375 / 934
十一章
2
しおりを挟む
僕と昴は数千年の歳月を、姉弟として過ごしてきた。面と向かって確認したことは無いが、昴もそれを感じているはずだ。幼い頃は姉が弟を守り、長じては弟が姉を守るという数千年が、僕らにはある。世話を焼かずにはいられなかった幼い弟が頼もしい大人へ成長してゆく喜びを、世話を掛け通しだった姉に恩返しができる喜びを、この数千年間、僕と昴はずっと味わってきたのだ。その、守る立場と守られる立場を入れ替えて来たまさしくその時期に、僕らはいる。体格面における男女の優位性が逆転する第二次成長期に、保護者と被保護者を交換してきた僕らは、最も近しい家族であると同時に最も近しい異性として相手を感じ、そしてそれを姉弟愛に昇華させてきた。異性としての想いを相手にほんのり抱くも、それとは比較にならぬほど大きな姉弟愛があったお蔭で、その想いを姉弟の絆を深める糧にすることができた。数千年間続けてきたその時期の真っただ中に、僕らはいるのである。
だが、今回は違った。僕と昴は幼稚園入園日に出会った、姉弟同然の幼馴染でしかなかった。いや、厳密にはそれは違う。出会ってからの二年間、僕は昴だけの僕で、昴は僕だけの昴だった。大きくなったら眠留のお嫁さんになるのと微笑む昴に、結婚してずっと一緒にいようねと微笑み返すのが、僕らの最初の関係だった。そしてそれは今回に限り可能だった。僕らは互いが望むなら、結ばれることができた。今生の僕らに、それを阻む血縁関係はなかったのである。だからどうしても、ブレーキが効いてくれない。限りない愛情を注ぐ異性であっても姉弟なのだという抑制が、今回はうまく働いてくれない。それどころか、逆流現象すら起きていた。異性としての想いを姉弟愛へ昇華させるという流れが逆転し、無尽蔵の姉弟愛が異性愛へ返還されてゆくという現象が僕らの間に起きていた。それは僕らを苦しめた。だが、それだけではなかった。最高の姉弟が最高の異性だったことに喜びを覚えただけではなかったように、今の僕らの状態は、苦しみだけをもたらしたのではなかった。待ち合わせ場所の銀杏の木の下で、互いが互いを最愛の異性とする状態に一瞬なることは、数千年の願いが成就した、まごうことなき歓喜の瞬間に他ならなかったのである。
それを噛みしめつつ、僕らはしばし無言で歩いた。右側から聞こえてくるテニスボールをラケットが打ち返す音と、左側から聞こえてくるサッカーボルを脚で蹴る音は、違うスポーツゆえ全く異なっていたが、仲間と共に青春を謳歌する少年少女の声であることに違いは少しもなかった。然るに僕らはそれを、銀杏の木から続けてきた二人の終止符とした。
「新忍道サークルには男子選手しかいないから、テニス部やサッカー部の男女の混ざった声は、新鮮に聞こえるよ」
「薙刀部も女しかいないからそれは同じ。男だけ、女だけ、男女混合、それぞれに長所と短所があり、順位を付けられる関係ではないわね」
「宇宙や深海などの閉鎖環境で長期間のチームミッションを行う場合、男女混成チームが最も質の高い仕事をするという報告がある半面、異性のいないチームの方が良いという報告もあるから、順位は付けられないという昴の意見に僕も同意するよ」
「生物学的な異性は必ずしも心理的な異性ではなく、またその関係は永続するものでもない。あれほど長い記憶を持つ私と眠留以上にそれを理解している男女は、この学校にいないかもね」
昴の言葉に、僕は二つのことを知った。一つは、互いを最愛の異性とする時間を休止したからこそ、昴はそれを口にしたという事。そしてもう一つは昴にも、姉弟として過ごした数千年分の記憶があるという事だ。ダメダメの僕にすらあるのだから、この破格の女性がその記憶を持たないなんて事、ハナから無いんだけどさ。
なので、北斗の話題を昴に振ってみた。北斗の話をしても良い状態に僕らは戻っていたし、また序列一位女子の昴は、北斗ファンクラブの極秘情報を知っているかもしれなかったからである。そしてそれは、どうやら当たったらしい。
「眠留は、北斗ファンクラブ会長の日向さんについて、何か知ってる?」
「ええっと、一年時の前期委員学年代表を北斗と争った女の子が、北斗ファンクラブの会長になった。僕が知ってるのは、その程度だね」
「日向さんは、ファンクラブの会長に相応しいと私は思う。学年副代表として北斗と接する時間が長かったという理由以外にも、二人には通じるものがあったのでしょう。あの子は北斗という人間を、とても良く理解しているわ。だからあの子は、北斗を二年生でも学年代表にしようとする子たちを、止めた。けどその子たちはそれに耳を貸さず、計画を実行した。つまり、眠留達の予想した暴走は、既に発生していたのよ」
空を仰ぎ、人は悲しい生き物だねと呟く僕に、昴も空を見上げて、ええそうねと呟いた。
ふと思う。
目のいい僕は、三等星以上の星を昼でも見ることができる。昼の空に星座が広がる光景は、僕にとって馴染み深いものなのだ。それと同じことが、人と人にも生じるのではないか。ある人にとっては苦もなく見える事柄が、別の人にとっては全く見えないのではないか。そんな事をしたら北斗の大望の妨げになると理屈抜きで直感できる人もいれば、それがまるで理解できず、率先して北斗の障壁になる人もいるのではないか。両者は同じ北斗を見て、どちらも北斗の役に立ちたいと願っているのに、真逆の行動を選択する。そういう事が、人にはあるのではないか。
空を仰ぎながらそう付け加えた僕の足もとに、昴は小石を蹴る。音と気配を頼りにそれを蹴り返した僕へ、昴は嬉しげな瞳を向けるも、口調はどこか寂しげだった。
「同じ本を読んでも、どんな感想を持つかは、人によってまるで違うわ。学術書ならそれを分かつのはその分野への専門知識だから、異なる感想を抱くことへ、人は理性的な対処ができる。でも専門知識や知性ではない、心そのものが異なる感想を抱かせている場合は、それが難しいの。私や眠留やファンクラブ会長にとっては一目瞭然のことが、自分達にはまるで見えないという事を、人はそうそう認められないのね。それでも私は、こうも思う。ううん、きっと北斗も、そして真山君も、そう考えているはずなの。それは・・・」
寂しさが明瞭になるより早く、張りのある声を僕は放った。
「それは、実際にやってみなければ分からない、だよね。北斗の生徒会長就任を妨害している子たちは、実際にそれをやってみないと、自分達の過ちを実感することができない。だから北斗は、一部の子たちの暴走を察知しつつも、それを阻止しなかった」
「しかもそれは、真山君と合意した上での判断だったと私は思う。真山君も、暴走した子たちが自らそれに気づくことを望んでいた。真山君なら、それを自分のファンクラブ内だけで終息させることは容易かったでしょう。けどそれだと、北斗ファンクラブの子たちに、それを経験させてあげる事ができなくなるのよ」
「だから二人は事前に話し合い、暴走要素のあるそれぞれの子たちに、それを経験させたんだね。真山だけ、もしくは北斗だけがその子たちに働きかけるより、ツートップイケメンの両方が同意見だと知った方が、その子たちも自分の過ちに気付きやすいもんね。しかも・・・」
「しかもその方が、その子たちは傷つきにくい。真山君が自分のファンクラブ内だけで事を収めたら、暴走を経験しなかった北斗ファンクラブの子たちは、真山ファンクラブの子たちを蔑んだでしょう。それは両者に遺恨を生じさせるだけでなく、真山ファンクラブ内にも対立を発生させたはずだわ。そんな状況になったら、その子たちは深く傷ついてしまう。だからあの二人は事前に話し合い、最善の方法を採用した。私には、そう感じられるのよ」
急峻を駆ける若鹿の如き声に戻った昴へ、僕は問いかける。
「一応訊いておくけど、いつそう感じたの?」
「一年時の後期委員が発足したころね。真山ファンクラブの子たちの行動を知った時そう感じたけど、それがどうかした?」
肩をすくめ何でもないよと告げつつ、僕は猛の言葉を思い出していた。十組のプレゼン委員代表を決める演説で、猛は秘密にしていた野望を皆に明かした。
『俺は、天下人の友になりたい。俺の先祖の龍造寺氏みたいな地方の戦国大名ではない、織田信長や豊臣秀吉や徳川家康のような天下人の友になり、その偉業を助けたいんだ。十組には北斗が、そして寮には真山がいて、その願いを叶えてくれたから、俺は嬉しかったんだよ』
あの時は猛に同意するだけで見過ごしていたが、天下人の器を持つ人物はもう一人いた。それは、昴だ。必要ないから勉強してこなかっただけで、昴は頭脳にも卓越した天分を授けられていた。北斗と真山の計画を去年の段階でスラスラ解き明かしていたのが、その証拠だろう。その頭脳に、思いやりのある優しい心と、抜きんでた薙刀の腕と、そしてこの美貌が加わるのだから、世が世なら昴は一国を統治する女王陛下に、きっとなっていたはずなのである。幼稚園入園日からの付き合いなのにやっとそれに気づいたなんて、人ってホント、見ているつもりが全然見ていないんだなあと、僕はつくづく思ったのだった。
だが、今回は違った。僕と昴は幼稚園入園日に出会った、姉弟同然の幼馴染でしかなかった。いや、厳密にはそれは違う。出会ってからの二年間、僕は昴だけの僕で、昴は僕だけの昴だった。大きくなったら眠留のお嫁さんになるのと微笑む昴に、結婚してずっと一緒にいようねと微笑み返すのが、僕らの最初の関係だった。そしてそれは今回に限り可能だった。僕らは互いが望むなら、結ばれることができた。今生の僕らに、それを阻む血縁関係はなかったのである。だからどうしても、ブレーキが効いてくれない。限りない愛情を注ぐ異性であっても姉弟なのだという抑制が、今回はうまく働いてくれない。それどころか、逆流現象すら起きていた。異性としての想いを姉弟愛へ昇華させるという流れが逆転し、無尽蔵の姉弟愛が異性愛へ返還されてゆくという現象が僕らの間に起きていた。それは僕らを苦しめた。だが、それだけではなかった。最高の姉弟が最高の異性だったことに喜びを覚えただけではなかったように、今の僕らの状態は、苦しみだけをもたらしたのではなかった。待ち合わせ場所の銀杏の木の下で、互いが互いを最愛の異性とする状態に一瞬なることは、数千年の願いが成就した、まごうことなき歓喜の瞬間に他ならなかったのである。
それを噛みしめつつ、僕らはしばし無言で歩いた。右側から聞こえてくるテニスボールをラケットが打ち返す音と、左側から聞こえてくるサッカーボルを脚で蹴る音は、違うスポーツゆえ全く異なっていたが、仲間と共に青春を謳歌する少年少女の声であることに違いは少しもなかった。然るに僕らはそれを、銀杏の木から続けてきた二人の終止符とした。
「新忍道サークルには男子選手しかいないから、テニス部やサッカー部の男女の混ざった声は、新鮮に聞こえるよ」
「薙刀部も女しかいないからそれは同じ。男だけ、女だけ、男女混合、それぞれに長所と短所があり、順位を付けられる関係ではないわね」
「宇宙や深海などの閉鎖環境で長期間のチームミッションを行う場合、男女混成チームが最も質の高い仕事をするという報告がある半面、異性のいないチームの方が良いという報告もあるから、順位は付けられないという昴の意見に僕も同意するよ」
「生物学的な異性は必ずしも心理的な異性ではなく、またその関係は永続するものでもない。あれほど長い記憶を持つ私と眠留以上にそれを理解している男女は、この学校にいないかもね」
昴の言葉に、僕は二つのことを知った。一つは、互いを最愛の異性とする時間を休止したからこそ、昴はそれを口にしたという事。そしてもう一つは昴にも、姉弟として過ごした数千年分の記憶があるという事だ。ダメダメの僕にすらあるのだから、この破格の女性がその記憶を持たないなんて事、ハナから無いんだけどさ。
なので、北斗の話題を昴に振ってみた。北斗の話をしても良い状態に僕らは戻っていたし、また序列一位女子の昴は、北斗ファンクラブの極秘情報を知っているかもしれなかったからである。そしてそれは、どうやら当たったらしい。
「眠留は、北斗ファンクラブ会長の日向さんについて、何か知ってる?」
「ええっと、一年時の前期委員学年代表を北斗と争った女の子が、北斗ファンクラブの会長になった。僕が知ってるのは、その程度だね」
「日向さんは、ファンクラブの会長に相応しいと私は思う。学年副代表として北斗と接する時間が長かったという理由以外にも、二人には通じるものがあったのでしょう。あの子は北斗という人間を、とても良く理解しているわ。だからあの子は、北斗を二年生でも学年代表にしようとする子たちを、止めた。けどその子たちはそれに耳を貸さず、計画を実行した。つまり、眠留達の予想した暴走は、既に発生していたのよ」
空を仰ぎ、人は悲しい生き物だねと呟く僕に、昴も空を見上げて、ええそうねと呟いた。
ふと思う。
目のいい僕は、三等星以上の星を昼でも見ることができる。昼の空に星座が広がる光景は、僕にとって馴染み深いものなのだ。それと同じことが、人と人にも生じるのではないか。ある人にとっては苦もなく見える事柄が、別の人にとっては全く見えないのではないか。そんな事をしたら北斗の大望の妨げになると理屈抜きで直感できる人もいれば、それがまるで理解できず、率先して北斗の障壁になる人もいるのではないか。両者は同じ北斗を見て、どちらも北斗の役に立ちたいと願っているのに、真逆の行動を選択する。そういう事が、人にはあるのではないか。
空を仰ぎながらそう付け加えた僕の足もとに、昴は小石を蹴る。音と気配を頼りにそれを蹴り返した僕へ、昴は嬉しげな瞳を向けるも、口調はどこか寂しげだった。
「同じ本を読んでも、どんな感想を持つかは、人によってまるで違うわ。学術書ならそれを分かつのはその分野への専門知識だから、異なる感想を抱くことへ、人は理性的な対処ができる。でも専門知識や知性ではない、心そのものが異なる感想を抱かせている場合は、それが難しいの。私や眠留やファンクラブ会長にとっては一目瞭然のことが、自分達にはまるで見えないという事を、人はそうそう認められないのね。それでも私は、こうも思う。ううん、きっと北斗も、そして真山君も、そう考えているはずなの。それは・・・」
寂しさが明瞭になるより早く、張りのある声を僕は放った。
「それは、実際にやってみなければ分からない、だよね。北斗の生徒会長就任を妨害している子たちは、実際にそれをやってみないと、自分達の過ちを実感することができない。だから北斗は、一部の子たちの暴走を察知しつつも、それを阻止しなかった」
「しかもそれは、真山君と合意した上での判断だったと私は思う。真山君も、暴走した子たちが自らそれに気づくことを望んでいた。真山君なら、それを自分のファンクラブ内だけで終息させることは容易かったでしょう。けどそれだと、北斗ファンクラブの子たちに、それを経験させてあげる事ができなくなるのよ」
「だから二人は事前に話し合い、暴走要素のあるそれぞれの子たちに、それを経験させたんだね。真山だけ、もしくは北斗だけがその子たちに働きかけるより、ツートップイケメンの両方が同意見だと知った方が、その子たちも自分の過ちに気付きやすいもんね。しかも・・・」
「しかもその方が、その子たちは傷つきにくい。真山君が自分のファンクラブ内だけで事を収めたら、暴走を経験しなかった北斗ファンクラブの子たちは、真山ファンクラブの子たちを蔑んだでしょう。それは両者に遺恨を生じさせるだけでなく、真山ファンクラブ内にも対立を発生させたはずだわ。そんな状況になったら、その子たちは深く傷ついてしまう。だからあの二人は事前に話し合い、最善の方法を採用した。私には、そう感じられるのよ」
急峻を駆ける若鹿の如き声に戻った昴へ、僕は問いかける。
「一応訊いておくけど、いつそう感じたの?」
「一年時の後期委員が発足したころね。真山ファンクラブの子たちの行動を知った時そう感じたけど、それがどうかした?」
肩をすくめ何でもないよと告げつつ、僕は猛の言葉を思い出していた。十組のプレゼン委員代表を決める演説で、猛は秘密にしていた野望を皆に明かした。
『俺は、天下人の友になりたい。俺の先祖の龍造寺氏みたいな地方の戦国大名ではない、織田信長や豊臣秀吉や徳川家康のような天下人の友になり、その偉業を助けたいんだ。十組には北斗が、そして寮には真山がいて、その願いを叶えてくれたから、俺は嬉しかったんだよ』
あの時は猛に同意するだけで見過ごしていたが、天下人の器を持つ人物はもう一人いた。それは、昴だ。必要ないから勉強してこなかっただけで、昴は頭脳にも卓越した天分を授けられていた。北斗と真山の計画を去年の段階でスラスラ解き明かしていたのが、その証拠だろう。その頭脳に、思いやりのある優しい心と、抜きんでた薙刀の腕と、そしてこの美貌が加わるのだから、世が世なら昴は一国を統治する女王陛下に、きっとなっていたはずなのである。幼稚園入園日からの付き合いなのにやっとそれに気づいたなんて、人ってホント、見ているつもりが全然見ていないんだなあと、僕はつくづく思ったのだった。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
皇太后(おかあ)様におまかせ!〜皇帝陛下の純愛探し〜
菰野るり
キャラ文芸
皇帝陛下はお年頃。
まわりは縁談を持ってくるが、どんな美人にもなびかない。
なんでも、3年前に一度だけ出逢った忘れられない女性がいるのだとか。手がかりはなし。そんな中、皇太后は自ら街に出て息子の嫁探しをすることに!
この物語の皇太后の名は雲泪(ユンレイ)、皇帝の名は堯舜(ヤオシュン)です。つまり【後宮物語〜身代わり宮女は皇帝陛下に溺愛されます⁉︎〜】の続編です。しかし、こちらから読んでも楽しめます‼︎どちらから読んでも違う感覚で楽しめる⁉︎こちらはポジティブなラブコメです。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
髪を切った俺が『読者モデル』の表紙を飾った結果がコチラです。
昼寝部
キャラ文芸
天才子役として活躍した俺、夏目凛は、母親の死によって芸能界を引退した。
その数年後。俺は『読者モデル』の代役をお願いされ、妹のために今回だけ引き受けることにした。
すると発売された『読者モデル』の表紙が俺の写真だった。
「………え?なんで俺が『読モ』の表紙を飾ってんだ?」
これは、色々あって芸能界に復帰することになった俺が、世の女性たちを虜にする物語。
※『小説家になろう』にてリメイク版を投稿しております。そちらも読んでいただけると嬉しいです。
これは校閲の仕事に含まれますか?
白野よつは(白詰よつは)
キャラ文芸
大手出版社・幻泉社の校閲部で働く斎藤ちひろは、いじらしくも数多の校閲の目をかいくぐって世に出てきた誤字脱字を愛でるのが大好きな偏愛の持ち主。
ある日、有名なミステリー賞を十九歳の若さで受賞した作家・早峰カズキの新作の校閲中、明らかに多すぎる誤字脱字を発見して――?
お騒がせ編集×〝あるもの〟に目がない校閲×作家、ときどき部長がくれる美味しいもの。
今日も校閲部は静かに騒がしいようです。
九尾の狐に嫁入りします~妖狐様は取り換えられた花嫁を溺愛する~
束原ミヤコ
キャラ文芸
八十神薫子(やそがみかおるこ)は、帝都守護職についている鎮守の神と呼ばれる、神の血を引く家に巫女を捧げる八十神家にうまれた。
八十神家にうまれる女は、神癒(しんゆ)――鎮守の神の法力を回復させたり、増大させたりする力を持つ。
けれど薫子はうまれつきそれを持たず、八十神家では役立たずとして、使用人として家に置いて貰っていた。
ある日、鎮守の神の一人である玉藻家の当主、玉藻由良(たまもゆら)から、神癒の巫女を嫁に欲しいという手紙が八十神家に届く。
神癒の力を持つ薫子の妹、咲子は、玉藻由良はいつも仮面を被っており、その顔は仕事中に焼け爛れて無残な化け物のようになっていると、泣いて嫌がる。
薫子は父上に言いつけられて、玉藻の元へと嫁ぐことになる。
何の力も持たないのに、嘘をつくように言われて。
鎮守の神を騙すなど、神を謀るのと同じ。
とてもそんなことはできないと怯えながら玉藻の元へ嫁いだ薫子を、玉藻は「よくきた、俺の花嫁」といって、とても優しく扱ってくれて――。
便利屋リックと贄の刑事
不来方しい
キャラ文芸
便利屋と刑事がタッグを組む!事件を解決!謎の男を追う!
家に届く花や手紙。愛を語る恋人もおらず、誰かも分からないXからだった。エスカレートしていく一方的な愛は、いつしか怨恨へと変わっていく。
リックは警察に相談するが、近くで空き巣もあり疑われてしまう。ウィリアム・ギルバートと名乗る刑事は、訝しげな目で全力で疑ってくるのだった。警察はアテにならない、自分で動かなければ──。
だが動けば動くほど、リックの周りは災難が降りかかる。自動車爆発、親友の死、同じ空気を吸っただけの人間のタイミングの悪い病死。
ストーカーと空き巣は同一人物なのか。手紙や花を送ってくる人間は誰なのか。
刑事としてではない、全力でリックのために動こうとするウィリアム・ギルバートは何を考えているのか。
ハバナイスデイズ!!~きっと完璧には勝てない~
415
キャラ文芸
「ゆりかごから墓場まで。この世にあるものなんでもござれの『岩戸屋』店主、平坂ナギヨシです。冷やかしですか?それとも……ご依頼でしょうか?」
普遍と異変が交差する混沌都市『露希』 。
何でも屋『岩戸屋』を構える三十路の男、平坂ナギヨシは、武市ケンスケ、ニィナと今日も奔走する。
死にたがりの男が織り成すドタバタバトルコメディ。素敵な日々が今始まる……かもしれない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる