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第三章 桜野学園編
第一話 後説 義理の弟と食事のお知らせ
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「ふう」
長谷川はゲームからログアウトした。
「もう荒野原さんの弟君と合流する時間か、楽しい時間はあっという間だ」
身支度を済ませて、何時もの様にロビーで荒野原と合流する。
「弟君はまだか?」
「そろそろ来るんじゃない?」
「すみません、長谷川さん、姉さん、遅れました」
2人が声をした方を見ると、早歩きで近づいて来る男子が居た。
どことなく一本橋に似ている。
「初めまして長谷川さん、僕は荒野原明といいます、何時も姉がお世話になっております」
明は出会って早々、長谷川に丁寧にお辞儀をした。
それを見て、長谷川も頭を下げる。
「初めまして荒野原君、終さんとお付き合いしている長谷川です」
「……」
荒野原は少々不機嫌そうな顔をした。
「姉さん、顔に出てるよ」
「そう?」
「え? 何が? 明君どういう事?」
「姉さんは長谷川さんに、名字で呼ばれたいようです」
「何故わかった弟よ」
「いや、何年姉さんの弟してると思ってるのさ」
「荒野原さんって呼べるのも後どれくらいか」
「どういう意味?」
「旧姓になるからだよ」
「……へっへっへ」
荒野原は悪そうな顔をしながら、長谷川の肩をベシベシと叩いている。
「……こんな姉ですが、よろしくお願いします」
「こちらこそよろしく」
「って長谷川君、イチャイチャしてる場合じゃない、そろそろ行こうか」
「ああ」
3人は予定していた食べ放題のお店と、タクシーで向かった。
店の目の前でタクシーを降りた3人。
「荒野原さん、ここであってるのか? 見るからに高級店なんだが?」
「あってる」
「スーツとかのドレスコードが必要なのでは? 俺ジャージだぞ?」
長谷川は自分の姿を見ている。
目の前のお店作りからは、高級店のオーラが放たれていた。
「大丈夫、見てくれで選ぶ人は居ないからって、お母さんが言ってた」
「まあ信じるしかねぇよな」
店の中も一流御用達の豪華な装飾品。
3人はお上りさんの様に、周りをキョロキョロしていた。
お客さんのほとんどが、店の雰囲気に似合わずラフな服装だ。
ビシッとした制服姿の店員が3人に近寄ってくる。
「いらっしゃいませ、ご予約はされてますか?」
「荒野原詩織の名前で予約しています」
「!? 少々お待ちください、支配人を呼んでまいります」
少し驚いた店員は、早歩きでどこかへ向かった。
「えぇ……なんつーか、VIPな扱い? 支配人て」
「お母さんに感謝しないとね」
「お酒でも手土産にしようか」
「母さん、家でもベロベロになるまで飲むから困ったものです」
これまたビシッとしたスーツ姿の女性がやってきた。
「いらっしゃいませ、長谷川さん、荒野原さん、明君、支配人の山崎ひろみです」
山崎は凄く丁寧に頭を下げた。
「お部屋にご案内いたします」
歩き出す山崎についていく3人。
階段をあがり、広い廊下の奥の部屋。
扉の上には信用の間と書かれた札が付いていた。
「こちらです」
山崎は扉を開けた。
中に入る3人が見た物は。
「うお!? 完全個室じゃん、お手洗いまであるし」
「下のフロアより装飾豪華、でも落ち着いている」
「凄いですね」
「詩織からのお願いと、私からのプレゼントです」
「プレゼントですか?」
「はい、長谷川さんと荒野原さん、おふたりには感謝しています」
「え? 何か俺達したっけ?」
「ゲーム内で、貴方達の気合の入った告白に……夫も私もが感化いたしまして」
「あのシーンか、ロールプレイ公開にはしていたが」
縁が大声で愛を叫んだあのシーンの事だろう。
「この店がまだ小さかった頃を思い出して、初心を思い出しました」
