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十四章
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「はい、不十分です。颯、皆さんへ直接伝えなさい」
「はい、姉ちゃん!」
霞むほど素早く尾を振り耳をピンと立て、そして渚さんを姉ちゃんと呼び、颯太君は応えた。そう、この状態にすることを、僕らは超難問と感じていた。最愛の姉が自分のために研究学校入学を断念したのは、たとえそれが二年半前のことだろうと、颯太君を俯かせずにはいられない出来事だった。それは、仕方ないことだと思う。だがその状態のまま、颯太君に次の質問をさせたくはなかった。肩を落とした颯太君ではなく、未来への希望にはち切れんばかりの颯太君で、それを問うてほしかった。従業員用語の姉や姉さんではなく、いつもの「姉ちゃん」を使って僕らに話しかける颯太君を家族に見てもらいたかった。なぜなら、渚さんと両親と祖父母はこれから、湖校新忍道部と絆を結ぶ末っ子の姿を、その胸に刻むからである。そしてついに、家族の愛を一身に集めた末っ子が、未来へ羽ばたいた。
「僕は、湖校生になりたいんです。皆さんの新忍道部に、入りたいんです!」
真田さんはそれを受け、男らしさの極みたる首肯をした。
荒海さんも、群れが大きくなった瞬間の狼の面差しで頷いていた。
そんなお二人の姿に、安堵の想いが全身を満たしてゆく。僕は颯太君に明瞭な返答をしてあげられないけど、それはお二人が解決してくれる。颯太君にとっても御家族にとっても僕らにとっても、お二人は最良の選択をしてくれる。真田さんと荒海さんに、全て任せればいいんだ。そう考えた僕は緊張を芯からほどき、安堵の息をついたのである。
が、僕は甘かった。僕は安心したのではなく、油断しただけだった。いや甘い以上に、僕は人として未熟だった。新たな戦友が加わるのに思考を放棄するなど、お子様にも程があったのである。よって真田さんと荒海さんは、僕に甘さと未熟さを自覚させることを、この場における最良の選択とした。つまり、
「眠留、答えろ」
「そうだな、眠留が一番、颯太君に解りやすく説明できるな」
お二人は颯太君への返答役に、僕を選んだのだ。頭が真っ白になった僕はお約束の「ええっっ!」すら言えず、まるで時が止まったように、ただただ口をポカンと開けていた。するとお二人は、なぜか眼差しで「でかした」と僕を褒めたのち、打ち解けた気配をその身にまとった。
「颯太君、まずは安心してほしい。六年生の俺や荒海は颯太君の質問に答えられても、二年生の眠留は、まだそれを言葉にできないんだ。もし颯太君が、考えても考えても正解が分からず落ち込みそうになっても、二年生にすら難しいのだから凹む必要は無いのだと、思ってほしい」
颯太君の質問に、僕はいかなる回答もできなかった。けど、今この瞬間に僕が何をすべきかなら、絶対的な自信があった。僕は頭をポリポリ掻き、にへらっと間抜け顔で笑った。板間に笑いの大爆発が発生した。その爆風に乗り飛翔した颯太君は、もう凹みませんと高らかに宣言した。荒海さんはそんな颯太君へ満足げに頷いたのち、生来の面倒見の良さを僕に向けてくれた。
「眠留、俺と真田に含みはない。あれを最も分かりやすく説明できるのはお前だと、俺達は偽りなく思っている。だが真田の言うとおり、あれを言葉にするのは難しい。だから、猶予をやろう。三日後の昼食終了までに、考えておけ」
「はい、その時刻までに回答可能な自分になります!」
確たる自信を胸に、僕は荒海さんへ敬礼した。北斗と京馬も、僕とピッタリ揃って敬礼を捧げていた。そうこれが、確たる自信を持てた理由。僕一人では無理でも、僕には仲間がいる。北斗と京馬という最高のヤツらが、僕にはいてくれるのだ。
そう思った途端、回答の半分が脳裏を駆け抜けて行った。それは解ってしまえば、拍子抜けするほど簡単なことだったのである。すると仕組みは定かでないが残り半分も続けて閃きそうになったが、この場所で過ごす時間が終わってしまった事もあり、それは手元をすり抜けどこかへ行ってしまった。
けど、それでいい。残り半分には猶予があるのだから、焦らずじっくり考えればいい。今はそれより、
「「皆さん、ありがとうございました!」」
未来への希望一色に染まった笑顔で声を揃えた姉弟と、その姉弟の後ろで僕らに手を合わせていた四人の家族と共に、この素晴らしい時間を共有できた喜びを、僕は噛みしめたのだった。
皆と過ごした宝石のような時間が、消化を促進させたのだろう。腹八分目で食事を終えたのと同じ状態になっていた僕らは軽やかに腰を上げ、二階へ戻って行った。そして各々自由に暫し過ごしたのち、入浴セットを片手に皆で温泉へ向かった。そう有難いことに、ここは温泉を楽しめる旅館だったのだ。北斗によるとアルカリ性単純温泉に分類されるらしく、美肌と神経鎮静に効果があるとの事だった。家族旅行と縁のない家に生まれた僕にとって、これは小学校の修学旅行に続く、人生二度目の温泉だった。だから比較対象が少なすぎ、この温泉が特殊なのかそれとも普通なのか判断できないが、それでも前回の硫黄の臭いとはまるで違う、森の土の香りがするこの温泉を僕はすこぶる気に入った。そのせいでついつい長湯してしまい、
「うう~ん、まだ天井が回ってるよ~」
僕は湯あたりになってしまったのである。羞恥に身悶えする僕に、京馬が更なる鞭を放つ。
「ギャハハ、温泉慣れしていないのにあんな長湯をして、そして湯あたりを見事引き当てるなんて、眠留はお約束野郎の鑑だな!」
お願いだからその辺で許して~、との心の叫びを感じ取ったのか、北斗が話題を替えてくれた。
「湯あたりには温泉成分が合わない場合と、温泉の効能で好転反応が現れた場合の、二種類がある。明日の朝になってもその症状が続いているなら成分が合わないという事だから、温泉は諦めるんだな」
「えっ、嫌だよ。だって僕、人生二度目の温泉を、楽しみにしてたんだよ!」
なんて感じにいつもの僕らでいられたのは、嬉しい限りなんだけどね。しかもその上、
「眠留くん、湯あたり大丈夫?」
「うん、横になっていれば平気だよ。夏の高原の夜風が、すっごく気持ちいいんだ」
「なにそれ羨ましい! ああ薙刀も、長野開催だったら良かったのになあ」
輝夜さんと久しぶりにこうして長電話できたのだから、湯あたりへの感謝すら僕は抱いていたのだった。
僕と輝夜さんは去年の五月上旬から七月中旬まで、寝る前の十数分を電話でのおしゃべりに毎晩必ず充てていた。それは至福の時間であり、できれば一生続けていきたかったのだけど、夏休み中は僕の就寝時間が午後六時になったため諦めるしかなかった。また夏休みが明けた九月一日以降も、諸事情により様々な人達が僕を気遣い就寝前に電話を掛けてくれるようになった関係で、輝夜さんとの電話は引き続き諦めるしかなかった。その代わり僕らは朝のおしゃべりに力を注ぎ、そしてそれも至福という他ない時間だったから、僕らは知らず知らずのうちに、誰もいない早朝の境内で二人っきりの時間を過ごしさえすれば満ち足りた気持ちを共有できるようになっていた。とまあこんな感じで最近はとんと電話をしていなかったのだけど、長野と金沢という遠い場所に離れていてもこうして言葉を交わし心を通わせられると言うのは、問答無用で素敵なことだったのである。さらに加えて、
「あっ、昴が帰ってきた。昴に代わるね!」
「はい、姉ちゃん!」
霞むほど素早く尾を振り耳をピンと立て、そして渚さんを姉ちゃんと呼び、颯太君は応えた。そう、この状態にすることを、僕らは超難問と感じていた。最愛の姉が自分のために研究学校入学を断念したのは、たとえそれが二年半前のことだろうと、颯太君を俯かせずにはいられない出来事だった。それは、仕方ないことだと思う。だがその状態のまま、颯太君に次の質問をさせたくはなかった。肩を落とした颯太君ではなく、未来への希望にはち切れんばかりの颯太君で、それを問うてほしかった。従業員用語の姉や姉さんではなく、いつもの「姉ちゃん」を使って僕らに話しかける颯太君を家族に見てもらいたかった。なぜなら、渚さんと両親と祖父母はこれから、湖校新忍道部と絆を結ぶ末っ子の姿を、その胸に刻むからである。そしてついに、家族の愛を一身に集めた末っ子が、未来へ羽ばたいた。
「僕は、湖校生になりたいんです。皆さんの新忍道部に、入りたいんです!」
真田さんはそれを受け、男らしさの極みたる首肯をした。
荒海さんも、群れが大きくなった瞬間の狼の面差しで頷いていた。
そんなお二人の姿に、安堵の想いが全身を満たしてゆく。僕は颯太君に明瞭な返答をしてあげられないけど、それはお二人が解決してくれる。颯太君にとっても御家族にとっても僕らにとっても、お二人は最良の選択をしてくれる。真田さんと荒海さんに、全て任せればいいんだ。そう考えた僕は緊張を芯からほどき、安堵の息をついたのである。
が、僕は甘かった。僕は安心したのではなく、油断しただけだった。いや甘い以上に、僕は人として未熟だった。新たな戦友が加わるのに思考を放棄するなど、お子様にも程があったのである。よって真田さんと荒海さんは、僕に甘さと未熟さを自覚させることを、この場における最良の選択とした。つまり、
「眠留、答えろ」
「そうだな、眠留が一番、颯太君に解りやすく説明できるな」
お二人は颯太君への返答役に、僕を選んだのだ。頭が真っ白になった僕はお約束の「ええっっ!」すら言えず、まるで時が止まったように、ただただ口をポカンと開けていた。するとお二人は、なぜか眼差しで「でかした」と僕を褒めたのち、打ち解けた気配をその身にまとった。
「颯太君、まずは安心してほしい。六年生の俺や荒海は颯太君の質問に答えられても、二年生の眠留は、まだそれを言葉にできないんだ。もし颯太君が、考えても考えても正解が分からず落ち込みそうになっても、二年生にすら難しいのだから凹む必要は無いのだと、思ってほしい」
颯太君の質問に、僕はいかなる回答もできなかった。けど、今この瞬間に僕が何をすべきかなら、絶対的な自信があった。僕は頭をポリポリ掻き、にへらっと間抜け顔で笑った。板間に笑いの大爆発が発生した。その爆風に乗り飛翔した颯太君は、もう凹みませんと高らかに宣言した。荒海さんはそんな颯太君へ満足げに頷いたのち、生来の面倒見の良さを僕に向けてくれた。
「眠留、俺と真田に含みはない。あれを最も分かりやすく説明できるのはお前だと、俺達は偽りなく思っている。だが真田の言うとおり、あれを言葉にするのは難しい。だから、猶予をやろう。三日後の昼食終了までに、考えておけ」
「はい、その時刻までに回答可能な自分になります!」
確たる自信を胸に、僕は荒海さんへ敬礼した。北斗と京馬も、僕とピッタリ揃って敬礼を捧げていた。そうこれが、確たる自信を持てた理由。僕一人では無理でも、僕には仲間がいる。北斗と京馬という最高のヤツらが、僕にはいてくれるのだ。
そう思った途端、回答の半分が脳裏を駆け抜けて行った。それは解ってしまえば、拍子抜けするほど簡単なことだったのである。すると仕組みは定かでないが残り半分も続けて閃きそうになったが、この場所で過ごす時間が終わってしまった事もあり、それは手元をすり抜けどこかへ行ってしまった。
けど、それでいい。残り半分には猶予があるのだから、焦らずじっくり考えればいい。今はそれより、
「「皆さん、ありがとうございました!」」
未来への希望一色に染まった笑顔で声を揃えた姉弟と、その姉弟の後ろで僕らに手を合わせていた四人の家族と共に、この素晴らしい時間を共有できた喜びを、僕は噛みしめたのだった。
皆と過ごした宝石のような時間が、消化を促進させたのだろう。腹八分目で食事を終えたのと同じ状態になっていた僕らは軽やかに腰を上げ、二階へ戻って行った。そして各々自由に暫し過ごしたのち、入浴セットを片手に皆で温泉へ向かった。そう有難いことに、ここは温泉を楽しめる旅館だったのだ。北斗によるとアルカリ性単純温泉に分類されるらしく、美肌と神経鎮静に効果があるとの事だった。家族旅行と縁のない家に生まれた僕にとって、これは小学校の修学旅行に続く、人生二度目の温泉だった。だから比較対象が少なすぎ、この温泉が特殊なのかそれとも普通なのか判断できないが、それでも前回の硫黄の臭いとはまるで違う、森の土の香りがするこの温泉を僕はすこぶる気に入った。そのせいでついつい長湯してしまい、
「うう~ん、まだ天井が回ってるよ~」
僕は湯あたりになってしまったのである。羞恥に身悶えする僕に、京馬が更なる鞭を放つ。
「ギャハハ、温泉慣れしていないのにあんな長湯をして、そして湯あたりを見事引き当てるなんて、眠留はお約束野郎の鑑だな!」
お願いだからその辺で許して~、との心の叫びを感じ取ったのか、北斗が話題を替えてくれた。
「湯あたりには温泉成分が合わない場合と、温泉の効能で好転反応が現れた場合の、二種類がある。明日の朝になってもその症状が続いているなら成分が合わないという事だから、温泉は諦めるんだな」
「えっ、嫌だよ。だって僕、人生二度目の温泉を、楽しみにしてたんだよ!」
なんて感じにいつもの僕らでいられたのは、嬉しい限りなんだけどね。しかもその上、
「眠留くん、湯あたり大丈夫?」
「うん、横になっていれば平気だよ。夏の高原の夜風が、すっごく気持ちいいんだ」
「なにそれ羨ましい! ああ薙刀も、長野開催だったら良かったのになあ」
輝夜さんと久しぶりにこうして長電話できたのだから、湯あたりへの感謝すら僕は抱いていたのだった。
僕と輝夜さんは去年の五月上旬から七月中旬まで、寝る前の十数分を電話でのおしゃべりに毎晩必ず充てていた。それは至福の時間であり、できれば一生続けていきたかったのだけど、夏休み中は僕の就寝時間が午後六時になったため諦めるしかなかった。また夏休みが明けた九月一日以降も、諸事情により様々な人達が僕を気遣い就寝前に電話を掛けてくれるようになった関係で、輝夜さんとの電話は引き続き諦めるしかなかった。その代わり僕らは朝のおしゃべりに力を注ぎ、そしてそれも至福という他ない時間だったから、僕らは知らず知らずのうちに、誰もいない早朝の境内で二人っきりの時間を過ごしさえすれば満ち足りた気持ちを共有できるようになっていた。とまあこんな感じで最近はとんと電話をしていなかったのだけど、長野と金沢という遠い場所に離れていてもこうして言葉を交わし心を通わせられると言うのは、問答無用で素敵なことだったのである。さらに加えて、
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