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十章
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一か月後の三月十四日。
ホワイトデーの、午前五時半。
毎朝恒例のお参りを済ませ、輝夜さんと昴にチョコレートのお礼を渡した。色鮮やかなミニフルーツタルトの十二個セットを、二人は飛び上がって喜んでくれた。その喜びように、情を動かされたのだと思う。水晶が空中に現れ、「今朝の訓練はキツイから一つ二つ食べておいで」と二人を促した。十二個のフルーツタルトを年頃娘全開で喜んでいた二人はそのノリのまま「「お師匠様ありがとう!」」と、水晶を両側から抱きしめた。二人はもちろん水晶もあれ程のふやけ顔になったのだから、残念脳ミソを振り絞って考えた甲斐が、あったんだろうな。
朝食前、苺をふんだんに用いたイチゴタルトを美鈴に渡した。毎年恒例のお礼だけど、苺が大好きな美鈴はこれを目にするなり顔を輝かせるから今年も同じにしたのである。多少の不安はあったが美鈴はとても喜び、しかも今年は数年ぶりに「お兄ちゃんありがとう!」と抱き付いてくれた。去年まで手の届かなかった最上級タルトにしたからか、それとも抱き付くのはこれが最後だからねという意思表示なのかは定かでないが、妹を持つ兄は良いものだなあと僕はつくづく思った。
祖母と貴子さんと翔子さんへは朝食中に渡した。神社で贔屓にしている川越の和菓子屋さんはバレンタインとホワイトデーにカラフルな特別和菓子を売り出していて、祖母と貴子さんと僕はいつもそれをやり取りしていた。今年はそれに翔子さんが加わり、祖母と貴子さんはまだしも十代半ばの翔子さんも和菓子でいいのか悩んだが、祖母は上品、貴子さんは艶やか、翔子さんは華やかという三者三様の商品を選んだからか女性陣に大好評だった。輝夜さんと昴と美鈴も自分達のタルトをテーブルに並べたので、台所はお菓子のお花畑になった。皆のはしゃぎようと言ったらなく、そんな台所の様子を眺めていたら、来年のホワイトデーのために頑張って稼ぐぞという生まれて初めての闘志が、胸にふつふつと湧いて来たのだった。
ミニフルーツタルトの四個セットを十四箱たずさえ、学校に向かった。男は待たせてもいいが女の子を待たせてはならないという風潮からか、ホワイトデーはHR前にお返しを済ませるのが湖校の伝統になっていた。ヘタレの僕にとってその伝統は、休み時間中に他のクラスを訪問しお返しを渡すことを回避する、まさに絶好の口実と言えよう。お返しはチョコレートをもらった順にするという不文律もあり、そこに公正さを感じた僕は、階段の上り下りを幾度もした。真山と北斗に比べたら階段踏破数も抱えているお返しの数も笑っちゃうほど少なく、幾度という語彙を使うほどではなかったんだけどね。
順番以外にも気に掛けたことが、個人的に一つあった。それは、バレンタインデーに連れ立ってやって来た人にはタルトの中身を変える、という事だった。特に那須さんや大和さんの五人の寮生は全員で一斉に箱を開けることが予想されたため、組み合わせを全て変えた。とはいえタルトは十六種類しかなく剣道部の二人は同じになってしまったが、美鈴に相談したところ「順当よお兄ちゃん」との回答をもらえたので安心してそうした。それは大当たりだったらしく、大絶賛のメールをすぐさま頂戴することができた。
それとは別に、芹沢さんへはちょっとした工夫をした。美鈴がお世話になっている分も加え、猛と二人でタルトを楽しめるよう、前日の日曜に四個セット二箱を猛に渡していたのである。お昼休みを二人っきりで過ごした猛と芹沢さんからも、感謝のメールを貰うことができた。
他の女の子たちも凄く褒めてくれた。名前を知らなかった三人の女の子からもメールが届き、今後はメル友になれるかなと期待している。
