833 / 934
二十二章
4
しおりを挟む
しかも、
「そうだったのにゃ。おいら全然気づいていなかったにゃ、北斗ありがとにゃ」
末吉がにゃあにゃあ言葉でお礼を言ったと来れば、場は一層和むというもの。それ以降は笑いの溢れる時間となり、そしてそのまま場を母屋へ移し、皆で夕食を囲むこととなった。そこで明かされた、貴子さんが中吉で翔子姉さんが小吉という事実に北斗は再びカチンコチンになるも、「北斗がカチンコチンになっているのは、恋愛が絡んでいるからかにゃ?」と首を傾げた末吉の大ファインプレーにより、二度目の心身硬直は十秒とかからず解消された。ただ末吉は少し落ち込んだらしく、爆笑渦巻く台所のなかで一人、
「おいら恋愛が全く解らないのにゃ」
そう呟き肩を落としていた。そんな末吉を北斗は励まし、僕もすぐそこに混ざり、北斗と二人で京馬の恋愛無知エピソードをコント形式で紹介しているうち、末吉はすこぶる上機嫌になった。理由を尋ねると、
「男友達特有のバカ話の一員になる夢が、叶ったのにゃ」
なんて、涙腺決壊必至の本音を末吉はさらしたのである。とは言うものの、ここで泣く訳にはいかないという面倒クサさも、男は持っている。そしてそれに関してなら、末吉も同じ男として瞬時に理解したようだ。よって僕らは泣く代わりにバカになって騒ぎまくり、それがついつい度を越して、三人揃って翔子姉さんに叱られるハメになってしまった。けど一列に正座して叱られたその経験は、三人の友情を更に深めたイベントとして、僕らの胸に刻まれたんだけどね。
そうこうするうち夕食も終盤となり、さてそろそろ皿洗いを始めますかと僕と北斗が腰を上げかけたところで、水晶が僕らの場所にやって来た。北斗は目にも止まらぬ速さで正座し、背筋を伸ばす。その様子を見ていた昴はにっこり微笑み、「今日は私が片付けるわ、主役さん」と声を掛け、水晶に恭しく一礼してテーブルを去って行った。同じ所作をしてテーブルを去る輝夜さんと美鈴に僕と北斗も一礼し、そんな三人娘と男子二人を、水晶はまん丸顔でにこにこ見つめていた。その光景に貴子さんは目元を赤くし、それに母が重なった僕も貴子さんに釣られそうになったけど、そんな僕を助けるかのように、水晶が厳かに話し始めた。
「北斗よ、よくぞ我らの元へ来た。小学三年生からそなたを見ていた儂は、嬉しく思うぞ」
「ありがとうございます」
床の上30センチに浮かぶ水晶へ北斗は謝意を述べ、深々と腰を折った。水晶の予定を妨害せぬよう謝意の言葉は簡潔に留めるも、その代わり額が床に付くまで北斗は頭を下げたのである。その心意気を、きっと好ましく思ったのだろう。福神様になった水晶が、大胆な語彙をさらりと漏らした。
「して北斗よ、そなたは日いずる国初の、銃翔人になる気はあるかの」
じゅうという発音に誤解が生じぬよう、銃翔人という文字が空中に浮かび上がる。水晶の神気に当てられていようと、こればかりは中二病を抑え切れなかったらしい。出会ったころの、小学三年生の笑顔になった北斗は、瞳をキラキラ輝かせて銃翔人という文字を見つめていた。数秒ののちハッとして慌てて謝罪する北斗に、「儂も男じゃ、男心をくすぐるのは分かるわい」と水晶は哄笑した。超常の長上者が歩み寄ってくれたのだから、こちらも打ち解けねば男がすたるというもの。北斗は何もかも取っ払っい、
「はい、嬉しくて堪りません。命懸けで銃翔人になります!」
そう宣言し、にぱっと笑った。おそらくそれが、水晶の気質にドンピシャだったに違いない。水晶は北斗の膝元にやって来て「こりゃ大物じゃ!」と北斗の膝をビシバシ叩いた。尋常でなく横幅の広い顔を、口角を持ち上げることでもう一段横に広げてやって来た大吉も、
「これからよろしく頼むぞ、北斗」
そう言うや、ピカッっと光って龍叔父さんになった。少なくとも年に二回は龍叔父さんに挨拶し言葉を交わしていた北斗は驚くとともに喜び、こちらこそよろしくお願いしますと勢いよく腰を折る。すると祖父も飛んで来て、
「ウチは女性が強いから男は大歓迎だ」
小声でそう言い、親指をビシッと立てた。水晶と末吉も肉球を器用に折ってそれに続き、もちろん龍叔父さんと僕と北斗もノリノリで皆に倣う。僕ら男六人は不敵に笑い合ったのち、天下取りを成したが如く声を揃えて気炎を上げた。
