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二十二章
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神社に着くや黛さんが、「眠留は夕食まで横になれ」と部長命令を出した。素直に従い、大離れに敷いてあった布団に潜り込む。少し目を閉じたつもりが時計に目をやると、なんと一時間近く経過していた。僕は自分の疲労度を、見誤っていたのである。上半身を慎重に、ゆっくりゆっくり起こしてみる。たったそれだけのことで筋肉が悲鳴を上げ、こりゃ大変なことになったと今更ながら焦る僕の耳に、
「眠留くん、起きた?」
銀鈴の声が届いた。疲労回復に役立つこれ以上の声が宇宙にあるだろうか、いやありはしないのだ! なんてことを真剣に考えていた僕の耳朶を、傍らにやって来た輝夜さんの声が再度くすぐった。
「見たところ、ひと眠りしたお陰で疲労が表に出たって感じかな。表に出た方が正しく対処できると私は思うけど、眠留くんはどう?」
布団の横に膝を着き僕の顔を覗き込む輝夜さんへ、心のありのままを伝えた。
「もちろん同意だよ。それと、この疲労を取り除く最良の場所は輝夜さんの隣だって、体が断言している気がするな」
「うんわかった。合宿中は遠慮してたけど、今日は眠留くんの隣で夕ご飯をいただくね」
そういえば輝夜さんは去年も今年も、合宿中は女性陣に混ざって夕ご飯を食べていた。毎週恒例の夕食会ならいざ知らず合宿中は遠慮させちゃってたんだなと反省した僕は、僕が望んだことだと皆へアピールするため、今日は女性陣の右端に座ってもらうよう輝夜さんに頼んだ。その右隣に僕が足を運べばアピールは叶うはず、と考えたのである。輝夜さんは了解と弾む声で応え、そしてもう一段こちらに近づき僕の両手を握り、僕を立ち上がらせてくれた。
さっきは上半身を起こすだけで体が悲鳴を上げたのに、なぜ今回はこうも軽快に立ち上がれたのか。
それが不思議なような、不思議なんて微塵もないような、僕だった。
今日の夕ご飯は、鶏の胸肉を主軸に据えた献立だった。鶏の胸肉にはイミダゾールペプチドという栄養素が豊富に含まれ、心身の疲労回復に効果てきめんであることが知られている。しかも牛肉や豚肉の半額以下で購入できると来れば、体育会系部活の合宿料理にこれほど優秀な食材は滅多にないだろう。その鶏胸肉を、
「照り焼きウメェ!!」「チリソースも激ウマ!!」「シソ巻き唐揚げが止まらない!!」
といった具合に複数のおかずにし、しかもお米は酢飯のみという、疲労回復特化型の献立になっていたのだ。もちろん野菜も充実していて、ビタミンBを主軸にミネラル豊富な野菜がテーブルに所狭しと並べられていた。それを、
「はい眠留くん、ホウレン草の和え物と蒸しブロッコリーに続いて、カボチャの煮物も食べてね」「フガフガ」「もう、食べながら無理に返事をしなくていいから」「フガ」「まったく、しょうがないなあ」
にこにこ顔の輝夜さんが適時取り分けてくれるものだから、僕は疲労を完璧に忘れて食事に熱中していた。僕はめでたく輝夜さんの右隣の席を、獲得していたのである。まあ熱中し過ぎてお世話になりまくったせいで、
「眠留も俺と同じ、奥さんの尻に敷かれたい派だったんだな」
「それは誤解ですって菊池さん!」
湯船に浸かりつつ、菊池さんの誤解を必死でとくハメに、なってしまったんだけどね。
翔人専用風呂以上の疲労回復効果をもたらすお風呂は、おそらくこの世に存在しないと思う。祖父母も同意見だったのか、自分達の離れの翔人専用風呂を使うよう僕に勧めたが、僕はそれを断った。なんとなくだけど部の戦友達と語らい、かつじゃれ合いながら長湯した方が、効果があると思われたのである。そう説明すると、
「眠留は幸せ者だ」「ほんとそうですねえ、この子は幸せ者ですねえ」
祖父母は顔を綻ばせ、感慨深げに幾度も頷いていた。
長湯の件を皆に話すと、みんな当たり前のように協力してくれた。大離れのお風呂は、成人男性十五人が一度に使えるよう設計されている。よって去年も今年もだいたいみんな一緒に入浴していたのだけど、今日は前半六人の後半六人に分け、長湯中の僕が一人にならぬよう工夫してくれたのだ。水晶もそれにこっそり乗っかり、翔人専用水風呂の二割ほどの生命力を、大離れの水風呂に封入してくれていた。生命力を視覚化できなくても何かを感じたのだろう、僕の真似をして水風呂に浸かった前半の六人は「「「この水風呂、超気持ちいい!」」」を連発していた。それを耳にした後半の六人も同じ感想を述べ、それをきっかけに会話が始まり、気づくと前半の六人も、僕と同じく一時間の長風呂をしていた。後半組の北斗と京馬はそれを悔しがり、北斗は特に歯ぎしりレベルだったので就寝前に尋ねたところ、
「あの水風呂、ほんのり光ってたよな?」
確信の眼差しでそう問われた。北斗は翔人の訓練を、順調にこなしているようだ。それも込みで光っていた旨を伝えると北斗はガッツポーズするも、「ああやっぱ勿体ないことした」と、生命力水風呂の利用時間が半分になったことを盛んに悔しがっていた。
普段の就寝時間より三十分早い、午後八時半。皆にお休みの挨拶をして布団に入り、熟睡法を行おうとした。
しかしふと思い立ち、熟睡法ではなく翔化の準備をしてみた。もちろん翔化はしないが、液化した光を体内に満たしゆらゆら揺らめかせる、心身をほぐすアレを行ってみたのだ。正直、驚いた。肉体疲労の顕著な個所は、揺らめかせることが難しかったのである。
そして閃いた。
―― 揺らめきをいつもと同じに出来たら、疲労を取り除けるのではないか?
大発見をした気がして、早速それに取り掛かった。予想以上にてこずるも、猫丸の鉈化訓練を経て体得した「意識せず意識する」を利用できると気づいてからは早かった。この「意識せず意識する」は、背中で語る、に近いかもしれない。揺らめかぬ個所を強引に揺らめかそうとするのは、自分の意に沿うよう他者に命令するようなもの。そうではなく、まずは自分が先陣切ってやってみせ、その姿を介して他者へ想いを伝えることに似ているのかもしれない。僕の文章力ではこれが精一杯だけど、揺らめかぬ個所を意志の力で強引に揺らめかせることを放棄した途端、それは微かに揺らめき始め、最終的には普段と変わらぬ状態へ持って行くことができた。これが疲労回復を促進するかは、今はまだ判らない。だが判らずとも、不可能を可能にできたことが嬉しく、僕は大満足で眠りの境界を越えたのだった。
「眠留くん、起きた?」
銀鈴の声が届いた。疲労回復に役立つこれ以上の声が宇宙にあるだろうか、いやありはしないのだ! なんてことを真剣に考えていた僕の耳朶を、傍らにやって来た輝夜さんの声が再度くすぐった。
「見たところ、ひと眠りしたお陰で疲労が表に出たって感じかな。表に出た方が正しく対処できると私は思うけど、眠留くんはどう?」
布団の横に膝を着き僕の顔を覗き込む輝夜さんへ、心のありのままを伝えた。
「もちろん同意だよ。それと、この疲労を取り除く最良の場所は輝夜さんの隣だって、体が断言している気がするな」
「うんわかった。合宿中は遠慮してたけど、今日は眠留くんの隣で夕ご飯をいただくね」
そういえば輝夜さんは去年も今年も、合宿中は女性陣に混ざって夕ご飯を食べていた。毎週恒例の夕食会ならいざ知らず合宿中は遠慮させちゃってたんだなと反省した僕は、僕が望んだことだと皆へアピールするため、今日は女性陣の右端に座ってもらうよう輝夜さんに頼んだ。その右隣に僕が足を運べばアピールは叶うはず、と考えたのである。輝夜さんは了解と弾む声で応え、そしてもう一段こちらに近づき僕の両手を握り、僕を立ち上がらせてくれた。
さっきは上半身を起こすだけで体が悲鳴を上げたのに、なぜ今回はこうも軽快に立ち上がれたのか。
それが不思議なような、不思議なんて微塵もないような、僕だった。
今日の夕ご飯は、鶏の胸肉を主軸に据えた献立だった。鶏の胸肉にはイミダゾールペプチドという栄養素が豊富に含まれ、心身の疲労回復に効果てきめんであることが知られている。しかも牛肉や豚肉の半額以下で購入できると来れば、体育会系部活の合宿料理にこれほど優秀な食材は滅多にないだろう。その鶏胸肉を、
「照り焼きウメェ!!」「チリソースも激ウマ!!」「シソ巻き唐揚げが止まらない!!」
といった具合に複数のおかずにし、しかもお米は酢飯のみという、疲労回復特化型の献立になっていたのだ。もちろん野菜も充実していて、ビタミンBを主軸にミネラル豊富な野菜がテーブルに所狭しと並べられていた。それを、
「はい眠留くん、ホウレン草の和え物と蒸しブロッコリーに続いて、カボチャの煮物も食べてね」「フガフガ」「もう、食べながら無理に返事をしなくていいから」「フガ」「まったく、しょうがないなあ」
にこにこ顔の輝夜さんが適時取り分けてくれるものだから、僕は疲労を完璧に忘れて食事に熱中していた。僕はめでたく輝夜さんの右隣の席を、獲得していたのである。まあ熱中し過ぎてお世話になりまくったせいで、
「眠留も俺と同じ、奥さんの尻に敷かれたい派だったんだな」
「それは誤解ですって菊池さん!」
湯船に浸かりつつ、菊池さんの誤解を必死でとくハメに、なってしまったんだけどね。
翔人専用風呂以上の疲労回復効果をもたらすお風呂は、おそらくこの世に存在しないと思う。祖父母も同意見だったのか、自分達の離れの翔人専用風呂を使うよう僕に勧めたが、僕はそれを断った。なんとなくだけど部の戦友達と語らい、かつじゃれ合いながら長湯した方が、効果があると思われたのである。そう説明すると、
「眠留は幸せ者だ」「ほんとそうですねえ、この子は幸せ者ですねえ」
祖父母は顔を綻ばせ、感慨深げに幾度も頷いていた。
長湯の件を皆に話すと、みんな当たり前のように協力してくれた。大離れのお風呂は、成人男性十五人が一度に使えるよう設計されている。よって去年も今年もだいたいみんな一緒に入浴していたのだけど、今日は前半六人の後半六人に分け、長湯中の僕が一人にならぬよう工夫してくれたのだ。水晶もそれにこっそり乗っかり、翔人専用水風呂の二割ほどの生命力を、大離れの水風呂に封入してくれていた。生命力を視覚化できなくても何かを感じたのだろう、僕の真似をして水風呂に浸かった前半の六人は「「「この水風呂、超気持ちいい!」」」を連発していた。それを耳にした後半の六人も同じ感想を述べ、それをきっかけに会話が始まり、気づくと前半の六人も、僕と同じく一時間の長風呂をしていた。後半組の北斗と京馬はそれを悔しがり、北斗は特に歯ぎしりレベルだったので就寝前に尋ねたところ、
「あの水風呂、ほんのり光ってたよな?」
確信の眼差しでそう問われた。北斗は翔人の訓練を、順調にこなしているようだ。それも込みで光っていた旨を伝えると北斗はガッツポーズするも、「ああやっぱ勿体ないことした」と、生命力水風呂の利用時間が半分になったことを盛んに悔しがっていた。
普段の就寝時間より三十分早い、午後八時半。皆にお休みの挨拶をして布団に入り、熟睡法を行おうとした。
しかしふと思い立ち、熟睡法ではなく翔化の準備をしてみた。もちろん翔化はしないが、液化した光を体内に満たしゆらゆら揺らめかせる、心身をほぐすアレを行ってみたのだ。正直、驚いた。肉体疲労の顕著な個所は、揺らめかせることが難しかったのである。
そして閃いた。
―― 揺らめきをいつもと同じに出来たら、疲労を取り除けるのではないか?
大発見をした気がして、早速それに取り掛かった。予想以上にてこずるも、猫丸の鉈化訓練を経て体得した「意識せず意識する」を利用できると気づいてからは早かった。この「意識せず意識する」は、背中で語る、に近いかもしれない。揺らめかぬ個所を強引に揺らめかそうとするのは、自分の意に沿うよう他者に命令するようなもの。そうではなく、まずは自分が先陣切ってやってみせ、その姿を介して他者へ想いを伝えることに似ているのかもしれない。僕の文章力ではこれが精一杯だけど、揺らめかぬ個所を意志の力で強引に揺らめかせることを放棄した途端、それは微かに揺らめき始め、最終的には普段と変わらぬ状態へ持って行くことができた。これが疲労回復を促進するかは、今はまだ判らない。だが判らずとも、不可能を可能にできたことが嬉しく、僕は大満足で眠りの境界を越えたのだった。
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