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十五章
アトランティスの遺物、1
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輝夜さんの掌になるべく触れぬよう、周囲をつまんでペンダントを持ち上げる。雫型のペンダントは、縦3センチ、横2センチ半ほどの大きさだった。厚さは指先の感覚から、1センチに若干届かないといったところだろう。試しにペンダントを横向きにしてみる。予想どおりの厚さに、僕は一人相槌を打った。
ペンダントを表向きに戻し、鏡面仕上げの芸術性を今一度堪能してから、それを裏返す。ふと、子供のころ母に見せてもらった腕時計が脳裏をよぎった。腕時計の機能的需要はめっきり減ったが装飾品としてはまだ親しまれており、ファッション性に優れた腕時計を、女性は今でもしばしば身に付けている。母も一つだけ腕時計を持っていて、そのお洒落な外観と精巧な造りに魅了され、僕はそれをよく見せてもらっていた。その腕時計の裏側の造形と、ペンダントの裏側はそっくりだった。専用工具を用いないと開けられない、蝶番のない円盤の蓋が、そこに取りつけられていたのである。これが凛ちゃんの言っていた、内部と外部をつなぐ蓋なのだろう。中に物を入れられるペンダントをロケットと呼び、その観点からすればこれもロケットなのだろうが、そう呼ばなかった理由は一目瞭然だった。中に入れた想い出の品を見るため、ロケットは開けやすく作られているのが普通でも、この蓋は開けるのが困難だと一目で解る構造をしていたからだ。開けやすい構造だった場合を考慮し、裏側に触れぬよう注意して扱ってきたが、これなら指先でなぞっても凛ちゃんを恥ずかしがらせる事はないだろう。それでも触れるのは一回だけと自分に言い聞かせ、直径1センチちょっとの円盤を、僕は親指の先でなぞった。その瞬間、
「なっっ!!」
驚愕の声を僕は上げた。予想していた感触と、何もかもが違っていたのである。咄嗟に蓋を眼前に持って来て、強化視力を使った。
「違う、これはクロムメッキじゃない!」
大声に分類される声でそう口走るも、その失態が理性をたぐり寄せ、僕は許可を請うた。
「ハイ子でこの蓋を調査していいかな!」
くっきり頷く輝夜さんとキラッと輝いた凛ちゃんに礼を述べ、僕は大急ぎでズボンのポケットからハイ子を取り出した。
「ハイ子、熱伝導率を調べて!」
僕はハイ子のカメラをペンダントに向け、蓋に親指を置く。発泡スチロールを触った時の温かさを指先に感じて息を呑む僕に、ハイ子が報告した。
「簡易測定ですが、熱伝導率は0.03。発泡スチロールに等しい値です」
「そんな合金を作れるのか!?」
「美夜姉さんに協力して頂きましたが、AランクAIに開示された技術では不可能です」
脳の中心から放たれた電撃が全身の神経を駆け巡るのを感じつつ、再度命じる。
「次は摩擦係数、まずはこれを」
ペンダントを表向きにし、クロムメッキに親指を押し当ててなぞる。
「皮膚の歪み具合から、摩擦係数は0.2。標準値です」
「うろ覚えだけど、じいちゃんによると氷の約十倍がテフロン加工の摩擦係数で、硬質クロムメッキの鏡面仕上げはテフロン加工より数値が少し高い。これで合ってる?」
「はい、大雑把には合っています」
「なら次は、蓋だ!」
ペンダントを裏返し、さっきと同じ力で親指を押し当ててなぞると、明らかに興奮した声でハイ子は答えた。
「なんですかこれは有り得ません、摩擦係数0.0005、水膜氷晶の二十分の一の値です!」
「出雲に施されていた、摩擦係数を極端に下げる特殊コーティングは?」
僕は気づかなかったが、紫柳子さんの新忍道ショップで出雲を振った祖父によると、摩擦係数を極端に下げる特殊コーティングが刀身に施されている事も、出雲が超硬合金を豆腐の如く斬れる理由なのだと言う。とはいえその特殊コーティングをもってしても、氷の二十分の一というデタラメな数値に及ばない気はしていたが、可能性を根気よく減らしてゆくという検証の原則に則り、ミーサに一応尋ねてみたのである。しかし原則というものには従ってみるものだ。なぜなら、
「熱伝導率の計測中に行った簡易分光分析では、コーティング類は検出されませんでした。いえ、それどころか・・・」
ミーサの返答から、分光分析を既に行っていた事と、量子AIを戸惑わせる分析結果が出ていた事の、二つの情報を新たに得られたからである。よって僕は再度原則に則り、一つ目の情報を口に乗せた。
「おや、分光分析を終らせてくれていたんだね。ありがとう、ミーサ」
分光分析を超絶簡単に説明すると、放った光と返ってきた光の違いを調べる方法、になるだろう。例えば、「鉄はこの光とその光は吸収してもあの光は反射するという性質を持っていて、この物質はその性質にピッタリ符合しますから、鉄だと推測されます」みたいな感じだ。それをミーサが終わらせているなら、尋ねない手はない。だが戸惑っているのも確かなので詰問はせず、まずはお礼を穏やかに述べたのである。
「えっとあの、私はできる事をしたまでです」
恥ずかしさと嬉しさが等比で融和したミーサの声に、凛ちゃんが共感と応援の波長を纏った気がした。いやそれは、きっと事実だったのだろう。ミーサは自主的にバイブレーション機能を作動させたのち、凛ちゃんに届けとばかりに検査結果をハキハキ発表した。
「あくまで簡易ですが分析によると、この金属は純チタンと推測されます。ただ、不可解なデータが検出されました。私の測定ミスかもしれませんが、この純チタンには、酸化被膜が形成されていないのです」
僕は驚いたさい、目を見開き体を硬直させるのがお約束だ。けど今回は異なり、細めた瞼の内側で鋭い眼球移動をし、かつ腕を素早く動かして、空中に投影された最小化アイコンを叩いた。元の大きさに戻った「主要金属の標準電極電位一覧」の、チタンの数値を僕は読み上げる。
「チタンの標準電極電位は、マイナス1.63。金の1.52にマイナス表記を付けてもまだ足りないほどチタンの数値は低く、最も錆びやすい金属の一つなのに、この蓋のチタンは錆びてないんだね」
「はい、錆びていません。もちろん私の、測定ミスの可能性もあります」
「大丈夫、それは無いよ。そうそうミーサ、じいちゃんに教わったことを僕は今から諳んじる。訂正があったら言ってね」
深呼吸を一つして、僕は記憶を言葉にした。
「酸化したチタンは非常に安定していて、酸素を遮る性質がある。つまりチタンは錆びるのだけど、無色透明な錆が表面にできた途端それは酸素を遮る膜となり、それ以上の錆びを防いでくれる。ステンレスやクロムメッキが錆びない仕組みもチタンと同じで、内部を守るその膜が、ミーサの言った酸化被膜だ。どうかな?」
「訂正箇所はありません。お兄ちゃんさすがです!」
ミーサはちゃっかり、お兄ちゃんをバラしてしまった。だが心を見通す凛ちゃんを胡麻化すのは最初から不可能だし、というか多分、こういう事なのではないだろうか。
――僕の妹分と輝夜さんの妹分はさっきのやり取りで友達になり、そしてそれをお兄ちゃんを使うことで、ミーサは僕に知らせた――
もしそうなら、これほどうれしいことは滅多にない。しかも、
「ミーサちゃんの言うとおり、眠留くんすごい!」
★眠留さん、さすがです!★
輝夜さんと凛ちゃんが賑やかに拍手してくれたものだから、「お兄ちゃん」によって勃発するかもしれないヘンタイ騒動第二幕の恐怖を、僕はしばし忘れる事ができたのだった。
十五章、了
ペンダントを表向きに戻し、鏡面仕上げの芸術性を今一度堪能してから、それを裏返す。ふと、子供のころ母に見せてもらった腕時計が脳裏をよぎった。腕時計の機能的需要はめっきり減ったが装飾品としてはまだ親しまれており、ファッション性に優れた腕時計を、女性は今でもしばしば身に付けている。母も一つだけ腕時計を持っていて、そのお洒落な外観と精巧な造りに魅了され、僕はそれをよく見せてもらっていた。その腕時計の裏側の造形と、ペンダントの裏側はそっくりだった。専用工具を用いないと開けられない、蝶番のない円盤の蓋が、そこに取りつけられていたのである。これが凛ちゃんの言っていた、内部と外部をつなぐ蓋なのだろう。中に物を入れられるペンダントをロケットと呼び、その観点からすればこれもロケットなのだろうが、そう呼ばなかった理由は一目瞭然だった。中に入れた想い出の品を見るため、ロケットは開けやすく作られているのが普通でも、この蓋は開けるのが困難だと一目で解る構造をしていたからだ。開けやすい構造だった場合を考慮し、裏側に触れぬよう注意して扱ってきたが、これなら指先でなぞっても凛ちゃんを恥ずかしがらせる事はないだろう。それでも触れるのは一回だけと自分に言い聞かせ、直径1センチちょっとの円盤を、僕は親指の先でなぞった。その瞬間、
「なっっ!!」
驚愕の声を僕は上げた。予想していた感触と、何もかもが違っていたのである。咄嗟に蓋を眼前に持って来て、強化視力を使った。
「違う、これはクロムメッキじゃない!」
大声に分類される声でそう口走るも、その失態が理性をたぐり寄せ、僕は許可を請うた。
「ハイ子でこの蓋を調査していいかな!」
くっきり頷く輝夜さんとキラッと輝いた凛ちゃんに礼を述べ、僕は大急ぎでズボンのポケットからハイ子を取り出した。
「ハイ子、熱伝導率を調べて!」
僕はハイ子のカメラをペンダントに向け、蓋に親指を置く。発泡スチロールを触った時の温かさを指先に感じて息を呑む僕に、ハイ子が報告した。
「簡易測定ですが、熱伝導率は0.03。発泡スチロールに等しい値です」
「そんな合金を作れるのか!?」
「美夜姉さんに協力して頂きましたが、AランクAIに開示された技術では不可能です」
脳の中心から放たれた電撃が全身の神経を駆け巡るのを感じつつ、再度命じる。
「次は摩擦係数、まずはこれを」
ペンダントを表向きにし、クロムメッキに親指を押し当ててなぞる。
「皮膚の歪み具合から、摩擦係数は0.2。標準値です」
「うろ覚えだけど、じいちゃんによると氷の約十倍がテフロン加工の摩擦係数で、硬質クロムメッキの鏡面仕上げはテフロン加工より数値が少し高い。これで合ってる?」
「はい、大雑把には合っています」
「なら次は、蓋だ!」
ペンダントを裏返し、さっきと同じ力で親指を押し当ててなぞると、明らかに興奮した声でハイ子は答えた。
「なんですかこれは有り得ません、摩擦係数0.0005、水膜氷晶の二十分の一の値です!」
「出雲に施されていた、摩擦係数を極端に下げる特殊コーティングは?」
僕は気づかなかったが、紫柳子さんの新忍道ショップで出雲を振った祖父によると、摩擦係数を極端に下げる特殊コーティングが刀身に施されている事も、出雲が超硬合金を豆腐の如く斬れる理由なのだと言う。とはいえその特殊コーティングをもってしても、氷の二十分の一というデタラメな数値に及ばない気はしていたが、可能性を根気よく減らしてゆくという検証の原則に則り、ミーサに一応尋ねてみたのである。しかし原則というものには従ってみるものだ。なぜなら、
「熱伝導率の計測中に行った簡易分光分析では、コーティング類は検出されませんでした。いえ、それどころか・・・」
ミーサの返答から、分光分析を既に行っていた事と、量子AIを戸惑わせる分析結果が出ていた事の、二つの情報を新たに得られたからである。よって僕は再度原則に則り、一つ目の情報を口に乗せた。
「おや、分光分析を終らせてくれていたんだね。ありがとう、ミーサ」
分光分析を超絶簡単に説明すると、放った光と返ってきた光の違いを調べる方法、になるだろう。例えば、「鉄はこの光とその光は吸収してもあの光は反射するという性質を持っていて、この物質はその性質にピッタリ符合しますから、鉄だと推測されます」みたいな感じだ。それをミーサが終わらせているなら、尋ねない手はない。だが戸惑っているのも確かなので詰問はせず、まずはお礼を穏やかに述べたのである。
「えっとあの、私はできる事をしたまでです」
恥ずかしさと嬉しさが等比で融和したミーサの声に、凛ちゃんが共感と応援の波長を纏った気がした。いやそれは、きっと事実だったのだろう。ミーサは自主的にバイブレーション機能を作動させたのち、凛ちゃんに届けとばかりに検査結果をハキハキ発表した。
「あくまで簡易ですが分析によると、この金属は純チタンと推測されます。ただ、不可解なデータが検出されました。私の測定ミスかもしれませんが、この純チタンには、酸化被膜が形成されていないのです」
僕は驚いたさい、目を見開き体を硬直させるのがお約束だ。けど今回は異なり、細めた瞼の内側で鋭い眼球移動をし、かつ腕を素早く動かして、空中に投影された最小化アイコンを叩いた。元の大きさに戻った「主要金属の標準電極電位一覧」の、チタンの数値を僕は読み上げる。
「チタンの標準電極電位は、マイナス1.63。金の1.52にマイナス表記を付けてもまだ足りないほどチタンの数値は低く、最も錆びやすい金属の一つなのに、この蓋のチタンは錆びてないんだね」
「はい、錆びていません。もちろん私の、測定ミスの可能性もあります」
「大丈夫、それは無いよ。そうそうミーサ、じいちゃんに教わったことを僕は今から諳んじる。訂正があったら言ってね」
深呼吸を一つして、僕は記憶を言葉にした。
「酸化したチタンは非常に安定していて、酸素を遮る性質がある。つまりチタンは錆びるのだけど、無色透明な錆が表面にできた途端それは酸素を遮る膜となり、それ以上の錆びを防いでくれる。ステンレスやクロムメッキが錆びない仕組みもチタンと同じで、内部を守るその膜が、ミーサの言った酸化被膜だ。どうかな?」
「訂正箇所はありません。お兄ちゃんさすがです!」
ミーサはちゃっかり、お兄ちゃんをバラしてしまった。だが心を見通す凛ちゃんを胡麻化すのは最初から不可能だし、というか多分、こういう事なのではないだろうか。
――僕の妹分と輝夜さんの妹分はさっきのやり取りで友達になり、そしてそれをお兄ちゃんを使うことで、ミーサは僕に知らせた――
もしそうなら、これほどうれしいことは滅多にない。しかも、
「ミーサちゃんの言うとおり、眠留くんすごい!」
★眠留さん、さすがです!★
輝夜さんと凛ちゃんが賑やかに拍手してくれたものだから、「お兄ちゃん」によって勃発するかもしれないヘンタイ騒動第二幕の恐怖を、僕はしばし忘れる事ができたのだった。
十五章、了
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