勇者は異常者

2章 ネオアース編

第11話 平和条約※

「俺は絶対行かないぞ！」
ロランは必死に抵抗する。
「それは…国家君主が行かなくては」
アテナがロランを無理やり連れだそうとする。
「私とアプロディーテが行けば問題ないだろう」
美少女真祖の言葉にアテナはがっかりする。
「ごめんなさい…ママは父親の影響で腐敵なもので…」
丈太郎は申し訳なさそうにロランに謝る。

“確かにロランが行ったら真っ先に襲われるな”

ショタは異世界の勇者の恐ろしさを改めて感じていた。


“ロリコンホモはどんな条約を作るのか…”

（誰がロリコンホモだ！俺はバイでロリも好きなだけだ！！）

不意に祐樹に怒られる。この調子ではろくなことにならないのではと思う。だが内容をまだ発表されていないのだ。動きようもない。


「それでは平和条約を始める」
異世界から来た勇者は壇上でそう宣言する。出席者の男性は全員“はい、ご主人様”と言いだした。全くどうしようもない連中である。

“こんな事で世界は平和になるのか？”

コウは複雑な表情を浮かべ考え込んでいた。

（大丈夫だ！問題ない。エロは世界を救うのだよ）

祐樹はコウの考えることに反応する。

“父さん、会議に集中しろよ！じゃないと母さんに父さんのエロ本の隠し場所をばらすぞ！”

丈太郎が父親を叱りだす。その言葉に勇者は黙り込む。


会議が始まると内容はごく普通の内容であった。互いに侵略しない、武力行使は控えるのをはじめいろいろな事を決めだす。特に児童ポルノや児童に卑猥なことをする事には重大な罰が与えられるようになる。それは女性に対しても適用された。今後は女性を凌辱すれば厳罰になろことを明言したのだから。そこまではまだまともだと思ったが問題はその後に来た。
「同性同士の性行為は浮気にしない法案を通したい」
その言葉に場に居る代表者は歓喜の声をあげる。そして男同士でいちゃつきだしたのだ。
「あの場に行かなくて良かった…」
ロランは冷や汗をかいている。それはそうだろう。
「親父の性愛をどうにかしなければ…更に犠牲者が出るな…」
丈太郎は父親のやり方に反吐が出るみたいだ。しかし血を流さずに勢力を統合するのは凄いことだ。やり方が問題なだけで一応は平和的解決をしている。
最終的にはこの世界の悪魔と神が同意したことで一応は丸く収まったみたいだ。しかし彼らが性的な意味で祐樹に籠絡されたことは見ていて良く分る。やがて中継にモザイクが掛かる。そして打ち切られてしまった。どうやら男同士の肉体の宴が始まったらしい。最後に少し映ったアテナは顔を紅潮させ男達を見入る姿が特に印象的だった。


平和宣言から1週間経つ。世界はとんでもないことになっていた。天使と悪魔が男同士でデートしていたり男同士の結婚が相次いだのだ。しかも国家の重鎮クラスで。祐樹が徹底的に男同士の性愛を叩き込んだ結果だ。その光景に一部女性は歓喜するが大半の人間は嫌悪感を示した。そして世界的に同性同士でも浮気は浮気だと言う署名が集められ同性同士の行為は浮気ではないという文言だけは削除された。それを祐樹は悔しそうに見ている。


「俺のやり方はまだ世界には早すぎたのかな」
祐樹はショタ真祖の後ろの口に一物をねじ込みながらアテナに話しかける。
「そうですね…早いというよりは一部のマニア向けでしょ」
アテナは2人の絡みを見ながら答える。
「そんな事より」
急にアテナは祐樹を襲いだす。2人の絡みを見て欲情したのであろう。それから祐樹は5発ほどアテナと愛し合った。


「この世界には恐ろしい能力者が2人もいるな」
不意に祐樹がアテナに言う。
「丈太郎とコウですか？」
「あぁ、あいつら子供のくせに戦場を渡り歩きすぎだよ」
「大丈夫でしょう。それ以上に愛情を与えられていますから」
「そうだな」
祐樹はそう言いながら彼女と唇を交わした。


「それでは俺は帰るよ」
祐樹はグランゾン公国の重鎮たちに挨拶を交わす。
「もう来ないでください」
コウが不意に言いだす。
「それはダメだ。まだロランを襲っていないから」
祐樹はニヤリと笑う。
「絶対に嫌だ！」
ロランは美形の顔を歪ませ必死に拒否する。
「知ったら病みつきになるぜ」
そう言いながら祐樹はネオグレイドンに戻っていく。
『二度と来るな！』
その場にいた男性陣は口をそろえて叫んでいた。