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第五章 幸せに向かって
第一話 演目 ジェットコースター
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昼食を食べ終えた長谷川達、もとい縁達。
今度はプレミアム部屋の目玉である、体感型の席を本格的に使うことに。
これからジェットコースターに乗るからだ。
注意事項をよく読み、遊園地へとログインをしたのだった。
「いつも自力で歩いているから、コントローラー操作は違和感がある」
「わかる~まあそれもなれるでしょ」
「おお、姉貴、このジェットコースターは、実際の遊園地にもあるらしいよ? 室内ジェットコースターで、少々古い物だとか」
「ほ~、元ネタがあるのか」
「よっしゃ、レッツゴー」
とりあえず目星を付けたジェットコースターへ。
『現実でも稼働している、ジェットコースター! タイムコースターへようこそ!』
そんなデカデカとした看板を目印に、建物も近未来感が出ていた。
縁達は建物内へと入ると、これまた近未来感マシマシな、受付の人が居た。
「ようこそいらっしゃいました! タイムコースターへようこそ! あ、プレミアムなお客様ですね? ええっと……はい、皆様の安全確認をいたしました、このコースターの説明は必要でしょうか?」
「あ、お願いいたします」
「安心安全なタイムトラベルをご提供いたします、案内には高性能AI、ボルチャパーラがいたします」
「ほう」
「百聞は一見に如かず、コースターへ案内いたします!」
ここは現実と変わらずに、案内役がコースターへ案内する。
そして、コースターの席に座って安全バーを下げる。
もちろん現実の長谷川達は、ガッチリと固定していた。
「では、いってらっしゃいませー!」
コースターはゆっくりと暗闇に向かって進みだした。
「ああ……遊園地のノリ久しぶりだわ、ゲーム内だとすんなり受け入れられる」
「あれ? 現実じゃ無理?」
「歳かな、こう……恥ずかしく感じる」
「まあ仕方ないよね~」
ある程度コースターが進んだら自動で止まった。
そして、コースターのモニターが光って、海外に居そうなキャラクターが現れた。
『よう! ナウなヤングな者共! 俺はボルチャパーラ! 大船に乗った気持ちで案内は任せてくれ! いえー!』
「あ、これ絶対事故るパターンだ」
「兄貴、思ってても言わない」
「お、そりゃすまんな」
『さ、マシンの外観を選べるチャンスだぜ! ちなみに選ばないと俺が自動で選ぶぜイェーイ』
「よし兄貴、ささっと選んで」
「ああ」
選ぶと言っても選択肢は少なかった。
ボディが三種類に、オプションが三種類。
縁は赤色に翼のマークを選んだ。
『よし! じゃあ楽しいタイムトラベルへスタートだ! 亜空間カモーン!』
「お、始まるみたいだね~」
コースターが進むと思ったが、最初はコースターが映像に合わせて揺れるだけだった。
うにょうにょした空間を抜けると、SFによくある空飛ぶ車が飛んでいた。
そして高層ビルも立ち並ぶ、なんかネオンが光っている、そんな近未来。
『最初は近未来だ! おお! 空飛ぶ車がビシュンビシュンだな!』
「……なあ、間違いなくこれでじ――うお!?」
『はわわ! ぶつかっちまった! ちくしょう! あぶねーだろ!』
「あ、ビルに――」
『てめぇこの野郎! 高い建物つくってるんじゃねーぞ!』
結びが声を上げた次の瞬間に、コースターはビルにぶつかって制御不能。
コースターは地面に向かって真っ逆さま、コースターはガタガタと揺れている!
