537 / 934
十五章
その後のあれこれ
しおりを挟む
翌八月七日は、新生湖校新忍道部の活動初日となった。黛さんを部長に、竹中さんと菊池さんを副部長に頂いた僕ら新忍道部員十三名は、部員数が二名少なくなった寂しさを吹き飛ばすべく、三時間の訓練に没頭した。
部活終了後、芝生と疲労に関する中間報告をお弁当を食べながら行った。その結果、芝生での訓練は筋肉と靭帯の疲労を増加させ、骨の疲労を減少させることが判明した。体を柔らかく受け止めてくれる芝生は通常より素早い動作を可能にし、それが筋肉と靭帯の疲労を増大させるが、柔らかさは骨の振動を弱め、それが骨の疲労を軽減していたのである。僕はそれに危惧を覚え、北斗も同種の感覚を抱いたらしい。どうしたと問う黛さんへ、北斗が代表して答えた。
「骨の振動は、骨の成長を促します。骨の成長には長くなる、太くなる、密度が高くなるの三種類があり、二番目と三番目は老齢になっても促進可能ですが、一番目はそうではありません。胸腺の活発な成長期にのみ、骨は長くなるのです」
骨が太くなっても、身長は変わらない。身長を伸ばすには、骨を長くすることが必須なのである。成長期の男子にとって、背が高くなる機会を逃す以上にもったいないことは、ある意味ないと言えよう。張り詰めた空気が部室を満たすも、調査日数がまだ半分残っていることと、暫くは芝生と縁がないことから、結論を出すのは四日後となったのだった。
その翌日の八月八日、お盆休み前の豪華夕食会が去年同様開かれた。智樹と那須さんと香取さんが新たに加わった夕食会は、かけがえのない夏の思い出を今年も作ってくれた。中でも男子を狂喜させたのは女の子たちが花火タイムに披露した浴衣姿で、僕ら子猿軍団はどんなに頑張っても、ふにゃふにゃ顔を阻止する事ができなかった。
そのぶん花火寸劇は力が入り、去年以上の拍手を頂戴した。智樹の加入で実現した六人フォーメーションの花火体操は特に爆ウケし、「笑いすぎて汗かいちゃった」「胸元が乱れちゃった」という、お叱りなのか御褒美なのか定かでないお言葉を賜ることができた。浴衣美少女達のあまりの艶っぽさに、僕ら子猿軍団は完敗したのだった。
その女の子たちは去年同様、花火終了と共にそれぞれの場所に帰って行った。昴と芹沢さんのAICAは東へ向かい、輝夜さんのAICAは西へ向かい、そして湖校の寮は神社の西にあるので、那須さんと香取さんは輝夜さんのAICAに同乗していた。五人の女の子が一気にいなくなるのは、さすがに寂しい。今年は翔子姉さんが参加しなかったので京馬は特にこたえたらしく、足元にじゃれついた小吉を抱きかかえ夜空を見上げながら、翔子姉さんがどれほど美しかったかを語り聞かせていた。
夕食会の後片づけを去年は途中退場したが、今年は最後までやり通すことができた。いや、やり通すなんて御大層な物言いをするまでもなく、後片づけはあっという間に終わってしまった。通常の夕食会なら毎週開いており、そして男子は力仕事と後始末を精力的にこなしていたため、片付けスキルが飛躍的に伸びていたのである。今年五月から加わった智樹がそれに危機感を覚え、こんなんじゃお嫁に行けないと項垂れ大ウケしていたが、「なら私と一緒に花嫁修業をしましょう」と美鈴に笑いかけられるや、羨望の的に早変わりした。最も羨ましがっていたのは言うまでもなく真山で、というか羨ましいメーターが振り切りおかしくなったのか、「お盆に帰郷せず俺も花嫁修業をする!」などと宣い始めた。だがすかさず「テメエの修業は美鈴ちゃんに相応しい花婿になることだ!」と皆から突っ込まれ、真山は立っていられぬほど動揺していた。美鈴に関してだけは年齢相応になる真山の純粋さは、年に一度の豪華夕食会の最後を飾るに相応しい大爆笑を生んだのだった。
翌九日からお盆休みが始まった。猛は去年と同じく八日間帰郷したが、同郷の芹沢さんは撫子部の関係で四日後の十三日に戻ってきた。撫子全国大会は毎年八月下旬に開かれ、芹沢さんは将来の部長と目される等々の理由により、十四日から部に復帰したのである。もちろんそれは強制ではなく、お盆休みを丸々休む六年生の正選手もいると言う。部員達の自由裁量に任されているとはいえ、一年長を務める美鈴の兄としては、心配事が無いと言い切るのは不可能だった。
真山は故郷でどうしても外せない用事ができたらしく、自由日を加えた十一日間をお盆休みとしていた。これについても真山は僕だけに愚痴をこぼし、僕はそれがたまらなく嬉しかった。
京馬は「俺は日帰りでいいや」などとほざいていたが僕と北斗で説得し、三泊四日の帰省をどうにかこうにかさせる事ができた。ただその代わり、中日の十三日は去年同様遊びに来いと約束されられてしまった。させられたというのはもちろん冗談で京馬の御家族との再会は楽しくて仕方なかったし、また今回は美鈴も同行したので「妻が天に昇るほど喜んでいるよ」と、おじさんに幾度も言って頂けた。
智樹はお盆休みを同学年部員に追いつく好機と捉え、部活に打ち込んでいた。僕としては、二年生部員二十一名のうち智樹は一桁終盤にいると感じていたが、それは秘密にした。他者との比較で成長できるのはせいぜい二流までと、僕は信じていたのである。
そしてそれを、おそらく僕以上に信じている北斗は、お盆期間に謎の行動をしていた。正確には、北斗は今年の夏休みを確固たる目標を掲げて過ごしているらしく、お盆は特にそれへ傾注しているようだった。訊けば教えてくれたはずだが何となく憚られ、僕はそれを胸にしまっていた。
那須さんは八日間、香取さんは十一日間のお盆休みを取ると話していた。それについて二人は、「確定じゃないけど夏菜の葉山の別荘にお呼ばれするかも」「結の親御さんが寂しがるから絶対来てって言えなくて」という会話をつい先日までしていた。だがインハイを経て、「鳳さんに会いたいからどんな事があっても葉山に行く!」「ちょっと頭痛が・・・」に変わり、皆の笑いを誘っていた。鳳さんのような強烈な個性の持ち主は数多の霊験をもたらすので、クリエイターとしては居ても立ってもいられなかったのだろう。香取さんの作家の目が鳳さんをどう捉えるかに、僕は多大な興味を覚えていた。
昴は去年同様、一日も欠かさず翔薙刀術に励んでいた。天川邸に先日おじゃましたとき伺ったのだが、昴は父方と母方の祖父母に「命懸けの修業をしており帰省できません」と、二年連続で詫びたらしい。咄嗟に謝罪しようとした僕を制し、おじさんとおばさんは穏やかに言った。
「命懸けになれるのは幸せなことだ」
「眠留君、昴の修業を助けてあげてね」
この命に代えましてもとの即答を、「輝夜ちゃんとピッタリ同じことを言うのね」「まったくだ」と、おじさんとおばさんはとても喜んでいた。
輝夜さんも去年同様、一日も欠かさず翔薙刀術に励んでいた。
ただ輝夜さんに関しては、予期せぬ事態が発生した。
あろうことか僕はお盆休み中、輝夜さんの家を訪ねる事となったのである。
部活終了後、芝生と疲労に関する中間報告をお弁当を食べながら行った。その結果、芝生での訓練は筋肉と靭帯の疲労を増加させ、骨の疲労を減少させることが判明した。体を柔らかく受け止めてくれる芝生は通常より素早い動作を可能にし、それが筋肉と靭帯の疲労を増大させるが、柔らかさは骨の振動を弱め、それが骨の疲労を軽減していたのである。僕はそれに危惧を覚え、北斗も同種の感覚を抱いたらしい。どうしたと問う黛さんへ、北斗が代表して答えた。
「骨の振動は、骨の成長を促します。骨の成長には長くなる、太くなる、密度が高くなるの三種類があり、二番目と三番目は老齢になっても促進可能ですが、一番目はそうではありません。胸腺の活発な成長期にのみ、骨は長くなるのです」
骨が太くなっても、身長は変わらない。身長を伸ばすには、骨を長くすることが必須なのである。成長期の男子にとって、背が高くなる機会を逃す以上にもったいないことは、ある意味ないと言えよう。張り詰めた空気が部室を満たすも、調査日数がまだ半分残っていることと、暫くは芝生と縁がないことから、結論を出すのは四日後となったのだった。
その翌日の八月八日、お盆休み前の豪華夕食会が去年同様開かれた。智樹と那須さんと香取さんが新たに加わった夕食会は、かけがえのない夏の思い出を今年も作ってくれた。中でも男子を狂喜させたのは女の子たちが花火タイムに披露した浴衣姿で、僕ら子猿軍団はどんなに頑張っても、ふにゃふにゃ顔を阻止する事ができなかった。
そのぶん花火寸劇は力が入り、去年以上の拍手を頂戴した。智樹の加入で実現した六人フォーメーションの花火体操は特に爆ウケし、「笑いすぎて汗かいちゃった」「胸元が乱れちゃった」という、お叱りなのか御褒美なのか定かでないお言葉を賜ることができた。浴衣美少女達のあまりの艶っぽさに、僕ら子猿軍団は完敗したのだった。
その女の子たちは去年同様、花火終了と共にそれぞれの場所に帰って行った。昴と芹沢さんのAICAは東へ向かい、輝夜さんのAICAは西へ向かい、そして湖校の寮は神社の西にあるので、那須さんと香取さんは輝夜さんのAICAに同乗していた。五人の女の子が一気にいなくなるのは、さすがに寂しい。今年は翔子姉さんが参加しなかったので京馬は特にこたえたらしく、足元にじゃれついた小吉を抱きかかえ夜空を見上げながら、翔子姉さんがどれほど美しかったかを語り聞かせていた。
夕食会の後片づけを去年は途中退場したが、今年は最後までやり通すことができた。いや、やり通すなんて御大層な物言いをするまでもなく、後片づけはあっという間に終わってしまった。通常の夕食会なら毎週開いており、そして男子は力仕事と後始末を精力的にこなしていたため、片付けスキルが飛躍的に伸びていたのである。今年五月から加わった智樹がそれに危機感を覚え、こんなんじゃお嫁に行けないと項垂れ大ウケしていたが、「なら私と一緒に花嫁修業をしましょう」と美鈴に笑いかけられるや、羨望の的に早変わりした。最も羨ましがっていたのは言うまでもなく真山で、というか羨ましいメーターが振り切りおかしくなったのか、「お盆に帰郷せず俺も花嫁修業をする!」などと宣い始めた。だがすかさず「テメエの修業は美鈴ちゃんに相応しい花婿になることだ!」と皆から突っ込まれ、真山は立っていられぬほど動揺していた。美鈴に関してだけは年齢相応になる真山の純粋さは、年に一度の豪華夕食会の最後を飾るに相応しい大爆笑を生んだのだった。
翌九日からお盆休みが始まった。猛は去年と同じく八日間帰郷したが、同郷の芹沢さんは撫子部の関係で四日後の十三日に戻ってきた。撫子全国大会は毎年八月下旬に開かれ、芹沢さんは将来の部長と目される等々の理由により、十四日から部に復帰したのである。もちろんそれは強制ではなく、お盆休みを丸々休む六年生の正選手もいると言う。部員達の自由裁量に任されているとはいえ、一年長を務める美鈴の兄としては、心配事が無いと言い切るのは不可能だった。
真山は故郷でどうしても外せない用事ができたらしく、自由日を加えた十一日間をお盆休みとしていた。これについても真山は僕だけに愚痴をこぼし、僕はそれがたまらなく嬉しかった。
京馬は「俺は日帰りでいいや」などとほざいていたが僕と北斗で説得し、三泊四日の帰省をどうにかこうにかさせる事ができた。ただその代わり、中日の十三日は去年同様遊びに来いと約束されられてしまった。させられたというのはもちろん冗談で京馬の御家族との再会は楽しくて仕方なかったし、また今回は美鈴も同行したので「妻が天に昇るほど喜んでいるよ」と、おじさんに幾度も言って頂けた。
智樹はお盆休みを同学年部員に追いつく好機と捉え、部活に打ち込んでいた。僕としては、二年生部員二十一名のうち智樹は一桁終盤にいると感じていたが、それは秘密にした。他者との比較で成長できるのはせいぜい二流までと、僕は信じていたのである。
そしてそれを、おそらく僕以上に信じている北斗は、お盆期間に謎の行動をしていた。正確には、北斗は今年の夏休みを確固たる目標を掲げて過ごしているらしく、お盆は特にそれへ傾注しているようだった。訊けば教えてくれたはずだが何となく憚られ、僕はそれを胸にしまっていた。
那須さんは八日間、香取さんは十一日間のお盆休みを取ると話していた。それについて二人は、「確定じゃないけど夏菜の葉山の別荘にお呼ばれするかも」「結の親御さんが寂しがるから絶対来てって言えなくて」という会話をつい先日までしていた。だがインハイを経て、「鳳さんに会いたいからどんな事があっても葉山に行く!」「ちょっと頭痛が・・・」に変わり、皆の笑いを誘っていた。鳳さんのような強烈な個性の持ち主は数多の霊験をもたらすので、クリエイターとしては居ても立ってもいられなかったのだろう。香取さんの作家の目が鳳さんをどう捉えるかに、僕は多大な興味を覚えていた。
昴は去年同様、一日も欠かさず翔薙刀術に励んでいた。天川邸に先日おじゃましたとき伺ったのだが、昴は父方と母方の祖父母に「命懸けの修業をしており帰省できません」と、二年連続で詫びたらしい。咄嗟に謝罪しようとした僕を制し、おじさんとおばさんは穏やかに言った。
「命懸けになれるのは幸せなことだ」
「眠留君、昴の修業を助けてあげてね」
この命に代えましてもとの即答を、「輝夜ちゃんとピッタリ同じことを言うのね」「まったくだ」と、おじさんとおばさんはとても喜んでいた。
輝夜さんも去年同様、一日も欠かさず翔薙刀術に励んでいた。
ただ輝夜さんに関しては、予期せぬ事態が発生した。
あろうことか僕はお盆休み中、輝夜さんの家を訪ねる事となったのである。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
奇怪な街にアリアX
結局は俗物( ◠‿◠ )
キャラ文芸
研究者・白兎によって生み出された半人造人間・アレイドと、3人の下僕を連れた鬼一族に嫁いだ女・彼岸が殺伐とした都市オウルシティで依頼人や復讐のためにあれこれする話。 章構成があまり定まってない。 暴力・流血・触法表現。
不定期更新。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
彩鬼万華鏡奇譚 天の足夜のきせきがたり
響 蒼華
キャラ文芸
元は令嬢だったあやめは、現在、女中としてある作家の家で働いていた。
紡ぐ文章は美しく、されど生活能力皆無な締め切り破りの問題児である玄鳥。
手のかかる雇い主の元の面倒見ながら忙しく過ごす日々、ある時あやめは一つの万華鏡を見つける。
持ち主を失ってから色を無くした、何も映さない万華鏡。
その日から、月の美しい夜に玄鳥は物語をあやめに聞かせるようになる。
彩の名を持つ鬼と人との不思議な恋物語、それが語られる度に万華鏡は色を取り戻していき……。
過去と現在とが触れあい絡めとりながら、全ては一つへと収束していく――。
※時代設定的に、現代では女性蔑視や差別など不適切とされる表現等がありますが、差別や偏見を肯定する意図はありません。
イラスト:Suico 様
全校転移!異能で異世界を巡る!?
小説愛好家
ファンタジー
全校集会中に地震に襲われ、魔法陣が出現し、眩い光が体育館全体を呑み込み俺は気絶した。
目覚めるとそこは大聖堂みたいな場所。
周りを見渡すとほとんどの人がまだ気絶をしていてる。
取り敢えず異世界転移だと仮定してステータスを開こうと試みる。
「ステータスオープン」と唱えるとステータスが表示された。「『異能』?なにこれ?まぁいいか」
取り敢えず異世界に転移したってことで間違いなさそうだな、テンプレ通り行くなら魔王討伐やらなんやらでめんどくさそうだし早々にここを出たいけどまぁ成り行きでなんとかなるだろ。
そんな感じで異世界転移を果たした主人公が圧倒的力『異能』を使いながら世界を旅する物語。
忍チューバー 竹島奪還!!……する気はなかったんです~
ma-no
キャラ文芸
某有名動画サイトで100億ビューを達成した忍チューバーこと田中半荘が漂流生活の末、行き着いた島は日本の島ではあるが、韓国が実効支配している「竹島」。
日本人がそんな島に漂着したからには騒動勃発。両国の軍隊、政治家を……いや、世界中のファンを巻き込んだ騒動となるのだ。
どうする忍チューバ―? 生きて日本に帰れるのか!?
注 この物語は、コメディーでフィクションでファンタジーです。登場する人物、団体、名称、歴史等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
ですので、歴史認識に関する質問、意見等には一切お答えしませんのであしからず。
❓第3回キャラ文芸大賞にエントリーしました❓
よろしければ一票を入れてください!
よろしくお願いします。
速達配達人 ポストアタッカー 4 サバイバルファミリー 〜サトミ、除隊失敗する〜
LLX
キャラ文芸
バトルアクション。
ポストアタッカーのサトミ・ブラッドリー15才は、メレテ共和国の殲滅部隊タナトスの元隊長。
現在はロンド郵便局の速達業務を行うポストエクスプレスのポストアタッカー。
ある日、彼は夢で行方知れずだった妹と、ようやく再会する。
やっと家族と再会出来るかと思ったが、しかしなかなか家族は家に帰ってこない。
なぜだ?!それはお母ちゃんがダメダメだから。
つか、『サトミちゃんなら大丈夫!』超超放任主義の親であった。
一方その頃、隣国アルケーに潜伏していたメレテ情報部員エアーは、ある情報を掴んだ時に潜伏先に踏み込まれ、その後追っ手に逮捕されてしまう。
命ギリギリのラインで彼がもたらした情報、それは核輸送の情報だった。
軍上層部はエアーを救うため、戦時中捕虜にしていたアルケーの国防大臣の息子ガレットと交換にエアーを救おうと画策する。
しかしガレットは交換場所に向かう途中、かつての部下たちに救われ、脱走してしまう。
しかし彼はアルケーに帰らず、メレテ国内に潜伏し、復讐のためにある人物を探し始めた。
それは、自分を捕らえた上に部隊を殲滅寸前まで追い込んだ、背中に棒を背負った少年兵、サトミのことだった。
そんな事などつゆ知らず、サトミは通常業務。
しかし配達中に出会ったギルティが、彼に重大な秘密を暴露する。
果たして彼は愛する家族や可愛い妹に会えるのか?
殺し屋集団タナトスに出された命令、『生け捕り』は果たして成功するのか?
息を呑むような呑まないような、タナトスに「殺すな」の命令。
戸惑う彼らを、久しぶりにまとめ上げる事になってしまったサトミ。
ちょっと長めの今回ですが、出来れば最後までお楽しんで頂けたら小躍りします。
それではお楽しみ下さいませ。
**各話あとがきは、近況ボードをお読み下さい。
表紙絵、ご @go_e_0000 様
八百万の学校 其の参
浅井 ことは
キャラ文芸
書籍化作品✨神様の学校 八百万ご指南いたします✨の旧題、八百万(かみさま)の学校。参となります。
十七代当主となった翔平と勝手に双子設定された火之迦具土神と祖父母と一緒に暮らしながら、やっと大学生になったのにも関わらず、大国主命や八意永琳の連れてくる癖のある神様たちに四苦八苦。
生徒として現代のことを教える
果たして今度は如何に──
ドタバタほのぼのコメディとなります。
異世界帰りの底辺配信者のオッサンが、超人気配信者の美女達を助けたら、セレブ美女たちから大国の諜報機関まであらゆる人々から追われることになる話
kaizi
ファンタジー
※しばらくは毎日(17時)更新します。
※この小説はカクヨム様、小説家になろう様にも掲載しております。
※カクヨム週間総合ランキング2位、ジャンル別週間ランキング1位獲得
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
異世界帰りのオッサン冒険者。
二見敬三。
彼は異世界で英雄とまで言われた男であるが、数ヶ月前に現実世界に帰還した。
彼が異世界に行っている間に現実世界にも世界中にダンジョンが出現していた。
彼は、現実世界で生きていくために、ダンジョン配信をはじめるも、その配信は見た目が冴えないオッサンということもあり、全くバズらない。
そんなある日、超人気配信者のS級冒険者パーティを助けたことから、彼の生活は一変する。
S級冒険者の美女たちから迫られて、さらには大国の諜報機関まで彼の存在を危険視する始末……。
オッサンが無自覚に世界中を大騒ぎさせる!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる