170 / 293
第三章 桜野学園編
第七話 幕開き 話が早い
しおりを挟む
縁はスファーリアに連れられて、界牙流の里へとやって来た。
目的はこの間の襲撃された事の報告。
「縁君、緊張している?」
「うむむむ、大丈夫かな……お父さんに今更挨拶しにきたかとか言われない?」
「界牙流は伴侶や子供を一番に考える」
「ふむ……え?」
里の入口に一族総出で出迎えられていた、一斉に頭を下げる一同。
「四代目、縁様、おかえりなさい!」
「おかえりなさい!」
「この間来た時よりい壮大だね?」
「縁君、私、界牙流四代目だよ?」
「あ、ああ……そりゃそうか」
流派の四代目、結婚すると言われている2人、一族総出も納得だ。
スファーリアは実家へと足を運ぶ、中には父親らしき人が威厳を放って座っていた。
「帰って来たか結び、いらっしゃい縁さん、座りなさい」
「ただいま」
「お邪魔します」
「縁君、娘と妻から話は聞いている」
「は、はい」
「これだけ聞かせてくれ」
「なんでしょうか?」
父親はゆっくりと頭を下げた。
「娘を、本当に悲しませる事だけはしないでください、夫婦となれば大小様々なケンカをするでしょう、私も妻と何度もしてきました、父としての願いは娘の幸せです」
話し終えると顔を上げて、今度は縁が頭を下げる。
「今すぐに結びさんとの幸せを証明するのは難しいです、側で見守っていただけませんか? 時間をかけて『幸せ』と照明します」
「お父さん、縁君は信用出来る」
「……うむ、そうと決まれば」
父親は少し表情が和らいだ。
「お義父さんと呼んでくれて構わないよ!」
「結びさん、お父さんの界牙流としてのお名前は?」
「炎龍」
「では炎龍さんで」
「ふむ……」
塩対応な娘夫婦に、物凄く残念そうな顔をしている炎龍。
「挨拶もだけど、今日はお父さんにお願いがあって来たの」
「ふむ、どうした」
「実は縁君が襲撃されて」
「ほう?」
縁は簡単に先日の襲撃された事を話した。
そして、過去の出来事が原因ではないかと。
「……なるほど、妹を守る為に戦争をしたと、そして相手は自分達の正義に酔いしれていると」
「うん、心配しているのは私達以外の知り合いの被害、万が一に備えたい」
「協力してくれる人達は居るのか?」
「これから交渉しに行こうかと」
「ん? 今から話をしにいくって意味か?」
「うんそう」
「なるほど、私が護衛しよう」
「ありがとうお父さん」
「界牙流は家族を一番に考える流派だ」
縁は家族と聞いたからか、少し苛立った顔をした。
それは家族に危害を与える敵が今も居るという事にである。
「俺は結びさんとの生活、そして最近は先生も面白いなと感じていても、過去がそれに茶々を入れてくる」
「縁君、命奪おうとする奴に慈悲はいらない、界牙流としても、絶滅演奏術奏者としても、旦那と義理の妹にちょっかいかける奴は殺す」
「まあ妹はもう自分で対処出来る……あ」
ふと口から出た言葉に縁は気付いた。
「口に出してわかった、結びさんとの時間を邪魔されている事にムカついているんだ」
「それは私も同じ、でも絆ちゃんも大事」
「ああ」
「それじゃあ行きましょうか」
3人が向かうのは、太陽の祝福を受けた吸血鬼の城だ。
目的はこの間の襲撃された事の報告。
「縁君、緊張している?」
「うむむむ、大丈夫かな……お父さんに今更挨拶しにきたかとか言われない?」
「界牙流は伴侶や子供を一番に考える」
「ふむ……え?」
里の入口に一族総出で出迎えられていた、一斉に頭を下げる一同。
「四代目、縁様、おかえりなさい!」
「おかえりなさい!」
「この間来た時よりい壮大だね?」
「縁君、私、界牙流四代目だよ?」
「あ、ああ……そりゃそうか」
流派の四代目、結婚すると言われている2人、一族総出も納得だ。
スファーリアは実家へと足を運ぶ、中には父親らしき人が威厳を放って座っていた。
「帰って来たか結び、いらっしゃい縁さん、座りなさい」
「ただいま」
「お邪魔します」
「縁君、娘と妻から話は聞いている」
「は、はい」
「これだけ聞かせてくれ」
「なんでしょうか?」
父親はゆっくりと頭を下げた。
「娘を、本当に悲しませる事だけはしないでください、夫婦となれば大小様々なケンカをするでしょう、私も妻と何度もしてきました、父としての願いは娘の幸せです」
話し終えると顔を上げて、今度は縁が頭を下げる。
「今すぐに結びさんとの幸せを証明するのは難しいです、側で見守っていただけませんか? 時間をかけて『幸せ』と照明します」
「お父さん、縁君は信用出来る」
「……うむ、そうと決まれば」
父親は少し表情が和らいだ。
「お義父さんと呼んでくれて構わないよ!」
「結びさん、お父さんの界牙流としてのお名前は?」
「炎龍」
「では炎龍さんで」
「ふむ……」
塩対応な娘夫婦に、物凄く残念そうな顔をしている炎龍。
「挨拶もだけど、今日はお父さんにお願いがあって来たの」
「ふむ、どうした」
「実は縁君が襲撃されて」
「ほう?」
縁は簡単に先日の襲撃された事を話した。
そして、過去の出来事が原因ではないかと。
「……なるほど、妹を守る為に戦争をしたと、そして相手は自分達の正義に酔いしれていると」
「うん、心配しているのは私達以外の知り合いの被害、万が一に備えたい」
「協力してくれる人達は居るのか?」
「これから交渉しに行こうかと」
「ん? 今から話をしにいくって意味か?」
「うんそう」
「なるほど、私が護衛しよう」
「ありがとうお父さん」
「界牙流は家族を一番に考える流派だ」
縁は家族と聞いたからか、少し苛立った顔をした。
それは家族に危害を与える敵が今も居るという事にである。
「俺は結びさんとの生活、そして最近は先生も面白いなと感じていても、過去がそれに茶々を入れてくる」
「縁君、命奪おうとする奴に慈悲はいらない、界牙流としても、絶滅演奏術奏者としても、旦那と義理の妹にちょっかいかける奴は殺す」
「まあ妹はもう自分で対処出来る……あ」
ふと口から出た言葉に縁は気付いた。
「口に出してわかった、結びさんとの時間を邪魔されている事にムカついているんだ」
「それは私も同じ、でも絆ちゃんも大事」
「ああ」
「それじゃあ行きましょうか」
3人が向かうのは、太陽の祝福を受けた吸血鬼の城だ。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
Solomon's Gate
坂森大我
SF
人類が宇宙に拠点を設けてから既に千年が経過していた。地球の衛星軌道上から始まった宇宙開発も火星圏、木星圏を経て今や土星圏にまで及んでいる。
ミハル・エアハルトは木星圏に住む十八歳の専門学校生。彼女の学び舎はセントグラード航宙士学校といい、その名の通りパイロットとなるための学校である。
実技は常に学年トップの成績であったものの、ミハルは最終学年になっても就職活動すらしていなかった。なぜなら彼女は航宙機への興味を失っていたからだ。しかし、強要された航宙機レースへの参加を境にミハルの人生が一変していく。レースにより思い出した。幼き日に覚えた感情。誰よりも航宙機が好きだったことを。
ミハルがパイロットとして歩む決意をした一方で、太陽系は思わぬ事態に発展していた。
主要な宙域となるはずだった土星が突如として消失してしまったのだ。加えて消失痕にはワームホールが出現し、異なる銀河との接続を果たしてしまう。
ワームホールの出現まではまだ看過できた人類。しかし、調査を進めるにつれ望みもしない事実が明らかとなっていく。人類は選択を迫られることになった。
人類にとって最悪のシナリオが現実味を帯びていく。星系の情勢とは少しの接点もなかったミハルだが、巨大な暗雲はいとも容易く彼女を飲み込んでいった。
保健室の秘密...
とんすけ
大衆娯楽
僕のクラスには、保健室に登校している「吉田さん」という女の子がいた。
吉田さんは目が大きくてとても可愛らしく、いつも艶々な髪をなびかせていた。
吉田さんはクラスにあまりなじめておらず、朝のHRが終わると帰りの時間まで保健室で過ごしていた。
僕は吉田さんと話したことはなかったけれど、大人っぽさと綺麗な容姿を持つ吉田さんに密かに惹かれていた。
そんな吉田さんには、ある噂があった。
「授業中に保健室に行けば、性処理をしてくれる子がいる」
それが吉田さんだと、男子の間で噂になっていた。
Recreation World ~とある男が〇〇になるまでの軌跡〜
虚妄公
SF
新月流当主の息子である龍谷真一は新月流の当主になるため日々の修練に励んでいた。
新月流の当主になれるのは当代最強の者のみ。
新月流は超実戦派の武術集団である。
その中で、齢16歳の真一は同年代の門下生の中では他の追随を許さぬほどの強さを誇っていたが現在在籍している師範8人のうち1人を除いて誰にも勝つことができず新月流内の順位は8位であった。
新月流では18歳で成人の儀があり、そこで初めて実戦経験を経て一人前になるのである。
そこで真一は師範に勝てないのは実戦経験が乏しいからだと考え、命を削るような戦いを求めていた。
そんなときに同じ門下生の凛にVRMMORPG『Recreation World』通称リクルドを勧められその世界に入っていくのである。
だがそのゲームはただのゲームではなく3人の天才によるある思惑が絡んでいた。
そして真一は気付かぬままに戻ることができぬ歯車に巻き込まれていくのである・・・
※本作品は小説家になろう様、カクヨム様にも先行投稿しております。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる