8 / 302
第一章 レアスナタの世界へ!
第二話 前説 ちょっとした日常のお知らせ
しおりを挟む
長谷川はバイトをしていた、彼は個人経営のゲームショップで働いている。
今日は長谷川と一人の青年が店番、ただ閑古鳥の店内だが。
「今日も暇だ、てか通信販売が主なのに店番必要なのかね」
「まあまあ長谷川さんそう言わず、忙しい時は常識超えるじゃないですか」
「ああ……商品棚の『ここからここを限定版、初回版、通常版をそれぞれもらおうか』ってたまにやるお客さんが居るからな」
「新品ならいいですよ、在庫を裏からもってくるだけっすから、中古でそれらやれたらたまったもんじゃない」
青年めんどくさいそうに溜め息をする、胸元にはお手製の名札があり木村勇二と書いてある。
「気が滅入る話は置いといて長谷川さん、今日は『君のハートにジョーカー』の発売日です」
「ああ、勇二君のお気に入りの恋愛シュミレーションゲームのシリーズだったか?」
「はい、今回のコンセンプトは『昔懐かしいドキドキ』らしいですよ?」
「ほう?」
「手を繋ぐのがエロと感じたとあの頃」
「いや小学生かよ!」
長谷川は木村に右手で軽くペシッとツッコミをいれた。
「なんか高校生にもなると周りの連中が体関係がどうのこうのの話題が多すぎて、俺の感性が間違っているのかなと、ある程度はわかりますが酷いのが学年にいまして」
「安心しろ、俺の基準だと勇二君は普通だと思うよ」
「長谷川さんは高校生時代はどうだったんですか?」
「レアスナタ一筋だった俺に青春のかけらも無い、内申点も勉強もすべてはレアスナタをするためだったからな」
「なんと言ったらいいのか」
「気にする事は無い、俺も自分自身可笑しかったと今は思う」
「2人とも店番ご苦労様」
レジの奥のバックヤードからどこにでも居そうな中年の男性がやってきた。
名札には店長の文字と神無月京五郎という名前が書いてあった。
「店長、店に来るなんて珍しいですね」
「攻略本作りに区切りがついたからな」
「お義父さん、お疲れ様です」
「はっはっは、何時も思うが勇二、将来結婚を許したがその呼び方は早くないかな?」
「小さい頃から友美に『お義父と呼んで』って言われてたの知ってますよね?」
「そうだったな、所で今日はお客様のご来店はあったかな?」
「今日も閑古鳥ですよ」
「いやいやすまないね、忙しい時と暇な時の落差が激しい職場でね」
店長はニコニコと笑っている。
「じゃあ今日はもうお店閉めちゃいましょう」
奥から冷たそうな目をした年相応で小奇麗な中年女性がカギを持って奥から来た。
「あなた、お客さんも来ないようだしお二人を遊びに連れて行ったら?」
「そうだな、レアスナタやりに行くか! 終わったら飯でも食いに行こう、金なら心配するな俺のポケットマネーで出すから」
「経費で落としましょう」
「あけみいいのか?」
「頻繁な訳じゃないし」
「副店長ありがとうございます」
「ありがとうございますお義母」
長谷川と勇二はあけみに対してお辞儀をした。
「よし、そうと決まれば店じまいしようぜ!」
ぱぱっと店じまいをして3人はゲートへと向かうその道中。
「お義父さん、友美は?」
「今日は一人でレアスナタをしに行ったよ、合流するか?」
「そうですね、もし参加出来そうなロールだったら参加しましょう」
「よしアプリで連絡するな、ついでに混雑状況調べてみるか」
神無月は急に立ち止まりスマホを取り出し操作を始めた。
長谷川と木村はいきなり止まった店長を見る。
「歩きスマホはダメだからな」
店長の言葉にああと納得した顔をして通行の邪魔にならない様に端による。
「勇二君とのレアスナタは久しぶりだね、確かキャラ名は『リステイナ』だったっけ?」
「はいそうです、簡単な説明しましょうか?」
「頼むよ、一緒に遊んだのは結構前だし」
「リステイナは産まれた時から影で性格と言動は何時もふざけた感じです」
「ああ、存在感が強かったのは思い出した、けどどんなロールしたっけ?」
「確か……当たり障りの無い依頼を受けるとかだったような?」
「そうだったか」
「娘に連絡したんだが途中参加いいとさ、招待送っとくとよ、ついでにゲートはちょいと待ち時間があるようだ」
「友美さんはどんなシナリオに参加してるんですか?」
「ラキアグっていう更生した元犯罪者達の町に過剰な自警団が来たってシナリオだ」
「なるほど」
「待ち時間でアプリでシナリオの確認しようぜ」
「そうですね」
3人はゲートに到着して受付を済ませた時に数分の待ち時間を言いわれ、自販機でジュースを買いロビーの休憩スペースで待つ事に。
「店長、まずはシナリオの加入する流れを考え、次に俺達のキャラクターがどう集まったかを決めましょう」
「傭兵として参加する、これだな!」
「いやいや店長、店長のキャラクター『東洋』ならそれでいいですけど俺一般人兎ですよ?」
