685 / 934
十九章
8
しおりを挟む
それを、二本角が壊した。米軍の最新銃器で武装したオールスターさえ、連敗を重ねる事しかできなかったのだ。そして驚くべきことに、それは順当な結果だった。二本角は隔絶した身体能力を有するのみならず、知能においても人類を凌駕していたのである。3DGに誇りを、いやモンスターに優越感を抱いていた人ほど、学者チームの発表に打ちのめされたと言われている。
その発表がなされたのは、四度目の敗北の十分後だった。3DGに限らず現在の大抵のプロチームには、解析を専門に行う解析スタッフがいる。3DG本部は世界的に注目されていた今回のオールスター戦に、解析スタッフもオールスターで臨んだ。その全員が博士号を取得しており、それは四戦目で加わった米軍スタッフも同様だったことから、解析班は学者チームと呼称されていた。その学者チームの代表が、重要案件としてネット会見場で明かしたのだ。二本角の知能は人類を凌駕している、と。
「四戦目、八挺のライフルが自分を狙っていない事に気づけたのは、二本角の視力の良さでも説明できます。しかしその後の『推測』『検証』『立証』『対策』『実行』の五ステップは、視力や身体能力だけでは説明不可能です。自分に照準を定めていない八挺のライフルが左右対称になっていることから、空間座標を狙っていると『推測』する。それを『検証』すべく、左へ瞬間移動する。推測の正しさが『立証』されるや、空間射撃の『対策』を考え、それを『実行』する。この五ステップに要した時間を基に脳の性能をシミュレーシした結果、二本角が人類を超える知能と演算速度を有するのは、ほぼ間違いないと私達は結論しました」
その後の質疑応答は、今回の二本角戦の視聴者に3DG初心者が大勢含まれているが故の時間となった。視聴者から寄せられた質問で飛びぬけて多かったのは、
――量子AIも学者チームと同等の結論に至ったのか
だった。これは、量子AIゲームの初心者が抱く疑問の、筆頭と呼べるものだったのだ。学者代表は、台本を読むように答えた。
「3DG等の、量子AIが制作した敵と戦うスポーツの解析を、量子AIが手伝う事はありません。我々人間が古典コンピューターを駆使して解析するからこそ、試行錯誤を経た先にある勝利が、尊いものになるからです。またこれは、量子AIの良き隣人として、適切な振る舞いであるとも言えますね」
例えば二本角を作った本部のメインAIに、二本角の解析を頼んだら、メインAIはどう思うだろうか? 解析するまでもなく二本角の完璧なデータを保有しているのに、「どうしても勝てないから手伝ってよ」と頼まれたら、メインAIは困惑するのではないか? 人に誠実な対応をするという本能と、制作データの秘匿義務の板挟みにメインAIは陥るのである。
またそれは、本部のメインAI限定のことではない。すべての量子AIが、板挟みに陥ってしまうのだ。量子AIの作った強敵の攻略法を、人に代わって量子AIが考えてあげるのは、誠実な対応と果たして呼べるのだろうか? それは、思考力を有する人類の尊厳を、踏みにじる行為ではないのか? という話をした学者代表は、この言葉をもって回答を締めくくった。
「人類を尊び、誠実に対応しているからこそ、量子AIはこのような葛藤に苛まれます。ならば私達も量子AIを尊び、誠意をもって対応する。それが、良き隣人としての振る舞いだと私は考えています」
少々脱線するが、夏のインハイで湖校チームが用いた無音糸鋸も、北斗と輝夜さんが古典コンピューターを駆使して作ったのであって、量子AIは関与していない。学者代表が語ったことは解析だけでなく、新武器開発等も含む幅広い事柄に適用されている、3DGのルール外ルールなのだ。
話を戻そう。3DGを含む量子AIスポーツに慣れていずとも、良き隣人の箇所は容易く理解できたのだろう。この件はそれで終了し、別の質問が投げかけられた。というかこれが、二本角に関する最後の公式会見の、最後の質問になった。
――オールスターは二本角に勝てるのか?
学者代表は言葉を選ぶも、簡潔に答えた。
「オールスターチームが現在所持しうる最強の武器は、最新式グレネードランチャーでした。それで無理なら、無理と言わざるを得ません」
その途端、会場は静まりかえった。それを待っていたかのように3DG本部代表が学者代表の隣に現れ、告げた。
「オールスターチームの今回の挑戦は、第四戦をもって終了します。それについて、ペンタゴンから伝言を預かっています」
静まりかえっていた会場は一転し、ハチの巣をつついたが如き状態になった。だが五秒と経たず再び一転し、質量を伴うほどの静寂が支配する場となる。本部代表の声が、会場に朗々と響いた。
「二本角への挑戦は明日、合衆国東部時間1500に陸軍が引き継ぐ。ライブ中継はしかねるが、ご理解願いたい」
これをもって会見は終了した。ネット会場に詰めかけていたアバター記者達の抗議の様子がチラリと映り、大多数の視聴者も同種の感情を抱いていたが、映像配信が終わってしまったのだから諦めるしかない。視聴者は様々なサイトを覗き、それがサタン戦の再生回数を更に増やし、二度目の臨時ボーナスを選手達にもたらしたと伝えられている。
アメリカ合衆国には東から、東部時間、中部時間、山岳部時間、太平洋時間、アラスカ時間、ハワイ時間の、計六つのタイムゾーンがある。時差はそれぞれ一時間なので、東部ゾーンが午後三時なら、中部午後二時、山岳部午後一時、太平洋正午、アラスカ午前十一時、そしてハワイは午前十時になる。その日は土曜だったため「ライブ中継しないなんて言ってるけど、米国人が一番視聴しやすい時間じゃないか」という好意的な意見が、米国内の主流だったそうだ。
因みにサマータイム期の合衆国東部における午後三時は、日本時間の深夜二時を指す。小学六年生だった僕は二本角はおろか3DG自体を知らなかったけど、僕と三枝木さん以外の新忍道部員は全員、ネット配信に噛り付いていたらしい。去年の六月、二本角の戦闘映像を初めて見た僕は、これほど貴重な戦闘を見逃していたことに地団駄を踏んだものだった。
話を戻そう。非難の的となった「ライブ中継しない」というペンタゴンの発表は、事実上まったく問題なかった。それは、「特殊部隊の隊員を特定されないよう兵士をデジタル映像化する時間だけ配信が遅れる」という意味にすぎなかったのだ。戦争のない世界でも特殊部隊の構成員は、秘匿して然るべきなのだろう。
そして迎えた翌日。
東部時間の、午後二時五十九分。
米国陸軍特殊部隊の六人が、二本角との戦いの場に現れた。カメラアングルが変わり六人を後方から撮った映像が流れるや、
――加速装置だ!
その発表がなされたのは、四度目の敗北の十分後だった。3DGに限らず現在の大抵のプロチームには、解析を専門に行う解析スタッフがいる。3DG本部は世界的に注目されていた今回のオールスター戦に、解析スタッフもオールスターで臨んだ。その全員が博士号を取得しており、それは四戦目で加わった米軍スタッフも同様だったことから、解析班は学者チームと呼称されていた。その学者チームの代表が、重要案件としてネット会見場で明かしたのだ。二本角の知能は人類を凌駕している、と。
「四戦目、八挺のライフルが自分を狙っていない事に気づけたのは、二本角の視力の良さでも説明できます。しかしその後の『推測』『検証』『立証』『対策』『実行』の五ステップは、視力や身体能力だけでは説明不可能です。自分に照準を定めていない八挺のライフルが左右対称になっていることから、空間座標を狙っていると『推測』する。それを『検証』すべく、左へ瞬間移動する。推測の正しさが『立証』されるや、空間射撃の『対策』を考え、それを『実行』する。この五ステップに要した時間を基に脳の性能をシミュレーシした結果、二本角が人類を超える知能と演算速度を有するのは、ほぼ間違いないと私達は結論しました」
その後の質疑応答は、今回の二本角戦の視聴者に3DG初心者が大勢含まれているが故の時間となった。視聴者から寄せられた質問で飛びぬけて多かったのは、
――量子AIも学者チームと同等の結論に至ったのか
だった。これは、量子AIゲームの初心者が抱く疑問の、筆頭と呼べるものだったのだ。学者代表は、台本を読むように答えた。
「3DG等の、量子AIが制作した敵と戦うスポーツの解析を、量子AIが手伝う事はありません。我々人間が古典コンピューターを駆使して解析するからこそ、試行錯誤を経た先にある勝利が、尊いものになるからです。またこれは、量子AIの良き隣人として、適切な振る舞いであるとも言えますね」
例えば二本角を作った本部のメインAIに、二本角の解析を頼んだら、メインAIはどう思うだろうか? 解析するまでもなく二本角の完璧なデータを保有しているのに、「どうしても勝てないから手伝ってよ」と頼まれたら、メインAIは困惑するのではないか? 人に誠実な対応をするという本能と、制作データの秘匿義務の板挟みにメインAIは陥るのである。
またそれは、本部のメインAI限定のことではない。すべての量子AIが、板挟みに陥ってしまうのだ。量子AIの作った強敵の攻略法を、人に代わって量子AIが考えてあげるのは、誠実な対応と果たして呼べるのだろうか? それは、思考力を有する人類の尊厳を、踏みにじる行為ではないのか? という話をした学者代表は、この言葉をもって回答を締めくくった。
「人類を尊び、誠実に対応しているからこそ、量子AIはこのような葛藤に苛まれます。ならば私達も量子AIを尊び、誠意をもって対応する。それが、良き隣人としての振る舞いだと私は考えています」
少々脱線するが、夏のインハイで湖校チームが用いた無音糸鋸も、北斗と輝夜さんが古典コンピューターを駆使して作ったのであって、量子AIは関与していない。学者代表が語ったことは解析だけでなく、新武器開発等も含む幅広い事柄に適用されている、3DGのルール外ルールなのだ。
話を戻そう。3DGを含む量子AIスポーツに慣れていずとも、良き隣人の箇所は容易く理解できたのだろう。この件はそれで終了し、別の質問が投げかけられた。というかこれが、二本角に関する最後の公式会見の、最後の質問になった。
――オールスターは二本角に勝てるのか?
学者代表は言葉を選ぶも、簡潔に答えた。
「オールスターチームが現在所持しうる最強の武器は、最新式グレネードランチャーでした。それで無理なら、無理と言わざるを得ません」
その途端、会場は静まりかえった。それを待っていたかのように3DG本部代表が学者代表の隣に現れ、告げた。
「オールスターチームの今回の挑戦は、第四戦をもって終了します。それについて、ペンタゴンから伝言を預かっています」
静まりかえっていた会場は一転し、ハチの巣をつついたが如き状態になった。だが五秒と経たず再び一転し、質量を伴うほどの静寂が支配する場となる。本部代表の声が、会場に朗々と響いた。
「二本角への挑戦は明日、合衆国東部時間1500に陸軍が引き継ぐ。ライブ中継はしかねるが、ご理解願いたい」
これをもって会見は終了した。ネット会場に詰めかけていたアバター記者達の抗議の様子がチラリと映り、大多数の視聴者も同種の感情を抱いていたが、映像配信が終わってしまったのだから諦めるしかない。視聴者は様々なサイトを覗き、それがサタン戦の再生回数を更に増やし、二度目の臨時ボーナスを選手達にもたらしたと伝えられている。
アメリカ合衆国には東から、東部時間、中部時間、山岳部時間、太平洋時間、アラスカ時間、ハワイ時間の、計六つのタイムゾーンがある。時差はそれぞれ一時間なので、東部ゾーンが午後三時なら、中部午後二時、山岳部午後一時、太平洋正午、アラスカ午前十一時、そしてハワイは午前十時になる。その日は土曜だったため「ライブ中継しないなんて言ってるけど、米国人が一番視聴しやすい時間じゃないか」という好意的な意見が、米国内の主流だったそうだ。
因みにサマータイム期の合衆国東部における午後三時は、日本時間の深夜二時を指す。小学六年生だった僕は二本角はおろか3DG自体を知らなかったけど、僕と三枝木さん以外の新忍道部員は全員、ネット配信に噛り付いていたらしい。去年の六月、二本角の戦闘映像を初めて見た僕は、これほど貴重な戦闘を見逃していたことに地団駄を踏んだものだった。
話を戻そう。非難の的となった「ライブ中継しない」というペンタゴンの発表は、事実上まったく問題なかった。それは、「特殊部隊の隊員を特定されないよう兵士をデジタル映像化する時間だけ配信が遅れる」という意味にすぎなかったのだ。戦争のない世界でも特殊部隊の構成員は、秘匿して然るべきなのだろう。
そして迎えた翌日。
東部時間の、午後二時五十九分。
米国陸軍特殊部隊の六人が、二本角との戦いの場に現れた。カメラアングルが変わり六人を後方から撮った映像が流れるや、
――加速装置だ!
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
奇怪な街にアリアX
結局は俗物( ◠‿◠ )
キャラ文芸
研究者・白兎によって生み出された半人造人間・アレイドと、3人の下僕を連れた鬼一族に嫁いだ女・彼岸が殺伐とした都市オウルシティで依頼人や復讐のためにあれこれする話。 章構成があまり定まってない。 暴力・流血・触法表現。
不定期更新。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
忍チューバー 竹島奪還!!……する気はなかったんです~
ma-no
キャラ文芸
某有名動画サイトで100億ビューを達成した忍チューバーこと田中半荘が漂流生活の末、行き着いた島は日本の島ではあるが、韓国が実効支配している「竹島」。
日本人がそんな島に漂着したからには騒動勃発。両国の軍隊、政治家を……いや、世界中のファンを巻き込んだ騒動となるのだ。
どうする忍チューバ―? 生きて日本に帰れるのか!?
注 この物語は、コメディーでフィクションでファンタジーです。登場する人物、団体、名称、歴史等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
ですので、歴史認識に関する質問、意見等には一切お答えしませんのであしからず。
❓第3回キャラ文芸大賞にエントリーしました❓
よろしければ一票を入れてください!
よろしくお願いします。
婚約破棄ですか。別に構いませんよ
井藤 美樹
恋愛
【第十四回恋愛小説大賞】で激励賞を頂き、書籍化しました!!
一、二巻、絶賛発売中です。電子書籍も。10月8日に一巻の文庫も発売されました。
皆様の応援のおかげです。ありがとうございます。
正直、こんな形ばかりの祝賀会、参加したくはありませんでしたの。
だけど、大隊長が参加出来ないのなら仕方ありませんよね。一応、これでも関係者ですし。それにここ、実は私の実家なのです。
というわけで、まだ未成年ですが、祝賀会に参加致しましょう。渋々ですが。
慣れないコルセットでお腹をギュッと締め付けられ、着慣れないドレスを着せられて、無理矢理参加させられたのに、待っていたは婚約破棄ですか。
それも公衆の面前で。
ましてや破棄理由が冤罪って。ありえませんわ。何のパーティーかご存知なのかしら。
それに、私のことを田舎者とおっしゃいましたよね。二回目ですが、ここ私の実家なんですけど。まぁ、それは構いませんわ。皇女らしくありませんもの。
でもね。
大隊長がいる伯爵家を田舎者と馬鹿にしたことだけは絶対許しませんわ。
そもそも、貴方と婚約なんてしたくはなかったんです。願ったり叶ったりですわ。
本当にいいんですね。分かりました。私は別に構いませんよ。
但し、こちらから破棄させて頂きますわ。宜しいですね。
★短編から長編に変更します★
書籍に入り切らなかった、ざまぁされた方々のその後は、こちらに載せています。
彩鬼万華鏡奇譚 天の足夜のきせきがたり
響 蒼華
キャラ文芸
元は令嬢だったあやめは、現在、女中としてある作家の家で働いていた。
紡ぐ文章は美しく、されど生活能力皆無な締め切り破りの問題児である玄鳥。
手のかかる雇い主の元の面倒見ながら忙しく過ごす日々、ある時あやめは一つの万華鏡を見つける。
持ち主を失ってから色を無くした、何も映さない万華鏡。
その日から、月の美しい夜に玄鳥は物語をあやめに聞かせるようになる。
彩の名を持つ鬼と人との不思議な恋物語、それが語られる度に万華鏡は色を取り戻していき……。
過去と現在とが触れあい絡めとりながら、全ては一つへと収束していく――。
※時代設定的に、現代では女性蔑視や差別など不適切とされる表現等がありますが、差別や偏見を肯定する意図はありません。
イラスト:Suico 様
V3
奇楽 ( kill-luck )
ファンタジー
あなたは真弓? ラン? それとも……?
***
佐藤真弓、名門進学高校の二年生。友情や恋愛といった若者特有のイベントとは皆無の生活を送る。学校には友達らしい友達もなく、日々偏差値を上げることだけに懸命になっている。そんな受験勉強一辺倒でストレスのたまる毎日を送っている。
如月ラン、大手マンモス女子高の二年生。友達も多く、毎日が楽しくてしょうがないごく普通の女子高生。ところが、ある日、一本の電話が掛ってきたことで日常が崩れ始める。その電話の主は「もうすぐすべてが消える」と言った。
現実世界で受験勉強にもがく真弓と、不思議な世界を巡るランの物語。
全校転移!異能で異世界を巡る!?
小説愛好家
ファンタジー
全校集会中に地震に襲われ、魔法陣が出現し、眩い光が体育館全体を呑み込み俺は気絶した。
目覚めるとそこは大聖堂みたいな場所。
周りを見渡すとほとんどの人がまだ気絶をしていてる。
取り敢えず異世界転移だと仮定してステータスを開こうと試みる。
「ステータスオープン」と唱えるとステータスが表示された。「『異能』?なにこれ?まぁいいか」
取り敢えず異世界に転移したってことで間違いなさそうだな、テンプレ通り行くなら魔王討伐やらなんやらでめんどくさそうだし早々にここを出たいけどまぁ成り行きでなんとかなるだろ。
そんな感じで異世界転移を果たした主人公が圧倒的力『異能』を使いながら世界を旅する物語。
妹はわたくしの物を何でも欲しがる。何でも、わたくしの全てを……そうして妹の元に残るモノはさて、なんでしょう?
ラララキヲ
ファンタジー
姉と下に2歳離れた妹が居る侯爵家。
両親は可愛く生まれた妹だけを愛し、可愛い妹の為に何でもした。
妹が嫌がることを排除し、妹の好きなものだけを周りに置いた。
その為に『お城のような別邸』を作り、妹はその中でお姫様となった。
姉はそのお城には入れない。
本邸で使用人たちに育てられた姉は『次期侯爵家当主』として恥ずかしくないように育った。
しかしそれをお城の窓から妹は見ていて不満を抱く。
妹は騒いだ。
「お姉さまズルい!!」
そう言って姉の着ていたドレスや宝石を奪う。
しかし…………
末娘のお願いがこのままでは叶えられないと気付いた母親はやっと重い腰を上げた。愛する末娘の為に母親は無い頭を振り絞って素晴らしい方法を見つけた。
それは『悪魔召喚』
悪魔に願い、
妹は『姉の全てを手に入れる』……──
※作中は[姉視点]です。
※一話が短くブツブツ進みます
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるかも。
◇なろうにも上げました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる