チビで目立たない私が、何故か美形の軍人に一目惚れされました!

絵麻

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チビで目立たない私が、なぜか美形の軍人に一目惚れされました!

十五話『幸せになれ』

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「今、朝」
 激しく交わり、気を失った。手を伸ばし、カーテンを上げる手を雅翔が掴む。
「気にしないで、もう少し寝てろ」
「雅翔さん・・んぅ」
 口づけ、引き戻される。

 昨晩から、こんなやり取りに何度も求められた。

「だめぇ、も・・出来ない」
「千鶴」
 腕を絡められ、身動きが取れない。
「愛している、千鶴」
 再び穿たれる。
「やだぁ・・だめ。ほんとに無理ぃ」

「大丈夫か?」
 優しい声音で、雅翔が訊ねる。
「いや、って言った」
 かすれた声で、千鶴が拗ねる。
「なんで。やだ、って」
「可愛いんだよ」
「!」
 笑う顔も好きだが、快楽に泣き喘ぐ姿も見たい。
「ばかぁ」
 林檎のように、千鶴は紅くなる。

「ほんとに、すぐ、赤ちゃん」
 避妊していなければ、初夜で孕むほどに抱かれた。
「そうだな、でも」
 それも構わない、と雅翔は思う。
「そしたら、どこにも行かなくなるだろ?」
「!」
「オレだけの、千鶴にできる」
 抱きしめ、雅翔が寝息を立て始めるのを聞きながら、千鶴は静かに泣いた。

(嫉妬深くて、寂しがり屋で・・私は泣いた。大好きな玩具を隠され、何日も泣いて探した雅翔さん)

『ないよ!』
 見つからない玩具に泣く、幼い雅翔の姿が浮かぶ。

『高みを目指してほしいから、隠したんだけど』
 鳳夫妻の笑顔を思い出す。

「私が、居なくなったら、探してくれますか?」
 寝顔に問いかける。
「行くな」
 さらに強く、抱きしめられた。
「居なくなったら、狂うからな」
「・・・行きません、ずっとお側にいます」
 小さく口づけ、目を閉じた。

「私は、雅翔さんを愛してる。浩介くんや周りから見れば、不幸に見えるかもだけど。面倒な旦那さん、かもしれないけど。でも、私は雅翔さんが大好きなの」
 狂うなんて、言ってくれる人は他にいない。
「そうか、わかった」
「ありがとう、浩介くん」

 ちー。
 浩介に抱きしめられる。

「幸せになれ。でも、忘れないでくれ、オレは旦那さんに負けないくらいに、お前が好きだ」
「!」
「出征前に言いたいことがあるって言っただろ?それが、これだ」
「ありがとう、浩介くん」

 幸せになれ!

「行ったのか?」
 浩介が去ったあと、雅翔が出てきた。
「はい」
「千鶴」
 不安そうな目で、雅翔が訊ねる。

「いいか、オレで」
「はい」
「お前の隣にいるのは、オレで構わないか?」
 震えている雅翔に、胸が痛む。
「私には、雅翔さんが似合うって言ったでしょ?」
 背伸びをし、雅翔を抱きしめた。
「だから、泣かないで」
「ありがとう」
 温かな雫が、千鶴の頬を濡らした。
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