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ドライブでもしませんか?
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色んな事を考えている間に信号が青になったらしく車が滑らかに走り出す。夜のドライブなんて、初めてかも知れない。
大学生の頃は私も当時付き合ってた彼氏も車なんて持ってなかったし、社会人になってからもしばらくは同じで、最近は私の仕事が忙しすぎてデートもままならなかったぐらいだから、やっぱりこれが初めてだ。
そっか、夜のドライブって、こんな感じなんだ……。そう思うと、東京の夜の街がなぜだかキラキラして見えてくる。
「……どうしたの? 嬉しそう」
「え……っと、いやあの、東京の夜って案外綺麗だなーって思って」
「夜景、好き?」
「特別好きってわけじゃないけど、今日はなんだかそんな気分……かな」
「そっか、じゃあちょうど良かったかも」
「……え?」
「いまから夜景見に行こうと思って」
「……へえ」
「ちょっと寒いかもだけどねー」
ふむ、夜景を見に行くのか。それはそれで……まあ、ほんの少し楽しみではある。
そう言えば改めて考えてみると、ドライブと同様にデートで東京の夜景を見たことはないから、それも初めてだ。なんだか案外何もしたことがないな、と思う。
過去に付き合ってきた男たちと一体どんな風に過ごしていたっけ? 思い出すのも面倒で、私はさっさとこの思考を放棄した。
車をどこかの駐車場に止めて、どこかに歩いて行く。方向音痴だから、基本的にどこに来ても現在地がどこだか分からない。どこかの建物に入り、エレベーターで、上へ上へ……。
最終入場時間を過ぎているけれど、どうやら入ることが出来るらしい。どんな手を使ったのかは聞かない方が良い気がする。
「外だから寒いけど、大丈夫?」
「あ、だから暖かい格好って……」
「うん」
ドライブに誘われた時、電話で『一番暖かい格好で来て』と言われてたのだ。なるほど、屋外の展望デッキに行く予定だったのか。
今日は比較的暖かい方とは言え、1月下旬の夜はとても冷える。しかも高いビルの屋上で屋外ともなると、風も強そうだ。一気に体温を持って行かれるに違いない。
「寒いけど、冬の方が綺麗なんだよね」
なるほど、それはその通りだと思う。どんな綺麗な光景が待っているのか、期待が高まる。
途中からは外が見えるエスカレーターで展望デッキへと上がる。この場所から見えてる時点でも、もうすでに綺麗だ。
一番上へ到着すると、やっぱり風が結構強くて髪が乱れたけれど……そんなことはどうでも良くなるくらい美しい光景が眼下に広がっていて……。
「……うわぁっ」
思わず感嘆の声を上げる。さすがにこれは圧巻だ。
「綺麗……」
「ね、綺麗だねー」
ガラスの向こうに吸い寄せられてしまいそうなほど、キラキラした光が広がっている。
「寒くない?」
「うん、大丈夫」
「ごめん、手袋も持ってくるように言えば良かったね。僕のじゃ大きいかもだけど、使って?」
「え? ああ、ううん、平気。ポケットに入れれば大丈夫だから」
大学生の頃は私も当時付き合ってた彼氏も車なんて持ってなかったし、社会人になってからもしばらくは同じで、最近は私の仕事が忙しすぎてデートもままならなかったぐらいだから、やっぱりこれが初めてだ。
そっか、夜のドライブって、こんな感じなんだ……。そう思うと、東京の夜の街がなぜだかキラキラして見えてくる。
「……どうしたの? 嬉しそう」
「え……っと、いやあの、東京の夜って案外綺麗だなーって思って」
「夜景、好き?」
「特別好きってわけじゃないけど、今日はなんだかそんな気分……かな」
「そっか、じゃあちょうど良かったかも」
「……え?」
「いまから夜景見に行こうと思って」
「……へえ」
「ちょっと寒いかもだけどねー」
ふむ、夜景を見に行くのか。それはそれで……まあ、ほんの少し楽しみではある。
そう言えば改めて考えてみると、ドライブと同様にデートで東京の夜景を見たことはないから、それも初めてだ。なんだか案外何もしたことがないな、と思う。
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車をどこかの駐車場に止めて、どこかに歩いて行く。方向音痴だから、基本的にどこに来ても現在地がどこだか分からない。どこかの建物に入り、エレベーターで、上へ上へ……。
最終入場時間を過ぎているけれど、どうやら入ることが出来るらしい。どんな手を使ったのかは聞かない方が良い気がする。
「外だから寒いけど、大丈夫?」
「あ、だから暖かい格好って……」
「うん」
ドライブに誘われた時、電話で『一番暖かい格好で来て』と言われてたのだ。なるほど、屋外の展望デッキに行く予定だったのか。
今日は比較的暖かい方とは言え、1月下旬の夜はとても冷える。しかも高いビルの屋上で屋外ともなると、風も強そうだ。一気に体温を持って行かれるに違いない。
「寒いけど、冬の方が綺麗なんだよね」
なるほど、それはその通りだと思う。どんな綺麗な光景が待っているのか、期待が高まる。
途中からは外が見えるエスカレーターで展望デッキへと上がる。この場所から見えてる時点でも、もうすでに綺麗だ。
一番上へ到着すると、やっぱり風が結構強くて髪が乱れたけれど……そんなことはどうでも良くなるくらい美しい光景が眼下に広がっていて……。
「……うわぁっ」
思わず感嘆の声を上げる。さすがにこれは圧巻だ。
「綺麗……」
「ね、綺麗だねー」
ガラスの向こうに吸い寄せられてしまいそうなほど、キラキラした光が広がっている。
「寒くない?」
「うん、大丈夫」
「ごめん、手袋も持ってくるように言えば良かったね。僕のじゃ大きいかもだけど、使って?」
「え? ああ、ううん、平気。ポケットに入れれば大丈夫だから」
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