VRゲームでも運と愛し合おう!

藤島白兎

文字の大きさ
上 下
134 / 303
第三章 桜野学園編

第一話 演目 生徒の要望

しおりを挟む
「いや、集まってもらったまはいいが、何すればいいんだ?」

 縁は目の前に集まった生徒達を見て少し困っている。

「なら縁先生、私は神の私生活が知りたいです」
「私生活!?」

 久城の発言に縁は目を見開いた。

「はい、私は先程も言いましたが、神社巡りが趣味です、何回か神様にはお会いしましたが、皆さんある意味仕事中でお話を聞けなくて」
「なるほど、っても神の私生活って、ほとんどの神は知られたくないんだよ」
「信者が減るからですね、縁先生」
「そうだ一本槍君、私生活がズボラな神って結構多い」
「何でですか?」
「それはな久城さん、常日頃肩を張ってるからだよ、威厳を保つとか色々な」
「縁先生もですか?」
「俺に威厳なんて無いよ、神様として多少の心構えはあるけどね」
「ううむ……迷惑なのはわかっているけど、好奇心が抑えられない」

 久城は自分の気持ちを抑えられない顔をしている。
 本当に悔しいそうな顔を見ても縁は苦笑いをした。

「そこまで言うなら見てみるかい? 神の私生活」
「おお、いいんですか!?」
「まあ、俺の私生活でいいなら」
「ありがとうございます」
「久城さんのリクエストにだけ答えても仕方ないな、他の皆は何がしたい?」

 勢い良く一本槍が手を上げる。

「僕は縁先生以外の神様と手合わせがしたいです」
「これはまた大きくでたな」
「考えた結果です、神様と交流を持てるチャンスはこれを逃したら、次は何時になるかと考えたら」
「なるほど、ツレ君はどうだい?」
「俺っスか? 一本槍と同じで実力付けたいっす、力もそうっすけど、心構えというか」
「うむ、この死神君の言う通りだ、失礼ながら、縁先生にご教示した方々にお話を聞きたいです」
「ああ、それわかる、荒れてた神を鎮めるってスゲーよな」

 生徒達の話を聞いて縁は考え始めた。

「皆の話を総合すると、俺と関わった人達に会いたいってなるな、一言で言えば」
「縁先生、お願いできますか?」
「合わせるのは構わないんだが……」

 縁は少し離れて絆達と話しているスファーリアの方を見る。

「なあスファーリアさん、この合宿って期間は?」
「約一か月、じっくりと生徒達と向き合って」
「そんなにあるのか」
「もちろん四六時中ではない、縁君も先生以外にもやる事があるだろうし」
「この合宿は何時からなんだ?」
「三週間後だから、来月から」
「準備期間も長いんだな」
「もちろん、連絡と準備もあめだろうから」
「なるほど、皆には予定が決まったら早めに予定表渡そう」
「あ、そうそう、今日はこれで終わり、話し合いが終わった解散」
「そうか」

 縁は再び考え始めるが、直に久城を見た。

「久城さん、俺の私生活見てみるかい? 面白味は無いけど」
「おお、先生の私生活キタコレ」
「縁先生は普段何してるんですか?」
「一番の収入はカジノ経営だな」
「おお、幸運の神様らしいですね」
「っても、換金は無いから、ゲームセンターみたいなものだ」
「利益はあるんですか?」
「無いね、俺が経営している店はほとんど赤字だ」
「ええ!? どうやって生活してるんですか?」
「昔荒稼ぎした、それだけだ」

 その言葉に生徒達は言葉を失った、どう反応していいか困ったのだ。
 なんだかんだ言って縁は、数多の人間を殺してきた。
 たった一言で、その金が綺麗なものではないと、言っている様なものだ。
 縁が生徒の変化に気付いた時には、少々遅かった。

「まあそれはともかく、社会見学の一環として来るかい?」
「縁君、健全な生徒をギャンブル依存症にしないで」
「おおう、何時の間に」

 振り返るとスファーリアが居た。
 空気を読む様に、明るい声で話をしている。

「これは監視が必要」
「監視て、別に非合法な事は」
「制服着てるなら学校行事です」
「なるほど……遊ぶにしても学校として見られるのか」
「そう、だから監視」
「なら団体様御一行で行くか、サンディがまだ話してそうだから、もう少し待つか」

 結果として、縁、久城、一本槍、アポロニア、ダエワ、ツレ。
 スファーリア、絆、未来、ファリレントが行く事になった。 

「じゃあ、この面子で行くって事でいいな?」
「よし、縁君早速行きましょう」
「ああ」

 縁は指を鳴らした、すると、黄金の扉が現れる。
 シルクハットのデフォルメの兎等々の装飾品が飾られていた。
 
「じゃあ俺のカジノに案内するぜ」

 勢い良くその扉を開けた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 人造人間の誕生日又は恋人の居ない星のクリスマス

橋本 直
SF
その文明は出会うべきではなかった その人との出会いは歓迎すべきものではなかった これは悲しい『出会い』の物語 『特殊な部隊』と出会うことで青年にはある『宿命』がせおわされることになる 法術装甲隊ダグフェロン 第五部  遼州人の青年神前誠(しんぜんまこと)が司法局実働部隊機動部隊第一小隊に配属になってからほぼ半年の時が過ぎようとしていた。 訓練場での閉所室内戦闘訓練からの帰りの途中、誠は周りの見慣れない雪景色に目を奪われた。 そんな誠に小隊長のカウラ・ベルガー大尉は彼女がロールアウトした時も同じように雪が降っていたと語った。そして、その日が12月25日であることを告げた。そして彼女がロールアウトして今年で9年になる新しい人造人間であること誠は知った。 同行していた運用艦『ふさ』の艦長であるアメリア・クラウゼ中佐は、クリスマスと重なるこの機会に何かイベントをしようと第二小隊のもう一人の隊員西園寺かなめ大尉に語り掛けた。 こうしてアメリアの企画で誠の実家である『神前一刀流道場』でのカウラのクリスマス会が開催されることになった。 誠の家は母が道場主を務め、父である誠一は全寮制の私立高校の剣道教師としてほとんど家に帰らない家だった。 四人は休みを取り、誠の実家で待つ誠の母、神前薫(しんぜんかおる)のところを訪れた。 そこで待ち受けているのは上流貴族であるかなめのとんでもなく上品なプレゼントを買いに行く行事、誠の『許婚』を自称するかなめの妹で両刀遣いの変態マゾヒスト日野かえで少佐の訪問、アメリアの部下である運航部の面々による蟹パーティーなどの忙しい日々だった。 そんな中、誠はカウラへのプレゼントとしてイラストを描くことを思いつき、様々な妨害に会いながらもなんとか仕上げることが出来たのだが……。 SFお仕事ギャグロマン小説。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

【VRMMO】イースターエッグ・オンライン【RPG】

一樹
SF
ちょっと色々あって、オンラインゲームを始めることとなった主人公。 しかし、オンラインゲームのことなんてほとんど知らない主人公は、スレ立てをしてオススメのオンラインゲームを、スレ民に聞くのだった。 ゲーム初心者の活字中毒高校生が、オンラインゲームをする話です。 以前投稿した短編 【緩募】ゲーム初心者にもオススメのオンラインゲーム教えて の連載版です。 連載するにあたり、短編は削除しました。

妖星学園

静馬⭐︎GTR
SF
 岸田洋子という転校生が、妖星学園にやってきて、そこの「火星クラブ」の部員たちとワイワイガヤガヤ、仲良く冒険をして、たまに地球が滅びそうになる物語です。  人物紹介のところに、挿絵があります!

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

処理中です...