ただその内の一人が、気になることを書いていた。「私のような有象無象が猫将軍君にチョコレートをあげて良いか悩んだけど、思い切って良かった」 という、心をざわめかせる内容がそこにあったのである。いつもならこの手の問題は真山か北斗にすぐ相談するのだけど、百人以上の女の子にお返しを渡すべく校舎を駆け回っていた二人の姿が思い出され、相談できずじまいだった。しかし、これは極めつけの重大案件との確信が脳裏を離れず、なのにどうしてもその子に返信できないという事態が僕を襲った。それは帰宅後も続き、勉強机の上にメール制作画面を立ち上げたまま、僕は三十分近くを過ごしていた。すると突然、
『なあ眠留、お前ひょっとして、何かを悩んでいるんじゃないか?』
猛がそんなメールを送ってきた。驚きと嬉しさに十指が躍り上がろうとした瞬間、
『おい眠留、お前ひょっとして、何かを悩んでいるんじゃないか?』
最初の呼びかけのみが異なるメールを京馬も送って来たので、僕は笑い転げてしまった。だが、こんなヤツらを待たせたら男がすたる。腕を体の連動から独立させるという、翔刀術の奇襲技を駆使して十指を動かし、二人をチャットに誘った。そしてその冒頭に、もらったばかりの二通のメールを載せるや、
「ぎゃはははっ」「ぎゃはははっ」
二人は自分の笑い声を律儀に書き込んでくれた。負けじと僕も参戦し、複数の爆笑表記を競い合って書き込んだところで、切り出す。
「二人に以前話した、名前を言わずチョコレートをくれた女の子の一人が、メールにこんなことを書いていたんだよ」
打って変わって二人は沈黙した。根気よく待つ僕の目に飛び込んできたのは、猛の書き込みだった。
「冬休みの最後に、五人で寮に泊まった時の話、覚えているか?」
間髪入れず京馬が応えた。
「閃いたぞ、皆で俺をくすぐりまくった話が、関係しているんだろう!」「やけに察しがいいじゃねえか」「あの晩以降、真山に頼んで女子学を教えて貰っている俺様を、なめるんじゃねえ」「いやそれ、凄いのは真山で、京馬じゃなくね?」「ばれたか!」
などと僕を置き去りにして話を進める二人へ、
「ごめん僕、なんのことか閃かないよ」
そう素直に打ち明けると、二人はこんな内容のことを話してくれた。
―― 去年のクリスマス会で真山と北斗は、女子と踊る順番を間違えぬよう心掛けていた。これと同種の事が、バレンタインデーとホワイトデーにも行われているのではないか。序列を重視する女子達はバレンタイン時、チョコレートを渡す順番を厳格に決めていた。よって男子もその順番に沿いお返しを渡すことを、先輩方は湖校の伝統にした。今朝のHR前に行われた湖校の伝統行事には、こんな裏事情があったのではないか――
僕は体の震えを止めることができなかった。検証するまでもなく二人の推測は正しいと、直感したのである。
一か月前の、バレンタインデー。早朝のお参りを済ませた輝夜さんと昴が、チョコレートの入った紙袋を同時に差し出してくれた時は何も思わなかったが、僕にチョコレートを渡す最初の女子は、二人でなければならなかったのだと今は思う。学校への道すがら、猛が「白銀さんと天川さんにチョコレートを貰ったか?」とのメールをよこしたのは、芹沢さんから頼まれたに違いない。芹沢さんはきっと、二人より先はまずいが自分が遅れたら那須さん達はもっと遅れてしまうと考え、猛に確認を頼んだのだ。僕がHR前の時間を実技棟で過ごすのは那須さんも知っており、教室に向かう途中の僕を捕まえるのは造作も無かっただろうに、那須さん達はそれをせず一限後の休み時間に教室へやって来た。それは白鳥さんにも当てはまり、白鳥さんと言えど単なる友人にチョコレートをあげるなら、同じ組の青木さんと香取さんを無視してはならなかった。そして僕と面識の無かった三人の女の子は、僕にチョコレートを渡す予定の女子がこれ以上いないことを確認したのち、僕に紙袋を持たせた。猛と京馬の話を聴き、一か月前のバレンタインデーに水面下で起こっていた事をやっと推測できた僕は、女子達を縛る序列の厳格さに恐怖を禁じえなかったのである。
