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第四章 縁と結びで縁結び
第七話 演目 身の丈を守った結果
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縁と絆とサンディは手分けをして、施設の停止をしようと機械を操作していた。
「お前と2人は久しぶりだな」
「昔は一緒に暴れまわってたな」
「あの頃は楽しかった、人前では言えないな」
「俺もだ、人殺しの毎日だったが」
2人は黒い笑みをした、人を殺すのを楽しみにしている。
目標のために何年も積み重ねて、誰にも否定はさせない。
殺伐とした人生の詰め合わせ、そんな顔だった。
「おいおい、恋人にそんな顔をするなよ?」
「生徒の前でそんな顔をするなよ?」
「新入生には驚かれるが、在校生は慣れられたよ」
「それは何よ――サンディ、絆、良き縁を持つ者の危機を感じた」
「おっけ、手を貸すぜ」
「参りましょう」
縁が感知した場所、そこでは分かりやすい場面だった。
腹部の傷を左手で倒座っている男、右手は無い。
数体の化物達と、その背後に居るスーツ姿の男達だ。
怪我をしている男は、ボロボロのスーツの間から見える包帯。
おそらくは全身包帯なのだろう、左手は包帯を巻いていない。
そして包帯の隙間から見える目は、敵を睨んでいる。
「はっはっは! 『解説魔法のシン』と呼ばれたお前もここまでだ」
「泣かせる話だぜ、切り落とされた右手を探しに来たとはな」
「ま、てめぇはここで終わりだ……」
「くそ! こんなつまらねぇ! つまらねぇ死に方は!」
化物達は腕を振り上げる、包帯の男の絶体絶命、どう考えても助からない。
介入出来るなら神、だが救うにしても価値があるかどうかだ。
「死――」
「さっさとしないとこうなるぞ?」
一瞬でサンディが、包帯の男以外の生きてる命を刈り取った。
目にも止まらない、風月に近い速度、体術、音、そして身体が弾けた。
「なっ! なんだ!? はっ! あ、あれはまさか! 界牙流!? それに絶滅演奏術と……しかしあの内部の破壊は内絶……伝承者は消息不明と聞いたが……いやそれよりも、各技に独自の改良がされて――ハッ! その赤黒いジャージは!?」
包帯の男は突然考察を始めた、そしてその顔は包帯でもわかるほど驚き、声色は楽しそうだった。
「第70代目、現身鏡踊拳の伝承者サンディ・シーナ!? その拳は相手の技を真似る、そして技を組み合わせる事に特化した武術!」
「解説どうも、あたしのマイナー流派知ってるとはね」
「大丈夫ですか、この宝玉を握って下さい」
遅れてきた縁は、鞄から宝玉を取り戻して男に握らせた。
絆は特に慌てもせずに歩いてくる。
「こ、これは通称回復の宝玉! 正式な名前が無い、回復の神の道具の一つ! 物にもよるが、時間内の怪我はなんでも治すとか……って! あんたは縁起身丈白兎神縁!?」
「え、ええそうですが……」
「理由はどうあれ、命を助けてもらったんだ……自己紹介するぜ」
男はゆっくりと立ち上がると、斬銀の様な大男だった。
少し下を向いて縁達を見ながら、タバコを吸い始める。
「俺はこの街に昔から住んでいる……裏の人間ってやつだ、名前は響山新太郎だ」
「お、昔この街を支配していた人間……の部下だった人じゃないか」
「サンディ、詳しいのか?」
「お前覚えてないのか? 科学寄りになる前はこの町は魔法の街だったのさ、悪人の街には変わらないがな」
「……昔に来たことあるのか」
「私はしりませんわね」
「魔法が科学に負けて……俺達のシマは小さくなっちまった」
「なら何で敵の本拠地に単独で? 殴り込み?」
「俺の腕を取り戻しに――」
「お兄様、今死ぬのに不釣り合いな者達を感じました」
縁は目をつぶり何かを感じ取った。
「……これは響山さんに付き従う者達の縁か」
「まさか俺の部下がここに来ちまったのか!」
「絆」
「承りましたお兄様、手助けしてまいります」
「おそらくこの人の部下が外の化物達と戦っている」
「ええ、位置を感じ取りました」
「待ってくれ! 不吉不釣合黒兎神絆」
「あら、神の名を知っているとは……お兄様は有名ですけども」
「こいつを持っていってくれ、言葉いらずで信用する」
「お借りいたします」
響山はポケットからペンダントを取って絆に投げた。
縁は何かを見定め様に響山を見ている。
「ふむ、なるほど、大昔に全身大怪我をした、そこから包帯生活が始まったが……子供が産まれ時がたち、手を治さないかと言われたと」
「……流石は神様だ、隠し事はできねぇな、その通りだ」
「縁、人の縁を勝手に」
「俺に似合わず頭のいい子に育った、赤子を抱いた時には包帯生活だった、学校行事も俺が裏社会の人間だから参加出来ない……それでも父としたってくれた! そして! 手だけでも治さないかと子供達が言ってくれた! 孫を撫でる時に……他人……との握手……くっ……くうぅ」
響山は徐々に声が大きくなり、泣きながら自分の想いを口にした。
タバコが口から落ちる、それを携帯灰皿へと捨てる。
この人物が子供に対して愛情が深いことがわかる。
そして縁や絆が、それを見捨てる様な神ではない。
「素晴らしき親子愛だ」
「ああ、そんな話を聞いて助けない訳にはいかないな」
「そいや……あんた達は……『外道殺しの神を真似る裁き』って名乗ってたな」
「ぐっ……これが黒歴史」
「昔のあたし達のネーミングセンス」
「善も悪も行き過ぎれば外道になる、俺はあんた達のファンでね、俺も悪人だが忠告通り、汚れちゃいけない部分だけは汚さなかった」
「あ……もしかして、昔会った事あります?」
「ああ、あの時はあんた達に、親や仲間達を殺されたけど……神様、あんたの言った通り、ちゃんと身の丈にあった生活、縁も大切にしたぜ」
「思い出してきた、昔忠告したお兄さんだ」
「ああ、私も思い出した」
縁達はピンとした顔で響山を見ると、彼は再びタバコに火を付ける。
「お前と2人は久しぶりだな」
「昔は一緒に暴れまわってたな」
「あの頃は楽しかった、人前では言えないな」
「俺もだ、人殺しの毎日だったが」
2人は黒い笑みをした、人を殺すのを楽しみにしている。
目標のために何年も積み重ねて、誰にも否定はさせない。
殺伐とした人生の詰め合わせ、そんな顔だった。
「おいおい、恋人にそんな顔をするなよ?」
「生徒の前でそんな顔をするなよ?」
「新入生には驚かれるが、在校生は慣れられたよ」
「それは何よ――サンディ、絆、良き縁を持つ者の危機を感じた」
「おっけ、手を貸すぜ」
「参りましょう」
縁が感知した場所、そこでは分かりやすい場面だった。
腹部の傷を左手で倒座っている男、右手は無い。
数体の化物達と、その背後に居るスーツ姿の男達だ。
怪我をしている男は、ボロボロのスーツの間から見える包帯。
おそらくは全身包帯なのだろう、左手は包帯を巻いていない。
そして包帯の隙間から見える目は、敵を睨んでいる。
「はっはっは! 『解説魔法のシン』と呼ばれたお前もここまでだ」
「泣かせる話だぜ、切り落とされた右手を探しに来たとはな」
「ま、てめぇはここで終わりだ……」
「くそ! こんなつまらねぇ! つまらねぇ死に方は!」
化物達は腕を振り上げる、包帯の男の絶体絶命、どう考えても助からない。
介入出来るなら神、だが救うにしても価値があるかどうかだ。
「死――」
「さっさとしないとこうなるぞ?」
一瞬でサンディが、包帯の男以外の生きてる命を刈り取った。
目にも止まらない、風月に近い速度、体術、音、そして身体が弾けた。
「なっ! なんだ!? はっ! あ、あれはまさか! 界牙流!? それに絶滅演奏術と……しかしあの内部の破壊は内絶……伝承者は消息不明と聞いたが……いやそれよりも、各技に独自の改良がされて――ハッ! その赤黒いジャージは!?」
包帯の男は突然考察を始めた、そしてその顔は包帯でもわかるほど驚き、声色は楽しそうだった。
「第70代目、現身鏡踊拳の伝承者サンディ・シーナ!? その拳は相手の技を真似る、そして技を組み合わせる事に特化した武術!」
「解説どうも、あたしのマイナー流派知ってるとはね」
「大丈夫ですか、この宝玉を握って下さい」
遅れてきた縁は、鞄から宝玉を取り戻して男に握らせた。
絆は特に慌てもせずに歩いてくる。
「こ、これは通称回復の宝玉! 正式な名前が無い、回復の神の道具の一つ! 物にもよるが、時間内の怪我はなんでも治すとか……って! あんたは縁起身丈白兎神縁!?」
「え、ええそうですが……」
「理由はどうあれ、命を助けてもらったんだ……自己紹介するぜ」
男はゆっくりと立ち上がると、斬銀の様な大男だった。
少し下を向いて縁達を見ながら、タバコを吸い始める。
「俺はこの街に昔から住んでいる……裏の人間ってやつだ、名前は響山新太郎だ」
「お、昔この街を支配していた人間……の部下だった人じゃないか」
「サンディ、詳しいのか?」
「お前覚えてないのか? 科学寄りになる前はこの町は魔法の街だったのさ、悪人の街には変わらないがな」
「……昔に来たことあるのか」
「私はしりませんわね」
「魔法が科学に負けて……俺達のシマは小さくなっちまった」
「なら何で敵の本拠地に単独で? 殴り込み?」
「俺の腕を取り戻しに――」
「お兄様、今死ぬのに不釣り合いな者達を感じました」
縁は目をつぶり何かを感じ取った。
「……これは響山さんに付き従う者達の縁か」
「まさか俺の部下がここに来ちまったのか!」
「絆」
「承りましたお兄様、手助けしてまいります」
「おそらくこの人の部下が外の化物達と戦っている」
「ええ、位置を感じ取りました」
「待ってくれ! 不吉不釣合黒兎神絆」
「あら、神の名を知っているとは……お兄様は有名ですけども」
「こいつを持っていってくれ、言葉いらずで信用する」
「お借りいたします」
響山はポケットからペンダントを取って絆に投げた。
縁は何かを見定め様に響山を見ている。
「ふむ、なるほど、大昔に全身大怪我をした、そこから包帯生活が始まったが……子供が産まれ時がたち、手を治さないかと言われたと」
「……流石は神様だ、隠し事はできねぇな、その通りだ」
「縁、人の縁を勝手に」
「俺に似合わず頭のいい子に育った、赤子を抱いた時には包帯生活だった、学校行事も俺が裏社会の人間だから参加出来ない……それでも父としたってくれた! そして! 手だけでも治さないかと子供達が言ってくれた! 孫を撫でる時に……他人……との握手……くっ……くうぅ」
響山は徐々に声が大きくなり、泣きながら自分の想いを口にした。
タバコが口から落ちる、それを携帯灰皿へと捨てる。
この人物が子供に対して愛情が深いことがわかる。
そして縁や絆が、それを見捨てる様な神ではない。
「素晴らしき親子愛だ」
「ああ、そんな話を聞いて助けない訳にはいかないな」
「そいや……あんた達は……『外道殺しの神を真似る裁き』って名乗ってたな」
「ぐっ……これが黒歴史」
「昔のあたし達のネーミングセンス」
「善も悪も行き過ぎれば外道になる、俺はあんた達のファンでね、俺も悪人だが忠告通り、汚れちゃいけない部分だけは汚さなかった」
「あ……もしかして、昔会った事あります?」
「ああ、あの時はあんた達に、親や仲間達を殺されたけど……神様、あんたの言った通り、ちゃんと身の丈にあった生活、縁も大切にしたぜ」
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「ああ、私も思い出した」
縁達はピンとした顔で響山を見ると、彼は再びタバコに火を付ける。
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