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第二章 ジャスティスジャッジメントの正義
第一話 演目 過去の思い出
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「今から十数年前一つの戦争があった、俺の妹を守った戦いだ、全部話すと長くなるから簡単に話す」
縁の話で周りの空気が変わり、生徒達は緊張しているようだ。
「妹は不幸の神というだけで周囲からいじめられていた、俺は幸運の神で妹とは逆に幸せを欲する者達に目をつけられた、ある時周囲の奴らは妹に攻撃を始めた、不幸の神だからとそんなくだらない理由でだな、周囲の奴らの言い分は『不幸はいらない幸せがほしい』というものだった」
握り拳を作り恨み辛みを吐く縁をスファーリアはジッと見ていた。
「父さんは俺達兄妹を守ってくれたが妹の迫害はます一方だった、母さんは高位の神だったから手を出せなかった、高位の神が行動すると色々と面倒くさい事が起こるんだ」
「縁先生、面倒くさい事とは?」
「一本槍君覚えておくといい、高位の神は自身の名前を言うと周囲に何かしらの影響を及ぼしたり、手を出す事により世界のバランスが壊れたりする、これは何が起きるか明確には言えない、神とはそういう存在だ」
「わかりました、先生」
「横槍で言えば人に理解出来る神様なんてたかが知れてるがな」
サンディはニヤリと笑いながら語っている。
「横槍すまんな、話の続きをどーぞ」
「結果として俺は心無い者達から妹を守る為に戦い始めた、その時に俺は自分の幸運で人を死なせて親には大目玉をくらったよ、だって自分の子供が人様殺して喜んでるんだからな」
「先生、質問いいっすか?」
「テークダ君、どうした?」
「幸運で殺すってどういう事っすか? 自分理解が出来ないっす、すみません」
「ドロドロに溶けた金を発掘させたんだ」
「溶けた金っすか!?」
「ああ幸せだろ? 溶けているとはいえ、金だぜ?」
「こ、怖いっす!」
「なるほど金の発掘、確かに金銭は欲の一つかもしれません」
「スファーリア先生の方が悪い笑みは怖いかな」
「私もそういう占い技とか出来たらかっこよさそう」
生徒達はそれぞれの反応を示した。
「子供の時に殺した人達は母さんが蘇らせたんだ、今考えると恐ろしい事をした、だから俺が君達に伝える事の一つ目は『簡単に命を奪わないでほしい、人に危害を加える事に慣れないでほしい』」
縁の目には願いが込められていた、子供の頃に殺めてしまった事、妹を守る為に幸せにしてきた事、短い言葉に後悔の気持ちがこもっていた。
「もちろん状況にもよる、戦争中にそんな事は言えないし誰かを守る為に戦わないといけなかったりと様々だが、俺みたいな感覚が狂ったアホになるからさ、人を傷付ける事には慣れないでな?」
「先生は占いでも普通に見えるよ?」
「未来さん、それは俺が『大人になった』だけさ、自分の行動で誰かが傷付くとか世間体とか色々ね」
「それはとても大事な事だね縁君、後の事を考えれないなら他人を殺さない力をつけた方がいい」
「ま、戦争が終わった後にまた好き勝手して別の人に大目玉くらうんだけどね」
「周りに叱ってくれる人が居る事はとてもいい事」
「って話がそれたな、最終的には色々な国が関わってきたんだ」
「く、国っすか!? な、なんでっすか!?」
「いたちごっこさ」
「縁先生、つまり相手が攻撃してくる防衛するの繰り返しで徐々に規模がデカくなったんですか?」
「そうだ、不幸の神が私達に不幸を振りまいただの、私達は何もしてないのにだの様々な」
「先生、その結末はどうなったの?」
ファリレントはムスッとした顔をしている。
「結末はうやむやになったよ」
「ファリレントは納得いきません」
「まあ、巻き込まれた国は散々だろうな、まさか戦争の始まりがいじめの延長線とは思わないだろ? もちろん戦争だから人は死ぬ」
「はいはーい! 国って横の繋がりや恩だったりがあるから、どうせ謝罪もしに来なかったんでしょ?」
「国によるな、よくわからん持論をかます国も有れば、王様や皇帝自ら謝りに来たりとか殺されにきたりと色々だ、面倒くさかった、てめぇらの事情なんざ知らねーよってな? ま、結果は納得いかないが、今は妹が幸せだからそれでいいかなとは思ってるが」
教室の窓を見る縁。
「やっぱり心は許せずにいる」
一言そう言った一瞬、全てを許さない顔をしたのをスファーリアは見逃さなかった。
「縁君落ち着いて」
「ああ……すまない」
スファーリアがトライアングルビーダーでトライアングルを叩こうとしている姿を見て自分がどんな顔をしていたか察する。
「縁先生質問です、先生のその強さは生まれ持った力だけでは無いはずです」
「ん? あ……ウサミミカチューシャ外したままだった」
縁は自分の頭の違和感に今更気付いた。
「ま、ちょうどいいか、正論で正義の刃を振り回して人を傷つけまくるとな? こうなるから気を付けろ」
指を鳴らして何時もの血だらけの和服姿になった。
「ヒッ!」
ファリレントが一番最初に声を上げた、その顔は恐怖におののき泣きそうになっている。
「あ、ご、ごめんなさい!」
「いや、その反応は正しいから謝らないでいいよ」
「先生、自分も死神の端くれっすからわかるっすが、そこまで恨みの念が積もっていてよく正気を保っていられますね?」
「高位の神様の子供ってのと、さっきも言ったけど戦争が終わった後に俺の性根をぶっ叩いてくれた恩人が居たからな」
「縁先生、その恩人とはどんな方なんでしょうか?」
「斬銀って名前の人さ」
「斬銀!? もしかして傭兵の!?」
「知ってるのかい?」
「はい! 僕がある町で不良冒険者に絡まれている所を助けて頂きました」
「……あの人の事だ、笑顔を振りまいたんだろうな」
「はい、そうです」
「はぁ、あの人らしい……って質問からそれたな、俺の強さについてだったか?」
縁はウサミミカチューシャを頭に付けていつも通りの姿になる。
「戦俺は6年間色々な修行をしたよ、まずはそこに居るサンディと一緒に修行した時から話すか」
気持ちを切り替える様に咳払いを一つした。
「俺たちはアコウ老師って仙人の下で修行していてな、俺達はその人から戦う技術を教えてもらったよ」
「縁先生、技術だけですか? 心構えとかは?」
「老師の口癖で『ワシ以外とも人と関わり心を鍛えよ、他人と関わってこそ精神力は鍛えられる』って言ってたな……後、目標を持てと言ってた、当時の俺もサンディも人殺す気満々だったからな」
「お前と出会ったのも殺意絶頂期の時だったな~」
サンディが声をあげると生徒達は振り向いた。
「そいやお前は本当に夢を叶えたんだな」
「老師には感謝している、夢を笑わなかったしな」
「サンディ先生夢ですか? 占いますか?」
「はは、いらねーよ、老師は私達に復讐が終わったり、する必要が無くなった後の事を考えろと言っていた……『夢や目標を持て』と口を酸っぱく言ってたな」
「サンディ先生質問です、先生の夢とはなんでしょうか?」
「私は笑われるのを覚悟で老師に教師になりたいと言った、老師は笑わずに『自分の経験を誰かに伝える事は素晴らしい』と言ってれた」
「俺は友達や恋人が欲しいと言ったら『その名の通りいいご縁が有るはずだ、人と関わる事を大切にするんだぞ』って言われたな」
「そうそう、老師の修行内容は――」
サンディはニヤリと笑うがタイミングを見計らったように鐘が鳴った。
「鐘がなった」
スファーリアは教室にある時計を見た。
「うお、もう終わりっすか? まだ話聞きたいっす!」
「僕も聞きたいです」
「ファリレントも~」
「占いでもそれが吉と出ています」
「じゃあ今から30分休憩にします、途中鐘が鳴るけども30分ね」
「一本槍、10分一本の手合わせどうっすか?」
「受けて立ちましょう、訓練場に行きまょう!」
ツレと一本槍は元気よく教室を出て行った。
「未来ちゃん、最新ヤングでナウい水晶玉イケイケドンドン特集やってたよ」
「見せて、見ると大吉って出てる」
ファリレントと未来は机をくっつけて雑誌を見始める。
「私達は応接室で休みましょう」
サンディを先頭に教室を出る3人。
縁の話で周りの空気が変わり、生徒達は緊張しているようだ。
「妹は不幸の神というだけで周囲からいじめられていた、俺は幸運の神で妹とは逆に幸せを欲する者達に目をつけられた、ある時周囲の奴らは妹に攻撃を始めた、不幸の神だからとそんなくだらない理由でだな、周囲の奴らの言い分は『不幸はいらない幸せがほしい』というものだった」
握り拳を作り恨み辛みを吐く縁をスファーリアはジッと見ていた。
「父さんは俺達兄妹を守ってくれたが妹の迫害はます一方だった、母さんは高位の神だったから手を出せなかった、高位の神が行動すると色々と面倒くさい事が起こるんだ」
「縁先生、面倒くさい事とは?」
「一本槍君覚えておくといい、高位の神は自身の名前を言うと周囲に何かしらの影響を及ぼしたり、手を出す事により世界のバランスが壊れたりする、これは何が起きるか明確には言えない、神とはそういう存在だ」
「わかりました、先生」
「横槍で言えば人に理解出来る神様なんてたかが知れてるがな」
サンディはニヤリと笑いながら語っている。
「横槍すまんな、話の続きをどーぞ」
「結果として俺は心無い者達から妹を守る為に戦い始めた、その時に俺は自分の幸運で人を死なせて親には大目玉をくらったよ、だって自分の子供が人様殺して喜んでるんだからな」
「先生、質問いいっすか?」
「テークダ君、どうした?」
「幸運で殺すってどういう事っすか? 自分理解が出来ないっす、すみません」
「ドロドロに溶けた金を発掘させたんだ」
「溶けた金っすか!?」
「ああ幸せだろ? 溶けているとはいえ、金だぜ?」
「こ、怖いっす!」
「なるほど金の発掘、確かに金銭は欲の一つかもしれません」
「スファーリア先生の方が悪い笑みは怖いかな」
「私もそういう占い技とか出来たらかっこよさそう」
生徒達はそれぞれの反応を示した。
「子供の時に殺した人達は母さんが蘇らせたんだ、今考えると恐ろしい事をした、だから俺が君達に伝える事の一つ目は『簡単に命を奪わないでほしい、人に危害を加える事に慣れないでほしい』」
縁の目には願いが込められていた、子供の頃に殺めてしまった事、妹を守る為に幸せにしてきた事、短い言葉に後悔の気持ちがこもっていた。
「もちろん状況にもよる、戦争中にそんな事は言えないし誰かを守る為に戦わないといけなかったりと様々だが、俺みたいな感覚が狂ったアホになるからさ、人を傷付ける事には慣れないでな?」
「先生は占いでも普通に見えるよ?」
「未来さん、それは俺が『大人になった』だけさ、自分の行動で誰かが傷付くとか世間体とか色々ね」
「それはとても大事な事だね縁君、後の事を考えれないなら他人を殺さない力をつけた方がいい」
「ま、戦争が終わった後にまた好き勝手して別の人に大目玉くらうんだけどね」
「周りに叱ってくれる人が居る事はとてもいい事」
「って話がそれたな、最終的には色々な国が関わってきたんだ」
「く、国っすか!? な、なんでっすか!?」
「いたちごっこさ」
「縁先生、つまり相手が攻撃してくる防衛するの繰り返しで徐々に規模がデカくなったんですか?」
「そうだ、不幸の神が私達に不幸を振りまいただの、私達は何もしてないのにだの様々な」
「先生、その結末はどうなったの?」
ファリレントはムスッとした顔をしている。
「結末はうやむやになったよ」
「ファリレントは納得いきません」
「まあ、巻き込まれた国は散々だろうな、まさか戦争の始まりがいじめの延長線とは思わないだろ? もちろん戦争だから人は死ぬ」
「はいはーい! 国って横の繋がりや恩だったりがあるから、どうせ謝罪もしに来なかったんでしょ?」
「国によるな、よくわからん持論をかます国も有れば、王様や皇帝自ら謝りに来たりとか殺されにきたりと色々だ、面倒くさかった、てめぇらの事情なんざ知らねーよってな? ま、結果は納得いかないが、今は妹が幸せだからそれでいいかなとは思ってるが」
教室の窓を見る縁。
「やっぱり心は許せずにいる」
一言そう言った一瞬、全てを許さない顔をしたのをスファーリアは見逃さなかった。
「縁君落ち着いて」
「ああ……すまない」
スファーリアがトライアングルビーダーでトライアングルを叩こうとしている姿を見て自分がどんな顔をしていたか察する。
「縁先生質問です、先生のその強さは生まれ持った力だけでは無いはずです」
「ん? あ……ウサミミカチューシャ外したままだった」
縁は自分の頭の違和感に今更気付いた。
「ま、ちょうどいいか、正論で正義の刃を振り回して人を傷つけまくるとな? こうなるから気を付けろ」
指を鳴らして何時もの血だらけの和服姿になった。
「ヒッ!」
ファリレントが一番最初に声を上げた、その顔は恐怖におののき泣きそうになっている。
「あ、ご、ごめんなさい!」
「いや、その反応は正しいから謝らないでいいよ」
「先生、自分も死神の端くれっすからわかるっすが、そこまで恨みの念が積もっていてよく正気を保っていられますね?」
「高位の神様の子供ってのと、さっきも言ったけど戦争が終わった後に俺の性根をぶっ叩いてくれた恩人が居たからな」
「縁先生、その恩人とはどんな方なんでしょうか?」
「斬銀って名前の人さ」
「斬銀!? もしかして傭兵の!?」
「知ってるのかい?」
「はい! 僕がある町で不良冒険者に絡まれている所を助けて頂きました」
「……あの人の事だ、笑顔を振りまいたんだろうな」
「はい、そうです」
「はぁ、あの人らしい……って質問からそれたな、俺の強さについてだったか?」
縁はウサミミカチューシャを頭に付けていつも通りの姿になる。
「戦俺は6年間色々な修行をしたよ、まずはそこに居るサンディと一緒に修行した時から話すか」
気持ちを切り替える様に咳払いを一つした。
「俺たちはアコウ老師って仙人の下で修行していてな、俺達はその人から戦う技術を教えてもらったよ」
「縁先生、技術だけですか? 心構えとかは?」
「老師の口癖で『ワシ以外とも人と関わり心を鍛えよ、他人と関わってこそ精神力は鍛えられる』って言ってたな……後、目標を持てと言ってた、当時の俺もサンディも人殺す気満々だったからな」
「お前と出会ったのも殺意絶頂期の時だったな~」
サンディが声をあげると生徒達は振り向いた。
「そいやお前は本当に夢を叶えたんだな」
「老師には感謝している、夢を笑わなかったしな」
「サンディ先生夢ですか? 占いますか?」
「はは、いらねーよ、老師は私達に復讐が終わったり、する必要が無くなった後の事を考えろと言っていた……『夢や目標を持て』と口を酸っぱく言ってたな」
「サンディ先生質問です、先生の夢とはなんでしょうか?」
「私は笑われるのを覚悟で老師に教師になりたいと言った、老師は笑わずに『自分の経験を誰かに伝える事は素晴らしい』と言ってれた」
「俺は友達や恋人が欲しいと言ったら『その名の通りいいご縁が有るはずだ、人と関わる事を大切にするんだぞ』って言われたな」
「そうそう、老師の修行内容は――」
サンディはニヤリと笑うがタイミングを見計らったように鐘が鳴った。
「鐘がなった」
スファーリアは教室にある時計を見た。
「うお、もう終わりっすか? まだ話聞きたいっす!」
「僕も聞きたいです」
「ファリレントも~」
「占いでもそれが吉と出ています」
「じゃあ今から30分休憩にします、途中鐘が鳴るけども30分ね」
「一本槍、10分一本の手合わせどうっすか?」
「受けて立ちましょう、訓練場に行きまょう!」
ツレと一本槍は元気よく教室を出て行った。
「未来ちゃん、最新ヤングでナウい水晶玉イケイケドンドン特集やってたよ」
「見せて、見ると大吉って出てる」
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