そんな男六人へ、祖母と頂点とする女六人が、
―― 今日だけは大目に見てあげましょう
と生暖かい視線を投げかけていたことは、三日天下どころか三分天下にすらならぬことを、男六人に嫌というほど悟らせたのだった。
北斗の翔人の訓練は、翌日から始まった。とはいえ日本初の試みの銃翔人に訓練方法が確立しているはずもなく、しばらくは手探りで進めることとなり、特に初日は座学のみを行った。「銃社会の中で育った米国の若者と、まるっきり同じ訓練方法という訳にはいかぬからの」 水晶のたったこれだけの説明から北斗は様々な事柄を推測し、しかもその全てが理論の道筋と到着点の双方で正解だったため、さすがの水晶も北斗の訓練に頭を悩ませていた。ただそれを北斗の前では決して見せようとせず、またそれは僕と三人娘の前でも同様だったため、僕ら四人は水晶のある言葉を思い出さずにはいられなかった。
『理論家は翔化に苦労する傾向があり、そして北斗は儂すら初めて見る生粋の理論家なのじゃ』
思い出さずにはいられなかったのはこれであり、そしてそれが実現化するのを、僕らは恐れたのである。
その他にも僕ら四人には、ある疑問があった。それは、
―― 北斗のパートナーの精霊猫は誰か
だった。仮に北斗が、弓翔人を排出してきた鳳家で銃翔人を目指すことになっていたら、猫将軍家の大吉や中吉に相当する熟練翔鳥がパートナーになっていたと思われる。米国にはアーチェリーで魔想と戦う勇使(over brave 北米の翔人)がいるらしく、そして水晶によると、アーチェリー勇使と銃翔人に差はほぼないと言う。よって鳳家の熟練翔鳥なら長年の経験を活かし、銃翔人にも充分対応できるのではないかと僕らは推測したのだ。
しかし北斗は、近接武器を用いる猫将軍家で銃翔人を目指すという運命を授かった。かつそこに、超絶頭脳という北斗の特殊能力が加わると、僕ら四人はどうしてもこう考えてしまうのである。
―― まったく新しい戦闘様式を、北斗は創造するかもしれない
「そうだったのにゃ。おいら全然気づいていなかったにゃ、北斗ありがとにゃ」
末吉がにゃあにゃあ言葉でお礼を言ったと来れば、場は一層和むというもの。それ以降は笑いの溢れる時間となり、そしてそのまま場を母屋へ移し、皆で夕食を囲むこととなった。そこで明かされた、貴子さんが中吉で翔子姉さんが小吉という事実に北斗は再びカチンコチンになるも、「北斗がカチンコチンになっているのは、恋愛が絡んでいるからかにゃ?」と首を傾げた末吉の大ファインプレーにより、二度目の心身硬直は十秒とかからず解消された。ただ末吉は少し落ち込んだらしく、爆笑渦巻く台所のなかで一人、
「おいら恋愛が全く解らないのにゃ」
そう呟き肩を落としていた。そんな末吉を北斗は励まし、僕もすぐそこに混ざり、北斗と二人で京馬の恋愛無知エピソードをコント形式で紹介しているうち、末吉はすこぶる上機嫌になった。理由を尋ねると、
「男友達特有のバカ話の一員になる夢が、叶ったのにゃ」
なんて、涙腺決壊必至の本音を末吉はさらしたのである。とは言うものの、ここで泣く訳にはいかないという面倒クサさも、男は持っている。そしてそれに関してなら、末吉も同じ男として瞬時に理解したようだ。よって僕らは泣く代わりにバカになって騒ぎまくり、それがついつい度を越して、三人揃って翔子姉さんに叱られるハメになってしまった。けど一列に正座して叱られたその経験は、三人の友情を更に深めたイベントとして、僕らの胸に刻まれたんだけどね。
そうこうするうち夕食も終盤となり、さてそろそろ皿洗いを始めますかと僕と北斗が腰を上げかけたところで、水晶が僕らの場所にやって来た。北斗は目にも止まらぬ速さで正座し、背筋を伸ばす。その様子を見ていた昴はにっこり微笑み、「今日は私が片付けるわ、主役さん」と声を掛け、水晶に恭しく一礼してテーブルを去って行った。同じ所作をしてテーブルを去る輝夜さんと美鈴に僕と北斗も一礼し、そんな三人娘と男子二人を、水晶はまん丸顔でにこにこ見つめていた。その光景に貴子さんは目元を赤くし、それに母が重なった僕も貴子さんに釣られそうになったけど、そんな僕を助けるかのように、水晶が厳かに話し始めた。
「北斗よ、よくぞ我らの元へ来た。小学三年生からそなたを見ていた儂は、嬉しく思うぞ」
「ありがとうございます」
床の上30センチに浮かぶ水晶へ北斗は謝意を述べ、深々と腰を折った。水晶の予定を妨害せぬよう謝意の言葉は簡潔に留めるも、その代わり額が床に付くまで北斗は頭を下げたのである。その心意気を、きっと好ましく思ったのだろう。福神様になった水晶が、大胆な語彙をさらりと漏らした。
「して北斗よ、そなたは日いずる国初の、銃翔人になる気はあるかの」
じゅうという発音に誤解が生じぬよう、銃翔人という文字が空中に浮かび上がる。水晶の神気に当てられていようと、こればかりは中二病を抑え切れなかったらしい。出会ったころの、小学三年生の笑顔になった北斗は、瞳をキラキラ輝かせて銃翔人という文字を見つめていた。数秒ののちハッとして慌てて謝罪する北斗に、「儂も男じゃ、男心をくすぐるのは分かるわい」と水晶は哄笑した。超常の長上者が歩み寄ってくれたのだから、こちらも打ち解けねば男がすたるというもの。北斗は何もかも取っ払っい、
「はい、嬉しくて堪りません。命懸けで銃翔人になります!」
そう宣言し、にぱっと笑った。おそらくそれが、水晶の気質にドンピシャだったに違いない。水晶は北斗の膝元にやって来て「こりゃ大物じゃ!」と北斗の膝をビシバシ叩いた。尋常でなく横幅の広い顔を、口角を持ち上げることでもう一段横に広げてやって来た大吉も、
「これからよろしく頼むぞ、北斗」
そう言うや、ピカッっと光って龍叔父さんになった。少なくとも年に二回は龍叔父さんに挨拶し言葉を交わしていた北斗は驚くとともに喜び、こちらこそよろしくお願いしますと勢いよく腰を折る。すると祖父も飛んで来て、
「ウチは女性が強いから男は大歓迎だ」
小声でそう言い、親指をビシッと立てた。水晶と末吉も肉球を器用に折ってそれに続き、もちろん龍叔父さんと僕と北斗もノリノリで皆に倣う。僕ら男六人は不敵に笑い合ったのち、天下取りを成したが如く声を揃えて気炎を上げた。
そんな男六人へ、祖母と頂点とする女六人が、
―― 今日だけは大目に見てあげましょう
と生暖かい視線を投げかけていたことは、三日天下どころか三分天下にすらならぬことを、男六人に嫌というほど悟らせたのだった。
北斗の翔人の訓練は、翌日から始まった。とはいえ日本初の試みの銃翔人に訓練方法が確立しているはずもなく、しばらくは手探りで進めることとなり、特に初日は座学のみを行った。「銃社会の中で育った米国の若者と、まるっきり同じ訓練方法という訳にはいかぬからの」 水晶のたったこれだけの説明から北斗は様々な事柄を推測し、しかもその全てが理論の道筋と到着点の双方で正解だったため、さすがの水晶も北斗の訓練に頭を悩ませていた。ただそれを北斗の前では決して見せようとせず、またそれは僕と三人娘の前でも同様だったため、僕ら四人は水晶のある言葉を思い出さずにはいられなかった。
『理論家は翔化に苦労する傾向があり、そして北斗は儂すら初めて見る生粋の理論家なのじゃ』
思い出さずにはいられなかったのはこれであり、そしてそれが実現化するのを、僕らは恐れたのである。
その他にも僕ら四人には、ある疑問があった。それは、
―― 北斗のパートナーの精霊猫は誰か
だった。仮に北斗が、弓翔人を排出してきた鳳家で銃翔人を目指すことになっていたら、猫将軍家の大吉や中吉に相当する熟練翔鳥がパートナーになっていたと思われる。米国にはアーチェリーで魔想と戦う勇使(over brave 北米の翔人)がいるらしく、そして水晶によると、アーチェリー勇使と銃翔人に差はほぼないと言う。よって鳳家の熟練翔鳥なら長年の経験を活かし、銃翔人にも充分対応できるのではないかと僕らは推測したのだ。
しかし北斗は、近接武器を用いる猫将軍家で銃翔人を目指すという運命を授かった。かつそこに、超絶頭脳という北斗の特殊能力が加わると、僕ら四人はどうしてもこう考えてしまうのである。
―― まったく新しい戦闘様式を、北斗は創造するかもしれない
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
迦具夜姫異聞~紅の鬼狩姫~
あおい彗星(仮)
キャラ文芸
かぐや姫×陰陽師の和風バトルファンタジー!
あらすじ
紅い月が昇る夜に月から堕ちてくる罪人──月鬼。
彼らから人々を守るために、闘う武人。
それが陰陽師であった。
平安時代から今もなお続く闘いに、一人の少女が足を踏み入れる。
大切なものを探すために。約束を胸に抱いて──。
第1夜 陰陽師
主人公の神野緋鞠(かみのひまり)は、見習い陰陽師。相棒の妖怪、銀狼(ぎんろう)と共に陰陽師の聖地である古都“大和”に向かう途中、行き倒れてしまい──。
【暁入隊編】
第2夜 古都大和
大和に着いた緋鞠と銀狼。銀狼の旧知や謎の少年との出会い。兄の情報を知る老人との再会など、試験前にもひと波乱!
第3夜 鬼狩試験
鬼狩試験が開始。
校舎内を探していると、突然結界に異変が起きる。実体化する体、月鬼の出現。そして、元凶との対峙。絶体絶命のピンチに陥る緋鞠は、無事に月の裁定者と契約を交わし、力を手にいれることができるのか。
第4夜 天岩戸の天照
四鬼との激闘の末、月姫と無事契約を交わした緋鞠は、病院で目を覚ます。数日経ってもなかなか傷が治らず、落ち込む緋鞠に琴音はとある女性の話をする。どんな病気や怪我、呪いでさえも治してみせる太陽のように美しい女性薬師──天岩戸の天照のうわさ。
緋鞠は彼女に会うために脱走作戦を決行!?
【星命学園編】
第5夜 星命学園
いよいよ星命学園に入学。
楽しい学園生活に期待を膨らませていたが、早速波乱の予感!? 新キャラも増えて大騒ぎ!
そして松曜から明かされる、兄の最後の任務とは──。
第6夜 夢みる羊
波乱の一日目を終えた緋鞠。二日目は警戒して学園へと挑むも、嬉しい伝言が。しかし、そんなうきうき気分も粉砕!?
催される体力測定、その名も「100メェーとる走」!100匹の羊を捕まえろ……って100匹!?戸惑う生徒たちに、見守る教師たち。それぞれの想いとは──。
第7夜 忘却の地下牢
模擬試験前日。翼が誰ともチームを組んでいないことを知り、そのことで翼と喧嘩になってしまい、落ち込む緋鞠。
そんなとき、翼の過去を知る生徒と戦闘になり、罰として地下牢に入れられてしまう。
そこでみた、幼き日の記憶の断片とは。
第8夜 心休める時
澪の蔵で目を覚ます緋鞠。ゆっくり休むよう言われるが、地下牢で見た出来事が気になってしまって眠れない。
小雨の音を聞きながら緋鞠が思い出すのは、あの約束。
そして、たまたまあの人も起きていて?
──予告──
いよいよ始まる模擬試験。
緋鞠は翼に誘われ、琴音も加えた三人+一匹のチームを組むことに。
対する瑠衣と来栖は、己が一番となるために全力で闘うことを宣言。
勝利はどのチームに輝くのか。
──第9夜 模擬試験(前編)
おきつねさんとちょっと晩酌
木嶋うめ香
キャラ文芸
私、三浦由衣二十五歳。
付き合っていた筈の会社の先輩が、突然結婚発表をして大ショック。
不本意ながら、そのお祝いの会に出席した帰り、家の近くの神社に立ち寄ったの。
お稲荷様の赤い鳥居を何本も通って、お参りした後に向かった先は小さな狐さんの像。
狛犬さんの様な大きな二体の狐の像の近くに、ひっそりと鎮座している小さな狐の像に愚痴を聞いてもらった私は、うっかりそこで眠ってしまったみたい。
気がついたら知らない場所で二つ折りした座蒲団を枕に眠ってた。
慌てて飛び起きたら、袴姿の男の人がアツアツのうどんの丼を差し出してきた。
え、食べていいの?
おいしい、これ、おいしいよ。
泣きながら食べて、熱燗も頂いて。
満足したらまた眠っちゃった。
神社の管理として、夜にだけここに居るという紺さんに、またいらっしゃいと見送られ帰った私は、家の前に立つ人影に首を傾げた。
便利屋ブルーヘブン、営業中。~そのお困りごと、大天狗と鬼が解決します~
卯崎瑛珠
キャラ文芸
とあるノスタルジックなアーケード商店街にある、小さな便利屋『ブルーヘブン』。
店主の天さんは、実は天狗だ。
もちろん人間のふりをして生きているが、なぜか問題を抱えた人々が、吸い寄せられるようにやってくる。
「どんな依頼も、断らないのがモットーだからな」と言いつつ、今日も誰かを救うのだ。
神通力に、羽団扇。高下駄に……時々伸びる鼻。
仲間にも、実は大妖怪がいたりして。
コワモテ大天狗、妖怪チート!?で、世直しにいざ参らん!
(あ、いえ、ただの便利屋です。)
-----------------------------
ほっこり・じんわり大賞奨励賞作品です。
カクヨムとノベプラにも掲載しています。
あやかし猫社長は契約花嫁を逃さない
有沢真尋
キャラ文芸
☆第七回キャラ文芸大賞奨励賞受賞☆応援ありがとうございます!
限界社畜生活を送るズボラOLの古河龍子は、ある日「自宅と会社がつながってれば通勤が楽なのに」と願望を口にしてしまう。
あろうことか願いは叶ってしまい、自宅の押入れと自社の社長室がつながってしまった。
その上、社長の本性が猫のあやかしで、近頃自分の意志とは無関係に猫化する現象に悩まされている、というトップシークレットまで知ってしまうことに。
(これは知らなかったことにしておきたい……!)と見て見ぬふりをしようとした龍子だが、【猫化を抑制する】特殊能力持ちであることが明らかになり、猫社長から「片時も俺のそばを離れないでもらいたい」と懇願される。
「人助けならぬ猫助けなら致し方ない」と半ば強引に納得させられて……。
これは、思わぬことから同居生活を送ることになった猫社長と平社員が、仕事とプライベートを密に過ごし、またたびに酔ったりご当地グルメに舌鼓を打ったりしながら少しずつ歩み寄る物語です。
※「小説家になろう」にも公開しています。
貸本屋七本三八の譚めぐり
茶柱まちこ
キャラ文芸
【書籍化しました】
【第4回キャラ文芸大賞 奨励賞受賞】
舞台は東端の大国・大陽本帝国(おおひのもとていこく)。
産業、医療、文化の発展により『本』の進化が叫ばれ、『術本』が急激に発展していく一方で、
人の想い、思想、経験、空想を核とした『譚本』は人々の手から離れつつあった、激動の大昌時代。
『譚本』専門の貸本屋・七本屋を営む、無類の本好き店主・七本三八(ななもとみや)が、本に見いられた人々の『譚』を読み解いていく、幻想ミステリー。
Réglage 【レグラージュ】
隼
キャラ文芸
フランスのパリ3区。
ピアノ専門店「アトリエ・ルピアノ」に所属する少女サロメ・トトゥ。
職業はピアノの調律師。性格はワガママ。
あらゆるピアノを蘇らせる、始動の調律。
深川あやかし綺譚 粋と人情とときどきコロッケ
高井うしお
キャラ文芸
妻に失踪された男、氷川 衛は一人娘の瑞葉とともに義母のミユキと東京の下町、深川で同居をはじめる。
ミユキの経営する総菜屋はまったく流行っていないが、実は人外のあやかしの問題解決をするよろず屋をして生計を立てていた。
衛は総菜屋をやりながら、よろず屋稼業の手伝いもさせられる羽目に。
衛と瑞葉から見た、下町深川の風景とおかしなお客の数々。そして妻穂乃香の行方は……。
※一日三回更新します。
※10万字前後で一旦完結
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる