桔梗

絵麻

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桔梗

四話

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「初めまして、高里柚子です」
 深々と頭を下げた柚子に、雪杜は頭を下げる。
「こちらこそ、初めまして。杉原雪杜です」

 柚子は自分の事など、記憶にないかもしれない。でも、それなら新しく、思い出を作ればいいのだ。
「じゃあ、杉原さんは上官の方に言われて?」
 柚子は胸が痛んだ。
(そうよね、女学校も出てない私なんて、命令されなきゃ)
 泣きそうな柚子に、雪杜は優しく言った。
「柚子さん、僕では不服ですか。貴女の相手として、予科練生の僕では不足ですか?」
「不足だなんて!」
「なら、僕でいいですか?」
 雪杜の言葉に、柚子はまた救われた。
「はい!」
 笑顔で柚子は頷く。

 雪杜は休みのたびに会いに来ては、外出に連れ出してくれた。
「きれい」
 初めてデェトらしい場所に出かけた花見で、柚子は雪杜と初めての口づけを交わした。
「柚子、好きだよ」 
「私も、雪杜さんが好きです」
 口づけを、何度も交わした。そして、その夜に・・瑞江が不在をいい事に、雪杜は柚子を抱いた。

「大っきい」
 華奢な柚子の手首ほどの太さがあるペニスに、柚子は羞恥で顔を背ける。
 腹部につくほど勃ち上がり、雪杜が自分に欲情していると理解し嬉しかった。
「大っきいって、何が?」
「!」
 囁かれ、泣きそうになる。
「他の人の、見たコトあるの?」
 ありません、と振り向く柚子に口づけ一気に挿れた。

「やだぁ、待って」
「待たない」  
「硬いの、おちんちん・・硬いのっ」
 深く浅く、雪杜は柚子を愛した。何度も突き上げ、柚子に快感を教えた。

「ダメ・・だめぇ」
 柚子は絶頂した。痛みなど感じず、初めての交わりで達した自分を恥じて泣いた。
「イッたの?初めてなのに」
「ごめんなさい」
「気をやる時は、イクと言って」
 再び、雪杜が突き上げ始める。何度も体位を変え、柚子の反応を見る。
「深い・・おちんちん、奥まで入っ・・また」
 柚子は達した。
「ダメだよ、イクって言わなきゃ。言えるまで、やめないからね」

 恥ずかしい・・

 首を振り、快楽を訴えることを恥じる柚子。情事がこんなに悦いと、雪杜により仕込まれた。

「イク・・また、イッちゃ」
「いい子だ、存分に果てていいよ」 
 深く突き上げられ、柚子は絶頂とともに失神した。

「いつから、起きていたの」
 ふと、視線に目を覚ます。
「寝たよ、二時間ほど。あとは、君の顔を見ていた」
「恥ずかしいコト、言わないで」
 さんざん喘ぎ、上り詰める姿を見られた。淫らでいやらしく濡れた性器を、指と口で愛された。
「可愛かった」
「!」
「ごめんね、無理を強いたね」 
 抱きしめられ、柚子は枕で顔を隠したのだった。
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