チビで目立たない私が、何故か美形の軍人に一目惚れされました!

絵麻

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チビで目立たない私が、なぜか美形の軍人に一目惚れされました!

六話『新婚生活一日目』

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「千鶴」
 気を失った千鶴に、雅翔は口づけた。

〈結局、一晩中抱き合っていた。イヤだ、と懇願する千鶴を、貪り尽くすように抱くオレは周囲から見れば、鬼畜以外の何者でもないだろう〉
 
 ―――――。
 ゆっくり、千鶴は瞬きをする。最初に目に入るのは、寝台の脇にあるサイドテーブルに置かれたランプシェードから漏れる優しい光。次に目に映ったのは、千鶴を見つめる優しい眼差しだった。
「おはよう、千鶴」
「おはようございます」
 昨晩のことが蘇り、かぁと紅くなり顔をそむける。

「こら、逃げるな」
「やだ、恥ずかしい」
「いまさら、だろう」

『坊っちゃんは立派なモノをお持ちですから、安心してください』

 セツの言葉の意味が、いまさらに分かる。
「どうだ?」
 雅翔が囁いた。
「な、何がですか」
「オレは立派だったか?」
「!」
 他の人のモノなど知らない千鶴に、そんなことがわかろう筈がない。
「そうか、昨夜はあんなに『大っきい』を連発していたが?」
「酷い、雅翔さんの意地悪!分かるわけないじゃないっ、初めてなんですよ」
 泣きじゃくる千鶴に、雅翔が口づける。

「泣くな。悪かった、可愛いから、ついな。オレも、実は――」
 千鶴が泣き笑いに歪む。
「本当に」
「ああ、恋愛経験がないのに、これがあったら大変だろ」
「―――っ」
「だから、ちょっと心配でな。千鶴に経験があったらなぁって。『雅翔さん、下手』とか」
「下手とか上手とか、営みにあるんでしょうか?」
「さあ?相性じゃないか、それか」
「それか?」
「相手に、愛情がある無しとか?経験がないから、わからないが」
 ふ、と千鶴が破顔する。
「私もわかりません。そんな沢山、いらないし」
 雅翔さんが、いてくれればいい。
 千鶴は心で呟いた。きっと、言葉に出せば雅翔は喜ぶとは思うが、いまは少しだけ意地悪をしたい気分だった。

「さて、朝ごはん」
 千鶴は起き上がり、寝台から抜き出る。

 瞬間、ガクン!とへたり込む。

「あれ?」
 雅翔が慌て、抱き上げた。
「大丈夫か?」
「はい、なんでしょうか?急に力が」
 雅翔は頬を赤くする。
「いや、たぶん。腰砕けってやつだ」
「腰砕け?」
「つまり、営みが悦過ぎたり、しすぎると」
「!」
「寝ていろ、食事はオレが作る」
「恥ずかしい」
 茹で上がるタコのように、千鶴は紅くなった。
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