揺れているといっても、そこまで激しいわけではない。
「へ~そこそこ揺れるね~」
「ジェットコースター気分だね」
「お嬢さん方、状況的に墜落しとるんだが?」
「きゃ~縁君怖い~」
「お兄様ー」
「兄さんー」
「鏡さん、そこのる?」
「タイミングかと」
『仕方ない! 亜空間ワープ! 絶対に君達を元の世界に戻すからね!』
再び亜空間に突入した、それと同時にコースターが動き出した。
「え? いや、何か熱い展開にしようとしているけど、お前のせいやん」
「絆ちゃん、辛辣、いや、あってるけどさ」
「お、ここからはコースターらしいな」
亜空間を抜けると、様々な恐竜達が出迎えてくれた。
恐竜の間を抜けたり、一緒に飛んだり、追いかけられたりと。
『わお! 恐竜がたくさん! ジュラ紀ってやつかな? てか亜空間が不安定……危ない!』
食われると思った瞬間ね亜空間が現れて、別の時代へ。
「わ! 寒! なんだこれ、スゲーな、最近の筐体は」
「おお、冷たい風が流れるんだね~」
今度は氷と雪と風しか、無いような世界だった。
『おおう! 恐竜絶滅、氷河期到来!? 早くあったかい所に行こうぜ!』
「この氷が砕ける音って、絶対にコースターに当たってるよね」
「氷に突撃してるのかね~ あ、それとも氷が?」
『ええい! 亜空間カモーン! 吹雪だけならこわくないぜ!』
確認しようにも、既に窓は真っ白、見えない恐怖が襲ってくる。
氷がぶつかる音、猛スピードで進む恐怖、無論上下左右と揺れている。
『ようし! 亜空間突破!』
「ん? 今度は一瞬だけ熱かったな」
「おお、火山地帯~」
今度は打って変わっての火山地帯、炎やらマグマやらが噴出している。
コースターは華麗に避けているが、時々どっぷりとかかる、大丈夫だが。
『もうそろそろ戻してくれー! マグマ怖いー!』
「いや、お前が泣くんかい!」
縁が渾身のツッコミとほぼ同時に、亜空間への扉が開いた。
そして、コースターの乗り場へと戻ってきたのだ。
ゆっくりと定位置に向かうコースター。
『ハッハー! 僕の願いが通じたね! 今日はこのまま帰ろう! うん! お疲れ様!』
「え? 早くね?」
「ジェットコースターってこんなもんじゃない?」
「ああ……上下左右だけだとこんなもんか」
実際のジェットコースターも約2、3分の出来事だ。
この体感型もそこそこの揺れたはずなのだが。
案内キャラクターへのツッコミで、気持ちがそっちにいったのかもしれない。
『あ、僕が色々と失敗した事は秘密にしといてくれよ、シーユー!』
「うわぁ……張り倒してぇ」
「まあまあ縁君、落ち着いて~」
コースターは元の発進した位置へと戻ってきた。
受付の人がお辞儀をした、安全バーが上がる。
「お疲れ様でした! タイムトラベルはいかがでしたでしょうか! またのご利用お待ちしております!」
出口はこちらです、と案内されてあっけなく終わった。
「……終わったら、ささっと退場させられた」
「まあ実際のジェットコースターもそうじゃない?」
「ああ……そりゃそうか」
「兄貴、個人的にチクったらどうなるか気になる、もっかい」
「お、やるか!」
結果的にお詫びとして、ボルチャパーラのアクリルスタンドが、後日届くらしい。
いらねーと思う縁達だったが、これも思い出と納得した。
今度はプレミアム部屋の目玉である、体感型の席を本格的に使うことに。
これからジェットコースターに乗るからだ。
注意事項をよく読み、遊園地へとログインをしたのだった。
「いつも自力で歩いているから、コントローラー操作は違和感がある」
「わかる~まあそれもなれるでしょ」
「おお、姉貴、このジェットコースターは、実際の遊園地にもあるらしいよ? 室内ジェットコースターで、少々古い物だとか」
「ほ~、元ネタがあるのか」
「よっしゃ、レッツゴー」
とりあえず目星を付けたジェットコースターへ。
『現実でも稼働している、ジェットコースター! タイムコースターへようこそ!』
そんなデカデカとした看板を目印に、建物も近未来感が出ていた。
縁達は建物内へと入ると、これまた近未来感マシマシな、受付の人が居た。
「ようこそいらっしゃいました! タイムコースターへようこそ! あ、プレミアムなお客様ですね? ええっと……はい、皆様の安全確認をいたしました、このコースターの説明は必要でしょうか?」
「あ、お願いいたします」
「安心安全なタイムトラベルをご提供いたします、案内には高性能AI、ボルチャパーラがいたします」
「ほう」
「百聞は一見に如かず、コースターへ案内いたします!」
ここは現実と変わらずに、案内役がコースターへ案内する。
そして、コースターの席に座って安全バーを下げる。
もちろん現実の長谷川達は、ガッチリと固定していた。
「では、いってらっしゃいませー!」
コースターはゆっくりと暗闇に向かって進みだした。
「ああ……遊園地のノリ久しぶりだわ、ゲーム内だとすんなり受け入れられる」
「あれ? 現実じゃ無理?」
「歳かな、こう……恥ずかしく感じる」
「まあ仕方ないよね~」
ある程度コースターが進んだら自動で止まった。
そして、コースターのモニターが光って、海外に居そうなキャラクターが現れた。
『よう! ナウなヤングな者共! 俺はボルチャパーラ! 大船に乗った気持ちで案内は任せてくれ! いえー!』
「あ、これ絶対事故るパターンだ」
「兄貴、思ってても言わない」
「お、そりゃすまんな」
『さ、マシンの外観を選べるチャンスだぜ! ちなみに選ばないと俺が自動で選ぶぜイェーイ』
「よし兄貴、ささっと選んで」
「ああ」
選ぶと言っても選択肢は少なかった。
ボディが三種類に、オプションが三種類。
縁は赤色に翼のマークを選んだ。
『よし! じゃあ楽しいタイムトラベルへスタートだ! 亜空間カモーン!』
「お、始まるみたいだね~」
コースターが進むと思ったが、最初はコースターが映像に合わせて揺れるだけだった。
うにょうにょした空間を抜けると、SFによくある空飛ぶ車が飛んでいた。
そして高層ビルも立ち並ぶ、なんかネオンが光っている、そんな近未来。
『最初は近未来だ! おお! 空飛ぶ車がビシュンビシュンだな!』
「……なあ、間違いなくこれでじ――うお!?」
『はわわ! ぶつかっちまった! ちくしょう! あぶねーだろ!』
「あ、ビルに――」
『てめぇこの野郎! 高い建物つくってるんじゃねーぞ!』
結びが声を上げた次の瞬間に、コースターはビルにぶつかって制御不能。
コースターは地面に向かって真っ逆さま、コースターはガタガタと揺れている!
揺れているといっても、そこまで激しいわけではない。
「へ~そこそこ揺れるね~」
「ジェットコースター気分だね」
「お嬢さん方、状況的に墜落しとるんだが?」
「きゃ~縁君怖い~」
「お兄様ー」
「兄さんー」
「鏡さん、そこのる?」
「タイミングかと」
『仕方ない! 亜空間ワープ! 絶対に君達を元の世界に戻すからね!』
再び亜空間に突入した、それと同時にコースターが動き出した。
「え? いや、何か熱い展開にしようとしているけど、お前のせいやん」
「絆ちゃん、辛辣、いや、あってるけどさ」
「お、ここからはコースターらしいな」
亜空間を抜けると、様々な恐竜達が出迎えてくれた。
恐竜の間を抜けたり、一緒に飛んだり、追いかけられたりと。
『わお! 恐竜がたくさん! ジュラ紀ってやつかな? てか亜空間が不安定……危ない!』
食われると思った瞬間ね亜空間が現れて、別の時代へ。
「わ! 寒! なんだこれ、スゲーな、最近の筐体は」
「おお、冷たい風が流れるんだね~」
今度は氷と雪と風しか、無いような世界だった。
『おおう! 恐竜絶滅、氷河期到来!? 早くあったかい所に行こうぜ!』
「この氷が砕ける音って、絶対にコースターに当たってるよね」
「氷に突撃してるのかね~ あ、それとも氷が?」
『ええい! 亜空間カモーン! 吹雪だけならこわくないぜ!』
確認しようにも、既に窓は真っ白、見えない恐怖が襲ってくる。
氷がぶつかる音、猛スピードで進む恐怖、無論上下左右と揺れている。
『ようし! 亜空間突破!』
「ん? 今度は一瞬だけ熱かったな」
「おお、火山地帯~」
今度は打って変わっての火山地帯、炎やらマグマやらが噴出している。
コースターは華麗に避けているが、時々どっぷりとかかる、大丈夫だが。
『もうそろそろ戻してくれー! マグマ怖いー!』
「いや、お前が泣くんかい!」
縁が渾身のツッコミとほぼ同時に、亜空間への扉が開いた。
そして、コースターの乗り場へと戻ってきたのだ。
ゆっくりと定位置に向かうコースター。
『ハッハー! 僕の願いが通じたね! 今日はこのまま帰ろう! うん! お疲れ様!』
「え? 早くね?」
「ジェットコースターってこんなもんじゃない?」
「ああ……上下左右だけだとこんなもんか」
実際のジェットコースターも約2、3分の出来事だ。
この体感型もそこそこの揺れたはずなのだが。
案内キャラクターへのツッコミで、気持ちがそっちにいったのかもしれない。
『あ、僕が色々と失敗した事は秘密にしといてくれよ、シーユー!』
「うわぁ……張り倒してぇ」
「まあまあ縁君、落ち着いて~」
コースターは元の発進した位置へと戻ってきた。
受付の人がお辞儀をした、安全バーが上がる。
「お疲れ様でした! タイムトラベルはいかがでしたでしょうか! またのご利用お待ちしております!」
出口はこちらです、と案内されてあっけなく終わった。
「……終わったら、ささっと退場させられた」
「まあ実際のジェットコースターもそうじゃない?」
「ああ……そりゃそうか」
「兄貴、個人的にチクったらどうなるか気になる、もっかい」
「お、やるか!」
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