「どういたしまし……て? た?」
「長谷川君、言葉が可笑しくなってる」
「ふふっ、歳をとると駄目ね思い出に浸ってしまって、今日は気にせずに飲み食いしてください」
「え? あの、支払いは?」
「詩織から前払いで頂いてますし、先程もいいましたが私からのお礼です」
「ありがとうございます、遠慮無く楽しませてもらいます」
「ああでも、明君が居るから遅くなまでは駄目ですよ」
「へ? 明君、何歳?」
「高校生2年生です」
「ファ!?」
長谷川はさっきから驚いてばかりだ。
「言ってなかったっけ? そしてその音はファじゃない」
「それお決まりだな」
「えっと、お母さんが兄さんを産んだのが21」
「お、おお」
「その二年後に私が生まれて、最後に子供が欲しいと生まれたのが明」
「なるほど、遅くならないようにしないとな」
「そうと決まれば、早速席に座ってください」
3人は着席して山崎から説明を受ける。
タッチパネルで注文をして、品物は部屋の隅にあるエレベーターで届く事、返却口も同じ。
従業員の呼び出しもタッチパネル、帰る時に呼んでほしいと、一例して去っていった。
「本当に完全個室だな」
「お母さんに感謝しないとね」
「僕は姉さん達にも感謝しますよ、こんないい場所、逆立ちしても今の僕には無理ですから」
「俺も無理だよ、なんかの記念日ってんなら出すけど」
「それよりも、ささっとパネルで頼みましょ?」
「ああ」
3人はタッチパネルを操作して、各々食べ飲みしたい物を頼む。
「ああそうだ、お母さんから伝言があったんだ」
「伝言?」
「正確にはルルさんかな」
「ふむ」
「過去の準備が出来たから、来週やるって」
「過去の準備? ああ! 縁とドレミドさんの出会ったシーンのリメイクか」
「そうそう、もちろん私も参加する」
「って事は、縁と結びは久しぶりの再会って訳か」
「多分気付かないと思う」
「俺もそう思う、縁荒んでる頃だから」
「私的には縁とのきっかけにしたい」
「そうなると……ある程度は縁に魅力が無いとな」
「その時の縁ってどんな時?」
「絆を不幸にする奴は幸運にしている真っ只中だ」
「惚れる要素が無い……あ、そうだ、斬銀さんに怒られたのって後?」
荒野原さんは閃いた顔をして長谷川を見た。
「だいぶ後だな」
「それずらせる? 怒られた後なら、ある程度縁も丸くなってるんじゃない?」
「なるほど、キャラクターはスファーリアで参加?」
「うん」
「……うむ、怒られた後の方がスムーズだ、改心してない縁に魅力がねぇ」
「んじゃそうしましょ」
「ああそうだ、明君も参加するかい?」
「え!? 僕はサブキャラクター持ってませんよ?」
「いいんじゃない? ゲスト参戦しても、お祭りに理由はいらん、お前が参加するかしないかだ」
「します、どんな話の再現なんですか?」
「元々のお話は、スラム街の酒場で働いてた縁の日常、みたいな感じ? ロール的に本当に日常生活だったからな」
「それをコンパクトにする感じですか」
「ん~だったら」
長谷川はしばらく考えた後、話し出したる
「ドレミドとスファーリアが来店、縁が接客、しばらくして縁を狙う賊侵入、スファーリアが殲滅、もしくは縁と共闘、襲撃が終わってスファーリア達が帰る時に――」
「バシッと心に響く言葉を言ってもらおうじゃないの! へっへっへ!」
「姉さん、楽しそうだね」
「へっへっへ、長谷川君の腕の見せ所だね~」
荒野原がニヤニヤしながら長谷川を見ている。
すると、エレベーターからリンと音がした。
注文したものが来たのだろう。
「んじゃ、この話は一旦ここまでにして、英気を養うか」
「ついつい話に夢中になってしまった、明、気合い入れて食うよ!」
「姉さん……味わって食べようよ」
3人は豪華に料理に舌鼓をした。
一通り楽しんだ後、帰る時間になる。
その際に山崎から3人に手土産を渡された。
中身は自社製品のケーキの詰め合わせ。
満足して3人はタクシーで帰宅した。
長谷川はゲームからログアウトした。
「もう荒野原さんの弟君と合流する時間か、楽しい時間はあっという間だ」
身支度を済ませて、何時もの様にロビーで荒野原と合流する。
「弟君はまだか?」
「そろそろ来るんじゃない?」
「すみません、長谷川さん、姉さん、遅れました」
2人が声をした方を見ると、早歩きで近づいて来る男子が居た。
どことなく一本橋に似ている。
「初めまして長谷川さん、僕は荒野原明といいます、何時も姉がお世話になっております」
明は出会って早々、長谷川に丁寧にお辞儀をした。
それを見て、長谷川も頭を下げる。
「初めまして荒野原君、終さんとお付き合いしている長谷川です」
「……」
荒野原は少々不機嫌そうな顔をした。
「姉さん、顔に出てるよ」
「そう?」
「え? 何が? 明君どういう事?」
「姉さんは長谷川さんに、名字で呼ばれたいようです」
「何故わかった弟よ」
「いや、何年姉さんの弟してると思ってるのさ」
「荒野原さんって呼べるのも後どれくらいか」
「どういう意味?」
「旧姓になるからだよ」
「……へっへっへ」
荒野原は悪そうな顔をしながら、長谷川の肩をベシベシと叩いている。
「……こんな姉ですが、よろしくお願いします」
「こちらこそよろしく」
「って長谷川君、イチャイチャしてる場合じゃない、そろそろ行こうか」
「ああ」
3人は予定していた食べ放題のお店と、タクシーで向かった。
店の目の前でタクシーを降りた3人。
「荒野原さん、ここであってるのか? 見るからに高級店なんだが?」
「あってる」
「スーツとかのドレスコードが必要なのでは? 俺ジャージだぞ?」
長谷川は自分の姿を見ている。
目の前のお店作りからは、高級店のオーラが放たれていた。
「大丈夫、見てくれで選ぶ人は居ないからって、お母さんが言ってた」
「まあ信じるしかねぇよな」
店の中も一流御用達の豪華な装飾品。
3人はお上りさんの様に、周りをキョロキョロしていた。
お客さんのほとんどが、店の雰囲気に似合わずラフな服装だ。
ビシッとした制服姿の店員が3人に近寄ってくる。
「いらっしゃいませ、ご予約はされてますか?」
「荒野原詩織の名前で予約しています」
「!? 少々お待ちください、支配人を呼んでまいります」
少し驚いた店員は、早歩きでどこかへ向かった。
「えぇ……なんつーか、VIPな扱い? 支配人て」
「お母さんに感謝しないとね」
「お酒でも手土産にしようか」
「母さん、家でもベロベロになるまで飲むから困ったものです」
これまたビシッとしたスーツ姿の女性がやってきた。
「いらっしゃいませ、長谷川さん、荒野原さん、明君、支配人の山崎ひろみです」
山崎は凄く丁寧に頭を下げた。
「お部屋にご案内いたします」
歩き出す山崎についていく3人。
階段をあがり、広い廊下の奥の部屋。
扉の上には信用の間と書かれた札が付いていた。
「こちらです」
山崎は扉を開けた。
中に入る3人が見た物は。
「うお!? 完全個室じゃん、お手洗いまであるし」
「下のフロアより装飾豪華、でも落ち着いている」
「凄いですね」
「詩織からのお願いと、私からのプレゼントです」
「プレゼントですか?」
「はい、長谷川さんと荒野原さん、おふたりには感謝しています」
「え? 何か俺達したっけ?」
「ゲーム内で、貴方達の気合の入った告白に……夫も私もが感化いたしまして」
「あのシーンか、ロールプレイ公開にはしていたが」
縁が大声で愛を叫んだあのシーンの事だろう。
「この店がまだ小さかった頃を思い出して、初心を思い出しました」
「どういたしまし……て? た?」
「長谷川君、言葉が可笑しくなってる」
「ふふっ、歳をとると駄目ね思い出に浸ってしまって、今日は気にせずに飲み食いしてください」
「え? あの、支払いは?」
「詩織から前払いで頂いてますし、先程もいいましたが私からのお礼です」
「ありがとうございます、遠慮無く楽しませてもらいます」
「ああでも、明君が居るから遅くなまでは駄目ですよ」
「へ? 明君、何歳?」
「高校生2年生です」
「ファ!?」
長谷川はさっきから驚いてばかりだ。
「言ってなかったっけ? そしてその音はファじゃない」
「それお決まりだな」
「えっと、お母さんが兄さんを産んだのが21」
「お、おお」
「その二年後に私が生まれて、最後に子供が欲しいと生まれたのが明」
「なるほど、遅くならないようにしないとな」
「そうと決まれば、早速席に座ってください」
3人は着席して山崎から説明を受ける。
タッチパネルで注文をして、品物は部屋の隅にあるエレベーターで届く事、返却口も同じ。
従業員の呼び出しもタッチパネル、帰る時に呼んでほしいと、一例して去っていった。
「本当に完全個室だな」
「お母さんに感謝しないとね」
「僕は姉さん達にも感謝しますよ、こんないい場所、逆立ちしても今の僕には無理ですから」
「俺も無理だよ、なんかの記念日ってんなら出すけど」
「それよりも、ささっとパネルで頼みましょ?」
「ああ」
3人はタッチパネルを操作して、各々食べ飲みしたい物を頼む。
「ああそうだ、お母さんから伝言があったんだ」
「伝言?」
「正確にはルルさんかな」
「ふむ」
「過去の準備が出来たから、来週やるって」
「過去の準備? ああ! 縁とドレミドさんの出会ったシーンのリメイクか」
「そうそう、もちろん私も参加する」
「って事は、縁と結びは久しぶりの再会って訳か」
「多分気付かないと思う」
「俺もそう思う、縁荒んでる頃だから」
「私的には縁とのきっかけにしたい」
「そうなると……ある程度は縁に魅力が無いとな」
「その時の縁ってどんな時?」
「絆を不幸にする奴は幸運にしている真っ只中だ」
「惚れる要素が無い……あ、そうだ、斬銀さんに怒られたのって後?」
荒野原さんは閃いた顔をして長谷川を見た。
「だいぶ後だな」
「それずらせる? 怒られた後なら、ある程度縁も丸くなってるんじゃない?」
「なるほど、キャラクターはスファーリアで参加?」
「うん」
「……うむ、怒られた後の方がスムーズだ、改心してない縁に魅力がねぇ」
「んじゃそうしましょ」
「ああそうだ、明君も参加するかい?」
「え!? 僕はサブキャラクター持ってませんよ?」
「いいんじゃない? ゲスト参戦しても、お祭りに理由はいらん、お前が参加するかしないかだ」
「します、どんな話の再現なんですか?」
「元々のお話は、スラム街の酒場で働いてた縁の日常、みたいな感じ? ロール的に本当に日常生活だったからな」
「それをコンパクトにする感じですか」
「ん~だったら」
長谷川はしばらく考えた後、話し出したる
「ドレミドとスファーリアが来店、縁が接客、しばらくして縁を狙う賊侵入、スファーリアが殲滅、もしくは縁と共闘、襲撃が終わってスファーリア達が帰る時に――」
「バシッと心に響く言葉を言ってもらおうじゃないの! へっへっへ!」
「姉さん、楽しそうだね」
「へっへっへ、長谷川君の腕の見せ所だね~」
荒野原がニヤニヤしながら長谷川を見ている。
すると、エレベーターからリンと音がした。
注文したものが来たのだろう。
「んじゃ、この話は一旦ここまでにして、英気を養うか」
「ついつい話に夢中になってしまった、明、気合い入れて食うよ!」
「姉さん……味わって食べようよ」
3人は豪華に料理に舌鼓をした。
一通り楽しんだ後、帰る時間になる。
その際に山崎から3人に手土産を渡された。
中身は自社製品のケーキの詰め合わせ。
満足して3人はタクシーで帰宅した。
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