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ドライブでもしませんか?
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風が冷たいから一気に手が冷たくなってしまったけど、コートのポケットに入れてしまえば問題ない。彼はこのあとまた車を運転しなきゃいけないし、手が冷えたらハンドルを扱いにくいかもしれないから、彼の手袋を借りる気はない。
「……じゃあ、こうしよう、そしたらもっと暖かいし」
「……ええ?」
私を夜景が見えるように立たせると、彼は私の後ろにピッタリとくっついた。
「えっ、あの、えっとっ」
私がうろたえているうちに、彼の手に私の手が包み込まれ、私のコートのポケットへ……。彼の右手と私の右手が右ポケットに、彼の左手と私の左手が左のポケットに……。
手袋を外した彼の手はとても温かくて……冷たくなってしまっていたのが徐々に暖かくなってくる。
「やっぱり亜矢さんの手、だいぶ冷たくなっちゃってたね。ごめんね」
「……」
いや、あのちょっと、メープルくんっ。どう言う状況よ、これっ。私の背中が彼に密着していて、いやあの、暖かいんだけど、ちょっと待ってよっ。
手も繋いじゃってるし、身体は密着してるし、おまけに、彼の声が耳元で直接聞こえてきて、どうにも落ち着かない。
あまりのことに、心臓がバクバク言ってる。
えっ、待って、もしかすると私の心臓のドキドキ、こんなに密着してたら彼にばれちゃうんじゃない? いやだ、恥ずかしすぎる。しかし離れようにも彼が私の手を優しく拘束しているから、離れられそうにない。
コートが分厚いから、きっと大丈夫、きっと……。そう願うしかない。
「夜景、どう……?」
「う、うん、すごく綺麗」
そう答えはしたものの、もう夜景どころではなくなってしまった。この状況でどうやって冷静に景色を見れば良いというのだろう。そんなの無理に決まってる。
メープルくんは私の耳元で「ほんと綺麗だね」なんて暢気に話してるけど。
本当にもうそれどころじゃないですよ。いちいち声が右耳からダイレクトだし。
おまけに、ふんわり握られてた手が……彼がスルリと手を動かして、指と指を絡ませるように繋ぎ合わせてきて……私の手の甲はすっかり彼の手に包み込まれてしまった。
おいおい、何してんのキミ……?
絡まる指が気になって仕方ない。
思わず彼を睨もうと振り返るために顔を動かしたら……あまりにも近い場所に彼の顔があって、思わず仰け反りそうになってしまった。
まって、心臓に悪いっ。
よろけてしまい、彼に支えられて事なきを得る。
「おっと、大丈夫?」
「……ごめん」
「なに? 僕の顔、見たくなった?」
「ちっ、違っ」
自意識も自信も、過剰すぎる、この男……。やっぱりそう言う所がホストっぽいんだよ。
半分諦めにも似た気持ちになってきた時、少し強めの風がビューッと吹いた。風が冷たい。当たり前だけど、真冬の屋上は予想以上に寒い。思わず身体に力が入る。
「……じゃあ、こうしよう、そしたらもっと暖かいし」
「……ええ?」
私を夜景が見えるように立たせると、彼は私の後ろにピッタリとくっついた。
「えっ、あの、えっとっ」
私がうろたえているうちに、彼の手に私の手が包み込まれ、私のコートのポケットへ……。彼の右手と私の右手が右ポケットに、彼の左手と私の左手が左のポケットに……。
手袋を外した彼の手はとても温かくて……冷たくなってしまっていたのが徐々に暖かくなってくる。
「やっぱり亜矢さんの手、だいぶ冷たくなっちゃってたね。ごめんね」
「……」
いや、あのちょっと、メープルくんっ。どう言う状況よ、これっ。私の背中が彼に密着していて、いやあの、暖かいんだけど、ちょっと待ってよっ。
手も繋いじゃってるし、身体は密着してるし、おまけに、彼の声が耳元で直接聞こえてきて、どうにも落ち着かない。
あまりのことに、心臓がバクバク言ってる。
えっ、待って、もしかすると私の心臓のドキドキ、こんなに密着してたら彼にばれちゃうんじゃない? いやだ、恥ずかしすぎる。しかし離れようにも彼が私の手を優しく拘束しているから、離れられそうにない。
コートが分厚いから、きっと大丈夫、きっと……。そう願うしかない。
「夜景、どう……?」
「う、うん、すごく綺麗」
そう答えはしたものの、もう夜景どころではなくなってしまった。この状況でどうやって冷静に景色を見れば良いというのだろう。そんなの無理に決まってる。
メープルくんは私の耳元で「ほんと綺麗だね」なんて暢気に話してるけど。
本当にもうそれどころじゃないですよ。いちいち声が右耳からダイレクトだし。
おまけに、ふんわり握られてた手が……彼がスルリと手を動かして、指と指を絡ませるように繋ぎ合わせてきて……私の手の甲はすっかり彼の手に包み込まれてしまった。
おいおい、何してんのキミ……?
絡まる指が気になって仕方ない。
思わず彼を睨もうと振り返るために顔を動かしたら……あまりにも近い場所に彼の顔があって、思わず仰け反りそうになってしまった。
まって、心臓に悪いっ。
よろけてしまい、彼に支えられて事なきを得る。
「おっと、大丈夫?」
「……ごめん」
「なに? 僕の顔、見たくなった?」
「ちっ、違っ」
自意識も自信も、過剰すぎる、この男……。やっぱりそう言う所がホストっぽいんだよ。
半分諦めにも似た気持ちになってきた時、少し強めの風がビューッと吹いた。風が冷たい。当たり前だけど、真冬の屋上は予想以上に寒い。思わず身体に力が入る。
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