VRゲームでも運と愛し合おう!

藤島白兎

文字の大きさ
上 下
183 / 304
第四章 縁と結びで縁結び

第一話 後説 オチの打ち合わせのお知らせ

しおりを挟む
 ロールを終えた縁と風月はロビーへと帰って来た。

「お疲れ」
「うむ、お疲れ様」
「いや~縁が追い込まれるとは」
「俺もビックリだよ」
「プレイヤーなのにビックリしてんのかい」
「そりゃそうだ、流れに身を任せているもの」
「水の流れかよ」

 そんな話をしていると、斬銀がやって来た。

「おう、2人共お疲れ様」
「おや斬銀さん、今から?」
「いや、もうあがる」
「おお、丁度良かった、ちょっとお願いがあってさ……へへへへへ」
「何だ何だ、胡麻を擦るな」
「おいしい物でも食べながら聞いてくださいな、旦那」
「テンション高いな」
「縁が気絶したからね、なんつーか人間の魂の一撃を見た」
「……縁が……苦戦!?」

 信じられにないといった顔をして、エフェクトバリバリ使って驚いている。

「いやいや、縁も苦戦くらいする」
「いや、俺が知っている限り今まで両手両足で数えられる」
「えー? そんなに少ない?」
「昔はイキリチラシてたし、今はラブパワー無双だろ」
「……」

 縁はそっぽを向いた、思い当たる出来事があるようだ。

「善処します」
「何をだよ、とりあえず飲みに行くか?」
「はい」
「よっしゃ、何時もの居酒屋でね~」

 ログアウトをした長谷川達は斬摩と合流した。
 そして何時もの居酒屋へとやってきて、何時もの席に通される。
 品物を注文して、待つ事数10分、サービスとして刺身盛り合わせがついてきた。
 何時もの飲み会が始まった!

「で、話とは何だ?」
「実は今何となく始まってしまった縁と絆の再戦争」
「あれ何となくなのかよ、絆が率先してまとめ役やってたぞ」
「それは知らなかった」
「兄がそれでいいのか?」
「ああ、アイツは人に任せるくらいなら自分でやる」
「まあそれはちょっと置いといて、改めて話とは?」

 長谷川は簡単に今回起きている戦争のオチを簡単に伝えた。
 終わったと思った時に真の黒幕が居て、そいつが縁を連れ去る事。
 風月、スファーリアが一人に戻り結びになる事をだ。

「ほう、なるほど……確かに一人に戻るって場面は見せ場だな」
「で、数人にはオチを伝えて、協力してもらおうかと」
「秘密は少なければ少ない方がいいぞ?」
「だから今の所は、私の両親とおばあちゃんに話はしておこうかなと、設定だけど、一人に戻る時に儀式みたいのがあるから」
「なるほど……よし、俺もやられ役を買って出よう」
「えぇ!? ダシになるの? おでん?」
「理由としては十分だと思うぞ? てかおでんじゃない、ダシだが」
「どゆことさ?」
「おそらく結びは邪魔する者に容赦しないだろう、その機会を逃す斬銀ではない」
「おお~なるほど、本気と戦えると」
「だが斬銀は斬銀で、心に多少の迷いがあるのだ」
「それは?」
「やってる事は今まで成長を見てきた縁の邪魔だからな、そりゃ心の隙もあるさ」
「覚悟が違うと」
「結びは縁を助ける、斬銀は本気を知りたいが命を張るほどじない、これじゃ差が出るな」
「出るね~」

 荒野原は勝ち誇った様に、ノンアルコールのお酒を浴びるように飲んでいる。

「ふと思ったんだが、このロール終わったら何かやるのか? 遂に結婚とか?」
「それも大事だけど、ゲーム内でもイチャイチャしようかなと」
「ほう」
「自社コラボってか、自分のお店の料理をゲーム内で再現している人達っているじゃん?」
「ああ、居るな」
「その人達のお店にゲーム内とリアルでも行ってみようかなと」
「お、旅って感じか」
「そんなに遠出は出来ないけどね」
「っておい長谷川、どうした? さっきからメニューとにらめっこして」

 長谷川は少々神妙なメニューを見ていた。

「いや、いつの間にかメニューが増えてて」
「飯屋なら増えるだろ」
「いや、これ」
「んん?」

 そのメニューには、幸運の神様御用達お二人様限定メニューと書かれていた。
 他にも同じ様なコメントがあるセットメニューがいくつかある。

「何か宣伝に使われてるな」
「悪い気はしない、それに頼んだ料理に色付けてもらえてるし」
「本当だよ、刺身盛り合わせがサービスて」
「んじゃご厚意に感謝しつつ、打ち合わせしましょうぜ~」

 こうして打ち合わせはまだまだ続くのだった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。

もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
 ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪

naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。 「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」 まっ、いいかっ! 持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

家の庭にレアドロップダンジョンが生えた~神話級のアイテムを使って普通のダンジョンで無双します~

芦屋貴緒
ファンタジー
売れないイラストレーターである里見司(さとみつかさ)の家にダンジョンが生えた。 駆除業者も呼ぶことができない金欠ぶりに「ダンジョンで手に入れたものを売ればいいのでは?」と考え潜り始める。 だがそのダンジョンで手に入るアイテムは全て他人に譲渡できないものだったのだ。 彼が財宝を鑑定すると驚愕の事実が判明する。 経験値も金にもならないこのダンジョン。 しかし手に入るものは全て高ランクのダンジョンでも入手困難なレアアイテムばかり。 ――じゃあ、アイテムの力で強くなって普通のダンジョンで稼げばよくない?

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

悪役令息の伴侶(予定)に転生しました

  *  
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、自らを反省しました。BLゲームの世界で推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)

社畜から卒業したんだから異世界を自由に謳歌します

湯崎noa
ファンタジー
ブラック企業に入社して10年が経つ〈宮島〉は、当たり前の様な連続徹夜に心身ともに疲労していた。  そんな時に中高の同級生と再開し、その同級生への相談を行ったところ会社を辞める決意をした。  しかし!! その日の帰り道に全身の力が抜け、線路に倒れ込んでしまった。  そのまま呆気なく宮島の命は尽きてしまう。  この死亡は神様の手違いによるものだった!?  神様からの全力の謝罪を受けて、特殊スキル〈コピー〉を授かり第二の人生を送る事になる。  せっかくブラック企業を卒業して、異世界転生するのだから全力で謳歌してやろうじゃないか!! ※カクヨム、小説家になろう、ノベルバでも連載中

処理中です...