891 / 934
二十三章
5
しおりを挟む
「・・・ん? 第一段階ってなに?」
疑問を覚えてそう尋ねてみた。その途端、両者の立場は逆転した。いやそれは誇張が含まれていて、僕はべつだん胸を張ったりしなかったが、北里さんはみるみる俯き、そして道の真ん中にしゃがみ込んでしまったのである。しかも間の悪いことに、
「あらあなた達、二年生の騎士見習いよね。どうかしたの?」
そこは三年生准士のお二人が警備している場所の、すぐ近くだったものだからさあ大変。女性准士が小走りにやって来て北里さんに寄り添って座り、僕らにそう問いかけたのだ。僕はパニックになりかけるも、そこはさすが上級生なのだろう。女性准士に僕を詰問する気配は微塵もなく、それは一足遅れてやって来た男性准士も同様で、その先輩はむしろ僕に同情する眼差しを向けてくれていた。そのお陰でパニックは回避できたが、だからと言って「どうかしたの?」との問いにこの残念男子が巧い返答をできるはずもなく、ただホント有難いことに、それも踏まえて男性准士は僕に同情してくれているようだった。三年生といえば藤堂さんや加藤さんの同級生で、伝え聞くところによると二年生と同じく女性が強い学年らしいから、北里さんが座り込んでいるこの状況でも「か弱い女子にバカ男子が失礼なことをした」的な発想がそもそも浮かんでこないのだろう。そこに至るまでの三年間を、自分の二年間を50%増しにすることで想像した僕の心に、男性准士への多大な同情が湧き起こる。それに助けられ、どうにかこうにかこう返答することができた。
「お騒がせして申し訳ございません」
それは理由や経緯を一切説明していない、ダメダメな返答と言える。けど、それがかえって良かったのかもしれない。女性准士は優しく頷き、「この男の子を許してあげて」と北里さんに語り掛けた。北里さんは首を横に幾度もふり、「彼は悪くないんです」と女性准士に伝えたのち、
「第一段階は忘れて」
僕に縋る目を向けた。この状況から逃れられるなら大抵のことをする覚悟をしていたのが活き、僕は忘れることを即座に約束した。北里さんは笑顔になり、二人の先輩准士にペコペコ頭を下げ、仕事の邪魔をしたことを詫びた。同じく僕もペコペコ頭を下げて詫び、それをもってこの件は落着した。
それ以降は警備の話に戻った。というのも、今日は四年生准士の昇進式があった関係で、第一通学路を警備しているのが三年生だけという、一年に一度きりの日だったからである。「僕はこの通学路を使わないけど、いつもは四年生と三年生の准士の方々が、警備しているんだよね」「ええそうね。第一通学路は四年生と三年生、第二通学路は六年生と五年生が、担当されているわね」「僕は準部員で休みに融通が利くから、来年の昇進式の日は臨時警備に立候補しようと思ってるんだ」「私もそうなの。猫将軍君はライバルね」「あはは、お手柔らかに」 なんてワイワイやってるうち、湖校前駅に着いた。駅を担当されている先輩准士の方々に二人揃って腰を折り、改札口へ向かう。最終下校時刻までまだ一時間半以上あり、帰りのHRから一時間以上経っている今、湖校前駅に人の姿はほぼ無い。湖校生で溢れていれば改札口まで付き添うことは無かったが、こうも閑散としていると、安全の行き届いた駅構内に北里さんが脚を踏み入れるまで油断してはならない気がしたのだ。それを、きっと察したのだろう。「猫将軍君、駅に無事送り届けてくれてありがとう」 僕は北里さんに、淑女の礼で謝意を述べてもらえた。友人に感謝されると言うのは、なんにせよ嬉しいものだ。僕は頭を掻き掻きニコニコし、釣られて北里さんもニコニコし、さてそろそろ踵を返して帰路につきますかと考えていたのだけど、その瞬間はナカナカ訪れなかった。北里さんが一向に、改札へ歩いて行かなかったのである。幸いニコニコしていたのでその表情のまま、「どうしたの?」と尋ねてみた。すると、
「また猫将軍君を、スケコマシって呼びたい。いいかな」
北里さんは本日二度目の、すがる眼差しでそう請うてきた。いや、それは少し違う。さっきの一度目は捨てられた豆柴を連想せずにはいられなかったが、二度目の今は、そのような連想をしてはならないとなぜか強く思ったのである。ただ、ならどうすべきかとの案も心の中になく、また同時に、女性受けの良い対応をしようという計算も心の中になく、そしてその計算のなさが「僕はスケコマシでない」との想いを生じさせたので、僕はそれを足掛かりに応えてみた。
「僕は女の敵らしいから、そう呼ばれても仕方ないことを、これからも無意識にしてしまうと思う。その時は遠慮せず、どんどん言ってね」
意図的な計算はなくとも、同種の結果をもたらす言動を無意識にすることが、僕にはあるのかもしれない。それを女の敵として認識する女性がいるなら、どんどん指摘してもらった方が矯正しやすいだろう。との結論に達した自分を、僕はちょっぴり自画自賛していたのだけど、
「猫将軍君、そういうとこだぞ!」
それこそがスケコマシなのだと北里さんに叱られてしまった。指摘してもらった方が矯正しやすいのは事実でも、こうして失敗をすぐ繰り返し、かつ指摘ではなく叱られている自分が情けなくて、僕はしょげかえった。そんな僕にクスクス笑い、じゃあまたねと手を振り北里さんは踵を返す。立つ鳥跡を濁さず、とは微妙に異なるのだろうがその爽やかさに感嘆し手を振り返そうとした僕の目に、予想外の光景が飛び込んで来た。改札へ歩を進めるべく踵を返したはずなのに、北里さんは半回転で止まらず、そのまま一回転して僕に向き直ったのである。虚を突かれたことに加え、それはダンス部員に相応しい見事な360度ターンだったため、僕は何も言えず何もできずただ立ち尽くしていた。それは譬えるなら、いや譬えずとも決定的な隙であり、そして女性はある意味、男が決して太刀打ちできない戦闘種族なのかもしれない。北里さんはにっこり笑って、僕を絶対的な敗者にした。
「分をわきまえて、この言葉を使うのは最初で最後にするね。今日は送ってくれてありがとう。じゃあまたね、変態さん!」
無限の疑問が「分をわきまえて」に生じたせいで「送ってくれてありがとう」に反応できず、その無反応を「じゃあまたね」で挽回しようとしたのだけど、
―― 変態さん!
によって僕を絶対的な敗者に叩き落したまま、北里さんは改札の向こうに消えて行ったのだった。
「ということが、一カ月と十日前にあったのね」
「ギャハハハ、何度聞いても面白い!」
「それを聞くのは私も三度目だけど、当事者の北里さんに直接話してもらうのは、やっぱり格別よね!」
「えへへ、大和さんと清水君に喜んでもらっちゃった」
「一人だけ、俯きまくっているヤツがいるけどな」
「猫将軍君、ファイト~~」
「「「ファイト~~!」」」
四つの机をくっつけた即席の昼食用テーブルの、左隣の清水と正面の北里さんと斜向かいの大和さんが、声を揃えて僕を励ました。清水だけなら「俯かせたのは誰だよ」系の文句を言えても、女の子が二人いるとなるとそれは悪手。僕は苦笑し顔を上げ、お昼ごはんを再開した。
疑問を覚えてそう尋ねてみた。その途端、両者の立場は逆転した。いやそれは誇張が含まれていて、僕はべつだん胸を張ったりしなかったが、北里さんはみるみる俯き、そして道の真ん中にしゃがみ込んでしまったのである。しかも間の悪いことに、
「あらあなた達、二年生の騎士見習いよね。どうかしたの?」
そこは三年生准士のお二人が警備している場所の、すぐ近くだったものだからさあ大変。女性准士が小走りにやって来て北里さんに寄り添って座り、僕らにそう問いかけたのだ。僕はパニックになりかけるも、そこはさすが上級生なのだろう。女性准士に僕を詰問する気配は微塵もなく、それは一足遅れてやって来た男性准士も同様で、その先輩はむしろ僕に同情する眼差しを向けてくれていた。そのお陰でパニックは回避できたが、だからと言って「どうかしたの?」との問いにこの残念男子が巧い返答をできるはずもなく、ただホント有難いことに、それも踏まえて男性准士は僕に同情してくれているようだった。三年生といえば藤堂さんや加藤さんの同級生で、伝え聞くところによると二年生と同じく女性が強い学年らしいから、北里さんが座り込んでいるこの状況でも「か弱い女子にバカ男子が失礼なことをした」的な発想がそもそも浮かんでこないのだろう。そこに至るまでの三年間を、自分の二年間を50%増しにすることで想像した僕の心に、男性准士への多大な同情が湧き起こる。それに助けられ、どうにかこうにかこう返答することができた。
「お騒がせして申し訳ございません」
それは理由や経緯を一切説明していない、ダメダメな返答と言える。けど、それがかえって良かったのかもしれない。女性准士は優しく頷き、「この男の子を許してあげて」と北里さんに語り掛けた。北里さんは首を横に幾度もふり、「彼は悪くないんです」と女性准士に伝えたのち、
「第一段階は忘れて」
僕に縋る目を向けた。この状況から逃れられるなら大抵のことをする覚悟をしていたのが活き、僕は忘れることを即座に約束した。北里さんは笑顔になり、二人の先輩准士にペコペコ頭を下げ、仕事の邪魔をしたことを詫びた。同じく僕もペコペコ頭を下げて詫び、それをもってこの件は落着した。
それ以降は警備の話に戻った。というのも、今日は四年生准士の昇進式があった関係で、第一通学路を警備しているのが三年生だけという、一年に一度きりの日だったからである。「僕はこの通学路を使わないけど、いつもは四年生と三年生の准士の方々が、警備しているんだよね」「ええそうね。第一通学路は四年生と三年生、第二通学路は六年生と五年生が、担当されているわね」「僕は準部員で休みに融通が利くから、来年の昇進式の日は臨時警備に立候補しようと思ってるんだ」「私もそうなの。猫将軍君はライバルね」「あはは、お手柔らかに」 なんてワイワイやってるうち、湖校前駅に着いた。駅を担当されている先輩准士の方々に二人揃って腰を折り、改札口へ向かう。最終下校時刻までまだ一時間半以上あり、帰りのHRから一時間以上経っている今、湖校前駅に人の姿はほぼ無い。湖校生で溢れていれば改札口まで付き添うことは無かったが、こうも閑散としていると、安全の行き届いた駅構内に北里さんが脚を踏み入れるまで油断してはならない気がしたのだ。それを、きっと察したのだろう。「猫将軍君、駅に無事送り届けてくれてありがとう」 僕は北里さんに、淑女の礼で謝意を述べてもらえた。友人に感謝されると言うのは、なんにせよ嬉しいものだ。僕は頭を掻き掻きニコニコし、釣られて北里さんもニコニコし、さてそろそろ踵を返して帰路につきますかと考えていたのだけど、その瞬間はナカナカ訪れなかった。北里さんが一向に、改札へ歩いて行かなかったのである。幸いニコニコしていたのでその表情のまま、「どうしたの?」と尋ねてみた。すると、
「また猫将軍君を、スケコマシって呼びたい。いいかな」
北里さんは本日二度目の、すがる眼差しでそう請うてきた。いや、それは少し違う。さっきの一度目は捨てられた豆柴を連想せずにはいられなかったが、二度目の今は、そのような連想をしてはならないとなぜか強く思ったのである。ただ、ならどうすべきかとの案も心の中になく、また同時に、女性受けの良い対応をしようという計算も心の中になく、そしてその計算のなさが「僕はスケコマシでない」との想いを生じさせたので、僕はそれを足掛かりに応えてみた。
「僕は女の敵らしいから、そう呼ばれても仕方ないことを、これからも無意識にしてしまうと思う。その時は遠慮せず、どんどん言ってね」
意図的な計算はなくとも、同種の結果をもたらす言動を無意識にすることが、僕にはあるのかもしれない。それを女の敵として認識する女性がいるなら、どんどん指摘してもらった方が矯正しやすいだろう。との結論に達した自分を、僕はちょっぴり自画自賛していたのだけど、
「猫将軍君、そういうとこだぞ!」
それこそがスケコマシなのだと北里さんに叱られてしまった。指摘してもらった方が矯正しやすいのは事実でも、こうして失敗をすぐ繰り返し、かつ指摘ではなく叱られている自分が情けなくて、僕はしょげかえった。そんな僕にクスクス笑い、じゃあまたねと手を振り北里さんは踵を返す。立つ鳥跡を濁さず、とは微妙に異なるのだろうがその爽やかさに感嘆し手を振り返そうとした僕の目に、予想外の光景が飛び込んで来た。改札へ歩を進めるべく踵を返したはずなのに、北里さんは半回転で止まらず、そのまま一回転して僕に向き直ったのである。虚を突かれたことに加え、それはダンス部員に相応しい見事な360度ターンだったため、僕は何も言えず何もできずただ立ち尽くしていた。それは譬えるなら、いや譬えずとも決定的な隙であり、そして女性はある意味、男が決して太刀打ちできない戦闘種族なのかもしれない。北里さんはにっこり笑って、僕を絶対的な敗者にした。
「分をわきまえて、この言葉を使うのは最初で最後にするね。今日は送ってくれてありがとう。じゃあまたね、変態さん!」
無限の疑問が「分をわきまえて」に生じたせいで「送ってくれてありがとう」に反応できず、その無反応を「じゃあまたね」で挽回しようとしたのだけど、
―― 変態さん!
によって僕を絶対的な敗者に叩き落したまま、北里さんは改札の向こうに消えて行ったのだった。
「ということが、一カ月と十日前にあったのね」
「ギャハハハ、何度聞いても面白い!」
「それを聞くのは私も三度目だけど、当事者の北里さんに直接話してもらうのは、やっぱり格別よね!」
「えへへ、大和さんと清水君に喜んでもらっちゃった」
「一人だけ、俯きまくっているヤツがいるけどな」
「猫将軍君、ファイト~~」
「「「ファイト~~!」」」
四つの机をくっつけた即席の昼食用テーブルの、左隣の清水と正面の北里さんと斜向かいの大和さんが、声を揃えて僕を励ました。清水だけなら「俯かせたのは誰だよ」系の文句を言えても、女の子が二人いるとなるとそれは悪手。僕は苦笑し顔を上げ、お昼ごはんを再開した。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
霊能師高校迷霊科~迷える霊を救う、たった一つの方法~
柚木ゆず
キャラ文芸
迷霊、それは霊の一種。強い怨みを抱いて死んだ為に成仏できず霊となったが、心優しいが故に復讐を躊躇い悩む、可哀想な幽霊。そのまま放っておけば、暴霊(ぼうれい)となって暴れだしてしまう幽霊。
そんな霊を救える唯一の存在が、迷霊師。
これは迷霊師を目指す少年と少女の、人の醜さと優しさに満ちた物語――。
〈銀龍の愛し子〉は盲目王子を王座へ導く
山河 枝
キャラ文芸
【簡単あらすじ】周りから忌み嫌われる下女が、不遇な王子に力を与え、彼を王にする。
★シリアス8:コミカル2
【詳細あらすじ】
50人もの侍女をクビにしてきた第三王子、雪晴。
次の侍女に任じられたのは、異能を隠して王城で働く洗濯女、水奈だった。
鱗があるために疎まれている水奈だが、盲目の雪晴のそばでは安心して過ごせるように。
みじめな生活を送る雪晴も、献身的な水奈に好意を抱く。
惹かれ合う日々の中、実は〈銀龍の愛し子〉である水奈が、雪晴の力を覚醒させていく。「王家の恥」と見下される雪晴を、王座へと導いていく。
便利屋ブルーヘブン、営業中。~そのお困りごと、大天狗と鬼が解決します~
卯崎瑛珠
キャラ文芸
とあるノスタルジックなアーケード商店街にある、小さな便利屋『ブルーヘブン』。
店主の天さんは、実は天狗だ。
もちろん人間のふりをして生きているが、なぜか問題を抱えた人々が、吸い寄せられるようにやってくる。
「どんな依頼も、断らないのがモットーだからな」と言いつつ、今日も誰かを救うのだ。
神通力に、羽団扇。高下駄に……時々伸びる鼻。
仲間にも、実は大妖怪がいたりして。
コワモテ大天狗、妖怪チート!?で、世直しにいざ参らん!
(あ、いえ、ただの便利屋です。)
-----------------------------
ほっこり・じんわり大賞奨励賞作品です。
カクヨムとノベプラにも掲載しています。
下宿屋 東風荘 3
浅井 ことは
キャラ文芸
※※※※※
下宿屋を営み、趣味は料理と酒と言う変わり者の主。
毎日の夕餉を楽しみに下宿屋を営むも、千年祭の祭りで無事に鳥居を飛んだ冬弥。
そして雪翔を息子に迎えこれからの生活を夢見るも、天狐となった冬弥は修行でなかなか下宿に戻れず。
その間に息子の雪翔は高校生になりはしたが、離れていたために苦労している息子を助けることも出来ず、後悔ばかりしていたが、やっとの事で再会を果たし、新しく下宿屋を建て替えるが___
※※※※※
九尾の狐に嫁入りします~妖狐様は取り換えられた花嫁を溺愛する~
束原ミヤコ
キャラ文芸
八十神薫子(やそがみかおるこ)は、帝都守護職についている鎮守の神と呼ばれる、神の血を引く家に巫女を捧げる八十神家にうまれた。
八十神家にうまれる女は、神癒(しんゆ)――鎮守の神の法力を回復させたり、増大させたりする力を持つ。
けれど薫子はうまれつきそれを持たず、八十神家では役立たずとして、使用人として家に置いて貰っていた。
ある日、鎮守の神の一人である玉藻家の当主、玉藻由良(たまもゆら)から、神癒の巫女を嫁に欲しいという手紙が八十神家に届く。
神癒の力を持つ薫子の妹、咲子は、玉藻由良はいつも仮面を被っており、その顔は仕事中に焼け爛れて無残な化け物のようになっていると、泣いて嫌がる。
薫子は父上に言いつけられて、玉藻の元へと嫁ぐことになる。
何の力も持たないのに、嘘をつくように言われて。
鎮守の神を騙すなど、神を謀るのと同じ。
とてもそんなことはできないと怯えながら玉藻の元へ嫁いだ薫子を、玉藻は「よくきた、俺の花嫁」といって、とても優しく扱ってくれて――。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
皇太后(おかあ)様におまかせ!〜皇帝陛下の純愛探し〜
菰野るり
キャラ文芸
皇帝陛下はお年頃。
まわりは縁談を持ってくるが、どんな美人にもなびかない。
なんでも、3年前に一度だけ出逢った忘れられない女性がいるのだとか。手がかりはなし。そんな中、皇太后は自ら街に出て息子の嫁探しをすることに!
この物語の皇太后の名は雲泪(ユンレイ)、皇帝の名は堯舜(ヤオシュン)です。つまり【後宮物語〜身代わり宮女は皇帝陛下に溺愛されます⁉︎〜】の続編です。しかし、こちらから読んでも楽しめます‼︎どちらから読んでも違う感覚で楽しめる⁉︎こちらはポジティブなラブコメです。
便利屋リックと贄の刑事
不来方しい
キャラ文芸
便利屋と刑事がタッグを組む!事件を解決!謎の男を追う!
家に届く花や手紙。愛を語る恋人もおらず、誰かも分からないXからだった。エスカレートしていく一方的な愛は、いつしか怨恨へと変わっていく。
リックは警察に相談するが、近くで空き巣もあり疑われてしまう。ウィリアム・ギルバートと名乗る刑事は、訝しげな目で全力で疑ってくるのだった。警察はアテにならない、自分で動かなければ──。
だが動けば動くほど、リックの周りは災難が降りかかる。自動車爆発、親友の死、同じ空気を吸っただけの人間のタイミングの悪い病死。
ストーカーと空き巣は同一人物なのか。手紙や花を送ってくる人間は誰なのか。
刑事としてではない、全力でリックのために動こうとするウィリアム・ギルバートは何を考えているのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる