異世界転生～女子高生が男の子に生まれ変わったのだが

第3話 ネットで気になることを聞いたよ

学校が終わり家に着いたハイネはパソコンの前に座る。
「今来たよ」
ネット通話で話しかける。
「おう！今日は何処に狩りに行く？」
ドワーフの少年の声が聞こえた。
「今日は素材集めして本拠地強化がいいな」
エルフの少年が答える。
最近ネトゲにはまるハイネ。ネットの世界にはあらゆる種族がいる。エルフもドワーフも妖精もネトゲする世界なのだ。また、この世界のネトゲはチャットが無く直接会話するネット会話システムになっている。プレイ中チャット会話が面倒という理由で直接会話になっているのだ。もちろん相手の顔も見える。初めてプレイした時には興奮したものだ。漫画やラノベでしか知らない異種族を画面越しとはいえ見たのだから。これも治安がいいからできることなのだろうが。
（今日も耳が妊娠しちゃいそう）
「じゃあ本拠地強化して時間があれば狩りもする？」
ハイネの提案にみんな同意した。
素材集めは何処の世界でも作業プレイになる。しかしドロップ率は悪くないので長時間集める必要もない。
作業も順調に進みそろそろ終わるというときエルフの少年が突然こんなことを言ってきた。
「この前初めてゴブリン狩ったんだけどさ」
「え？ゴブリン狩ったの？リアルで？」
ハイネが目を丸くした。
「え？課金の小遣い稼ぎにゴブリン狩らないの？」
ドワーフの少年が聞いてくる。
「俺、無課金だし・・・」
ハイネが答える。
「まあ、良いんじゃね。課金してもソロプレイ前提の金庫かアバター買うだけだし」
エルフの少年が答える。
「それよりさ、ゴブリン初めて見たとき意外とイケメンなのな。」
「え？ゴブリンって写真で見たときいかにも怪物って感じだったと思うけど」
ハイネが目を丸くする。
「見間違いじゃね」
ドワーフの少年が答える。
因みにゴブリンは子供くらいの力しかない。更に魔法が使えないのだ。魔法を使えば子供でも倒せる。世界各地の「瘴気の森」と言われる森の外側からゴブリン1匹倒してすぐ逃げればそこまで危険ではない。因みにエルフの少年は風と召喚、治癒魔法の使い手らしい。
「風で弓矢を操作して魔石は風で運んだから森に入っていないんだけどね。でもさ、初めて見たときそれなりの美少年だと思ったんだけどそのあと見たゴブリンは化け物にしか見えないのな。」
「俺は大人と狩りに行くけど初めて見たときから化け物しかいなかったよ」
ドワーフの少年が答える。
「逆にイケメンゴブリンとか気になるし！」
内心乙女心がざわつく。ショタ系もいけた前世で合法的に悪戯できるかもしれないゴブリンに少し興味がわく。
「お前ホモかよ・・・」
ドワーフの少年が苦笑した。
「いや・・・言い方が悪かったけどイケメンゴブリンがいるなら美少女もいるかなと・・・」
慌てて答えるハイネ。
「瘴気から生まれる怪物は雄しかいないよ」
エルフの少年が苦笑いする。
「そうなの？」
「まあ、人種は狩りの習慣がリアルでないからな」
エルフの少年は微笑みながら言う。
（この笑顔ずるいよ。可愛すぎてキスしたくなるよ）
内心ハイネは思う。そもそもネトゲにはまった理由も他種族で目の保養をしたかったからだ。生まれ変わっても心は未だに乙女だ。
その後も無駄話をしながらネトゲを続け晩御飯ごろにその日は解散した。
（ショタゴブリン・・・見てみたいな）
晩御飯を食べながらふとそんなことを考えていた。