VRゲームでも運と愛し合おう!

藤島白兎

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第一章 レアスナタの世界へ!

第四話 後説 いつもの帰り道

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「ふう」

 長谷川はログアウトしてゴーグルとシートベルトを外した。

「2時間て思ったよりないな、退出時間が後5分だ」

 急いで帰り支度をして荒野原との待ち合わせ場所の休憩所に向かう。

「お疲れ様長谷川君」
「お疲れ荒野原さん」
「今日のご飯は何処にしよう?」
「ファミレス?」
「んじゃそうしようか」

 2人はゲートから近場のファミレスに向かう。
 注文をし、品が来てからもずっとレアスナタの話をしていた。

「って、またお酒か」
「安心して普段は飲まない、何事も適量」
「……スファーリアものんべぇだよな」
「スファーリアも普段は飲まない設定」
「あの勢いで普段飲まないは説得力無いぞ?」
「楽しい時にお酒は飲むべき」
「まあ確かにな」
「うんうん」

 荒野原はチューハイを美味しそうに飲んだ。

「そいやスファーリアは学校の先生だけども部活の顧問とかやってるの?」
「やってないね、普段は絶滅演奏術奏者として悪を滅ぼしているのだ」
「色々とツッコミ処があるんだが」
「お? なんだいな?」
「学校の先生が殺意高くね?」
「学校から教師として来てくれと頼まれたって設定」
「特別講師みたいな感じ?」
「ん~一応クラスは持ってる」
「何人居るの?」
「6人」
「少ない……のか?」
「スファーリアの授業について行けずに残った生徒達」
「厳しいな」
「『殺し合いの世界で生き残る方法』を教えてるって設定だから」
「何故その設定に?」
「ふっ……」

 荒野原はクールにおつまみを食べた後キメ顔をしながらチューハイを飲んだ。

「創作物の戦闘学園もの見てると生ぬるく感じたから」
「ああ~まあ言いたい事はわかるが仕方なくね? 殺伐としすぎると雰囲気がシリアスになるし」
「そうなのよ、故にスファーリアは学校でちょっと浮ているのよ」
「他の戦闘学科は優しい感じ?」
「そうそう、よくある学園ものって感じのクラスが多い」
「縁視点で言うならばスファーリアの考えは正しいね、全部とは言えないが」
「お、わかってくれる?」
「縁は戦争経験してるからな」
「それだ」
「え?」
「今すぐって言わないけどさ、私のクラスに遊びにこない?」
「いいけど? どうしたのさ」
「いやいや、生徒に戦争ってこういうもんなんだぞと生きた経験則をね」
「ああ~なるほどな」
「よしよし、ちょっと生徒達に予定聞いてみるかね」
「善は急げだな」
「そりゃ生徒と言ってプレイヤー、予定あわせなきゃね」
「ああ確かにな」
「今みんなは公式初イベントに向けて色々と忙しいから、もしかしたら公式イベント始まってからになるかも」
「それは仕方ないっしょ、各々準備ややりたいシナリオだったりあるだろうし」
「んじゃ、縁の副担任を祝して乾杯!」
「待て酔っぱらい、副担任やるとは言ってないぞ」
「ふふ~ん、酔っぱらいなんで聞いてませーん」

 2人の楽しそうな夕食はまだまだ続くのだった。
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