異世界転生～女子高生が男の子に生まれ変わったのだが

第16話 待っていましたエルフさん！！

ついにこの日が来た。ハイネは待ち合わせの場所に来ていた。
エルフの住む精霊都市からハイネが住む町まで距離がある。この世界の主な移動手段は術式車、召喚魔法で呼び出した契約獣での移動、転移魔法と術式で構成される転移施設での移動がある。シエルは召喚魔法が使える。契約獣にできるのは1頭だけだが資質によって強力なものを呼び出せる。そして契約した獣は大型犬サイズになり召喚者の傍に常にいる。また、契約獣の力の開放具合で大きさが変わるのだ。

「直接会うのは初めましてかな。」
声の主に目をやるとフードを被った長身で細身の中性的な顔つきの美少年が立っていた。傍らに大型犬サイズの翼が生えた馬がいる。
（ペガサスだ！初めて見た！！それにシエルって生で見ると背が高いのね）
「初めましてだね。ハイネ」
長身で細身、色が白くて中性的な美少年が声をかけてくる。
「リアルでは初めまして。シエル」
笑顔で見つめ合う2人。
「折角来たんだから町を案内するよ」
「ありがとう」
「でも何処にでもある街だから期待しないでね」
その言葉にシエルは優しく微笑む。
（可愛い。耳だけでなく目も妊娠するかも）
２人は町へ繰り出した。

空が赤く染まるころハイネはホテルの一室にいた。昼間は2人でお茶したり町を散策したり美術館に行ったりとデートを楽しんだ。そして誘われるがままにホテルに着いて来た。この後の展開は想像できる。
（まあ、こうなるよね）
ダブルベッドとちょっとしたリビングスペース。明らかに良い部屋である。高層階なので見晴らしも良い。
「この部屋、高かったんじゃない？」
「ネットの予約サイトで予約したからそれなりにお手頃価格だよ」
シエルはそう言うがネットでも6万はする部屋だ。ビジネスホテルなら８千から１万で泊まれるだろうに。因みにこの世界では１部屋いくらという値段付けで何人泊まても値段は変わらない。
「半分だそうか？」
14歳で6万は大金だ。それにハイネは森の怪物からもらったお金が残っている。
「大丈夫だよ。ゴブリン乱獲したから」
そう微笑みながらシエルは言う。
（何気に恐ろしい事を言うな）
ゴブリンをショタ認定しているハイネは少しゾッとした。しかし便利な生活に怪物の犠牲は仕方がないとも理解している。瘴気から無限に生まれる怪物。生態系維持と便利な生活のために狩ることはこの世界の人間には当たり前のことだ。
「汗かいちゃった。一緒にお風呂入らない？」
（ついにこの時が来た！）
服を脱ぐと2人で浴室に向かう。シエルの肌はキメ細かくて白い。ただ・・・残念ながら一物はお粗末だ。
「ハイネ・・・」
湯船に浸かりながらシエルの顔が近づいてくる。
“ゴクリ”
涎を飲み込みながらハイネは静かに目をつぶった。
（痛い・・・）
シエルがキスしてきたのだが焦ったのか歯が当たった。
目を開けるとシエルも痛そうな顔をしている。
「シエル・・・初めてなの？」
「・・・うん」
一物が反り返り歓喜に満ちた様な脈を打ち出す。
（美少年の初めて・・・御馳走さまです！）
暫く見つめ合う2人。
（ここはリードするのは私だよね？いや、これは使命だ！私は男を教える使命を背負ってこの世界に転生してきたのだ！！だから美味しく頂かなくては）
ハイネは優しくシエルの唇を奪う。
「ファーストキスがハイネで・・・嬉しいよ」
シエルははにかみながらそう言った。
（たまらん！もう我慢できない！）
そう思いながらもハイネは優しく舌を絡め口づけを交わす。
そして2人は風呂からベッドへ移るのであった。