そしてそれは、猛と京馬も同様だった。僕ら三人はそれから暫く、他者に聞かれてはならない密談をしているかのように、背中を丸め2D画面に顔を寄せて意見交換をした。その終盤、僕はふと思い立ち、こんなことをチャットに書き込んだ。
眠「でもさ、北斗の受け売りだけど、人類は序列を手放してゆくと思うよ」
猛「人類全体の成長と個人の成長は類似するっつう、あの研究だな」
京「人類はかつて、理不尽な身分制度で雁字搦めだったが、確かに今はないよな」
眠「身分制度を法律で禁じても、心の中から身分が消えるには、時間かかったよね」
猛「いや、学歴至上主義さえ残っているくらいだから、完全には程遠いだろう」
京「それに俺ら男子も、序列について女子に偉そうなこと、言えんしな」
眠「でも男子と女子とは、少し違う気がするんだけど」
猛「表面上の序列に惑わされず、腹で対等な付き合いができる男に、男は惚れる」
京「いやはや、眠留のあれ、マジ名言だぜ」
眠「ちょっと二人とも、僕のことはいいから!」
猛「いや、これは大切なことだぞ眠留」
京「ああそうだ。あの発言を境に俺ら十組男子は、変わったからな」
猛「ああ変わった。少なくとも、変わろうとする努力を始めた」
京「それが実った、俺ら十組男子を見ろ眠留」
猛「言いたいことをこれほど言い合える野郎共が、こうもウジャウジャいる組」
京「そんなの他の組では、到底望めんことだな」
その瞬間、脳の中心に電気放電が生じた。その電気が神経を伝い、腕の先端に集められる。僕は歴代最高速度で、十指を2Dキーボードに走らせた。
眠「学年から序列意識を拭い去る。これが、一年時と六年時を同じ組にする、真の課題なんじゃないかな!」
ホワイトデーの、午前五時半。
毎朝恒例のお参りを済ませ、輝夜さんと昴にチョコレートのお礼を渡した。色鮮やかなミニフルーツタルトの十二個セットを、二人は飛び上がって喜んでくれた。その喜びように、情を動かされたのだと思う。水晶が空中に現れ、「今朝の訓練はキツイから一つ二つ食べておいで」と二人を促した。十二個のフルーツタルトを年頃娘全開で喜んでいた二人はそのノリのまま「「お師匠様ありがとう!」」と、水晶を両側から抱きしめた。二人はもちろん水晶もあれ程のふやけ顔になったのだから、残念脳ミソを振り絞って考えた甲斐が、あったんだろうな。
朝食前、苺をふんだんに用いたイチゴタルトを美鈴に渡した。毎年恒例のお礼だけど、苺が大好きな美鈴はこれを目にするなり顔を輝かせるから今年も同じにしたのである。多少の不安はあったが美鈴はとても喜び、しかも今年は数年ぶりに「お兄ちゃんありがとう!」と抱き付いてくれた。去年まで手の届かなかった最上級タルトにしたからか、それとも抱き付くのはこれが最後だからねという意思表示なのかは定かでないが、妹を持つ兄は良いものだなあと僕はつくづく思った。
祖母と貴子さんと翔子さんへは朝食中に渡した。神社で贔屓にしている川越の和菓子屋さんはバレンタインとホワイトデーにカラフルな特別和菓子を売り出していて、祖母と貴子さんと僕はいつもそれをやり取りしていた。今年はそれに翔子さんが加わり、祖母と貴子さんはまだしも十代半ばの翔子さんも和菓子でいいのか悩んだが、祖母は上品、貴子さんは艶やか、翔子さんは華やかという三者三様の商品を選んだからか女性陣に大好評だった。輝夜さんと昴と美鈴も自分達のタルトをテーブルに並べたので、台所はお菓子のお花畑になった。皆のはしゃぎようと言ったらなく、そんな台所の様子を眺めていたら、来年のホワイトデーのために頑張って稼ぐぞという生まれて初めての闘志が、胸にふつふつと湧いて来たのだった。
ミニフルーツタルトの四個セットを十四箱たずさえ、学校に向かった。男は待たせてもいいが女の子を待たせてはならないという風潮からか、ホワイトデーはHR前にお返しを済ませるのが湖校の伝統になっていた。ヘタレの僕にとってその伝統は、休み時間中に他のクラスを訪問しお返しを渡すことを回避する、まさに絶好の口実と言えよう。お返しはチョコレートをもらった順にするという不文律もあり、そこに公正さを感じた僕は、階段の上り下りを幾度もした。真山と北斗に比べたら階段踏破数も抱えているお返しの数も笑っちゃうほど少なく、幾度という語彙を使うほどではなかったんだけどね。
順番以外にも気に掛けたことが、個人的に一つあった。それは、バレンタインデーに連れ立ってやって来た人にはタルトの中身を変える、という事だった。特に那須さんや大和さんの五人の寮生は全員で一斉に箱を開けることが予想されたため、組み合わせを全て変えた。とはいえタルトは十六種類しかなく剣道部の二人は同じになってしまったが、美鈴に相談したところ「順当よお兄ちゃん」との回答をもらえたので安心してそうした。それは大当たりだったらしく、大絶賛のメールをすぐさま頂戴することができた。
それとは別に、芹沢さんへはちょっとした工夫をした。美鈴がお世話になっている分も加え、猛と二人でタルトを楽しめるよう、前日の日曜に四個セット二箱を猛に渡していたのである。お昼休みを二人っきりで過ごした猛と芹沢さんからも、感謝のメールを貰うことができた。
他の女の子たちも凄く褒めてくれた。名前を知らなかった三人の女の子からもメールが届き、今後はメル友になれるかなと期待している。
ただその内の一人が、気になることを書いていた。「私のような有象無象が猫将軍君にチョコレートをあげて良いか悩んだけど、思い切って良かった」 という、心をざわめかせる内容がそこにあったのである。いつもならこの手の問題は真山か北斗にすぐ相談するのだけど、百人以上の女の子にお返しを渡すべく校舎を駆け回っていた二人の姿が思い出され、相談できずじまいだった。しかし、これは極めつけの重大案件との確信が脳裏を離れず、なのにどうしてもその子に返信できないという事態が僕を襲った。それは帰宅後も続き、勉強机の上にメール制作画面を立ち上げたまま、僕は三十分近くを過ごしていた。すると突然、
『なあ眠留、お前ひょっとして、何かを悩んでいるんじゃないか?』
猛がそんなメールを送ってきた。驚きと嬉しさに十指が躍り上がろうとした瞬間、
『おい眠留、お前ひょっとして、何かを悩んでいるんじゃないか?』
最初の呼びかけのみが異なるメールを京馬も送って来たので、僕は笑い転げてしまった。だが、こんなヤツらを待たせたら男がすたる。腕を体の連動から独立させるという、翔刀術の奇襲技を駆使して十指を動かし、二人をチャットに誘った。そしてその冒頭に、もらったばかりの二通のメールを載せるや、
「ぎゃはははっ」「ぎゃはははっ」
二人は自分の笑い声を律儀に書き込んでくれた。負けじと僕も参戦し、複数の爆笑表記を競い合って書き込んだところで、切り出す。
「二人に以前話した、名前を言わずチョコレートをくれた女の子の一人が、メールにこんなことを書いていたんだよ」
打って変わって二人は沈黙した。根気よく待つ僕の目に飛び込んできたのは、猛の書き込みだった。
「冬休みの最後に、五人で寮に泊まった時の話、覚えているか?」
間髪入れず京馬が応えた。
「閃いたぞ、皆で俺をくすぐりまくった話が、関係しているんだろう!」「やけに察しがいいじゃねえか」「あの晩以降、真山に頼んで女子学を教えて貰っている俺様を、なめるんじゃねえ」「いやそれ、凄いのは真山で、京馬じゃなくね?」「ばれたか!」
などと僕を置き去りにして話を進める二人へ、
「ごめん僕、なんのことか閃かないよ」
そう素直に打ち明けると、二人はこんな内容のことを話してくれた。
―― 去年のクリスマス会で真山と北斗は、女子と踊る順番を間違えぬよう心掛けていた。これと同種の事が、バレンタインデーとホワイトデーにも行われているのではないか。序列を重視する女子達はバレンタイン時、チョコレートを渡す順番を厳格に決めていた。よって男子もその順番に沿いお返しを渡すことを、先輩方は湖校の伝統にした。今朝のHR前に行われた湖校の伝統行事には、こんな裏事情があったのではないか――
僕は体の震えを止めることができなかった。検証するまでもなく二人の推測は正しいと、直感したのである。
一か月前の、バレンタインデー。早朝のお参りを済ませた輝夜さんと昴が、チョコレートの入った紙袋を同時に差し出してくれた時は何も思わなかったが、僕にチョコレートを渡す最初の女子は、二人でなければならなかったのだと今は思う。学校への道すがら、猛が「白銀さんと天川さんにチョコレートを貰ったか?」とのメールをよこしたのは、芹沢さんから頼まれたに違いない。芹沢さんはきっと、二人より先はまずいが自分が遅れたら那須さん達はもっと遅れてしまうと考え、猛に確認を頼んだのだ。僕がHR前の時間を実技棟で過ごすのは那須さんも知っており、教室に向かう途中の僕を捕まえるのは造作も無かっただろうに、那須さん達はそれをせず一限後の休み時間に教室へやって来た。それは白鳥さんにも当てはまり、白鳥さんと言えど単なる友人にチョコレートをあげるなら、同じ組の青木さんと香取さんを無視してはならなかった。そして僕と面識の無かった三人の女の子は、僕にチョコレートを渡す予定の女子がこれ以上いないことを確認したのち、僕に紙袋を持たせた。猛と京馬の話を聴き、一か月前のバレンタインデーに水面下で起こっていた事をやっと推測できた僕は、女子達を縛る序列の厳格さに恐怖を禁じえなかったのである。
そしてそれは、猛と京馬も同様だった。僕ら三人はそれから暫く、他者に聞かれてはならない密談をしているかのように、背中を丸め2D画面に顔を寄せて意見交換をした。その終盤、僕はふと思い立ち、こんなことをチャットに書き込んだ。
眠「でもさ、北斗の受け売りだけど、人類は序列を手放してゆくと思うよ」
猛「人類全体の成長と個人の成長は類似するっつう、あの研究だな」
京「人類はかつて、理不尽な身分制度で雁字搦めだったが、確かに今はないよな」
眠「身分制度を法律で禁じても、心の中から身分が消えるには、時間かかったよね」
猛「いや、学歴至上主義さえ残っているくらいだから、完全には程遠いだろう」
京「それに俺ら男子も、序列について女子に偉そうなこと、言えんしな」
眠「でも男子と女子とは、少し違う気がするんだけど」
猛「表面上の序列に惑わされず、腹で対等な付き合いができる男に、男は惚れる」
京「いやはや、眠留のあれ、マジ名言だぜ」
眠「ちょっと二人とも、僕のことはいいから!」
猛「いや、これは大切なことだぞ眠留」
京「ああそうだ。あの発言を境に俺ら十組男子は、変わったからな」
猛「ああ変わった。少なくとも、変わろうとする努力を始めた」
京「それが実った、俺ら十組男子を見ろ眠留」
猛「言いたいことをこれほど言い合える野郎共が、こうもウジャウジャいる組」
京「そんなの他の組では、到底望めんことだな」
その瞬間、脳の中心に電気放電が生じた。その電気が神経を伝い、腕の先端に集められる。僕は歴代最高速度で、十指を2Dキーボードに走らせた。
眠「学年から序列意識を拭い去る。これが、一年時と六年時を同じ組にする、真の課題なんじゃないかな!」
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このお話は、三国志を知らない人も楽しめる。三国志を知ってる人はより楽しめる。そんな作品を目指して書いてます。
今後の予定
第一章 黄巾の乱編
第二章 反トータク連合編
第三章 群雄割拠編
第四章 カント決戦編
第五章 赤壁大戦編
第六章 西校舎攻略編←今ココ
第七章 リュービ会長編
第八章 最終章
作者のtwitterアカウント↓
https://twitter.com/tobeitsuki?t=CzwbDeLBG4X83qNO3Zbijg&s=09
※このお話は2019年7月8日にサービスを終了したラノゲツクールに同タイトルで掲載していたものを小説版に書き直したものです。
※この作品は小説家になろう・カクヨムにも公開しています。
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