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第二章 ジャスティスジャッジメントの正義
第八話 演目 不釣合いな夢
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縁達は大きな街へとやって来た。
だが人の気配が無く、不自然に静まり返っていた。
「先客が居るようだ」
「この信仰心の力は絆だな」
「ふむ」
街に入ると中は死屍累々だった、老若男女問わず死んでいる。
しかし、よく見てみると身体透けているのだった。
「よくできた幻だ」
「縁、この間私が吹き飛ばした街は本物だったが、何故この街は幻なんだ?」
「ここに居る奴は、それが一番神にとって手駒にしやすかったんだろ、多分な」
「そうか」
幻の街を歩き、目立つ大きな城へと向かった。
謁見の間にボロボロな姿で疲れ切っているヤマト。
そして黒い和服に舞傘を持ち、黒いオーラを放っている絆が居た。
「この気配は……縁に結び、ごきげんよう、この者は何にようですか?」
「分身使って私達の生徒に大怪我させた」
「貴方は不釣合いが好きなのね?」
「くそ! 何なんだ! 何故俺がこんな目に!」
「先程から私は言ってましてよ? 不釣合いな行動をしたからだと」
絆は自棄になっているヤマトを鼻で笑う。
「縁、あれが『神』としての絆なのか?」
「ああ」
「この姿で自己紹介してませんでしたね?」
振り向いた絆の顔は黒い笑みに包まれていた。
風月はその笑みを見て、自然と身構えそうになる。
目の前に立っているのは絆だが、風月にも襲い掛からんとしている様にも見えた。
風月の動作を見て笑う絆だった。
「私は『不吉不釣合黒兎神絆』といいます」
「……名前の意味は?」
「不幸になる事を警告する不幸の神です」
「名前だけじゃ判断できないね」
「物事の上辺だけを見て判断すると、目の前の愚か者の様になってしまいますわ」
「ああ、改めて肝に銘じる」
「いい心掛けです、して……結びがこの者を殺しますか?」
「いや、神様の獲物を横取りは出来ないよ」
「では遠慮なく」
絆は楽しそうな笑顔でヤマトの方を見る。
もはやヤマトは、駄々をこねる事しかできないのかもしれない。
今の今まで、絆や縁達神の前でイキリ散らせたのは、神の本当の怖さを知らなかったからだ。
絶体絶命の時、今この瞬間でもヤマトは何処かで勝てると思っている。
何故ならば、人間ならば持っているモノを知らずに捨てて、自分をこの世界に連れて来た神に能力を貰ったから。
「くそ神が! サッサと殺しやがれ!」
「嫌です、何故敵の意見を聞かなければならないのですか?」
「ちっ!」
「罰を下す前に、隷属の神に連れてこられた貴方達が、どれだけ不釣合いか一応警告しておこうと」
「うるせ――」
「意見は聞かないと言いましたよ? 少し黙れ」
ヤマトは死んだかの様に虚空を見始める。
操り人形の糸が切れたように、神の傀儡になった男は動きを止めた。
「……そんなに不釣合いな夢に居たいなら、死ぬまで見なさい」
絆が指を鳴らすと、街全体がガラスを壊す様な音と共に、崩れ始めた!
幻は崩れ去り、荒野が広がっている。
一瞬だけその光景になると、あっという間に幻の街は元通りに。
再び指を鳴らすと、また荒野だけが広がる景色になった。
「やった! 忌まわしき神を殺したぞ! 褒めろ! 俺を称えろ!」
突如立ち上がり、歓喜の声を上げるヤマト。
目の前の絆は見えていない様だ。
「縁、結び、少しここから離れましょう? 楽しい夢を邪魔になりますし」
「ああ」
「だな」
「そうだろう! 俺を認めろ! アハハハハ!」
幸せそうに笑うヤマトの声、彼は死ぬまで夢幻を見る。
神の甘い誘惑に何の疑問も持たず、好き勝手をし。
神のいいように扱われた男の最後は、絆が用意した『不釣合いな夢』を見続ける。
「うーむ」
荒野を歩いていた風月はジッと絆を見ていた。
「どうしました? お姉様」
「あ、呼び方戻った」
「当たり前です、業務は終わりましてよ、それでどうしました?」
「ああいや、和服の絆ちゃんもいいと思って」
「私本来の姿ではありますが、私はこちらの方がいいですわ」
黒いウサミミカチューシャを頭に付けると、黒い光に包まれて何時ものゴスロリ姿へと変わった。
「してお姉様、私のご学友になる方達は大丈夫でして?」
「アフロ先生に見てもらってる、これから様子を見に行く」
「てか絆、なんでここに居たんだ?」
「ジャスティスジャッジメントに対して、大規模な作戦が予定されているそうですわ」
「ほう」
「その作戦前に、私達の神社をぶっ壊した不埒者を成敗しようかなと」
「ん? ジャスティスジャッジメント関係あるのか?」
「あら? お兄様に言ってなかったかしら、隷属の神はジャスティスジャッジメントが生み出した神です」
「聞いたような、聞いて無いような」
「ははーん」
風月がニヤリとしながら指パッチンをした。
「さっき言った作戦には多分非公式の物もある、って事は一緒に処理されるかもと」
「そうですわ、そろそろお別れして、花の学生生活を送りたいですから」
「目星は?」
「これから確認してまいります」
「んじゃ縁、私達は生徒達の様子を見に行こうか」
「ああ」
「では、失礼いたしますわ」
「またねー」
3人はその場から消えた。
だが人の気配が無く、不自然に静まり返っていた。
「先客が居るようだ」
「この信仰心の力は絆だな」
「ふむ」
街に入ると中は死屍累々だった、老若男女問わず死んでいる。
しかし、よく見てみると身体透けているのだった。
「よくできた幻だ」
「縁、この間私が吹き飛ばした街は本物だったが、何故この街は幻なんだ?」
「ここに居る奴は、それが一番神にとって手駒にしやすかったんだろ、多分な」
「そうか」
幻の街を歩き、目立つ大きな城へと向かった。
謁見の間にボロボロな姿で疲れ切っているヤマト。
そして黒い和服に舞傘を持ち、黒いオーラを放っている絆が居た。
「この気配は……縁に結び、ごきげんよう、この者は何にようですか?」
「分身使って私達の生徒に大怪我させた」
「貴方は不釣合いが好きなのね?」
「くそ! 何なんだ! 何故俺がこんな目に!」
「先程から私は言ってましてよ? 不釣合いな行動をしたからだと」
絆は自棄になっているヤマトを鼻で笑う。
「縁、あれが『神』としての絆なのか?」
「ああ」
「この姿で自己紹介してませんでしたね?」
振り向いた絆の顔は黒い笑みに包まれていた。
風月はその笑みを見て、自然と身構えそうになる。
目の前に立っているのは絆だが、風月にも襲い掛からんとしている様にも見えた。
風月の動作を見て笑う絆だった。
「私は『不吉不釣合黒兎神絆』といいます」
「……名前の意味は?」
「不幸になる事を警告する不幸の神です」
「名前だけじゃ判断できないね」
「物事の上辺だけを見て判断すると、目の前の愚か者の様になってしまいますわ」
「ああ、改めて肝に銘じる」
「いい心掛けです、して……結びがこの者を殺しますか?」
「いや、神様の獲物を横取りは出来ないよ」
「では遠慮なく」
絆は楽しそうな笑顔でヤマトの方を見る。
もはやヤマトは、駄々をこねる事しかできないのかもしれない。
今の今まで、絆や縁達神の前でイキリ散らせたのは、神の本当の怖さを知らなかったからだ。
絶体絶命の時、今この瞬間でもヤマトは何処かで勝てると思っている。
何故ならば、人間ならば持っているモノを知らずに捨てて、自分をこの世界に連れて来た神に能力を貰ったから。
「くそ神が! サッサと殺しやがれ!」
「嫌です、何故敵の意見を聞かなければならないのですか?」
「ちっ!」
「罰を下す前に、隷属の神に連れてこられた貴方達が、どれだけ不釣合いか一応警告しておこうと」
「うるせ――」
「意見は聞かないと言いましたよ? 少し黙れ」
ヤマトは死んだかの様に虚空を見始める。
操り人形の糸が切れたように、神の傀儡になった男は動きを止めた。
「……そんなに不釣合いな夢に居たいなら、死ぬまで見なさい」
絆が指を鳴らすと、街全体がガラスを壊す様な音と共に、崩れ始めた!
幻は崩れ去り、荒野が広がっている。
一瞬だけその光景になると、あっという間に幻の街は元通りに。
再び指を鳴らすと、また荒野だけが広がる景色になった。
「やった! 忌まわしき神を殺したぞ! 褒めろ! 俺を称えろ!」
突如立ち上がり、歓喜の声を上げるヤマト。
目の前の絆は見えていない様だ。
「縁、結び、少しここから離れましょう? 楽しい夢を邪魔になりますし」
「ああ」
「だな」
「そうだろう! 俺を認めろ! アハハハハ!」
幸せそうに笑うヤマトの声、彼は死ぬまで夢幻を見る。
神の甘い誘惑に何の疑問も持たず、好き勝手をし。
神のいいように扱われた男の最後は、絆が用意した『不釣合いな夢』を見続ける。
「うーむ」
荒野を歩いていた風月はジッと絆を見ていた。
「どうしました? お姉様」
「あ、呼び方戻った」
「当たり前です、業務は終わりましてよ、それでどうしました?」
「ああいや、和服の絆ちゃんもいいと思って」
「私本来の姿ではありますが、私はこちらの方がいいですわ」
黒いウサミミカチューシャを頭に付けると、黒い光に包まれて何時ものゴスロリ姿へと変わった。
「してお姉様、私のご学友になる方達は大丈夫でして?」
「アフロ先生に見てもらってる、これから様子を見に行く」
「てか絆、なんでここに居たんだ?」
「ジャスティスジャッジメントに対して、大規模な作戦が予定されているそうですわ」
「ほう」
「その作戦前に、私達の神社をぶっ壊した不埒者を成敗しようかなと」
「ん? ジャスティスジャッジメント関係あるのか?」
「あら? お兄様に言ってなかったかしら、隷属の神はジャスティスジャッジメントが生み出した神です」
「聞いたような、聞いて無いような」
「ははーん」
風月がニヤリとしながら指パッチンをした。
「さっき言った作戦には多分非公式の物もある、って事は一緒に処理されるかもと」
「そうですわ、そろそろお別れして、花の学生生活を送りたいですから」
「目星は?」
「これから確認してまいります」
「んじゃ縁、私達は生徒達の様子を見に行こうか」
「ああ」
「では、失礼いたしますわ」
「またねー」
3人はその場から消えた。
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