「神様キャラクターが何を言ってるんだ? まあ娘のキャラクターに応援要請されたって事でいいだろ、俺達の開始地点は町の前だ」
「これは店長手厳しい」
長谷川がスマホを取り出しアプリでシナリオの確認をしようとすると……
『おまたせいたしました、3名でお待ちの神無月様準備ができましたのでカウンターまでお越し下さい』
溜め息をしながらスマホを鞄にしまった。
「ほぼぶっつけ本番じゃねーか」
「長谷川、お前何年レアスナタやってんだよ」
「かれこれ10年くらい」
「じゃーベテランだろ、行くぞ」
「了解」
受付を済ませた3人は割り当て一番リーズナブルな部屋へとそれぞれ移動する。
基本設計のプレイルームとネットカフェの個室のほどしかない休憩スペースがある部屋だ。
荷物を置いてプレイルームへ行き、シートベルトとゴーグルを着用した。
「途中参加っと」
ログインボタンを押す前にメニューを開いて届いている招待に参加を押す。
「じゃあ行くぜ! レアスナタの世界へ!」
長谷川は両手を広げて無駄な決めポーズをし後、スタートボタンを押した。
今日は長谷川と一人の青年が店番、ただ閑古鳥の店内だが。
「今日も暇だ、てか通信販売が主なのに店番必要なのかね」
「まあまあ長谷川さんそう言わず、忙しい時は常識超えるじゃないですか」
「ああ……商品棚の『ここからここを限定版、初回版、通常版をそれぞれもらおうか』ってたまにやるお客さんが居るからな」
「新品ならいいですよ、在庫を裏からもってくるだけっすから、中古でそれらやれたらたまったもんじゃない」
青年めんどくさいそうに溜め息をする、胸元にはお手製の名札があり木村勇二と書いてある。
「気が滅入る話は置いといて長谷川さん、今日は『君のハートにジョーカー』の発売日です」
「ああ、勇二君のお気に入りの恋愛シュミレーションゲームのシリーズだったか?」
「はい、今回のコンセンプトは『昔懐かしいドキドキ』らしいですよ?」
「ほう?」
「手を繋ぐのがエロと感じたとあの頃」
「いや小学生かよ!」
長谷川は木村に右手で軽くペシッとツッコミをいれた。
「なんか高校生にもなると周りの連中が体関係がどうのこうのの話題が多すぎて、俺の感性が間違っているのかなと、ある程度はわかりますが酷いのが学年にいまして」
「安心しろ、俺の基準だと勇二君は普通だと思うよ」
「長谷川さんは高校生時代はどうだったんですか?」
「レアスナタ一筋だった俺に青春のかけらも無い、内申点も勉強もすべてはレアスナタをするためだったからな」
「なんと言ったらいいのか」
「気にする事は無い、俺も自分自身可笑しかったと今は思う」
「2人とも店番ご苦労様」
レジの奥のバックヤードからどこにでも居そうな中年の男性がやってきた。
名札には店長の文字と神無月京五郎という名前が書いてあった。
「店長、店に来るなんて珍しいですね」
「攻略本作りに区切りがついたからな」
「お義父さん、お疲れ様です」
「はっはっは、何時も思うが勇二、将来結婚を許したがその呼び方は早くないかな?」
「小さい頃から友美に『お義父と呼んで』って言われてたの知ってますよね?」
「そうだったな、所で今日はお客様のご来店はあったかな?」
「今日も閑古鳥ですよ」
「いやいやすまないね、忙しい時と暇な時の落差が激しい職場でね」
店長はニコニコと笑っている。
「じゃあ今日はもうお店閉めちゃいましょう」
奥から冷たそうな目をした年相応で小奇麗な中年女性がカギを持って奥から来た。
「あなた、お客さんも来ないようだしお二人を遊びに連れて行ったら?」
「そうだな、レアスナタやりに行くか! 終わったら飯でも食いに行こう、金なら心配するな俺のポケットマネーで出すから」
「経費で落としましょう」
「あけみいいのか?」
「頻繁な訳じゃないし」
「副店長ありがとうございます」
「ありがとうございますお義母」
長谷川と勇二はあけみに対してお辞儀をした。
「よし、そうと決まれば店じまいしようぜ!」
ぱぱっと店じまいをして3人はゲートへと向かうその道中。
「お義父さん、友美は?」
「今日は一人でレアスナタをしに行ったよ、合流するか?」
「そうですね、もし参加出来そうなロールだったら参加しましょう」
「よしアプリで連絡するな、ついでに混雑状況調べてみるか」
神無月は急に立ち止まりスマホを取り出し操作を始めた。
長谷川と木村はいきなり止まった店長を見る。
「歩きスマホはダメだからな」
店長の言葉にああと納得した顔をして通行の邪魔にならない様に端による。
「勇二君とのレアスナタは久しぶりだね、確かキャラ名は『リステイナ』だったっけ?」
「はいそうです、簡単な説明しましょうか?」
「頼むよ、一緒に遊んだのは結構前だし」
「リステイナは産まれた時から影で性格と言動は何時もふざけた感じです」
「ああ、存在感が強かったのは思い出した、けどどんなロールしたっけ?」
