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十六章
車中と境内と報告、1
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帰りの車中、早速ミーサに助言を求めた。
「凛ちゃんのイメージを色に譬えるなら、何色だとミーサは思う?」
「個人的には、黄緑ですね」
やはりそうかと眉間に皺を寄せた僕に、ミーサは黄緑に分類される様々な色を見せてくれた。瑞々しい春の若葉を連想させるこの色は、古来より世界中で愛されてきたのだろう。名前の付いた黄緑だけでも、優に二十種類以上のサンプルが目の前に映し出されたのである。これだけあれば、輝夜さんのイメージに合う姉寄りの黄緑と、凛ちゃんのイメージに合う妹寄りの黄緑を、きっと見つけられるはず。僕は安堵の息を吐き、次の確認事項へ移った。
「ミーサが凜ちゃんに見せた名作動画は、二重スリットの動画だよね。それ以降も難しい科学の話題が続いたけど、凛ちゃんは首を傾げず講義を聴いていた。あれはミーサが、凛ちゃんをずっと助けていたからなんだって僕は感じたけど、どうかな」
「はい、そうです。ベータ崩壊の説明で講義が中断したことを凜は悔やんでいましたから、同じことが起きないよう私がイメージを送っていました。伝達手段が言葉のみなら時間が足りなかったでしょうが、凛とはイメージのやり取りが可能ですし、あの子はとても賢い子ですから、講義を楽しんでいましたね」
「ありがとうミーサ。優しく賢い妹を持てて、僕は幸せだよ」
僕としては素直な気持ちをそのまま伝えただけだったが、ミーサはお気に召さなかったらしい。
「お兄ちゃん、それは微妙な発言です。私が優しくも賢くもなかったら、お兄ちゃんは幸せではないのですか?」
改めて考えると、それは確かに微妙な発言だった。僕は神社に着くまでそれについて熟考し、そして熟考が過ぎるあまり、湖南盟約の見届け役としての仕事が残っていた事をすっかり忘れてしまっていた。AICAに促され車外へ出て、眼前に大石段が聳えているのを認めてようやく僕は、その仕事を思い出したのである。そんな僕へ、
「しっかりするにゃ眠留」
末吉が呆れ声を掛けた。キリッと締まった顔をしている今の末吉に、AICAの中で四肢を投げ出しグウグウ寝ていた面影はもう無い。盟約を締結させた誉れ高き正使として振舞う末吉に詫び、僕は己が頬を両手でパシッと叩いた。
「いい顔になったにゃ」
「サンキュー」
なんてやり取りをして、二人揃って石段を見上げた。僕らは頷き合い、湖南盟約の正使を先頭に、見届け役をその次にして石段を登ってゆく。そして最後の一段を登り終え、夜になり切る直前の境内を視界に収めた時、微妙な発言とミーサに言わせてしまった理由を僕は悟った。
大地を照らさなくなり四十分を経た日の光は、遥か高みの空にまだ届いているのだろう。暗さを感じさせない鮮やかな紺色に、空は彩られていた。鎮守の森は夜の漆黒に沈んでいても、境内にはまだ、天空の紺色がかすかに漂っていたのだ。その、淡く浮かび上がる境内の美しさに、僕は教えてもらったのである。美しさは幸せを、思い出させてくれるのだと。
物心つく前から、僕は境内が大好きだった。境内の隅に腰掛け、四季折々の景色を眺めているだけで、僕は幸せを感じていた。境内を貫く石畳を走り、その両側の玉砂利を踏みしめているだけで、僕の心は幸せ一杯になっていた。本質的にそれは今も変わらないが、翔人としての仕事や学校での生活が意識の表層を占めるようになるにつれ、境内がそこにあるだけで感じる幸せは、意識の下層へ追いやられていった。特別な出来事が起こらぬ限り、そうそう思い出さないものになって行ったのである。
その特別な出来事が、今起きた。それは漆黒の森に淡く浮かび上がる境内の美しさであり、そしてその美しさが、微妙な発言とミーサに言わせてしまった理由を教えてくれたのだ。その理由は、
――ミーサのいる幸せを忘れていた
という事だったのである。
いつも携帯しているAIと仲良くなり、兄と慕われるようになるのは幸せなことだ。そのAIをポケットから取り出し助言を求めるだけで、兄想いの妹が十全な手助けをしてくれるなんて、ちょっとやそっとじゃ手に入らない幸せに違いないだろう。なのに僕は、ミーサの優しさと賢さに触れるまで、その幸せを忘れていた。しかも凛ちゃんを介することでやっとそれが意識の表層に浮かんで来たのだから、僕は拗ねられて当然のダメ兄だったのである。湖南盟約の見届け役として境内を歩いていたから俯きこそしなかったが、息を吐く振りをして、僕は溜息をついた。
その溜息が、ある記憶を呼び覚ました。それはインハイから戻って来た翌日の早朝、どうしても漏れてしまう溜息を、様々な方法で誤魔化していた記憶だった。神社に生まれた身なのに、神聖な参道で溜息ばかりついている自分のダメっぷりを、恥じる気持ちが胸に広がってゆく。するとダメつながりでミーサのダメ兄だったことも蘇り、ミーサつながりであの日も「的外れもいいとこです」と強い口調で言われたことを、僕はやっと思い出した。よって直ちにそれを考察したかったのだけど、それは叶わなかった。玄関に着いた末吉と僕を迎え入れるべく、翔子姉さんと美鈴が引き戸を開けてくれた瞬間と重なってしまったのである。僕は心の中でミーサに詫び、見届け役としての自分で玄関をくぐった。
湖南盟約締結の報告は、大離れでなされた。上座中央の水晶とその両側の大吉と中吉へ、地域猫とエルフリーゼが結んだ盟約と、輝夜さんの祖父母と長老猫が交わした約束について、末吉は解りやすく話していった。その場の情景が脳裏に次々浮かんで来るのはもちろん、登場人物の人となりが胸にひしひしと伝わってくる末吉の報告は、頭の良さだけで成し得るものではない。末吉は明晰な頭脳と自由な発想力と深い人情の三要素を有する、末恐ろしい傑物だったのである。いや傑物どころか、高度な戦闘技術と強固な胆力も持っているのだから、末吉は将来、英雄や勇者として語り継がれる伝説の翔猫にきっとなるのだろう。それでいて正使としての義務をまっとうするや、いつもの「にゃあにゃあ言葉」に戻るのだから、家族としては堪ったものではない。将来が楽しみで仕方ない愛すべき末っ子へ向けるふにゃふにゃ顔に、大離れにいる全員がなっていた。
そんな末っ子に対し、残念過多な僕はこういう役目が苦手なのだけど、単なる見届け役にすぎなかったことに助けられ、及第点の仕事はできたと思う。末吉が務めを立派に果たしたことを簡潔に述べたのち、正面中央に座る水晶へ向けていた体を右へずらし、大離れの準上座に並んで座る祖父母へ、葉月さんと御両親が歩んできた道について話した。
「輝夜さんの祖父母は葉月さんをトンビの生んだ鷹とし、鷹の人生をトンビが捻じ曲げないことを第一に考え、暮らして来たそうです」
言葉に感情を込めず極力淡々と話すよう努めたつもりだったが、それは成就しなかった。
「凛ちゃんのイメージを色に譬えるなら、何色だとミーサは思う?」
「個人的には、黄緑ですね」
やはりそうかと眉間に皺を寄せた僕に、ミーサは黄緑に分類される様々な色を見せてくれた。瑞々しい春の若葉を連想させるこの色は、古来より世界中で愛されてきたのだろう。名前の付いた黄緑だけでも、優に二十種類以上のサンプルが目の前に映し出されたのである。これだけあれば、輝夜さんのイメージに合う姉寄りの黄緑と、凛ちゃんのイメージに合う妹寄りの黄緑を、きっと見つけられるはず。僕は安堵の息を吐き、次の確認事項へ移った。
「ミーサが凜ちゃんに見せた名作動画は、二重スリットの動画だよね。それ以降も難しい科学の話題が続いたけど、凛ちゃんは首を傾げず講義を聴いていた。あれはミーサが、凛ちゃんをずっと助けていたからなんだって僕は感じたけど、どうかな」
「はい、そうです。ベータ崩壊の説明で講義が中断したことを凜は悔やんでいましたから、同じことが起きないよう私がイメージを送っていました。伝達手段が言葉のみなら時間が足りなかったでしょうが、凛とはイメージのやり取りが可能ですし、あの子はとても賢い子ですから、講義を楽しんでいましたね」
「ありがとうミーサ。優しく賢い妹を持てて、僕は幸せだよ」
僕としては素直な気持ちをそのまま伝えただけだったが、ミーサはお気に召さなかったらしい。
「お兄ちゃん、それは微妙な発言です。私が優しくも賢くもなかったら、お兄ちゃんは幸せではないのですか?」
改めて考えると、それは確かに微妙な発言だった。僕は神社に着くまでそれについて熟考し、そして熟考が過ぎるあまり、湖南盟約の見届け役としての仕事が残っていた事をすっかり忘れてしまっていた。AICAに促され車外へ出て、眼前に大石段が聳えているのを認めてようやく僕は、その仕事を思い出したのである。そんな僕へ、
「しっかりするにゃ眠留」
末吉が呆れ声を掛けた。キリッと締まった顔をしている今の末吉に、AICAの中で四肢を投げ出しグウグウ寝ていた面影はもう無い。盟約を締結させた誉れ高き正使として振舞う末吉に詫び、僕は己が頬を両手でパシッと叩いた。
「いい顔になったにゃ」
「サンキュー」
なんてやり取りをして、二人揃って石段を見上げた。僕らは頷き合い、湖南盟約の正使を先頭に、見届け役をその次にして石段を登ってゆく。そして最後の一段を登り終え、夜になり切る直前の境内を視界に収めた時、微妙な発言とミーサに言わせてしまった理由を僕は悟った。
大地を照らさなくなり四十分を経た日の光は、遥か高みの空にまだ届いているのだろう。暗さを感じさせない鮮やかな紺色に、空は彩られていた。鎮守の森は夜の漆黒に沈んでいても、境内にはまだ、天空の紺色がかすかに漂っていたのだ。その、淡く浮かび上がる境内の美しさに、僕は教えてもらったのである。美しさは幸せを、思い出させてくれるのだと。
物心つく前から、僕は境内が大好きだった。境内の隅に腰掛け、四季折々の景色を眺めているだけで、僕は幸せを感じていた。境内を貫く石畳を走り、その両側の玉砂利を踏みしめているだけで、僕の心は幸せ一杯になっていた。本質的にそれは今も変わらないが、翔人としての仕事や学校での生活が意識の表層を占めるようになるにつれ、境内がそこにあるだけで感じる幸せは、意識の下層へ追いやられていった。特別な出来事が起こらぬ限り、そうそう思い出さないものになって行ったのである。
その特別な出来事が、今起きた。それは漆黒の森に淡く浮かび上がる境内の美しさであり、そしてその美しさが、微妙な発言とミーサに言わせてしまった理由を教えてくれたのだ。その理由は、
――ミーサのいる幸せを忘れていた
という事だったのである。
いつも携帯しているAIと仲良くなり、兄と慕われるようになるのは幸せなことだ。そのAIをポケットから取り出し助言を求めるだけで、兄想いの妹が十全な手助けをしてくれるなんて、ちょっとやそっとじゃ手に入らない幸せに違いないだろう。なのに僕は、ミーサの優しさと賢さに触れるまで、その幸せを忘れていた。しかも凛ちゃんを介することでやっとそれが意識の表層に浮かんで来たのだから、僕は拗ねられて当然のダメ兄だったのである。湖南盟約の見届け役として境内を歩いていたから俯きこそしなかったが、息を吐く振りをして、僕は溜息をついた。
その溜息が、ある記憶を呼び覚ました。それはインハイから戻って来た翌日の早朝、どうしても漏れてしまう溜息を、様々な方法で誤魔化していた記憶だった。神社に生まれた身なのに、神聖な参道で溜息ばかりついている自分のダメっぷりを、恥じる気持ちが胸に広がってゆく。するとダメつながりでミーサのダメ兄だったことも蘇り、ミーサつながりであの日も「的外れもいいとこです」と強い口調で言われたことを、僕はやっと思い出した。よって直ちにそれを考察したかったのだけど、それは叶わなかった。玄関に着いた末吉と僕を迎え入れるべく、翔子姉さんと美鈴が引き戸を開けてくれた瞬間と重なってしまったのである。僕は心の中でミーサに詫び、見届け役としての自分で玄関をくぐった。
湖南盟約締結の報告は、大離れでなされた。上座中央の水晶とその両側の大吉と中吉へ、地域猫とエルフリーゼが結んだ盟約と、輝夜さんの祖父母と長老猫が交わした約束について、末吉は解りやすく話していった。その場の情景が脳裏に次々浮かんで来るのはもちろん、登場人物の人となりが胸にひしひしと伝わってくる末吉の報告は、頭の良さだけで成し得るものではない。末吉は明晰な頭脳と自由な発想力と深い人情の三要素を有する、末恐ろしい傑物だったのである。いや傑物どころか、高度な戦闘技術と強固な胆力も持っているのだから、末吉は将来、英雄や勇者として語り継がれる伝説の翔猫にきっとなるのだろう。それでいて正使としての義務をまっとうするや、いつもの「にゃあにゃあ言葉」に戻るのだから、家族としては堪ったものではない。将来が楽しみで仕方ない愛すべき末っ子へ向けるふにゃふにゃ顔に、大離れにいる全員がなっていた。
そんな末っ子に対し、残念過多な僕はこういう役目が苦手なのだけど、単なる見届け役にすぎなかったことに助けられ、及第点の仕事はできたと思う。末吉が務めを立派に果たしたことを簡潔に述べたのち、正面中央に座る水晶へ向けていた体を右へずらし、大離れの準上座に並んで座る祖父母へ、葉月さんと御両親が歩んできた道について話した。
「輝夜さんの祖父母は葉月さんをトンビの生んだ鷹とし、鷹の人生をトンビが捻じ曲げないことを第一に考え、暮らして来たそうです」
言葉に感情を込めず極力淡々と話すよう努めたつもりだったが、それは成就しなかった。
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