VRゲームでも運と愛し合おう!

藤島白兎

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第一章 レアスナタの世界へ!

第三話 演目 ジャスティスジャッジメント

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「最近おかしな神様が居すぎだろ、どうなってんだ」

 リッシュはため息をすると、空から降ってきたチェーンソーはサラサラと砂のように消えていった。

「割って入っちまったが迷惑だったか?」
「あらあらお兄ちゃん、相変わらず面倒見はいいですわね?」
「ってか絆、お前は厄介な事に巻き込まれ過ぎだ」
「仕方有りませんわ! わたくしは! 不幸の星の下に生まれた! 悲劇ヒロインですもの!」

 絆はまた悲劇のヒロインのポーズをした。

「わたくしを狙っていた三人組は何のつもりかしら?」
「それよりも神の方だ、姿はジジイだったがアレは生まれたてだな」
「そうですわねお兄様、ですが社で祭られてる私達の敵ではあのませんわね」
「身内にちょっかい出さなければほっとくさ」
「ええ、雑魚3人組や神よりもお兄様の恋愛事情が気になりますわ」

 ニヤニヤしながら絆は何か聞きたそうな顔をしながら自分の兄を見る。
 縁はため息をしながら洞窟に向かって歩き出した。

「まあいい俺はもう行くぞ、皆を待たせてるしな」
「お兄様の恋愛事情にも詳しくなくてはいけませんのでご一緒しますわ」
「あのな、スファーリアさんとはそんなんじゃないからな?」
「面白そうだから俺もついていくぜ!」
「勝手にしてくれ」

 諦めた顔をしながら縁を先頭に3人は洞窟へと入っていく。
 中は明かりが灯って順路も壁に書いてあり迷うことは無さそうだ。

「てか兄さんは何でここに?」
「フラッと散歩しててな、あの木の上で昼寝してた」
「あらそれは運が悪かったですわね、お兄ちゃん」
「そうでもねぇかな、久しぶりにお前達に会えたからな」
「兄さん、タベリアの街は最近どうだい?」
「平和だ、と言いたいんだが厄介な事が起きてな」
「あら? 確かタベリアは食品関連が盛んな街でしたわよね?」
「ああそうだ」
「食中毒でも流行ってしまいましたか?」
「街の衛生管理は徹底してるよ、他の出来事さ」
「他ですの?」
「『ジャスティスジャッジメント』って知ってるか?」
「兄さん、その安直な組織の名前は何?」
「あら? お兄様知らないのですか?」
「絆は知ってるのか?」
「ええ、何度も命を狙われましたもの」
「おいおい絆大丈夫か?」
「運悪く生き延びていますから、フフフ」

 絆は楽しそうにお腹を押さえて笑っている。

「でお兄ちゃん、ジャスティスジャッジメントがどうしました?」
「宣戦布告された」
「あらあら宣戦布告ですの? 戦争?」

 絆は楽しそうにニヤニヤしながら嘲笑っている。

「ああ」
「兄さん、何でそんな事に?」
「それはですねお兄様? 相手がお子様だからですわ」
「どういうこっちゃ」
「タベリアの場合はな? 『おまえたちは、ぼーえーといって、わるいひとたちを、たくさん、ころしただろ! ぼくら、じゃすてぃすじゃっじめんとが、せーぎの、なのもとに、ゆるさないぞ』だな」

 リッシュは子供の様な言い方で言葉を発し、縁は理解に苦しみ絆は笑っている。

「つまり『俺達以外の正義は認めない』って事? てか兄さん、小馬鹿にしすぎて子供が相手かと一瞬考えてしまったよ」
「はは、ちゃんとした成人が宣戦布告してきたぜ」
「そいつら傭兵?」
「ああ、昔は文字通り正義の集団だったんだが徐々に腐れていったらしい」
「なるほど」
「お金の力で色々とコネがあるらしくてな、好き勝手してるらしいぜ?」
「タベリアとしてはどうするんだい?」
おさは表向きに小難しい言い方で声明を発表してたぜ? ああそうだ、ジャスティスジャッジメントの資金力のほとんどが宗教だとか」
「は?」

 足を止めた縁の顔付きが変わり他の2人も足を止めた。
 
「聞いた話じゃ高額な御祓いや参拝の金額設定でやりたい放題だ、無論ご利益も感じない雑な感じらしい」
「そこでお兄様覚えていまして? 以前私達の神社に願いに来た少年の参拝、純粋な願いを聞き入れなかった……神とその者達の話」

 絆が言っている少年とは神社で門前払いをくらった少年だろう。
 縁は自分のウサミミを触りながらニヤリと黒い笑みをした。 

「……なるほどな、久しぶりに神と喧嘩するのも悪くない」
「ですがお兄様、おそらくは低俗な神しか居ないのでは?」
「詳しく聞かせてくれ、調べはついてるか?」
「もちろんですわ、このお話は後で」
「そうだな」
「てか縁、今更ながらこの洞窟に何があるんだ?」
「太陽の花だよ兄さん」
「太陽光で花開く――」
「うえええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇん!」
 
 突如洞窟の奥からフレビィレンスの鳴き声が響いた!
 縁達は洞窟の奥へと走っていくと泣いてるフレビィレンスを見つけた。
 スファーリアは左手でフレビィレンスをだっこしながら右手でトライアングルの棒を肩で担いでいる。

「は? なんだこりゃ?」

 縁は声を上げた、目の前に広がっているのは天井に空いた穴から日光が差し込む広い空間に、花であったろう残骸が残っていたからだ。

「……ジャスティスジャッジメントの幹部を名乗る人間がね? 『ここは俺達のもんだ』って言って私達に問答無用で攻撃してさ、勝てないとわかった途端に……毒をまいて退散した!」

 スファーリアは地面に、トライアングルを叩く棒を突き立てた!
 大きな音と共に地面は少し抉れ棒が突き刺さる!
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