チビで目立たない私が、何故か美形の軍人に一目惚れされました!

絵麻

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チビで目立たない私が、なぜか美形の軍人に一目惚れされました!

プロローグ

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【昭和二十四年四月✕日、貴族軍人の名門・鳳家より私に、なんと縁談がきました】

 頬を染め、蔵澤家長女・千鶴は日記に書き記す。

【なんで、私なんでしようか?チビで美人でもない私より、妹の春香の方が美人でモテモテなのに】
 
 千鶴は声に出せない本音は全て、鍵付きの日記に記してきた。
 おとなしく地味で、親しい友人にも本音は言えない内気な千鶴を、何故か美形で高身長の鳳家の御曹司・雅翔が縁談を申し入れた。

【雅翔さんの写真を見た私は、その寂しげな瞳に胸が痛んだ】

「綺麗な顔立ちよね。千鶴より七歳上とは、ちょっと見えないわね」
 母・清香の言葉に千鶴は頷く。
「まだ、二十歳そこそこにみえます」
「戦争で軍功を立て、少尉だそうだ。千鶴をどこかで見かけたのか、どうしてもと」
 蔵澤伯爵こと、父・義久は悲しげに目を伏せる。
「まだ、十七の少年が前線に立ち、戦場で人を殺めた。どれだけ辛いことだったか、鳳の気持ちを考えるとな」
 鳳直登は義久の古くからの友人で、当然ながら雅翔のことも知っていた。
「おじさん、と慕ってくれた雅翔くんを思い出すよ」

「なぜ、私を?」
「わからんが、会ってみないか?雅翔くんは、素直で優しい少年だった」
 優しい少年。
「わかりました。一度だけ」

 こうして、見合いの日取りが決まった。
【優しい人。それが父の第一印象だと知り、悲しげな瞳の理由を知りたいと思いました。私に、雅翔さんの悲しみが癒せれば、そんなささやかな願いでした】
 千鶴は日記を閉じた。

「明後日かぁ」
 月は程なく、満月になる。見合いの夜は、満月になるだろう。

「はじめまして、鳳雅翔です」
「蔵澤千鶴です、宜しくお願いします」
「千鶴さんは、どうして会う気になったんですか?」
 まさか、いきなり訊かれるとは思わない質問だった。
「えと、私は大した美人でもないし、何で見合いを申し込んでくれたのか、知りたかったんです」

「オレと同じ意見か。オレは帰国して、すぐに君を見かけた。友人と楽しげに、歩く君を。生き直したいと、感じた。君の傍で」
 ズキンと胸が痛む。
「私が、出来ますか?あなたの願いに、合いますか?」
「君がいい」
 まっすぐな瞳の雅翔に、千鶴は頷いた。

「不束か者ですが、宜しくお願い致します」
「ああ、こちらこそ、宜しく」
 雅翔が笑った。

【私は、この笑顔に惹かれたんだと思う。寂しげな瞳の写真が、少年のように笑った瞬間に―――】
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