929 / 934
二十四章
通学路の警備、1
しおりを挟む
翌四月十七日、月曜日。
午後二時四十分の、三年一組の教室。
キーンコーンカーンコーン
五限終了のチャイムが鳴るやHRの開始を待たず、
「じゃあみんなまた明日!」「「「また明日~」」」
友人達に簡単な挨拶をして、僕は急いで昇降口へ向かった。
今日は僕が、准士として任務をこなす初めての日。そう僕は准騎士として今日初めて、放課後の通学路に立つ。幼稚園児の頃から憧れていた、雨の日も雪の日も通学路に立ち湖校生を守るあの騎士に自分がとうとうなるのかと思うと、胸に感動がこみ上げて来るのは確かだった。だが今この瞬間、僕の心の九割以上を占めていたのは、
―― 急げ!!
だった。なぜなら僕が三年一組の教室を出て五分と経たぬ間に一年生のどこかの組が帰りのHRを終えるはずであり、そして湖校と最寄り駅を結ぶ通学路に最も近いのは、一年生校舎だったからだ。どういう事かと言うとグズグズしていたら、僕が警備に就くより早く、一年生達が通学路を通って帰ってしまうかもしれないのである。「ヒエ~~」と心の中で悲鳴を上げつつ僕は即行で昇降口に向かい、大急ぎで外履きに履き替えた。再び早歩きになり、出入口を出て左折したすぐの場所にある屋外ロッカーを目指す。その右端のロッカーに着き、左手首のメディカルバンドを扉にかざすと、僕が当直の准士であることを確認する電子音が鳴った。急いで扉を開けカバンを仕舞い、騎士の腕章を右腕に通し胸に羽を着けたところで、
「ヤッホ―― !」
今日のペアの菅野さんが昇降口から出て来た。菅野さんは腕章と羽を着け終えているから聞いていたとおり事前準備派なんだな、などと考えつつ右手を上げてヤッホ― と返し、そこからは急がず普通の速度でロッカーの奥に腕を伸ばし、電動AIキックボードを取り出した。二つ折りにされた少し大きめのキックボードを元の形に戻し、扉を閉めたタイミングで、菅野さんもロッカーの扉を閉める。そして頷き合いキックボードに右足を乗せ、
スルスルスル――ッ
僕と菅野さんは一年生の校門を目指したのだった。
湖校騎士会がキックボードを導入したのは意外と遅く、初代騎士長が卒業した年の四月だった。その前月の三月までは一年生見習いも警備に参加していたので帰りのHRを免除すればこと足りたが、四月にそれを廃止したため、二年生見習い用の移動手段が必要になったのである。その翌年、警備に就くのは三年生以上の騎士のみとの変更が再度された事から、前年のキックボード導入は試験運用だったことが今は確定している。
試験運用だった最大の理由は、悪天候時の安全性の検証を教育AIが行っていた事だ。中でも風は特に危険視されたのだろう、導入して半月も経たぬ間に、湖校の風速計が風速8メートルを記録したらキックボードの使用を中止する旨を教育AIは騎士会に伝えた。運動神経に秀で受け身が得意という騎士会の入会基準を勘案するとそれは過保護に思えたが、キックボードで怪我をしたら騎士の本分たる警備ができないとなれば、騎士会はそれを受け入れるしかなかったと伝えられている。
無風もしくは微風、かつ雨が弱ければ湖校の敷地内に限り傘をさしてキックボードを使えたが、校門を出たら歩かねばならなかった。レインコート着用時のキックボードの使用は一切認められず、その際は五限を十分切り上げて終えることが許可された。五限で終了する二時間連続の選択授業が皆無なのは、悪天候時の騎士への配慮なのだと考えられている。
騎士への配慮は他にもあり、菅野さんの「事前準備派」もその一つだろう。当直騎士は腕章と羽を事前にロッカーから出し、五限開始前からそれを身に着けられるのだ。ただ気恥ずかしさもあるのか、事前準備派と呼ばれる騎士達も、五限終了数分前にこっそり着けるのが主流と言われている。
などとアレコレ考えているうち、校舎と校門を繋ぐ坂道を降り終えた。坂道におけるキックボードの速度は時速10キロの安全走行だが、それでも気分的にとても楽であることに変わりはない。急く気持ちの粗方なくなった僕は、三年生の校門前で体を右に傾け、湖校の敷地ギリギリに設けられた道へ入っていった。
この道は、キックボード専用道ではない。ただ、自分の学年の校門を使うのがなぜか大好きな湖校生は、余程の事態でない限りこの道に足を踏み入れようとしない。事実、僕の足掛け三年の湖校生活でこの道を歩く生徒を見たのは、台風並みの強風が東から吹いていた日の一回しかなかった。湖校の敷地の東端を成す高さ2メートル半の壁に沿ってこの道は設けられているので、壁際を歩けば風をかなり凌げるのである。とは言え、スカートを履く女子生徒にとっては余程の事態でも、男子生徒にはさほどでもなかったのだろう。男子生徒達は台風並みの強風が吹き荒れる歩道を、ギャーギャー騒ぎながらむしろ楽しんで歩いていた。
まあそれは、決して広いとは言えないこの道を、女の子たちに気兼ねなく使ってもらうための配慮だったんだろうけどね。
それはさて置きキックボードは速度を上げ、人のいない真っすぐな道をひた走ってゆく。時速25キロの秒速7メートルはAI制御の電動車としてはノロノロでも、校内の移動手段としては爽快として差し支えない。風を体全体に浴びる形状もあり、「速い!」との感想を僕も素直に抱けた。そして一年生の校門まで残り20メートルを切ったとき、
‥‥さよ~なら~‥‥
の声が、右側80メートルほどの場所にある一年生校舎の方角から聞こえて来た。五限が終わり三分と経たず、一年生のどこかの組が帰りのHRを終えたのである。当直の騎士にとっては戦慄すべき早さだが、これなら僕と菅野さんはもちろん、後続の二人も警備に送れることは無いだろう。胸をなでおろしたタイミングで、電動AIキックボードが減速してゆく。時速10キロの安全走行に戻り、僕らは一年生の校門を通過した。
校門を出て300メートル程の、薄暗い林に隣接する歩道で僕らはキックボードを降りた。二人で林を睨みつつ僕がメディカルバンドを口元に近づけ、第三警備所到着を教育AIに報告し、近隣の不審者の有無を問う。教育AIはまず不審者無しを伝え、続いて「警備をよろしくお願いします」と労いの言葉を贈ってくれた。僕と菅野さんは林を睨みつつ、
「「ハイッ!」」
声を揃えて敬礼する。そしてキックボードを畳み見苦しくないよう脇に寄せ、女性准士の菅野さんを湖校側にして二人で並び立ち、警備を開始したのだった。
午後二時四十分の、三年一組の教室。
キーンコーンカーンコーン
五限終了のチャイムが鳴るやHRの開始を待たず、
「じゃあみんなまた明日!」「「「また明日~」」」
友人達に簡単な挨拶をして、僕は急いで昇降口へ向かった。
今日は僕が、准士として任務をこなす初めての日。そう僕は准騎士として今日初めて、放課後の通学路に立つ。幼稚園児の頃から憧れていた、雨の日も雪の日も通学路に立ち湖校生を守るあの騎士に自分がとうとうなるのかと思うと、胸に感動がこみ上げて来るのは確かだった。だが今この瞬間、僕の心の九割以上を占めていたのは、
―― 急げ!!
だった。なぜなら僕が三年一組の教室を出て五分と経たぬ間に一年生のどこかの組が帰りのHRを終えるはずであり、そして湖校と最寄り駅を結ぶ通学路に最も近いのは、一年生校舎だったからだ。どういう事かと言うとグズグズしていたら、僕が警備に就くより早く、一年生達が通学路を通って帰ってしまうかもしれないのである。「ヒエ~~」と心の中で悲鳴を上げつつ僕は即行で昇降口に向かい、大急ぎで外履きに履き替えた。再び早歩きになり、出入口を出て左折したすぐの場所にある屋外ロッカーを目指す。その右端のロッカーに着き、左手首のメディカルバンドを扉にかざすと、僕が当直の准士であることを確認する電子音が鳴った。急いで扉を開けカバンを仕舞い、騎士の腕章を右腕に通し胸に羽を着けたところで、
「ヤッホ―― !」
今日のペアの菅野さんが昇降口から出て来た。菅野さんは腕章と羽を着け終えているから聞いていたとおり事前準備派なんだな、などと考えつつ右手を上げてヤッホ― と返し、そこからは急がず普通の速度でロッカーの奥に腕を伸ばし、電動AIキックボードを取り出した。二つ折りにされた少し大きめのキックボードを元の形に戻し、扉を閉めたタイミングで、菅野さんもロッカーの扉を閉める。そして頷き合いキックボードに右足を乗せ、
スルスルスル――ッ
僕と菅野さんは一年生の校門を目指したのだった。
湖校騎士会がキックボードを導入したのは意外と遅く、初代騎士長が卒業した年の四月だった。その前月の三月までは一年生見習いも警備に参加していたので帰りのHRを免除すればこと足りたが、四月にそれを廃止したため、二年生見習い用の移動手段が必要になったのである。その翌年、警備に就くのは三年生以上の騎士のみとの変更が再度された事から、前年のキックボード導入は試験運用だったことが今は確定している。
