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2巻
2-3
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「……この辺りには獲物になりそうな動物や魔物はいないみたいだね。もう少し奥の方まで行ってみる?」
「うん、そうしようか」
森の中に入って少し進むが、俺には、獲物どころか小さな動物の気配すらも感じられない。
当然なんの目印もなく、道なんかもない森の中だから、帰り道がわかるように少しずつ木の幹にナイフで目印をつけながら進んで行く。いざとなればキャンピングカーのカーナビがあるから、これは念のためだな。
当たり前だが、森は木々が生い茂っていて、ものすごく歩きにくい。だが同時に、視界を遮るものも多くあるから、狩りをするのには向いている気もする。
「あっ、こっちの野草は食べられるよ。あとこっちのキノコも大丈夫!」
「へえ~せっかくだから、いろいろと取っていこう。あっ、でも見分けるのが難しいものなんかは無理して取らなくていいからね」
元の世界でも、食べられるものと似ている猛毒を持ったものもあったから、気を付けなければならない。
その点、コレットちゃんには森の恵みの知識があるのでとてもありがたい。
まあ、村の人からもらえる食べ物じゃ足りないから、必要に迫られて覚えたと言われたら、素直にすごいとは言いづらいのだけれど。
今はそれほどお金に困っているわけではないから、危険な野草やキノコは避けておこう。
「それにしても、コレットちゃんはすごいですね」
「うん、コレットちゃんがいてくれるおかげで、森の中をスムーズに進めるよ」
「ホー」
「えへへ~」
嬉しそうにはにかむコレットちゃん。
森の中を歩きなれているコレットちゃんは、深い茂みをスイスイ進んで行く。
「それにフー太も空からの偵察をありがとうね」
「ホホー!」
フー太は俺達の数メートル上を飛んで周囲を確認してくれている。俺達とは異なる空からの視点で周囲を見渡せるのはとても頼りになる。
「……早く私も役に立ちたいです」
「いつもジーナの護衛にはお世話になっているから、そんなに焦らなくても大丈夫だよ。それに魔物が出てきたら戦闘はジーナがメインになるから頑張ってね」
「は、はい!」
開けた草原なんかではジーナの目はとても役に立つけれど、こうも視界を遮るものが多い森の中ではなかなか活かせない。だけど戦闘はジーナに任せることになるし、目がいいのも狩りには役に立つ。
「……シゲトお兄ちゃん、少し先に何かいるよ」
「うん、了解」
しばらく森の中を進んで行くと、前を歩いているコレットちゃんから待ったがかかった。黒いオオカミの耳をピンと張って可愛らしいけれど、今はそんなことを言っている状況じゃない。
果たしてこの先に何がいるのやら。
「……あれはミーアルフォックスかな。あんまりおいしくないけれど、一応食べられるよ」
コレットちゃんが指差す先には茶色くて可愛らしいキツネがいる。もふもふとした尻尾とつぶらな黒い瞳がとてもキュートだ。
俺達は離れた草むらの中からミーアルフォックスという魔物の様子をこっそりと見る。
まだかなり距離があるから、向こうはこちらに気付いていない。
……というか、この世界ではキツネを食べるんだな。元の世界だとキツネはまずくて食べられたものじゃないのと、寄生虫であるエキノコックスがいるため、そもそも触れること自体NGだったはずだ。
この世界では食用らしいから、寄生虫なんかはいないのかもしれないけれど、あんまりおいしくないのなら見逃してもいいかもしれない。
「いきます!」
「あっ、ちょっとジーナ!?」
「ジーナお姉ちゃん、駄目だよ!」
「ホー!」
俺やコレットちゃんやフー太が止めるのも空しく、ジーナが一人で草むらから飛び出し、投擲用のナイフを持ってミーアルフォックスの方へ走り出す。
「キュウ!」
「んなっ!?」
しかし、ミーアルフォックスはジーナが飛び出してすぐに気付き、猛スピードで逃げた。
ジーナがミーアルフォックスを追いかけるが、向こうは木々の隙間をかなりのスピードで走っていくため、ジーナのスピードでも追いつけない。
「ジーナ、ストップ!」
「わ、わかりました! すみません、取り逃がしてしまいました」
ジーナは普段森で狩りをしているため、道などがまったくない森の中を結構なスピードで走っていく。これ以上離れるとはぐれてしまうため、大声で呼び止めた。
残念そうにこっちに戻って来るジーナ。
「逃がしてしまったのは良いけれど、勝手に一人で先走っちゃったら駄目だよ」
「ミーアルフォックスは動きがとても速くて、殺気にものすごく敏感だから、何人かで挟むか、こっそりと近付いて一気に仕留めないと駄目なんです」
コレットちゃんが言うには、ミーアルフォックスは捕らえるのがかなり面倒な魔物らしい。
「そ、そうなんですね、あの魔物は初めて見ました。私の村の近くにはいない魔物でした……」
当然だが生息する魔物の種類はその森によって異なる。
今の行動を見ると、ジーナはずっと一人で狩りをしていたのだろう。身体能力は人一倍ありそうだもんなあ。
「狩りのことについて俺は素人だからわからないけれど、少なくともコレットちゃんの意見は聞いた方がいいんじゃないかな」
「うう……すみません」
「だ、大丈夫だよ! それにミーアルフォックスはあんまりおいしくないから」
「そうだな。小さい魔物だし、逃がしてもいいと思っていた相手だ。それに細かい打ち合わせもみんなで今のうちにしておこう」
「ホー」
「申し訳ないです……」
ジーナは激しく落ち込んでいる。
それにしても、あれだけキュートな魔物でも、この世界の人には食べるための獲物にしか見えないのか……うん、やはりその辺りの感覚は元の世界とはだいぶ違うみたいだし、俺も割り切らないとな。
「……あれはワイルドディアだね。とってもおいしい魔物だよ」
みんなと打ち合わせをして、次の獲物を探して、またしばらく森の中を歩いたところで、コレットちゃんが次の獲物を見つけた。
風向きを確認して、大きな音を立てないように注意しながら草むらに隠れる。目の前にいるのは立派な角を生やしたシカ型の魔物だ。
「ディアクよりも小柄だな。強さ的にはどれくらいなの?」
「ディアクほど強くはないですね。ワイルドディアは何度も狩ったことがある魔物ですので、問題ありません」
「すごいね、ジーナお姉ちゃん。僕にはワイルドディアはちょっと厳しい相手かも……」
角や体格がディアクより小さいし、やはりあいつよりは強くない魔物なんだな。
……というか、この世界に来て最初に出会った魔物があんなに大きくて凶暴な魔物とは、本当についてなかった。
「それじゃあ、さっき打ち合わせした通りにいこう」
ヒュンッ。
「ブオオオ!?」
風下から少しずつ近付いたジーナが投擲したナイフが、ワイルドディアの肩付近に突き刺さる。
「そこ!」
ジーナが草むらから飛び出し、ワイルドディアに斬りかかる。
「ブオオオ!」
「くっ、浅かったようです!」
ジーナのロングソードの一撃はワイルドディアの首を切り裂いたが、一撃で絶命させるには及ばなかった。
首から赤い血を流しつつ、ワイルドディアがジーナとは反対方向へ逃げ出す。
「逃がしません!」
ジーナがワイルドディアを追うが、相手もかなり速い。手負いとはいえ、普段から森の中を走り回っている魔物は森に慣れている。
「ホー!」
「フー太!?」
コレットちゃんと俺が一緒にジーナの後を追っていると、空を飛んでいたフー太がものすごいスピードで飛翔して一気にワイルドディアに追いついた。
「ホー!」
「ブオオオ……」
そして、追いついた瞬間に一気にフー太の体が大きくなり、大きなかぎ爪がワイルドディアの首に深々と突き刺さる。
そのままワイルドディアは動かなくなった。
「すごいぞ、フー太」
「さすがフー太様です!」
「フー太様、すごい!」
「ホー、ホー♪」
みんなに褒められ、得意げに翼を広げるフー太。
大きくなったフー太が戦闘をしている場面を初めて見たけれど、やはり大きさは強さだ。それにフー太の鋭いかぎ爪は戦闘になれば強い武器になることがわかった。
ワイルドディアの首にグサッと突き刺さっているし。
「ジーナも本当にすごかったね。ワイルドディアを狩れたのはジーナのおかげだよ」
「ジーナお姉ちゃん、すごかったよ!」
「は、はい! 理想を言えば一撃で倒せればよかったのですが……」
「いや、十分すごかったよ。今まで森で狩りをしていただけあるね!」
「とっても格好よかったです!」
「ホー!」
「そ、そうですか!」
ジーナも得意げだ。
ジーナは自己評価が低いから、これで少しでも自信を持ってくれるといいと思う。
「コレットちゃんこそ本当にすばらしかったです。相手の位置を早く察知してくれたおかげで、相手にバレることなく風下から奇襲を仕掛けることができましたからね。普段の狩りではこれほど簡単にはいきません」
「そうだね。コレットちゃんのおかげで、先手を取ってワイルドディアを倒すことができたよ」
「ホー!」
「う、うん!」
そう、コレットちゃんがいてくれたおかげで、獲物を見つけるのがものすごく楽だった。
視界に入らないほど離れた魔物であっても、黒狼族であるコレットちゃんの嗅覚と聴覚によって気付くことができる。
魔物の気配を感じられれば、魔物の風下へ回り込んで視力の良いジーナとフー太がそいつを見つけて、確実に先手を取ることができる。フェビリー村の連中はコレットちゃんと協力すれば狩りをするのがこんなに楽になるのに、馬鹿すぎるよな。
役に立てていないのは俺だけだ。
いや、違うんだよ、みんながすごすぎるだけなんだよ。うん……俺は解体と料理を頑張ることにしよう。
「それじゃあここでワイルドディアを解体してお昼にしよう」
ワイルドディアを狩ったあと、先ほどいた川辺に戻ってきた。
俺一人でワイルドディアを運べれば多少は格好がついたのだけれど、残念ながら無理だったので、ジーナにも手伝ってもらった。
ワイルドディアは何十キロもある上にかなり大きいので、俺一人じゃ絶対に持てない……
アイテムボックス機能を使用したかったのだが、この川に来るまでキャンピングカーを出せそうな開けた場所がなかった。
それに、道が切り開かれていない山はめちゃくちゃ歩きにくいから本当に大変だった。ジーナもコレットちゃんも山は慣れているみたいだったけれど、一般人の俺にとってはなかなかしんどいものだぞ……
川に来るまでにワイルドディアの首筋を切って血抜きをしながら運んだ。あと少しだけ逆さに吊るして血抜きをしてから、川で水洗いをして解体作業に移ろう。
「シゲト、手伝いますよ」
「僕も手伝います!」
「ありがとう。悪いけれど頼むよ」
この世界に来てから何度か解体作業を経験したけれど、魔物によって内臓の位置などがかなり異なるため、慎重にやらなくてはならない。
この世界で生きていくためにも、解体作業は覚えなければな。俺も少しずつ覚えていこう。
今更だが、街で解体用の道具を購入しておけばよかったな。
今はキャンピングカーに積んであったロープを使用して木に吊るして血抜きをしているけれど、解体用に吊るすことができる道具があれば便利だ。
「……よし、やっと終わった!」
「お疲れさまです。結構な量になりましたね」
「これだけあればお腹いっぱい食べられるね」
「ホーホー」
無事に解体作業が完了した。
やはり解体作業は結構な重労働になる。三人でも数時間かかってしまった。
ワイルドディアを探して倒す時間よりも、圧倒的に解体している時間の方が長かったもんな。
「おまけにフー太が狩ってきてくれた鳥もあるぞ」
「ホー♪」
俺達が解体作業を行っている最中、フー太はこの川の付近を散歩しながら、狩れそうな獲物を探していたようだ。そして見事にこの山鳥を狩ってきてくれたので、ワイルドディアと一緒に解体した。
山鳥はディアクやワイルドディアとは違って小さいから解体作業がだいぶ楽だったが、その分細かい作業になるので神経を使った。
解体中に食道や膀胱を傷付けてしまって、その内容物が食べられる部位にかかると、その部分は食べられなくなるらしい。
消化中の糞や尿はかなり臭うらしいので、細心の注意を払った。
その甲斐あって、かなりの量の肉を手に入れることができたわけだ。これだけあればみんなで食べても結構な期間持つだろう。
アイテムボックス機能で、肉の鮮度を落とすことなく長期間保存できるのはとても助かる。
ぎゅるるるるるる~。
「ううっ!?」
「ごめん、だいぶ遅くなっちゃったね。早くお昼ご飯にしよう」
「す、すみません!」
解体作業が一段落して緊張の糸が解けたからか、昨日と同様に盛大にジーナのお腹の虫が鳴った。
だけど今回はしょうがない。
解体作業をしている間にとっくにお昼の時間は過ぎていた。
解体作業中はだいぶ汚れてしまうから、昼食を挟まずに一気に終わらせてしまおうという話になったのだ。
ぐうううう~。
「はわわっ!?」
今度はコレットちゃんのお腹の虫も鳴った。二人のお腹は正直だな。かく言う俺もすごくお腹がすいているし、早くお昼ご飯にしよう。
「それじゃあ、川に入ったあと、順番にシャワーを浴びてきてね」
「はい」
「うん」
解体作業ですっかり汚れてしまった。
解体する時に獲物についたダニや虫なんかが付着する可能性が高いため、キャンピングカーに入る前に川で水浴びをしてもらう。キャンピングカーの中にダニや虫が入ると嫌なので、念には念を入れておこう。
ワイルドディアは血抜きをしたあと川で洗ったのだが、その前に服に付着したかもしれないからな。
「さて、それじゃあ俺達は昼ご飯の準備をしよう」
「ホー!」
ジーナとコレットちゃんが水浴びをしてシャワーを浴びている間に、俺とフー太は昼食の準備だ。
……それにしても、キャンピングカーを挟んだ反対側でジーナとコレットちゃんが水浴びをしているというのはドキドキしてしまう。フー太が隣にいるし、もちろんのぞきなんてするつもりはないからな!
「まずは内臓から食べるか」
早速狩ったばかりのワイルドディアのハツやレバーを使って料理をしよう。
アイテムボックス機能があるので、足の早い内臓を先に消費する必要はないのだが、頻繁に食べられないから食べたくなってしまった。
「ホルモンは臭みを抜くのが一般的だよな」
ジーナやコレットちゃんにも確認したところ、ワイルドディアのホルモンも食べられるらしいけれど、やはり魔物でも臭みを取ってから食べるらしい。
俺のうろ覚えの知識でも、牛乳に漬けるとか、生姜と一緒に下茹でをした方が良いはずだ。
そっちの方はあとで処理をするとして、確実に食べられそうなハツとレバーから使おう。
新鮮な状態なら生で食べるハツ刺しとかレバ刺しもいけそうな気がするけれど、さすがに異世界ではリスキーすぎるから、ちゃんと火を通す。
「ええ~と、まずは周りの白い脂の部分を切り落としてから、一度冷水で臭みを取って一口大に切るっと……」
ハツとレバーの下処理をしていく。
元の世界では完全に処理されてから出回っていたが、こちらの世界ではそういった細々したこともすべて自分でやらなければならない。
解体も自分達で血まみれになりながら、きつい臭いに耐えて慎重に食べられる部位を切り分けるという苦労があった。
まあ、その分普通に店で購入してきた肉を食べるよりもおいしく感じるというものだ。
元の世界のように調理方法をスマホで調べることはできないけれど、逆にこういった不便さもある意味面白い。みんなで試行錯誤しながら物を作ったり、料理をしたりしていくのも悪くないな。
「よしっ、完成!」
「うわあ~いい匂い!」
「とてもおいしそうな香りですね!」
「ホー♪」
ハツとレバーの下処理を終えて他の食材を切ってから、ジーナとコレットちゃんと交代して、フー太と一緒にシャワーを浴びた。
その間に、二人には他のホルモンの部位の臭み取りの処理をお願いした。
そして、俺達が戻ってから下ごしらえした料理をみんなで仕上げた。
一人で料理をするのもいいが、やはりみんなで協力して料理をするのは楽しいものだ。
「今日の料理はレバーとハツを焼いたものと、野菜と一緒にタレを付けて焼いたものだよ」
まずはシンプルに焼いたレバーとハツに塩を掛けたものと、アウトドアスパイスを掛けたものを食べる。
「うん、やはり狩ったばかりのものは新鮮で臭みがなくておいしいですね。塩だけでも十分です!」
「とってもおいしい!」
「ホー、ホー♪」
おおっ、これは初めての経験だ!
ハツやレバーを焼いたものは、これまでにも食べたことはあるけれど、それよりも断然旨い!
本当に臭みがまったくないんだな。
特にレバーは元の世界ではあまり好きじゃなかったけれど、これは本当にいけるぞ! 舌触りもとてもよく、塩だけでもめちゃくちゃ旨いし、アウトドアスパイスの味付けもいいな。
こっちのハツはコリコリとした食感で、レバーと同様に臭みはなく、淡白な味がこれまた旨い。
「こちらのタレの味もとてもおいしいですね。甘辛く、内臓の臭みもまったく感じずに食べることができます!」
「うん! とってもおいしいよ!」
「ホホー!」
「これはレバニラという料理だよ。ハツもあるからハツレバニラとも言うのかな?」
レバーといえばレバニラだよな。なぜレバーとニラなのかというと、確かレバーの栄養の吸収をニラが促進してくれるんだっけか。
ジーナの村でもらった野菜の中にニラがあったので作ってみた。さすがにレバニラ定番のもやしはなかった。
……もやしがなければ駄目だって? 細かいことはいいんだよ!
うん、作ったタレも我ながら上出来じゃないか。しいて言うならば、白いご飯が欲しい。ハツレバニラにはご飯が必須だと思うのはきっと俺だけではないはずだ。
「よし、解体したワイルドディアと山鳥はキャンピングカーに収納しておいたよ」
遅めの昼食を食べて、森を出る準備をした。
せっかくだからついでに燻製料理なんかを作ってもよかったけれど、魔物が出てくる可能性があるから、この森を出てからにしよう。
「話していた通り、森の外へ進みながら、もう一匹くらい探そうか」
「はい」
「うん!」
「ホー!」
ここからは来た道を引き返す。もう一匹くらい獲物を狩れると嬉しいところだ。
今回の探索で当分の間の肉や野草を手に入れることができたけれど、もっとあっても困ることはないからな。
せっかく時間を止めることができるアイテムボックスがあるのだから、食料を多めに確保しておいた方がいい。
この後狩った獲物は、もしかしたら今日中に解体することができないかもしれないけれど、そしたら明日にすればいいだけだ。
「うん、そうしようか」
森の中に入って少し進むが、俺には、獲物どころか小さな動物の気配すらも感じられない。
当然なんの目印もなく、道なんかもない森の中だから、帰り道がわかるように少しずつ木の幹にナイフで目印をつけながら進んで行く。いざとなればキャンピングカーのカーナビがあるから、これは念のためだな。
当たり前だが、森は木々が生い茂っていて、ものすごく歩きにくい。だが同時に、視界を遮るものも多くあるから、狩りをするのには向いている気もする。
「あっ、こっちの野草は食べられるよ。あとこっちのキノコも大丈夫!」
「へえ~せっかくだから、いろいろと取っていこう。あっ、でも見分けるのが難しいものなんかは無理して取らなくていいからね」
元の世界でも、食べられるものと似ている猛毒を持ったものもあったから、気を付けなければならない。
その点、コレットちゃんには森の恵みの知識があるのでとてもありがたい。
まあ、村の人からもらえる食べ物じゃ足りないから、必要に迫られて覚えたと言われたら、素直にすごいとは言いづらいのだけれど。
今はそれほどお金に困っているわけではないから、危険な野草やキノコは避けておこう。
「それにしても、コレットちゃんはすごいですね」
「うん、コレットちゃんがいてくれるおかげで、森の中をスムーズに進めるよ」
「ホー」
「えへへ~」
嬉しそうにはにかむコレットちゃん。
森の中を歩きなれているコレットちゃんは、深い茂みをスイスイ進んで行く。
「それにフー太も空からの偵察をありがとうね」
「ホホー!」
フー太は俺達の数メートル上を飛んで周囲を確認してくれている。俺達とは異なる空からの視点で周囲を見渡せるのはとても頼りになる。
「……早く私も役に立ちたいです」
「いつもジーナの護衛にはお世話になっているから、そんなに焦らなくても大丈夫だよ。それに魔物が出てきたら戦闘はジーナがメインになるから頑張ってね」
「は、はい!」
開けた草原なんかではジーナの目はとても役に立つけれど、こうも視界を遮るものが多い森の中ではなかなか活かせない。だけど戦闘はジーナに任せることになるし、目がいいのも狩りには役に立つ。
「……シゲトお兄ちゃん、少し先に何かいるよ」
「うん、了解」
しばらく森の中を進んで行くと、前を歩いているコレットちゃんから待ったがかかった。黒いオオカミの耳をピンと張って可愛らしいけれど、今はそんなことを言っている状況じゃない。
果たしてこの先に何がいるのやら。
「……あれはミーアルフォックスかな。あんまりおいしくないけれど、一応食べられるよ」
コレットちゃんが指差す先には茶色くて可愛らしいキツネがいる。もふもふとした尻尾とつぶらな黒い瞳がとてもキュートだ。
俺達は離れた草むらの中からミーアルフォックスという魔物の様子をこっそりと見る。
まだかなり距離があるから、向こうはこちらに気付いていない。
……というか、この世界ではキツネを食べるんだな。元の世界だとキツネはまずくて食べられたものじゃないのと、寄生虫であるエキノコックスがいるため、そもそも触れること自体NGだったはずだ。
この世界では食用らしいから、寄生虫なんかはいないのかもしれないけれど、あんまりおいしくないのなら見逃してもいいかもしれない。
「いきます!」
「あっ、ちょっとジーナ!?」
「ジーナお姉ちゃん、駄目だよ!」
「ホー!」
俺やコレットちゃんやフー太が止めるのも空しく、ジーナが一人で草むらから飛び出し、投擲用のナイフを持ってミーアルフォックスの方へ走り出す。
「キュウ!」
「んなっ!?」
しかし、ミーアルフォックスはジーナが飛び出してすぐに気付き、猛スピードで逃げた。
ジーナがミーアルフォックスを追いかけるが、向こうは木々の隙間をかなりのスピードで走っていくため、ジーナのスピードでも追いつけない。
「ジーナ、ストップ!」
「わ、わかりました! すみません、取り逃がしてしまいました」
ジーナは普段森で狩りをしているため、道などがまったくない森の中を結構なスピードで走っていく。これ以上離れるとはぐれてしまうため、大声で呼び止めた。
残念そうにこっちに戻って来るジーナ。
「逃がしてしまったのは良いけれど、勝手に一人で先走っちゃったら駄目だよ」
「ミーアルフォックスは動きがとても速くて、殺気にものすごく敏感だから、何人かで挟むか、こっそりと近付いて一気に仕留めないと駄目なんです」
コレットちゃんが言うには、ミーアルフォックスは捕らえるのがかなり面倒な魔物らしい。
「そ、そうなんですね、あの魔物は初めて見ました。私の村の近くにはいない魔物でした……」
当然だが生息する魔物の種類はその森によって異なる。
今の行動を見ると、ジーナはずっと一人で狩りをしていたのだろう。身体能力は人一倍ありそうだもんなあ。
「狩りのことについて俺は素人だからわからないけれど、少なくともコレットちゃんの意見は聞いた方がいいんじゃないかな」
「うう……すみません」
「だ、大丈夫だよ! それにミーアルフォックスはあんまりおいしくないから」
「そうだな。小さい魔物だし、逃がしてもいいと思っていた相手だ。それに細かい打ち合わせもみんなで今のうちにしておこう」
「ホー」
「申し訳ないです……」
ジーナは激しく落ち込んでいる。
それにしても、あれだけキュートな魔物でも、この世界の人には食べるための獲物にしか見えないのか……うん、やはりその辺りの感覚は元の世界とはだいぶ違うみたいだし、俺も割り切らないとな。
「……あれはワイルドディアだね。とってもおいしい魔物だよ」
みんなと打ち合わせをして、次の獲物を探して、またしばらく森の中を歩いたところで、コレットちゃんが次の獲物を見つけた。
風向きを確認して、大きな音を立てないように注意しながら草むらに隠れる。目の前にいるのは立派な角を生やしたシカ型の魔物だ。
「ディアクよりも小柄だな。強さ的にはどれくらいなの?」
「ディアクほど強くはないですね。ワイルドディアは何度も狩ったことがある魔物ですので、問題ありません」
「すごいね、ジーナお姉ちゃん。僕にはワイルドディアはちょっと厳しい相手かも……」
角や体格がディアクより小さいし、やはりあいつよりは強くない魔物なんだな。
……というか、この世界に来て最初に出会った魔物があんなに大きくて凶暴な魔物とは、本当についてなかった。
「それじゃあ、さっき打ち合わせした通りにいこう」
ヒュンッ。
「ブオオオ!?」
風下から少しずつ近付いたジーナが投擲したナイフが、ワイルドディアの肩付近に突き刺さる。
「そこ!」
ジーナが草むらから飛び出し、ワイルドディアに斬りかかる。
「ブオオオ!」
「くっ、浅かったようです!」
ジーナのロングソードの一撃はワイルドディアの首を切り裂いたが、一撃で絶命させるには及ばなかった。
首から赤い血を流しつつ、ワイルドディアがジーナとは反対方向へ逃げ出す。
「逃がしません!」
ジーナがワイルドディアを追うが、相手もかなり速い。手負いとはいえ、普段から森の中を走り回っている魔物は森に慣れている。
「ホー!」
「フー太!?」
コレットちゃんと俺が一緒にジーナの後を追っていると、空を飛んでいたフー太がものすごいスピードで飛翔して一気にワイルドディアに追いついた。
「ホー!」
「ブオオオ……」
そして、追いついた瞬間に一気にフー太の体が大きくなり、大きなかぎ爪がワイルドディアの首に深々と突き刺さる。
そのままワイルドディアは動かなくなった。
「すごいぞ、フー太」
「さすがフー太様です!」
「フー太様、すごい!」
「ホー、ホー♪」
みんなに褒められ、得意げに翼を広げるフー太。
大きくなったフー太が戦闘をしている場面を初めて見たけれど、やはり大きさは強さだ。それにフー太の鋭いかぎ爪は戦闘になれば強い武器になることがわかった。
ワイルドディアの首にグサッと突き刺さっているし。
「ジーナも本当にすごかったね。ワイルドディアを狩れたのはジーナのおかげだよ」
「ジーナお姉ちゃん、すごかったよ!」
「は、はい! 理想を言えば一撃で倒せればよかったのですが……」
「いや、十分すごかったよ。今まで森で狩りをしていただけあるね!」
「とっても格好よかったです!」
「ホー!」
「そ、そうですか!」
ジーナも得意げだ。
ジーナは自己評価が低いから、これで少しでも自信を持ってくれるといいと思う。
「コレットちゃんこそ本当にすばらしかったです。相手の位置を早く察知してくれたおかげで、相手にバレることなく風下から奇襲を仕掛けることができましたからね。普段の狩りではこれほど簡単にはいきません」
「そうだね。コレットちゃんのおかげで、先手を取ってワイルドディアを倒すことができたよ」
「ホー!」
「う、うん!」
そう、コレットちゃんがいてくれたおかげで、獲物を見つけるのがものすごく楽だった。
視界に入らないほど離れた魔物であっても、黒狼族であるコレットちゃんの嗅覚と聴覚によって気付くことができる。
魔物の気配を感じられれば、魔物の風下へ回り込んで視力の良いジーナとフー太がそいつを見つけて、確実に先手を取ることができる。フェビリー村の連中はコレットちゃんと協力すれば狩りをするのがこんなに楽になるのに、馬鹿すぎるよな。
役に立てていないのは俺だけだ。
いや、違うんだよ、みんながすごすぎるだけなんだよ。うん……俺は解体と料理を頑張ることにしよう。
「それじゃあここでワイルドディアを解体してお昼にしよう」
ワイルドディアを狩ったあと、先ほどいた川辺に戻ってきた。
俺一人でワイルドディアを運べれば多少は格好がついたのだけれど、残念ながら無理だったので、ジーナにも手伝ってもらった。
ワイルドディアは何十キロもある上にかなり大きいので、俺一人じゃ絶対に持てない……
アイテムボックス機能を使用したかったのだが、この川に来るまでキャンピングカーを出せそうな開けた場所がなかった。
それに、道が切り開かれていない山はめちゃくちゃ歩きにくいから本当に大変だった。ジーナもコレットちゃんも山は慣れているみたいだったけれど、一般人の俺にとってはなかなかしんどいものだぞ……
川に来るまでにワイルドディアの首筋を切って血抜きをしながら運んだ。あと少しだけ逆さに吊るして血抜きをしてから、川で水洗いをして解体作業に移ろう。
「シゲト、手伝いますよ」
「僕も手伝います!」
「ありがとう。悪いけれど頼むよ」
この世界に来てから何度か解体作業を経験したけれど、魔物によって内臓の位置などがかなり異なるため、慎重にやらなくてはならない。
この世界で生きていくためにも、解体作業は覚えなければな。俺も少しずつ覚えていこう。
今更だが、街で解体用の道具を購入しておけばよかったな。
今はキャンピングカーに積んであったロープを使用して木に吊るして血抜きをしているけれど、解体用に吊るすことができる道具があれば便利だ。
「……よし、やっと終わった!」
「お疲れさまです。結構な量になりましたね」
「これだけあればお腹いっぱい食べられるね」
「ホーホー」
無事に解体作業が完了した。
やはり解体作業は結構な重労働になる。三人でも数時間かかってしまった。
ワイルドディアを探して倒す時間よりも、圧倒的に解体している時間の方が長かったもんな。
「おまけにフー太が狩ってきてくれた鳥もあるぞ」
「ホー♪」
俺達が解体作業を行っている最中、フー太はこの川の付近を散歩しながら、狩れそうな獲物を探していたようだ。そして見事にこの山鳥を狩ってきてくれたので、ワイルドディアと一緒に解体した。
山鳥はディアクやワイルドディアとは違って小さいから解体作業がだいぶ楽だったが、その分細かい作業になるので神経を使った。
解体中に食道や膀胱を傷付けてしまって、その内容物が食べられる部位にかかると、その部分は食べられなくなるらしい。
消化中の糞や尿はかなり臭うらしいので、細心の注意を払った。
その甲斐あって、かなりの量の肉を手に入れることができたわけだ。これだけあればみんなで食べても結構な期間持つだろう。
アイテムボックス機能で、肉の鮮度を落とすことなく長期間保存できるのはとても助かる。
ぎゅるるるるるる~。
「ううっ!?」
「ごめん、だいぶ遅くなっちゃったね。早くお昼ご飯にしよう」
「す、すみません!」
解体作業が一段落して緊張の糸が解けたからか、昨日と同様に盛大にジーナのお腹の虫が鳴った。
だけど今回はしょうがない。
解体作業をしている間にとっくにお昼の時間は過ぎていた。
解体作業中はだいぶ汚れてしまうから、昼食を挟まずに一気に終わらせてしまおうという話になったのだ。
ぐうううう~。
「はわわっ!?」
今度はコレットちゃんのお腹の虫も鳴った。二人のお腹は正直だな。かく言う俺もすごくお腹がすいているし、早くお昼ご飯にしよう。
「それじゃあ、川に入ったあと、順番にシャワーを浴びてきてね」
「はい」
「うん」
解体作業ですっかり汚れてしまった。
解体する時に獲物についたダニや虫なんかが付着する可能性が高いため、キャンピングカーに入る前に川で水浴びをしてもらう。キャンピングカーの中にダニや虫が入ると嫌なので、念には念を入れておこう。
ワイルドディアは血抜きをしたあと川で洗ったのだが、その前に服に付着したかもしれないからな。
「さて、それじゃあ俺達は昼ご飯の準備をしよう」
「ホー!」
ジーナとコレットちゃんが水浴びをしてシャワーを浴びている間に、俺とフー太は昼食の準備だ。
……それにしても、キャンピングカーを挟んだ反対側でジーナとコレットちゃんが水浴びをしているというのはドキドキしてしまう。フー太が隣にいるし、もちろんのぞきなんてするつもりはないからな!
「まずは内臓から食べるか」
早速狩ったばかりのワイルドディアのハツやレバーを使って料理をしよう。
アイテムボックス機能があるので、足の早い内臓を先に消費する必要はないのだが、頻繁に食べられないから食べたくなってしまった。
「ホルモンは臭みを抜くのが一般的だよな」
ジーナやコレットちゃんにも確認したところ、ワイルドディアのホルモンも食べられるらしいけれど、やはり魔物でも臭みを取ってから食べるらしい。
俺のうろ覚えの知識でも、牛乳に漬けるとか、生姜と一緒に下茹でをした方が良いはずだ。
そっちの方はあとで処理をするとして、確実に食べられそうなハツとレバーから使おう。
新鮮な状態なら生で食べるハツ刺しとかレバ刺しもいけそうな気がするけれど、さすがに異世界ではリスキーすぎるから、ちゃんと火を通す。
「ええ~と、まずは周りの白い脂の部分を切り落としてから、一度冷水で臭みを取って一口大に切るっと……」
ハツとレバーの下処理をしていく。
元の世界では完全に処理されてから出回っていたが、こちらの世界ではそういった細々したこともすべて自分でやらなければならない。
解体も自分達で血まみれになりながら、きつい臭いに耐えて慎重に食べられる部位を切り分けるという苦労があった。
まあ、その分普通に店で購入してきた肉を食べるよりもおいしく感じるというものだ。
元の世界のように調理方法をスマホで調べることはできないけれど、逆にこういった不便さもある意味面白い。みんなで試行錯誤しながら物を作ったり、料理をしたりしていくのも悪くないな。
「よしっ、完成!」
「うわあ~いい匂い!」
「とてもおいしそうな香りですね!」
「ホー♪」
ハツとレバーの下処理を終えて他の食材を切ってから、ジーナとコレットちゃんと交代して、フー太と一緒にシャワーを浴びた。
その間に、二人には他のホルモンの部位の臭み取りの処理をお願いした。
そして、俺達が戻ってから下ごしらえした料理をみんなで仕上げた。
一人で料理をするのもいいが、やはりみんなで協力して料理をするのは楽しいものだ。
「今日の料理はレバーとハツを焼いたものと、野菜と一緒にタレを付けて焼いたものだよ」
まずはシンプルに焼いたレバーとハツに塩を掛けたものと、アウトドアスパイスを掛けたものを食べる。
「うん、やはり狩ったばかりのものは新鮮で臭みがなくておいしいですね。塩だけでも十分です!」
「とってもおいしい!」
「ホー、ホー♪」
おおっ、これは初めての経験だ!
ハツやレバーを焼いたものは、これまでにも食べたことはあるけれど、それよりも断然旨い!
本当に臭みがまったくないんだな。
特にレバーは元の世界ではあまり好きじゃなかったけれど、これは本当にいけるぞ! 舌触りもとてもよく、塩だけでもめちゃくちゃ旨いし、アウトドアスパイスの味付けもいいな。
こっちのハツはコリコリとした食感で、レバーと同様に臭みはなく、淡白な味がこれまた旨い。
「こちらのタレの味もとてもおいしいですね。甘辛く、内臓の臭みもまったく感じずに食べることができます!」
「うん! とってもおいしいよ!」
「ホホー!」
「これはレバニラという料理だよ。ハツもあるからハツレバニラとも言うのかな?」
レバーといえばレバニラだよな。なぜレバーとニラなのかというと、確かレバーの栄養の吸収をニラが促進してくれるんだっけか。
ジーナの村でもらった野菜の中にニラがあったので作ってみた。さすがにレバニラ定番のもやしはなかった。
……もやしがなければ駄目だって? 細かいことはいいんだよ!
うん、作ったタレも我ながら上出来じゃないか。しいて言うならば、白いご飯が欲しい。ハツレバニラにはご飯が必須だと思うのはきっと俺だけではないはずだ。
「よし、解体したワイルドディアと山鳥はキャンピングカーに収納しておいたよ」
遅めの昼食を食べて、森を出る準備をした。
せっかくだからついでに燻製料理なんかを作ってもよかったけれど、魔物が出てくる可能性があるから、この森を出てからにしよう。
「話していた通り、森の外へ進みながら、もう一匹くらい探そうか」
「はい」
「うん!」
「ホー!」
ここからは来た道を引き返す。もう一匹くらい獲物を狩れると嬉しいところだ。
今回の探索で当分の間の肉や野草を手に入れることができたけれど、もっとあっても困ることはないからな。
せっかく時間を止めることができるアイテムボックスがあるのだから、食料を多めに確保しておいた方がいい。
この後狩った獲物は、もしかしたら今日中に解体することができないかもしれないけれど、そしたら明日にすればいいだけだ。
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◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆
第1巻発売中!
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