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第五章 幸せに向かって
第三話 幕開き 一本槍のちょっと過去へ
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縁は桜野学園の職員室に居た。
職員室や学校にいる時は、何時もの神様モードで職員室に居たのだが……。
他の先生方や生徒達から、少々苦情が来てジャージ姿に居る事に。
縁の神としての力が少々強すぎて、後光やらギャップやらに戸惑う生徒達が少なからず居た。
やる気を出した縁だったが、いつも通りが一番だと思う事にした。
そんな縁は、分厚い紙の束を目の前に悪戦苦闘している。
隣で作業していた結びが声をかけた。
「……ふーむ」
「縁君、どうしたのさ」
「あ、いや……一本槍君のレポートが分厚くて」
縁の目の前分厚い紙の束は、一本槍のレポートだった。
このレポートは、桜野学園を休学して旅に出ていた時のレポートだ。
「ああ、縁君は読むのは始めてだったね~彼は何時もそうなのよ、要点だけでいいとは言ってるのだけど」
「これ……論文じゃん」
「ふーむ、あ、こう神器かなんかで過去を見れないの? 干渉じゃなく見るだけね」
「ああ、過去に飛べて一切の干渉は出来ない、映画見るような感じのものがある……実際に過去に行くから映画ではないか」
「おお、便利な物があるじゃん」
「……せっかく提出したのに、それを使うのか?」
結びはニヤリと笑って縁を見た。
「私は気になるのだよ、一本槍が強くなった理由、私と戦ったあの時……本気で私を殺そうとした、何時もだったら甘っちょろい考えしてたんだけどね~」
「そいや……回歴流創始者、逍遥さんの魂を封じた巻物が、燃やされたとか言ってたな」
「燃やされた経緯も気になるし、どうやって短期間で前の私……風月くらい強くなったのか気になるし」
「ふーむ」
「レポートはちゃんと後で読めばいいし、まあ私はもう読んだけども」
「おおう、まあ……んじゃ過去の映像見てみるか」
「お、やったぜ! 何か準備必要?」
「特に必要ないけど……授業どうすんだ?」
「ああ、私のクラスは今日シーナ先生に任せてある」
「え?」
「私は力技の授業しか出来ないからね、こう教師らしい授業をたまに任せてるのよ」
「おおう……」
縁はそれで先生が務まるのか? と、言いたくなったが止めといた。
今はそのクラスの副担任をしているからだ、ツッコミを入れるのはヤボだろう。
「とりあえず早速向かおう!」
「ああ、わかった」
縁が鞄から虫メガネを取り出して、レポートを見だした。
「おお、虫メガネ?」
「これでうつした物……てか見たモノ時間のを調べる道具だ」
「名前は?」
「無い」
「え? 無いの?」
「案外神器等の名前は……人間が勝手に付けたものかもな」
「ああ、花の名前も勝手に付けるからね~ちょっと説得力があるね~あ、じゃあ私が命名していい? 名前があった方がいいでしょ」
「お、センスが問われるか?」
「カコミール」
「シンプルだな」
「名前も決まった所で行こうか」
「ああ……身丈」
縁の兎術、身丈が懐中時計を持って現れた。
「え? 身丈君が連れてってくれるの?」
「案内役だな、ま、演出みたいなものだ」
「おお、不思議の国のアリスみたいだね~……って、演出って言わない」
「そりゃ失礼」
身丈が懐中時計を掲げると、光に包まれて縁達は消えた。
身丈自身には過去の映像を見るとかは出来ないのだろう。
つまりは縁の能力なのだろうが……
きっと縁は理解出来たら神ではない、と、はぐらかすだろう。
職員室や学校にいる時は、何時もの神様モードで職員室に居たのだが……。
他の先生方や生徒達から、少々苦情が来てジャージ姿に居る事に。
縁の神としての力が少々強すぎて、後光やらギャップやらに戸惑う生徒達が少なからず居た。
やる気を出した縁だったが、いつも通りが一番だと思う事にした。
そんな縁は、分厚い紙の束を目の前に悪戦苦闘している。
隣で作業していた結びが声をかけた。
「……ふーむ」
「縁君、どうしたのさ」
「あ、いや……一本槍君のレポートが分厚くて」
縁の目の前分厚い紙の束は、一本槍のレポートだった。
このレポートは、桜野学園を休学して旅に出ていた時のレポートだ。
「ああ、縁君は読むのは始めてだったね~彼は何時もそうなのよ、要点だけでいいとは言ってるのだけど」
「これ……論文じゃん」
「ふーむ、あ、こう神器かなんかで過去を見れないの? 干渉じゃなく見るだけね」
「ああ、過去に飛べて一切の干渉は出来ない、映画見るような感じのものがある……実際に過去に行くから映画ではないか」
「おお、便利な物があるじゃん」
「……せっかく提出したのに、それを使うのか?」
結びはニヤリと笑って縁を見た。
「私は気になるのだよ、一本槍が強くなった理由、私と戦ったあの時……本気で私を殺そうとした、何時もだったら甘っちょろい考えしてたんだけどね~」
「そいや……回歴流創始者、逍遥さんの魂を封じた巻物が、燃やされたとか言ってたな」
「燃やされた経緯も気になるし、どうやって短期間で前の私……風月くらい強くなったのか気になるし」
「ふーむ」
「レポートはちゃんと後で読めばいいし、まあ私はもう読んだけども」
「おおう、まあ……んじゃ過去の映像見てみるか」
「お、やったぜ! 何か準備必要?」
「特に必要ないけど……授業どうすんだ?」
「ああ、私のクラスは今日シーナ先生に任せてある」
「え?」
「私は力技の授業しか出来ないからね、こう教師らしい授業をたまに任せてるのよ」
「おおう……」
縁はそれで先生が務まるのか? と、言いたくなったが止めといた。
今はそのクラスの副担任をしているからだ、ツッコミを入れるのはヤボだろう。
「とりあえず早速向かおう!」
「ああ、わかった」
縁が鞄から虫メガネを取り出して、レポートを見だした。
「おお、虫メガネ?」
「これでうつした物……てか見たモノ時間のを調べる道具だ」
「名前は?」
「無い」
「え? 無いの?」
「案外神器等の名前は……人間が勝手に付けたものかもな」
「ああ、花の名前も勝手に付けるからね~ちょっと説得力があるね~あ、じゃあ私が命名していい? 名前があった方がいいでしょ」
「お、センスが問われるか?」
「カコミール」
「シンプルだな」
「名前も決まった所で行こうか」
「ああ……身丈」
縁の兎術、身丈が懐中時計を持って現れた。
「え? 身丈君が連れてってくれるの?」
「案内役だな、ま、演出みたいなものだ」
「おお、不思議の国のアリスみたいだね~……って、演出って言わない」
「そりゃ失礼」
身丈が懐中時計を掲げると、光に包まれて縁達は消えた。
身丈自身には過去の映像を見るとかは出来ないのだろう。
つまりは縁の能力なのだろうが……
きっと縁は理解出来たら神ではない、と、はぐらかすだろう。
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