなる。殴られても痛くないだろうし、こちらも暴力で脅し返してもいい。母さんが勤めている病院のことで脅してくるならば、物理的に病院を潰してやってもいいかもしれない。それだけの力が今の俺にはある。

 ……というよりも最悪あいつらを殺すこともできる。魔法の力であいつらを殺してしまえば、魔法の存在がないこちらの世界では絶対にバレないだろう。今まであいつらにやられてきたことを思い返すと激しい怒りが湧き起こり、今すぐにでもあいつらを殺しに行きたくなる。

 だがギリギリのところで踏み止まる。わかっている、それをやってしまえばもう俺は今まで通りには暮らせないと思う。例えバレなくても俺が人を殺したという事実が一生俺の中に残り続けるだろう。

 もし父さんが生きていたらあいつらを殺すなんてことは絶対に許さないだろうし、母さんも絶対に止めるだろう。やっぱり駄目だ、あいつらを殺すことだけはしないと誓おう。



 ご飯を食べ終え後片付けをする。もう30時間近く寝ていないからものすごく眠たい。まずは寝ないと、さすがにいろいろありすぎた。ベッドに入って今日起こったことを思い返す。

 死のうと思っていたら天井の板が剥がれて、異世界へ続く扉が現れた。異世界へ行ったらそこは大魔導士の家で、手紙を読んだら強制的に継承魔法が発動して、物凄い苦痛と引き換えにスキルや魔法が使えるようになり、身体能力が上がって一気に痩せた。とてつもなく強そうなオークが現れて、使えるようになった上級魔法で撃退することができた。今思うと全ては夢だったのではないかとも思える。





「はっ!」

 目が覚めてベッドから飛び起きる。

「………………ライト」

 目の前に小さな光の玉が現れた。そして天井を見上げるとそこには穴が空いており、奥には黒い異世界への扉があった。そして自分の両手を見るとブクブクと太った指ではなく、ほっそりと長い指になっていた。

「夢じゃなかったか……」

 まさか魔法が使えることでここが夢ではなく現実だと実感することになる日が来るとはな。

「うわ、もう朝か!」

 昨日の昼過ぎに寝て、そのまま次の日の朝まで寝ていたらしい。一昨日から昨日にかけて相当疲れていたから当たり前といえば当たり前か。

「まずは天井をなんとかして服も買いに行かないといけないな」

 昨日は疲れて眠ってしまったから天井もそのままだ。少なくとも他の人が勝手に入らないように塞いでおかないといけない。もしも俺がいない間に母さんが向こうの世界に行ってあんなオークみたいな化け物と遭遇してしまったら大変なことになる。

 ……このことを誰かに教えるか? いや、信じてくれるかわからないし、問題しか起こらない気がする。少なくとも向こうの世界がどんな状況なのか分かるまでは誰にも言えないな。わかっても言えない可能性も高いけど。



 朝食のパンを食べてから部屋に戻って天井の修理を始める。幸い、木材を加工するスキルがあったので、蓋を取るような感じでカパっと外れるようにしておいた。脚立も襖の奥に畳んでしまっておけば、母さんが俺の部屋に入ったとしても誤って扉に入ってしまうことはないだろう。

「さて、服は買いに行かないと駄目か」

 急激に痩せたことにより家にある服がすべて着れなくなってしまった。大魔導士から継承したスキルには金属や木材を加工するスキルはあったのだが、布を加工するようなスキルはなかった。

 普段着もそうだが、明日から行く高校の制服とパンツだけはなんとかしなければならない。ズボンの方は無理矢理ベルトで締めればなんとかなりそうだから、シャツと白いワイシャツとパンツだな。

 家にある一番サイズの小さいシャツとズボンを押し入れから引っ張り出す。うん、かなりぶかぶかだけど、ギリギリ外を歩いてもセーフなレベルだろう。

 いじめられて小遣いもむしり取られていたが、何かあった時のために隠し通した虎の子の一万円札を握りしめ外に出る。大したものは買えないが、安い店に行けばワイシャツ数枚と上下ワンセットくらいは買えるだろう。



 服屋へは歩いて向かっているのだが、行く途中ですれ違う女性がチラチラと俺を見てくることが多かった。やはりよっぽど今の俺の服装がやばいのだろう。

 どこにでもある安い服のチェーン店に入る。ここならシーズンオフのシャツとかなら千円を切るし、パンツや白いシャツも3枚セットで千円で買える。よし、ズボンも安いやつで3千円だし、本当にギリギリだが予算内に収まりそうだ。

 問題はサイズがまったくわからない。これは店員さんに見てもらうしかないか。辺りを見回しても男性の店員さんはいない。いつもは女性店員に声をかけても白い目で見られることが多くて怖いが、勇気を出して女性の店員さんに声をかける。

「あっ、あの」

「はっ、はい!」

 あれなんだかいつもと違うな。いつもは太っているというだけで微妙な視線で見られることが多いが、今回は向こうが緊張しているように見える。ああ、今の俺のダボダボの服装が怪しく見えるのかもしれない。

「えっと、最近急激に痩せてしまってサイズがわからなくなってしまったので、サイズを測ってもらっても大丈夫ですか?」

 大丈夫かな? 係の者を呼んできますねとか言われてそのまま放置されたことも何度もあったからな。

「はい! サイズの確認ですね、こちらにどうぞ!」

 よかった、無事に測ってくれそうだ。それにしてもこんな俺にも素晴らしい笑顔で対応してくれるなんて、この人は本当に店員の鑑だな。

 試着室へ案内されて、メジャーで服やズボンのサイズを計測してもらう。

「肩幅はこれくらいで、股下はこれくらいになりますね。お客様は結構細めなのでこれくらいのサイズでぴったりだと思いますよ」

「はい、ご丁寧にありがとうございます」

 よしこれでサイズは大体わかった。それにしても細めだなんて初めて言われたよ。いつも苦笑いで結構太めですねなんて言われていたからな。

「いえいえ、それにしてもお客様ってカッコいいですよね! うちの店はチェーン店だからお客様みたいなカッコいい人は滅多に来ないんですよ」

 はあ、俺がカッコいい? 何を言っているんだこの店員さんは?俺がカッコいいなんて保育園以来言われたことないぞ。でもリップサービスにしてもちょっと嬉しいな。

「そんなことないですよ。でもお姉さんみたいに綺麗な女性にそんなことを言われたら嬉しいですね」

「……っ!! またまたあ、駄目ですよ! いくらお客様がこんなにイケメンだからって、私はそんな甘い言葉に騙されたりはしませんからね! それじゃあまた何かあったら呼んでくださいね」

 そう言いながら女性店員は顔を真っ赤にしながら慌てて試着室の外に出ていった。何を言っているんだあの人は? 確かに今はだいぶ痩せて体付きはいいかもしれないが、さすがにイケメンは言い過ぎだろ。

「んん?」

 なんとなく試着室にあった鏡を見てみた。そこには髪はボサボサだったが、確かに俺が見てもイケメンと思える男の顔があった。……というか俺だった。

「はああああ!?」

 でもなんでだ? 異世界で大魔導士の体型維持スキルを継承して痩せたのはわかるが顔つきまで変わってしまったのか?

 ……いや、よくよく見ると顔の細かいパーツは元の俺のままだ。ホクロの位置までも前の顔とまったく同じだ。ということはもしかしたら元の俺が痩せていたらイケメンだったとか?

 確かに保育園のころは痩せていて女の子達から格好いいと言われていたが、小学校に入って太り始めた頃からそんなことはまったく言われなくなっていた。俺のモテ期は保育園の頃で終わってしまったのかと思っていだが、イケメンになった今の俺ならまだチャンスがあるのか?

 ………………まじか。
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