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第七十三話 秋休みのマッチョスタンビートー2
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モブ国Aとモブ国Bの国境に人だかりが出来ている。マッチョの群れを取り囲むように女性陣とマッチョ愛好家紳士が彼等を見て目の保養をさせているのだ。
(おい、何故モブ令嬢やモブ貴族婦人まで居る?私が来る意味はあったのか?)
レナンジェスは内心で突っ込みながらも対峙するマッチョの間に割って入る。
「無益な争いは止めてください!」
『旧モブ国Aは深刻なプロテイン不足だ!何としても旧モブ国Bのプロテインを分けて貰わねばならぬ!』
『プロテインはマッチョの生命線だ!それにマッチョ率が高い旧モブ国Bのプロテインの在庫は半年分しかない!分ける訳にはいかぬ!』
『どうしても分けてくれないのか?』
『マッチョの生命線だ!故に簡単に分ける事などできぬ!!』
『それでは戦うしかないな!』
『受けて立つ!』
そう叫ぶとマッチョ達は舞台に上がる。そして何処から現れたのか女装男子の司会がマッチョ戦争を宣言した。
『俺の筋肉を見ろ~』
旧モブ国Aのマッチョが集団でポージングを交えながら踊りだす。そして会場を回るとポージングしながらチップ代わりのプロテインを受け取っている。
『やるな!ならば我等の筋肉美を見るが良い!』
今度は旧モブ国Bのマッチョが組体操とポージングを交えたショーをする。そして会場に降り立つとこれまたプロテインをチップ代わりに貰っている。
「ちょっ、待てよ!」
レナンジェスは思わず叫びだす。
『邪魔をするならマッチョの刑だ!』
『ヌルヌルの刑に処されたいか?』
『いや、ここは薔薇的に…』
『それは…R18枠でやれ!』
マッチョ達が大騒ぎしだす。
「チップのプロテインを売っている人が居るけど何処から持って来たのさ!」
レナンジェスは会場の入り口に出来ている奥様達の行列を見て突っ込みを入れる。
『はい、帝国と王国で投げ売りされていたプロテインですけど?』
「それの出所は?」
『破産したモブ貴族領です。あと、ハックマン領にプロテイン増産の応援要請を受けたモブ貴族領の物もあります』
「それって…」
『帝国と王国にプロテインの余剰在庫がありますので…それを買い集めて旧モブ国Aと旧モブ国Bで売れば良い商売になるという皇帝と王様の命令で委託販売中です。値段は運送費がありますから多少、高めですが他国から輸入するより安いですよ』
「じゃあ、争う意味ないじゃん!!」
レナンジェスがシャフトする。
『プロテインのチップ…』
『そこに並ぶ奥様達…』
『『これは我等の筋肉美で満足して頂かなければ!!』』
何故かマッチョポージング戦争から脱線しだすマッチョの群れ。そして旧モブ国Aと旧モブ国Bのマッチョ達は互いに手を取り合いポージングショーを行いだす。それには奥様達は大熱狂だ。
『歌も欲しいぞ!!』
『我等がバックダンサーになるぞ!!』
マッチョの群れはそう叫びながらレナンジェス達を見つめる。
『仕方が無いなぁ、行くよ~!!』
何時の間にかアイドルの衣装を身に纏ったヒューイとドゥーイがステージ上で歌いだす。演奏、バックダンサー全てがマッチョの中で。
すると何処から現れたのか若者の男女の集団が姿を現すと大熱狂しだした。
『レナンジェス!レナンジェス!』
小悪魔~ズが歌い終わると今度はレナンジェスコールだ。
「仕方がない…みんな!行くぜ~」
『わあぁぁ~』
レナンジェスがマイクを握ると大声援が起こる。そしてアップテンポな曲を歌うと会場中が盛り上がる。
(マッチョダンサーとのコラボとか…これってありかも…)
そう思いながらステージを終えるレナンジェス。その後、商人に在庫と販売網を聞いてみる。
「在庫は旧モブ国A、Bの3か月分ですね。それと旧モブ国Bのプロテイン工場が復旧していますから2カ月で安定供給できるかと」
「私が来た意味は…」
レナンジェスが複雑な表情を浮かべる。
『レナンジェスのおかげでプロテインが手に入ったぞ!』
『レナンジェス兄貴!一生、付いて行きます!!』
『それよりも…マッチョダンサーズも結成させねば!』
『マッチョバンドもだ!』
(何これ?結局、歌っただけで丸く収まっちゃったし…。それに初めからプロテイン供給すれば簡単にマッチョ軍団は大人しくさせられたじゃん!!解せぬ!!)
そう考えながらその日は旧モブ貴族屋敷の宿泊するレナンジェス。そして結果報告の手紙を書くと直ぐに王国、帝国に送付する。
(それにしても…旧モブ国A,Bの貴族屋敷は無駄に豪華だし周りに湖だの温泉だの揃いすぎじゃない?これは…)
不意に黒い笑みを浮かべるレナンジェス。そして今度は提案案件として旧モブ国貴族屋敷のリゾート化を推進する手紙を出した。
(フフフ…労働力は溢れかえるマッチョが居るのだよ。それにしても…途中から女性マッチョも多かったけど…旧モブ国Bのプロテイン配給は過剰過ぎない?そんなに生産力があれば税金を下げてどうとも出来たものを…)
そんな事を考えながらその日は眠りについた。そして翌朝には王国に戻るレナンジェスであった。
~その後の話~
『いらっしゃいませ!ようこそお越しくださいました!!』
マッチョがポージングしながら客を出迎える。旧モブ国A、Bの貴族屋敷は周辺モブ国からも観光客が訪れる人気スポットになっていた。
マッチョショー、マッチョロックバンド等もあり大盛況だ。
そして必ずエントランスに飾られている絵画。それはマッチョなレナンジェスの肖像画であった。
(おい、何故モブ令嬢やモブ貴族婦人まで居る?私が来る意味はあったのか?)
レナンジェスは内心で突っ込みながらも対峙するマッチョの間に割って入る。
「無益な争いは止めてください!」
『旧モブ国Aは深刻なプロテイン不足だ!何としても旧モブ国Bのプロテインを分けて貰わねばならぬ!』
『プロテインはマッチョの生命線だ!それにマッチョ率が高い旧モブ国Bのプロテインの在庫は半年分しかない!分ける訳にはいかぬ!』
『どうしても分けてくれないのか?』
『マッチョの生命線だ!故に簡単に分ける事などできぬ!!』
『それでは戦うしかないな!』
『受けて立つ!』
そう叫ぶとマッチョ達は舞台に上がる。そして何処から現れたのか女装男子の司会がマッチョ戦争を宣言した。
『俺の筋肉を見ろ~』
旧モブ国Aのマッチョが集団でポージングを交えながら踊りだす。そして会場を回るとポージングしながらチップ代わりのプロテインを受け取っている。
『やるな!ならば我等の筋肉美を見るが良い!』
今度は旧モブ国Bのマッチョが組体操とポージングを交えたショーをする。そして会場に降り立つとこれまたプロテインをチップ代わりに貰っている。
「ちょっ、待てよ!」
レナンジェスは思わず叫びだす。
『邪魔をするならマッチョの刑だ!』
『ヌルヌルの刑に処されたいか?』
『いや、ここは薔薇的に…』
『それは…R18枠でやれ!』
マッチョ達が大騒ぎしだす。
「チップのプロテインを売っている人が居るけど何処から持って来たのさ!」
レナンジェスは会場の入り口に出来ている奥様達の行列を見て突っ込みを入れる。
『はい、帝国と王国で投げ売りされていたプロテインですけど?』
「それの出所は?」
『破産したモブ貴族領です。あと、ハックマン領にプロテイン増産の応援要請を受けたモブ貴族領の物もあります』
「それって…」
『帝国と王国にプロテインの余剰在庫がありますので…それを買い集めて旧モブ国Aと旧モブ国Bで売れば良い商売になるという皇帝と王様の命令で委託販売中です。値段は運送費がありますから多少、高めですが他国から輸入するより安いですよ』
「じゃあ、争う意味ないじゃん!!」
レナンジェスがシャフトする。
『プロテインのチップ…』
『そこに並ぶ奥様達…』
『『これは我等の筋肉美で満足して頂かなければ!!』』
何故かマッチョポージング戦争から脱線しだすマッチョの群れ。そして旧モブ国Aと旧モブ国Bのマッチョ達は互いに手を取り合いポージングショーを行いだす。それには奥様達は大熱狂だ。
『歌も欲しいぞ!!』
『我等がバックダンサーになるぞ!!』
マッチョの群れはそう叫びながらレナンジェス達を見つめる。
『仕方が無いなぁ、行くよ~!!』
何時の間にかアイドルの衣装を身に纏ったヒューイとドゥーイがステージ上で歌いだす。演奏、バックダンサー全てがマッチョの中で。
すると何処から現れたのか若者の男女の集団が姿を現すと大熱狂しだした。
『レナンジェス!レナンジェス!』
小悪魔~ズが歌い終わると今度はレナンジェスコールだ。
「仕方がない…みんな!行くぜ~」
『わあぁぁ~』
レナンジェスがマイクを握ると大声援が起こる。そしてアップテンポな曲を歌うと会場中が盛り上がる。
(マッチョダンサーとのコラボとか…これってありかも…)
そう思いながらステージを終えるレナンジェス。その後、商人に在庫と販売網を聞いてみる。
「在庫は旧モブ国A、Bの3か月分ですね。それと旧モブ国Bのプロテイン工場が復旧していますから2カ月で安定供給できるかと」
「私が来た意味は…」
レナンジェスが複雑な表情を浮かべる。
『レナンジェスのおかげでプロテインが手に入ったぞ!』
『レナンジェス兄貴!一生、付いて行きます!!』
『それよりも…マッチョダンサーズも結成させねば!』
『マッチョバンドもだ!』
(何これ?結局、歌っただけで丸く収まっちゃったし…。それに初めからプロテイン供給すれば簡単にマッチョ軍団は大人しくさせられたじゃん!!解せぬ!!)
そう考えながらその日は旧モブ貴族屋敷の宿泊するレナンジェス。そして結果報告の手紙を書くと直ぐに王国、帝国に送付する。
(それにしても…旧モブ国A,Bの貴族屋敷は無駄に豪華だし周りに湖だの温泉だの揃いすぎじゃない?これは…)
不意に黒い笑みを浮かべるレナンジェス。そして今度は提案案件として旧モブ国貴族屋敷のリゾート化を推進する手紙を出した。
(フフフ…労働力は溢れかえるマッチョが居るのだよ。それにしても…途中から女性マッチョも多かったけど…旧モブ国Bのプロテイン配給は過剰過ぎない?そんなに生産力があれば税金を下げてどうとも出来たものを…)
そんな事を考えながらその日は眠りについた。そして翌朝には王国に戻るレナンジェスであった。
~その後の話~
『いらっしゃいませ!ようこそお越しくださいました!!』
マッチョがポージングしながら客を出迎える。旧モブ国A、Bの貴族屋敷は周辺モブ国からも観光客が訪れる人気スポットになっていた。
マッチョショー、マッチョロックバンド等もあり大盛況だ。
そして必ずエントランスに飾られている絵画。それはマッチョなレナンジェスの肖像画であった。
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