試験運用だった最大の理由は、悪天候時の安全性の検証を教育AIが行っていた事だ。中でも風は特に危険視されたのだろう、導入して半月も経たぬ間に、湖校の風速計が風速8メートルを記録したらキックボードの使用を中止する旨を教育AIは騎士会に伝えた。運動神経に秀で受け身が得意という騎士会の入会基準を勘案するとそれは過保護に思えたが、キックボードで怪我をしたら騎士の本分たる警備ができないとなれば、騎士会はそれを受け入れるしかなかったと伝えられている。
無風もしくは微風、かつ雨が弱ければ湖校の敷地内に限り傘をさしてキックボードを使えたが、校門を出たら歩かねばならなかった。レインコート着用時のキックボードの使用は一切認められず、その際は五限を十分切り上げて終えることが許可された。五限で終了する二時間連続の選択授業が皆無なのは、悪天候時の騎士への配慮なのだと考えられている。
騎士への配慮は他にもあり、菅野さんの「事前準備派」もその一つだろう。当直騎士は腕章と羽を事前にロッカーから出し、五限開始前からそれを身に着けられるのだ。ただ気恥ずかしさもあるのか、事前準備派と呼ばれる騎士達も、五限終了数分前にこっそり着けるのが主流と言われている。
などとアレコレ考えているうち、校舎と校門を繋ぐ坂道を降り終えた。坂道におけるキックボードの速度は時速10キロの安全走行だが、それでも気分的にとても楽であることに変わりはない。急く気持ちの粗方なくなった僕は、三年生の校門前で体を右に傾け、湖校の敷地ギリギリに設けられた道へ入っていった。
この道は、キックボード専用道ではない。ただ、自分の学年の校門を使うのがなぜか大好きな湖校生は、余程の事態でない限りこの道に足を踏み入れようとしない。事実、僕の足掛け三年の湖校生活でこの道を歩く生徒を見たのは、台風並みの強風が東から吹いていた日の一回しかなかった。湖校の敷地の東端を成す高さ2メートル半の壁に沿ってこの道は設けられているので、壁際を歩けば風をかなり凌げるのである。とは言え、スカートを履く女子生徒にとっては余程の事態でも、男子生徒にはさほどでもなかったのだろう。男子生徒達は台風並みの強風が吹き荒れる歩道を、ギャーギャー騒ぎながらむしろ楽しんで歩いていた。
まあそれは、決して広いとは言えないこの道を、女の子たちに気兼ねなく使ってもらうための配慮だったんだろうけどね。
それはさて置きキックボードは速度を上げ、人のいない真っすぐな道をひた走ってゆく。時速25キロの秒速7メートルはAI制御の電動車としてはノロノロでも、校内の移動手段としては爽快として差し支えない。風を体全体に浴びる形状もあり、「速い!」との感想を僕も素直に抱けた。そして一年生の校門まで残り20メートルを切ったとき、
‥‥さよ~なら~‥‥
の声が、右側80メートルほどの場所にある一年生校舎の方角から聞こえて来た。五限が終わり三分と経たず、一年生のどこかの組が帰りのHRを終えたのである。当直の騎士にとっては戦慄すべき早さだが、これなら僕と菅野さんはもちろん、後続の二人も警備に送れることは無いだろう。胸をなでおろしたタイミングで、電動AIキックボードが減速してゆく。時速10キロの安全走行に戻り、僕らは一年生の校門を通過した。
校門を出て300メートル程の、薄暗い林に隣接する歩道で僕らはキックボードを降りた。二人で林を睨みつつ僕がメディカルバンドを口元に近づけ、第三警備所到着を教育AIに報告し、近隣の不審者の有無を問う。教育AIはまず不審者無しを伝え、続いて「警備をよろしくお願いします」と労いの言葉を贈ってくれた。僕と菅野さんは林を睨みつつ、
「「ハイッ!」」
声を揃えて敬礼する。そしてキックボードを畳み見苦しくないよう脇に寄せ、女性准士の菅野さんを湖校側にして二人で並び立ち、警備を開始したのだった。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
あの日咲かせた緋色の花は
棺ノア
キャラ文芸
「私、負けるのキライなの」
「そんなのでボクに勝とうとしたの?」
荒れ果てた世界の片隅で、今日も彼女たちは暴れ狂う。
一見何の変哲もない高校生の上城 芽愚(わいじょう めぐ)と中学生の裕璃(ゆり)は、特殊な性質を持ちあわせた敏腕な殺し屋である。殺伐とした過去を持つ2人の未来で待つのは希望か、絶望か。
"赤を認識できない"少女と"殺しに抵抗を感じない"少女が描く、非日常的日常の、悲惨で残忍な物語。
※何やら平和そうなタイトルですが、流血表現多めです。苦手な方は注意してください
紹嘉後宮百花譚 鬼神と天女の花の庭
響 蒼華
キャラ文芸
始まりの皇帝が四人の天仙の助力を得て開いたとされる、その威光は遍く大陸を照らすと言われる紹嘉帝国。
当代の皇帝は血も涙もない、冷酷非情な『鬼神』と畏怖されていた。
ある時、辺境の小国である瑞の王女が後宮に妃嬪として迎えられた。
しかし、麗しき天女と称される王女に突きつけられたのは、寵愛は期待するなという拒絶の言葉。
人々が騒めく中、王女は心の中でこう思っていた――ああ、よかった、と……。
鬼神と恐れられた皇帝と、天女と讃えられた妃嬪が、花の庭で紡ぐ物語。
私が異世界物を書く理由
京衛武百十
キャラ文芸
女流ラノベ作家<蒼井霧雨>は、非常に好き嫌いの分かれる作品を書くことで『知る人ぞ知る』作家だった。
そんな彼女の作品は、基本的には年上の女性と少年のラブロマンス物が多かったものの、時流に乗っていわゆる<異世界物>も多く生み出してきた。
これは、彼女、蒼井霧雨が異世界物を書く理由である。
筆者より
「ショタパパ ミハエルくん」が当初想定していた内容からそれまくった挙句、いろいろとっ散らかって収拾つかなくなってしまったので、あちらはあちらでこのまま好き放題するとして、こちらは改めて少しテーマを絞って書こうと思います。
基本的には<創作者の本音>をメインにしていく予定です。
もっとも、また暴走する可能性が高いですが。
なろうとカクヨムでも同時連載します。
ブラック企業を辞めたら悪の組織の癒やし係になりました~命の危機も感じるけど私は元気にやっています!!~
琴葉悠
キャラ文芸
ブラック企業で働いてた美咲という女性はついにブラック企業で働き続けることに限界を感じキレて辞職届けをだす。
辞職し、やけ酒をあおっているところにたまに見かける美丈夫が声をかけ、自分の働いている会社にこないかと言われる。
提示された待遇が良かった為、了承し、そのまま眠ってしまう。
そして目覚めて発覚する、その会社は会社ではなく、悪の組織だったことに──
皇太后(おかあ)様におまかせ!〜皇帝陛下の純愛探し〜
菰野るり
キャラ文芸
皇帝陛下はお年頃。
まわりは縁談を持ってくるが、どんな美人にもなびかない。
なんでも、3年前に一度だけ出逢った忘れられない女性がいるのだとか。手がかりはなし。そんな中、皇太后は自ら街に出て息子の嫁探しをすることに!
この物語の皇太后の名は雲泪(ユンレイ)、皇帝の名は堯舜(ヤオシュン)です。つまり【後宮物語〜身代わり宮女は皇帝陛下に溺愛されます⁉︎〜】の続編です。しかし、こちらから読んでも楽しめます‼︎どちらから読んでも違う感覚で楽しめる⁉︎こちらはポジティブなラブコメです。
これは校閲の仕事に含まれますか?
白野よつは(白詰よつは)
キャラ文芸
大手出版社・幻泉社の校閲部で働く斎藤ちひろは、いじらしくも数多の校閲の目をかいくぐって世に出てきた誤字脱字を愛でるのが大好きな偏愛の持ち主。
ある日、有名なミステリー賞を十九歳の若さで受賞した作家・早峰カズキの新作の校閲中、明らかに多すぎる誤字脱字を発見して――?
お騒がせ編集×〝あるもの〟に目がない校閲×作家、ときどき部長がくれる美味しいもの。
今日も校閲部は静かに騒がしいようです。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
便利屋リックと贄の刑事
不来方しい
キャラ文芸
便利屋と刑事がタッグを組む!事件を解決!謎の男を追う!
家に届く花や手紙。愛を語る恋人もおらず、誰かも分からないXからだった。エスカレートしていく一方的な愛は、いつしか怨恨へと変わっていく。
リックは警察に相談するが、近くで空き巣もあり疑われてしまう。ウィリアム・ギルバートと名乗る刑事は、訝しげな目で全力で疑ってくるのだった。警察はアテにならない、自分で動かなければ──。
だが動けば動くほど、リックの周りは災難が降りかかる。自動車爆発、親友の死、同じ空気を吸っただけの人間のタイミングの悪い病死。
ストーカーと空き巣は同一人物なのか。手紙や花を送ってくる人間は誰なのか。
刑事としてではない、全力でリックのために動こうとするウィリアム・ギルバートは何を考えているのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる