僕の名前は、猫将軍眠留

初山七月

文字の大きさ
上 下
364 / 934
十章

3

しおりを挟む
 一か月後の三月十四日。
 ホワイトデーの、午前五時半。
 毎朝恒例のお参りを済ませ、輝夜さんと昴にチョコレートのお礼を渡した。色鮮やかなミニフルーツタルトの十二個セットを、二人は飛び上がって喜んでくれた。その喜びように、情を動かされたのだと思う。水晶が空中に現れ、「今朝の訓練はキツイから一つ二つ食べておいで」と二人を促した。十二個のフルーツタルトを年頃娘全開で喜んでいた二人はそのノリのまま「「お師匠様ありがとう!」」と、水晶を両側から抱きしめた。二人はもちろん水晶もあれ程のふやけ顔になったのだから、残念脳ミソを振り絞って考えた甲斐が、あったんだろうな。
 朝食前、苺をふんだんに用いたイチゴタルトを美鈴に渡した。毎年恒例のお礼だけど、苺が大好きな美鈴はこれを目にするなり顔を輝かせるから今年も同じにしたのである。多少の不安はあったが美鈴はとても喜び、しかも今年は数年ぶりに「お兄ちゃんありがとう!」と抱き付いてくれた。去年まで手の届かなかった最上級タルトにしたからか、それとも抱き付くのはこれが最後だからねという意思表示なのかは定かでないが、妹を持つ兄は良いものだなあと僕はつくづく思った。
 祖母と貴子さんと翔子さんへは朝食中に渡した。神社で贔屓にしている川越の和菓子屋さんはバレンタインとホワイトデーにカラフルな特別和菓子を売り出していて、祖母と貴子さんと僕はいつもそれをやり取りしていた。今年はそれに翔子さんが加わり、祖母と貴子さんはまだしも十代半ばの翔子さんも和菓子でいいのか悩んだが、祖母は上品、貴子さんは艶やか、翔子さんは華やかという三者三様の商品を選んだからか女性陣に大好評だった。輝夜さんと昴と美鈴も自分達のタルトをテーブルに並べたので、台所はお菓子のお花畑になった。皆のはしゃぎようと言ったらなく、そんな台所の様子を眺めていたら、来年のホワイトデーのために頑張って稼ぐぞという生まれて初めての闘志が、胸にふつふつと湧いて来たのだった。
 ミニフルーツタルトの四個セットを十四箱たずさえ、学校に向かった。男は待たせてもいいが女の子を待たせてはならないという風潮からか、ホワイトデーはHR前にお返しを済ませるのが湖校の伝統になっていた。ヘタレの僕にとってその伝統は、休み時間中に他のクラスを訪問しお返しを渡すことを回避する、まさに絶好の口実と言えよう。お返しはチョコレートをもらった順にするという不文律もあり、そこに公正さを感じた僕は、階段の上り下りを幾度もした。真山と北斗に比べたら階段踏破数も抱えているお返しの数も笑っちゃうほど少なく、幾度という語彙を使うほどではなかったんだけどね。
 順番以外にも気に掛けたことが、個人的に一つあった。それは、バレンタインデーに連れ立ってやって来た人にはタルトの中身を変える、という事だった。特に那須さんや大和さんの五人の寮生は全員で一斉に箱を開けることが予想されたため、組み合わせを全て変えた。とはいえタルトは十六種類しかなく剣道部の二人は同じになってしまったが、美鈴に相談したところ「順当よお兄ちゃん」との回答をもらえたので安心してそうした。それは大当たりだったらしく、大絶賛のメールをすぐさま頂戴することができた。
 それとは別に、芹沢さんへはちょっとした工夫をした。美鈴がお世話になっている分も加え、猛と二人でタルトを楽しめるよう、前日の日曜に四個セット二箱を猛に渡していたのである。お昼休みを二人っきりで過ごした猛と芹沢さんからも、感謝のメールを貰うことができた。
 他の女の子たちも凄く褒めてくれた。名前を知らなかった三人の女の子からもメールが届き、今後はメル友になれるかなと期待している。
 ただその内の一人が、気になることを書いていた。「私のような有象無象が猫将軍君にチョコレートをあげて良いか悩んだけど、思い切って良かった」 という、心をざわめかせる内容がそこにあったのである。いつもならこの手の問題は真山か北斗にすぐ相談するのだけど、百人以上の女の子にお返しを渡すべく校舎を駆け回っていた二人の姿が思い出され、相談できずじまいだった。しかし、これは極めつけの重大案件との確信が脳裏を離れず、なのにどうしてもその子に返信できないという事態が僕を襲った。それは帰宅後も続き、勉強机の上にメール制作画面を立ち上げたまま、僕は三十分近くを過ごしていた。すると突然、
『なあ眠留、お前ひょっとして、何かを悩んでいるんじゃないか?』
 猛がそんなメールを送ってきた。驚きと嬉しさに十指が躍り上がろうとした瞬間、
『おい眠留、お前ひょっとして、何かを悩んでいるんじゃないか?』
 最初の呼びかけのみが異なるメールを京馬も送って来たので、僕は笑い転げてしまった。だが、こんなヤツらを待たせたら男がすたる。腕を体の連動から独立させるという、翔刀術の奇襲技を駆使して十指を動かし、二人をチャットに誘った。そしてその冒頭に、もらったばかりの二通のメールを載せるや、
「ぎゃはははっ」「ぎゃはははっ」
 二人は自分の笑い声を律儀に書き込んでくれた。負けじと僕も参戦し、複数の爆笑表記を競い合って書き込んだところで、切り出す。
「二人に以前話した、名前を言わずチョコレートをくれた女の子の一人が、メールにこんなことを書いていたんだよ」
 打って変わって二人は沈黙した。根気よく待つ僕の目に飛び込んできたのは、猛の書き込みだった。
「冬休みの最後に、五人で寮に泊まった時の話、覚えているか?」
 間髪入れず京馬が応えた。
「閃いたぞ、皆で俺をくすぐりまくった話が、関係しているんだろう!」「やけに察しがいいじゃねえか」「あの晩以降、真山に頼んで女子学を教えて貰っている俺様を、なめるんじゃねえ」「いやそれ、凄いのは真山で、京馬じゃなくね?」「ばれたか!」
 などと僕を置き去りにして話を進める二人へ、
「ごめん僕、なんのことか閃かないよ」
 そう素直に打ち明けると、二人はこんな内容のことを話してくれた。
 
 ―― 去年のクリスマス会で真山と北斗は、女子と踊る順番を間違えぬよう心掛けていた。これと同種の事が、バレンタインデーとホワイトデーにも行われているのではないか。序列を重視する女子達はバレンタイン時、チョコレートを渡す順番を厳格に決めていた。よって男子もその順番に沿いお返しを渡すことを、先輩方は湖校の伝統にした。今朝のHR前に行われた湖校の伝統行事には、こんな裏事情があったのではないか――
 
 僕は体の震えを止めることができなかった。検証するまでもなく二人の推測は正しいと、直感したのである。
 一か月前の、バレンタインデー。早朝のお参りを済ませた輝夜さんと昴が、チョコレートの入った紙袋を同時に差し出してくれた時は何も思わなかったが、僕にチョコレートを渡す最初の女子は、二人でなければならなかったのだと今は思う。学校への道すがら、猛が「白銀さんと天川さんにチョコレートを貰ったか?」とのメールをよこしたのは、芹沢さんから頼まれたに違いない。芹沢さんはきっと、二人より先はまずいが自分が遅れたら那須さん達はもっと遅れてしまうと考え、猛に確認を頼んだのだ。僕がHR前の時間を実技棟で過ごすのは那須さんも知っており、教室に向かう途中の僕を捕まえるのは造作も無かっただろうに、那須さん達はそれをせず一限後の休み時間に教室へやって来た。それは白鳥さんにも当てはまり、白鳥さんと言えど単なる友人にチョコレートをあげるなら、同じ組の青木さんと香取さんを無視してはならなかった。そして僕と面識の無かった三人の女の子は、僕にチョコレートを渡す予定の女子がこれ以上いないことを確認したのち、僕に紙袋を持たせた。猛と京馬の話を聴き、一か月前のバレンタインデーに水面下で起こっていた事をやっと推測できた僕は、女子達を縛る序列の厳格さに恐怖を禁じえなかったのである。
 そしてそれは、猛と京馬も同様だった。僕ら三人はそれから暫く、他者に聞かれてはならない密談をしているかのように、背中を丸め2D画面に顔を寄せて意見交換をした。その終盤、僕はふと思い立ち、こんなことをチャットに書き込んだ。

 眠「でもさ、北斗の受け売りだけど、人類は序列を手放してゆくと思うよ」
 猛「人類全体の成長と個人の成長は類似するっつう、あの研究だな」
 京「人類はかつて、理不尽な身分制度で雁字搦めだったが、確かに今はないよな」
 眠「身分制度を法律で禁じても、心の中から身分が消えるには、時間かかったよね」
 猛「いや、学歴至上主義さえ残っているくらいだから、完全には程遠いだろう」
 京「それに俺ら男子も、序列について女子に偉そうなこと、言えんしな」
 眠「でも男子と女子とは、少し違う気がするんだけど」
 猛「表面上の序列に惑わされず、腹で対等な付き合いができる男に、男は惚れる」
 京「いやはや、眠留のあれ、マジ名言だぜ」
 眠「ちょっと二人とも、僕のことはいいから!」
 猛「いや、これは大切なことだぞ眠留」
 京「ああそうだ。あの発言を境に俺ら十組男子は、変わったからな」
 猛「ああ変わった。少なくとも、変わろうとする努力を始めた」
 京「それが実った、俺ら十組男子を見ろ眠留」
 猛「言いたいことをこれほど言い合える野郎共が、こうもウジャウジャいる組」
 京「そんなの他の組では、到底望めんことだな」

 その瞬間、脳の中心に電気放電が生じた。その電気が神経を伝い、腕の先端に集められる。僕は歴代最高速度で、十指を2Dキーボードに走らせた。

 眠「学年から序列意識を拭い去る。これが、一年時と六年時を同じ組にする、真の課題なんじゃないかな!」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

男女比の狂った世界で愛を振りまく

キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。 その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。 直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。 生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。 デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。 本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。 ※カクヨムにも掲載中の作品です。

妹はわたくしの物を何でも欲しがる。何でも、わたくしの全てを……そうして妹の元に残るモノはさて、なんでしょう?

ラララキヲ
ファンタジー
 姉と下に2歳離れた妹が居る侯爵家。  両親は可愛く生まれた妹だけを愛し、可愛い妹の為に何でもした。  妹が嫌がることを排除し、妹の好きなものだけを周りに置いた。  その為に『お城のような別邸』を作り、妹はその中でお姫様となった。  姉はそのお城には入れない。  本邸で使用人たちに育てられた姉は『次期侯爵家当主』として恥ずかしくないように育った。  しかしそれをお城の窓から妹は見ていて不満を抱く。  妹は騒いだ。 「お姉さまズルい!!」  そう言って姉の着ていたドレスや宝石を奪う。  しかし…………  末娘のお願いがこのままでは叶えられないと気付いた母親はやっと重い腰を上げた。愛する末娘の為に母親は無い頭を振り絞って素晴らしい方法を見つけた。  それは『悪魔召喚』  悪魔に願い、  妹は『姉の全てを手に入れる』……── ※作中は[姉視点]です。 ※一話が短くブツブツ進みます ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇ご都合展開。矛盾もあるかも。 ◇なろうにも上げました。

Vtuberだけどリスナーに暴言吐いてもいいですか?

天宮暁
キャラ文芸
俺、人見慧(ひとみけい)は、ただのユルオタ高校生だ。 そんな俺は、最近Vtuberにドマハリしてる。 ヴァーチャル・マイチューバー、略して「Vtuber」。イラストやCGを顔認識アプリと連動させ、まるで生きてるように動かしながら、雑談したり、ゲームしたり、歌を歌ったり、イラスト描いたり、その他諸々の活動をしてる人たちのことである。 中でも俺が推してるのは、七星エリカっていうVtuberだ。暴言ばっか吐いてるんだけど、俺はなぜか憎めないんだよな。 そんな彼女がコラボ配信で大炎上をやらかしたその翌日、いつも通り友人と教室でだべってた俺は、いきなりクラスの女子にからまれた。 神崎絵美莉というその女子は、絵に描いたようなザ・陽キャ。ユルオタの俺と接点なんてあろうはずもない……はずだった。 だが、その後のなりゆきから、俺は神崎の「秘密」を知ることになってしまい――!? ※ ご注意 この話はフィクションです。実在する団体、人物、Vtuberとは一切関係がございません。作者は、業界の関係者でもなければ関係者に直接取材をしたわけでもない、一介のVtuberファンにすぎません。Vtuberについての見解、業界事情等は100%作者の妄想であることをご理解の上、お楽しみくださいませ。

全校転移!異能で異世界を巡る!?

小説愛好家
ファンタジー
全校集会中に地震に襲われ、魔法陣が出現し、眩い光が体育館全体を呑み込み俺は気絶した。 目覚めるとそこは大聖堂みたいな場所。 周りを見渡すとほとんどの人がまだ気絶をしていてる。 取り敢えず異世界転移だと仮定してステータスを開こうと試みる。 「ステータスオープン」と唱えるとステータスが表示された。「『異能』?なにこれ?まぁいいか」 取り敢えず異世界に転移したってことで間違いなさそうだな、テンプレ通り行くなら魔王討伐やらなんやらでめんどくさそうだし早々にここを出たいけどまぁ成り行きでなんとかなるだろ。 そんな感じで異世界転移を果たした主人公が圧倒的力『異能』を使いながら世界を旅する物語。

八百万の学校 其の参

浅井 ことは
キャラ文芸
書籍化作品✨神様の学校 八百万ご指南いたします✨の旧題、八百万(かみさま)の学校。参となります。 十七代当主となった翔平と勝手に双子設定された火之迦具土神と祖父母と一緒に暮らしながら、やっと大学生になったのにも関わらず、大国主命や八意永琳の連れてくる癖のある神様たちに四苦八苦。 生徒として現代のことを教える 果たして今度は如何に── ドタバタほのぼのコメディとなります。

大鳥居横あやかし宅配便~ワケアリ荷物お届けします~

シェリンカ
キャラ文芸
【第6回キャラ文芸大賞奨励賞受賞】  宅配便で働く瑞穂が、突然出向を命じられた出張所は、山の上の神社前……  営業は月水金の週三日  一日の来店客は数えるほど  暇を持て余しながら夕刻、ふと見つけた見慣れない扉は、違う世界への入り口だった――!? 『あちら』と『こちら』が交わる時間にだけ営業する、狭間の宅配便屋  荷物はあちらの世界から、こちらの世界で暮らす『あやかし』たち宛てのもの  従業員は、コミュ力高いチャラめの美青年(実は性悪?)白狐と、見た目クールな家事完璧美青年(かなり辛辣!)烏天狗  これまで知らなかった世界にうっかり足を踏み入れてしまった瑞穂の、驚きの日々――

婚約破棄ですか。別に構いませんよ

井藤 美樹
恋愛
【第十四回恋愛小説大賞】で激励賞を頂き、書籍化しました!!   一、二巻、絶賛発売中です。電子書籍も。10月8日に一巻の文庫も発売されました。  皆様の応援のおかげです。ありがとうございます。  正直、こんな形ばかりの祝賀会、参加したくはありませんでしたの。  だけど、大隊長が参加出来ないのなら仕方ありませんよね。一応、これでも関係者ですし。それにここ、実は私の実家なのです。  というわけで、まだ未成年ですが、祝賀会に参加致しましょう。渋々ですが。  慣れないコルセットでお腹をギュッと締め付けられ、着慣れないドレスを着せられて、無理矢理参加させられたのに、待っていたは婚約破棄ですか。  それも公衆の面前で。  ましてや破棄理由が冤罪って。ありえませんわ。何のパーティーかご存知なのかしら。  それに、私のことを田舎者とおっしゃいましたよね。二回目ですが、ここ私の実家なんですけど。まぁ、それは構いませんわ。皇女らしくありませんもの。  でもね。  大隊長がいる伯爵家を田舎者と馬鹿にしたことだけは絶対許しませんわ。  そもそも、貴方と婚約なんてしたくはなかったんです。願ったり叶ったりですわ。  本当にいいんですね。分かりました。私は別に構いませんよ。  但し、こちらから破棄させて頂きますわ。宜しいですね。 ★短編から長編に変更します★  書籍に入り切らなかった、ざまぁされた方々のその後は、こちらに載せています。

学園戦記三国志~リュービ、二人の美少女と義兄妹の契りを結び、学園において英雄にならんとす 正史風味~

トベ・イツキ
キャラ文芸
 三国志×学園群像劇!  平凡な少年・リュービは高校に入学する。  彼が入学したのは、一万人もの生徒が通うマンモス校・後漢学園。そして、その生徒会長は絶大な権力を持つという。  しかし、平凡な高校生・リュービには生徒会なんて無縁な話。そう思っていたはずが、ひょんなことから黒髪ロングの清楚系な美女とお団子ヘアーのお転婆な美少女の二人に助けられ、さらには二人が自分の妹になったことから運命は大きく動き出す。  妹になった二人の美少女の後押しを受け、リュービは謀略渦巻く生徒会の選挙戦に巻き込まれていくのであった。  学園を舞台に繰り広げられる新三国志物語ここに開幕!  このお話は、三国志を知らない人も楽しめる。三国志を知ってる人はより楽しめる。そんな作品を目指して書いてます。 今後の予定 第一章 黄巾の乱編 第二章 反トータク連合編 第三章 群雄割拠編 第四章 カント決戦編 第五章 赤壁大戦編 第六章 西校舎攻略編←今ココ 第七章 リュービ会長編 第八章 最終章 作者のtwitterアカウント↓ https://twitter.com/tobeitsuki?t=CzwbDeLBG4X83qNO3Zbijg&s=09 ※このお話は2019年7月8日にサービスを終了したラノゲツクールに同タイトルで掲載していたものを小説版に書き直したものです。 ※この作品は小説家になろう・カクヨムにも公開しています。

処理中です...