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第5章 いろんな客とトラブルがやってきた!?

第156話 お酒の種類

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「オブリさん、少しお邪魔します」

「おお、ユウスケ殿。それにランド殿にバーナル殿ではないか」

「おう、じーさん」

「俺達もちょっとお邪魔するぜ」

「もちろんじゃよ」

 ランドさんとバーナルさんと一緒にオブリさんやエルフのみんながいる場所にやってきた。もちろん椅子と酒を持ってである。

「今回は本当にありがとうございました。オブリさんやみなさんがいてくれたおかげで、このキャンプ場が無事にすみましたよ」

「なあに、ワシらの村も危なかったんじゃ。むしろワシらだけでは勝てなかったかもしれんから、みながいてくれて助かったわい」

「ええ、みんなには本当に助けてもらいました。それにしてもすごい魔法でしたね」

「おう、あの魔法にはぶったまげたぜ! まさか極大魔法を使えるなんてよ!」

「ああ、伝説級の魔法だろ。この目で初めて見たぜ! じーさんはいったい何者なんだ?」

「ふぉっふぉっ、なあに、ただの小さな村の村長じゃよ」

 本当にオブリさんは何者なんだろうな? ジルベールさんは知っているっぽかったけど。

「おふたりとも、先程は我々の乗ったリヤカーを引いてくれてとても助かりました」

「ええ、我々を乗せたまま、あれほどのスピードで走るなんてすごい力でしたね」

「いやいや、アルベさんやカテナさん達の身体能力強化魔法があったからこそだぜ」

「ああ。自分の身体じゃねえみてえに軽かったぜ。オブリのじーさんだけじゃなくて、みんなの魔法も十分に規格外だったぞ」

「おふたりの力や速さもとても凄かったです!」

「私達エルフの元々の身体能力は高くないですからね。私達からしたら、みなさんが羨ましいですよ!」

 どうやらエルフという種族は魔法に長けているが、身体能力は高くはないらしい。言われてみるとエルフ村の人達でマッチョな人はひとりもいなかったな。

「お互いないものねだりってやつだな。それよりもこの変異種の肉はもう食べたか? このカツってやつにチュウノウソースをかけるとめちゃくちゃうまいぞ!」

「うむ。すでにいただいておるぞ。変異種の肉を食べたのはだいぶ久しぶりじゃが、前に食べた肉よりもうまかったのう」

「きっとユウスケさんの料理が上手なんですよ! それに他の場所では見たこともない料理がたくさんありますし!」

「ユウスケさん、このお鍋とっても美味しいです!」

「ありがとうございます。味噌味で独特な味ですけれど、お口に合ってなによりですよ。でも今回はキャンプ場のみんなで手分けして作りましたからね。サリアもたくさん手伝ってくれました」

「ほう、うちの娘が!」

「まあ、あの子もこんなに美味しい料理を作れるようになったのですね」

「ふむ、サリアも頑張っておるようじゃのう。ユウスケ殿、このワインじゃが、いつものよりも美味しいと思えるのは気のせいかのう?」

 おっと、よく気が付いたな。確かに今日のワインはいつもより高価なワインを何種類か購入してある。とはいえ、そこまで高級なワインではないから、たぶん俺なら気付かなかったぞ。

「はい。今日はこういう特別な日のために取っておいた、いつものワインよりも良いワインを用意しました」

「おお、やはりか! いつものワインよりもうまいと思ったわい! すごいのう、これが以前にユウスケ殿が言っておった高級なワインであるか!」

 ……本当は今回のワインよりも高価なワインも購入できたりもするんだよな。普段キャンプ場で出しているワインは銀貨1~2枚の安いやつで、今回のは銀貨5枚のそこそこのやつを購入した。

 このキャンプ場ではいろいろな種類のお酒を出しているので、ひとつの種類のお酒は基本的に一種類しか提供していない。ワインだけで何種類も販売すると提供する側も大変だからな。

 一応週ごとに今週のお酒として普段のメニューにはないお酒を一種類出しているくらいだ。しかし今日はビールや日本酒やウイスキーなど数種類ずつ用意してある。

「ほお~いつも飲んでいるワインも街で買うワインよりも美味しいのに上には上があるものなんですね」

「ええ、今日は楽しんでください。いつものお酒の制限はないですから、あまり飲みすぎないように気をつけてくださいね。まあエルフ村のみんななら大丈夫だと思いますけど」

「このキャンプ場がオープンした日は飲み過ぎてしまったからのう。懐かしいわい……」

「ああ……あの時は本当に頭が痛かったからな。今日はちゃんと気を付けるぜ!」

「私達も次の日は大変でしたからね。ほどほどにしておきますよ」

「俺も今日はほどほどにしておきます……」

 どうやらみんなもあの日のことはちゃんと覚えているようだ。うん、反省することは大事だよな。この分なら今日は飲みすぎて悲惨なことにはならないだろう。

 ランドさんとバーナルさんはこのままエルフ村のみんなと一緒に飲んでいくそうだ。

 最近ではキャンプ場のお客さん同士でも結構交流があったりするからな。みんなで将棋や囲碁をしたり、バドミントンやフリスビーなどで遊んでいるのをたまに見かける。俺としてもお客さん同士で、仲良く楽しんでくれるのは見ていて嬉しいものである。
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