「確か……当たり障りの無い依頼を受けるとかだったような?」
「そうだったか」
「娘に連絡したんだが途中参加いいとさ、招待送っとくとよ、ついでにゲートはちょいと待ち時間があるようだ」
「友美さんはどんなシナリオに参加してるんですか?」
「ラキアグっていう更生した元犯罪者達の町に過剰な自警団が来たってシナリオだ」
「なるほど」
「待ち時間でアプリでシナリオの確認しようぜ」
「そうですね」
3人はゲートに到着して受付を済ませた時に数分の待ち時間を言いわれ、自販機でジュースを買いロビーの休憩スペースで待つ事に。
「店長、まずはシナリオの加入する流れを考え、次に俺達のキャラクターがどう集まったかを決めましょう」
「傭兵として参加する、これだな!」
「いやいや店長、店長のキャラクター『東洋』ならそれでいいですけど俺一般人兎ですよ?」
「神様キャラクターが何を言ってるんだ? まあ娘のキャラクターに応援要請されたって事でいいだろ、俺達の開始地点は町の前だ」
「これは店長手厳しい」
長谷川がスマホを取り出しアプリでシナリオの確認をしようとすると……
『おまたせいたしました、3名でお待ちの神無月様準備ができましたのでカウンターまでお越し下さい』
溜め息をしながらスマホを鞄にしまった。
「ほぼぶっつけ本番じゃねーか」
「長谷川、お前何年レアスナタやってんだよ」
「かれこれ10年くらい」
「じゃーベテランだろ、行くぞ」
「了解」
受付を済ませた3人は割り当て一番リーズナブルな部屋へとそれぞれ移動する。
基本設計のプレイルームとネットカフェの個室のほどしかない休憩スペースがある部屋だ。
荷物を置いてプレイルームへ行き、シートベルトとゴーグルを着用した。
「途中参加っと」
ログインボタンを押す前にメニューを開いて届いている招待に参加を押す。
「じゃあ行くぜ! レアスナタの世界へ!」
長谷川は両手を広げて無駄な決めポーズをし後、スタートボタンを押した。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
絶世のディプロマット
一陣茜
SF
惑星連合平和維持局調停課に所属するスペース・ディプロマット(宇宙外交官)レイ・アウダークス。彼女の業務は、惑星同士の衝突を防ぐべく、双方の間に介入し、円満に和解させる。
レイの初仕事は、軍事アンドロイド産業の発展を望む惑星ストリゴイと、墓石が土地を圧迫し、財政難に陥っている惑星レムレスの星間戦争を未然に防ぐーーという任務。
レイは自身の護衛官に任じた凄腕の青年剣士、円城九太郎とともに惑星間の調停に赴く。
※本作はフィクションであり、実際の人物、団体、事件、地名などとは一切関係ありません。
年下の地球人に脅されています
KUMANOMORI(くまのもり)
SF
鵲盧杞(かささぎ ろき)は中学生の息子を育てるシングルマザーの宇宙人だ。
盧杞は、息子の玄有(けんゆう)を普通の地球人として育てなければいけないと思っている。
ある日、盧杞は後輩の社員・谷牧奨馬から、見覚えのないセクハラを訴えられる。
セクハラの件を不問にするかわりに、「自分と付き合って欲しい」という谷牧だったが、盧杞は元夫以外の地球人に興味がない。
さらに、盧杞は旅立ちの時期が近づいていて・・・
シュール系宇宙人ノベル。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
超一流ヴィランの俺様だが貴様らがどうしてもというならヒーローになってやらんこともない!
阿弥陀乃トンマージ
SF
若くして広大な銀河にその名を轟かす、超一流のヴィランの青年、ジンライ。
漆黒のパワードスーツに身を包み、幾つもの堅固な宇宙要塞を陥落させ、数多の屈強な種族を倒してきた、そのヴィランに課せられた新たな任務の目的地は、太陽系第三番惑星、地球。
広い銀河においては単なる辺境の惑星に過ぎないと思われた星を訪れた時、青年の数奇な運命が動き出す……。
一癖も二癖もある、常識外れのニューヒーロー、ここに誕生!
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

滅亡後の世界で目覚めた魔女、過去へ跳ぶ
kuma3
SF
滅びた世界の未来を変えるため、少女は過去へ跳ぶ。
かつて魔法が存在した世界。しかし、科学技術の発展と共に魔法は衰退し、やがて人類は自らの過ちで滅びを迎えた──。
眠りから目覚めたセレスティア・アークライトは、かつての世界に戻り、未来を変える旅に出る。
彼女を導くのは、お茶目な妖精・クロノ。
魔法を封じた科学至上主義者、そして隠された陰謀。
セレスティアは、この世界の運命を変えられるのか──。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる