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第50話 襲撃された町
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課外修行から帰宅して数日。ハイネはネトゲにインする。冬休みに入っているのに人が少ない。不思議な光景だ。他のギルド所属者が居たので現状を聞いてみることにしたハイネ。
「こんにちは」
「あぁ、こんにちは」
「今日は過疎っていますね」
「そうだな。最近町にアンデッドが出現するからそれどころではないだろうな」
「え?町にですか?」
「あぁ、ここ2日でアンデッドが町に現れるようになったから」
他人事だと思っていた事態が自分の身にも降りかかろうとしているのを感じる。
「俺の町はまだ現れていないが・・・黒エルフの町周辺は結構出たらしいぜ」
ハイネは急いでネットを閉じるとシルキーにメールした。安否確認だ。
しばらくハイネはネットニュースに目を通していた。
「ほら、お前らが最後だ」
ナッシュは剣を振るう。すると竜巻が起きアンデッド共を巻き上げる。竜巻に巻き込まれたアンデッドは首がもがれ四肢を切断される。
「行け!そいつらをバラバラにしてしまえ」
ドロスはそう言うと土魔法でゴーレムの集団を作りアンデッドに襲い掛からせる。そして戦斧でアンデッドを切り刻んでいく。
「流石にミノタウロスは強いな」
ニヤリと笑うナッシュ。
「狂戦士が居れば負けるはずもないですがね」
ドロスは不敵の笑みを向ける。
「油断は大敵ですよ」
シルキーは光魔法で熱線の雨を降らせる。そして風魔法で浄化薬を霧状に散布した。塵と化すアンデッド。怪物は魔石になっていく。
「被害状況は」
シルキーは兵士たちに声を掛ける。
「死者0人、負傷者は早急に治癒魔法を掛けましたのでアンデッドになっていません」
「そうですか。みんな生きているのですね」
「はい。シルキー様の判断が功を奏しました」
怪物とアンデッドの群れは5000くらいであった。魔力反応を察知したナッシュが直ちに立ち向かったのだ。そして助太刀に入る魔物と兵士。シルキーは住民を避難させ自らも戦いに身を投じる。その結果がこれである。
「兵士たちは順番に休憩を取りなさい。戦うものは武器を手に取り皆を守るのです」
魔物、黒エルフ、この町に移住してきたものは手に武器を取る。
「シルキー様、シエル様の工場から大量の浄化薬が届きました」
兵士が報告する。
「それでは住民全てに配布しなさい。お金は私が全額払います」
そう言いながらシルキーは屋敷に戻っていく。
(こうも襲ってくるとは・・・この先どうなるのか・・・)
シルキーは苦虫を噛み潰したような顔をする。
「俺がお前を守る。この町もすべて」
ナッシュは力強くシルキーを抱きしめた。
ハイネがシルキーと連絡が付いたのは翌日であった。被害は大きくなかったがけが人は数十人出た事にショックを受けるハイネ。
(もう他人事ではない。私も戦わないといけないのかもしれない)
家族を守りたい、グレンの笑顔を失いたくない、みんなとこれからも一緒に居たい。
(でも、私に何ができるの?シエルやカブの方が強いじゃない。私は無力だ)
途方に暮れるハイネ。
「大変だ!怪物が攻めてきたぞ!」
外で叫び声が聞こえた。
「まさか・・・そんな・・・」
ハイネは外に飛び出した。そこには逃げ惑う住民、窓を閉め自宅に立てこもる者そして先には兵士が弓矢を構えている。浄化薬が切れた様だ。
(逃げなくちゃ・・・私に出来ることなんてない。早く逃げるんだ・・・)
そう思うが恐怖で体が動かない。
兵士たちは徐々に後退してくる。アンデッドの群れが見える。怪物も混じっている。捕まれば殺されるであろう。死の恐怖が体を支配する。
“見ろ・・・全てを見ろ・・・そして貫け・・・”
不意に自分の中から声が聞こえる。ハイネはアンデッドを凝視する。
(何?あの蠢く(うごめく)邪悪な個体は・・・)
アンデッドの体からコアの邪悪なエネルギーが見えた。
(もしかしたら・・・そうだ。勝てる)
ハイネは光魔法でコアの部分に光る目印を付けていく。
「あの目印を撃って!早くして!!」
兵隊たちはわけも解らぬまま言われた通り光の目印を狙撃する。するとアンデッドは塵と化し崩れていった。
「次、早く狙撃を」
何時しかハイネの指示で兵隊は狙撃する。ハイネは次々と光の目印を付けていく。
「全軍、攻撃準備」
後ろから声が聞こえた。グレンだ。
「グレン、あの光を撃って。あそこがコアなの」
グレンが目をやると光の目印を撃たれたアンデッドは次々塵と化している。
「光の目印を撃て」
グレンは兵隊に指示を出す。弓矢の音と浄化薬が投げ込まれる音が響く。やがてアンデッド、怪物は浄化され塵になる。そして静寂が支配する。人間の勝利である。
「ハイネ無事か?」
アンデッドが一掃された広場でへたり込むハイネにグレンが近寄ってくる。
「大丈夫・・・ちょっと疲れただけだから」
グレンはハイネを抱きしめた。
「バカ!もしもの事があったらどうする気だ!!」
「ごめんなさい・・・でも・・・見えるの。アンデッドのコアが」
「本当か?」
「うん、もし僕の目をみんなと共有出来たら・・・僕たちは勝てるかもしれない」
そう言うハイネにグレンは唇を交わした。
「解った・・・でも二度と無理はしないでくれ。俺は君を失いたくない」
そして2人は再び唇を交わした。激しく舌が絡み合う。
空は赤く染まっていた。
「こんにちは」
「あぁ、こんにちは」
「今日は過疎っていますね」
「そうだな。最近町にアンデッドが出現するからそれどころではないだろうな」
「え?町にですか?」
「あぁ、ここ2日でアンデッドが町に現れるようになったから」
他人事だと思っていた事態が自分の身にも降りかかろうとしているのを感じる。
「俺の町はまだ現れていないが・・・黒エルフの町周辺は結構出たらしいぜ」
ハイネは急いでネットを閉じるとシルキーにメールした。安否確認だ。
しばらくハイネはネットニュースに目を通していた。
「ほら、お前らが最後だ」
ナッシュは剣を振るう。すると竜巻が起きアンデッド共を巻き上げる。竜巻に巻き込まれたアンデッドは首がもがれ四肢を切断される。
「行け!そいつらをバラバラにしてしまえ」
ドロスはそう言うと土魔法でゴーレムの集団を作りアンデッドに襲い掛からせる。そして戦斧でアンデッドを切り刻んでいく。
「流石にミノタウロスは強いな」
ニヤリと笑うナッシュ。
「狂戦士が居れば負けるはずもないですがね」
ドロスは不敵の笑みを向ける。
「油断は大敵ですよ」
シルキーは光魔法で熱線の雨を降らせる。そして風魔法で浄化薬を霧状に散布した。塵と化すアンデッド。怪物は魔石になっていく。
「被害状況は」
シルキーは兵士たちに声を掛ける。
「死者0人、負傷者は早急に治癒魔法を掛けましたのでアンデッドになっていません」
「そうですか。みんな生きているのですね」
「はい。シルキー様の判断が功を奏しました」
怪物とアンデッドの群れは5000くらいであった。魔力反応を察知したナッシュが直ちに立ち向かったのだ。そして助太刀に入る魔物と兵士。シルキーは住民を避難させ自らも戦いに身を投じる。その結果がこれである。
「兵士たちは順番に休憩を取りなさい。戦うものは武器を手に取り皆を守るのです」
魔物、黒エルフ、この町に移住してきたものは手に武器を取る。
「シルキー様、シエル様の工場から大量の浄化薬が届きました」
兵士が報告する。
「それでは住民全てに配布しなさい。お金は私が全額払います」
そう言いながらシルキーは屋敷に戻っていく。
(こうも襲ってくるとは・・・この先どうなるのか・・・)
シルキーは苦虫を噛み潰したような顔をする。
「俺がお前を守る。この町もすべて」
ナッシュは力強くシルキーを抱きしめた。
ハイネがシルキーと連絡が付いたのは翌日であった。被害は大きくなかったがけが人は数十人出た事にショックを受けるハイネ。
(もう他人事ではない。私も戦わないといけないのかもしれない)
家族を守りたい、グレンの笑顔を失いたくない、みんなとこれからも一緒に居たい。
(でも、私に何ができるの?シエルやカブの方が強いじゃない。私は無力だ)
途方に暮れるハイネ。
「大変だ!怪物が攻めてきたぞ!」
外で叫び声が聞こえた。
「まさか・・・そんな・・・」
ハイネは外に飛び出した。そこには逃げ惑う住民、窓を閉め自宅に立てこもる者そして先には兵士が弓矢を構えている。浄化薬が切れた様だ。
(逃げなくちゃ・・・私に出来ることなんてない。早く逃げるんだ・・・)
そう思うが恐怖で体が動かない。
兵士たちは徐々に後退してくる。アンデッドの群れが見える。怪物も混じっている。捕まれば殺されるであろう。死の恐怖が体を支配する。
“見ろ・・・全てを見ろ・・・そして貫け・・・”
不意に自分の中から声が聞こえる。ハイネはアンデッドを凝視する。
(何?あの蠢く(うごめく)邪悪な個体は・・・)
アンデッドの体からコアの邪悪なエネルギーが見えた。
(もしかしたら・・・そうだ。勝てる)
ハイネは光魔法でコアの部分に光る目印を付けていく。
「あの目印を撃って!早くして!!」
兵隊たちはわけも解らぬまま言われた通り光の目印を狙撃する。するとアンデッドは塵と化し崩れていった。
「次、早く狙撃を」
何時しかハイネの指示で兵隊は狙撃する。ハイネは次々と光の目印を付けていく。
「全軍、攻撃準備」
後ろから声が聞こえた。グレンだ。
「グレン、あの光を撃って。あそこがコアなの」
グレンが目をやると光の目印を撃たれたアンデッドは次々塵と化している。
「光の目印を撃て」
グレンは兵隊に指示を出す。弓矢の音と浄化薬が投げ込まれる音が響く。やがてアンデッド、怪物は浄化され塵になる。そして静寂が支配する。人間の勝利である。
「ハイネ無事か?」
アンデッドが一掃された広場でへたり込むハイネにグレンが近寄ってくる。
「大丈夫・・・ちょっと疲れただけだから」
グレンはハイネを抱きしめた。
「バカ!もしもの事があったらどうする気だ!!」
「ごめんなさい・・・でも・・・見えるの。アンデッドのコアが」
「本当か?」
「うん、もし僕の目をみんなと共有出来たら・・・僕たちは勝てるかもしれない」
そう言うハイネにグレンは唇を交わした。
「解った・・・でも二度と無理はしないでくれ。俺は君を失いたくない」
そして2人は再び唇を交わした。激しく舌が絡み合う。
空は赤く染まっていた。
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