298 / 934
九章
最重要ミッション、1
しおりを挟む
年が明けた一月五日。
水曜日の、午前八時十分。
「行ってきます」
「お兄ちゃん行ってらっしゃい」
サークルに出るべく、僕は玄関を後にした。
十二月二十六日から昨日までの十日間、年末年始という神社が最も忙しい時期、僕はサークルを休んだ。神社の長男に生まれたのだから仕事を手伝って当然だと先輩方は言ってくれたが、休日と長期休暇しかサークルに参加できない僕にとって、この十日間はつらかった。学校のない日はサークルに打ち込むのが心身に染み渡っていたらしく、新忍道がしたくて堪らない衝動に、幾度も駆られたのである。それを経て僕は知った。戦友達と語らい、笑い、背中を預けて戦う時間がどれほど素晴らしく、そして掛け替えのないものだったのかを。
だから、
「うおりゃ~!」
僕は走った。幾十幾百の衝動を一纏めにしたが如く、ペース配分もサークルに残す余力も何もかも忘れて、僕は突っ走った。
――新忍道に没頭したい。
それだけを胸に、全身の筋肉を全力で使い続けた。その甲斐あって、いつもより十分早くプレハブの扉を開ける事ができたのだけど、
「おはようございます!」
と挨拶するなり、僕は床にへたり込んでしまったのだった。
「ったくお前は、叱るべきなのか褒めるべきなのか、判断付かん事をするな」
副長の荒海さんが後輩の不始末を叱る口調で、けど頬はしこたま緩めて、クーラーボックスから冷たいタオルを取り出し僕に放った。これは本来、激しい練習をした後に使うタオルだったため、僕は大いに躊躇った。だがサークル長を務める真田さんの逞しい笑みに促され、ありがたく使わせて頂くことにした。顔と首周りの汗を拭き、胸にあてて心臓を冷やす。最も酷使され暑がっている心臓を、こうして冷やしてあげるのが、発汗を押さえ呼吸を整える近道なのだ。
「眠留、準備開始まで残り八分だ」
「残り四分になったらタオルを受け取るから、今は回復に集中しろよ」
北斗と京馬がそう囁き、練習服に着替え始めた。母屋の掃除を済ませてから家を出る僕は、二人が練習服に着替え終わったあと、プレハブの敷居をまたぐのが常と言える。確かに僕は今日、いつもより十分ちょい早くここに着いたけど、二人がまだ制服姿でいたのは少し遅い気がした。もしかすると二人は、今年初めてサークルに参加する僕を待ち、三人揃って練習服を身に着けたかったのかもしれない。それを思うと僕の頭は、寄りかかっていた壁を離れ、前へ傾斜せずにはいられなかった。
その頭を、
「こらこら、副長に同じことを二度言わせるんじゃないよ」
四年の黛さんが撫でた。顔を上げるとそこに、優しく微笑む黛さんがいた。
「眠留は気持ちが顔にそのままでるから、一目で分かったよ。サークルに出たくて出たくて、無我夢中で走って来たんだろ」
背筋を伸ばし僕は頷いた。黛さんは苦笑するも首を縦に振り、元日の想い出話をした。
今年は真田さんと荒海さんが新忍道の全国大会を目指す最初の年であると共に、お二人がサークルに籍を置く最後の年でもある。よって皆は話し合い、神社に参拝することを決めた。毎日の通学は無理でもお昼に待ち合わせるくらいなら難しくない緑川さんと森口さんも加わっていたので、サークルメンバー全員が、揃って初詣をしてくれたのである。祖父母はそれを大層喜び、新忍道サークルの優勝祈願を急遽執り行った。元日の飛び入りだったため略式の祈願ではあったが、先輩方は祖父母へ深々と腰を折り、心のこもった謝意を述べていた。その光景に貴子さんは目元を赤くし、「友達だけでなく先輩にも恵まれているなんて、ボンはどこまで果報者なんだい」と、僕の髪をぐちゃぐちゃにしていた。
「眠留のご家族は清々しい方々で、眠留がどれほど大切な仕事をしているかを俺達は肌で感じた。しかしそれでも、サークルを始める日が待ち遠しくてならず、お前はここまで走って来た。練習前に過度の運動をしたのは責任者として叱らねばならないが、同じ道をゆく仲間として、副長は頬を緩めずにはいられないんだ。だから顔を上げて、今は回復に専念するんだよ」
今年、サークル唯一の五年生になる黛さんは、次期サークル長への就任が決定している。真田さん、荒海さん、そして黛さんという素晴らしい上級生に恵まれた僕は、まこと貴子さんから髪の毛をぐちゃぐちゃにされて然るべき、果報者なのだった。
その後、九時から正午まで新忍道に打ち込んだ。射撃訓練、潜入訓練、実戦、そのどれもが楽しく、どれか一つを選べと言われたら苦悶する他ないが、何が一番嬉しかったと問われたら、自信を持って答えることができた。それは北斗が受け身の試験を、十一日間連続で合格したことだった。危険性の極めて高い新忍道は受け身の試験を毎回必ず実施していて、それに合格しないとモンスターとの戦闘に参加できない規則になっている。北斗は決して運動音痴ではないが、要求される受け身の水準が凄まじく高いため、当初の合格率は5%にも満たなかった。だが北斗は負けなかった。風の日も雨の日も北斗は自主練を続け、七月中に合格率を33%にし、冬休み前にはそれを90%まで引き上げていた。そして僕が十日間の休みに入る前日、彼は密かに決意した。「眠留が休む十日間、受け身の試験にすべて合格するぞ」と。
翌日以降、北斗は合格を勝ち取り続けた。
全校休校日となる元日もアイに事情を話し一人練習場に現れ、合格をもぎ取っていた。
そして昨日、十日連続合格を得て決意を成就させた北斗は、それを皆へ打ち明けた。すると、予想外の事が起こった。先輩方の誰もが厳しい表情をして、明日も合格しろと命じたのである。北斗はすぐ理解した。密かに決意し誰知れず過ごした十日間は自己完結の練習でしかないが、明日は違う。皆にそれを打ち明け、皆の注目のもと試験に臨む明日は、公式戦とも呼べる本番なのだと、北斗は悟ったのである。
そして今日、北斗はサークルメンバー全員の前で受け身の試験を受けた。いつもは受け身の練習が試験を兼ねるのだが、今日は公式AIによる「試験開始」の号令のもと、たった一人で試験に臨んだ。事情を聴かされとても緊張していた僕とは裏腹に、北斗はいつも通りの北斗で受け身をしていた。「合格!」という声と歓声が轟いたのち、真田さんが北斗の肩に手を置いて言った。
「練習は本番のように、本番は練習のように。それをお前は今日、皆の前で示してくれた。サークル長として、礼を言うぞ北斗」
個人的に感極まり涙を流すことは、沢山あった。
そういう皆を目にすることも、数限りなくあった。
だが、メンバー全員の男泣きを見たのは、サークル発足から七か月と五日を経た今日が、初めてだった。
水曜日の、午前八時十分。
「行ってきます」
「お兄ちゃん行ってらっしゃい」
サークルに出るべく、僕は玄関を後にした。
十二月二十六日から昨日までの十日間、年末年始という神社が最も忙しい時期、僕はサークルを休んだ。神社の長男に生まれたのだから仕事を手伝って当然だと先輩方は言ってくれたが、休日と長期休暇しかサークルに参加できない僕にとって、この十日間はつらかった。学校のない日はサークルに打ち込むのが心身に染み渡っていたらしく、新忍道がしたくて堪らない衝動に、幾度も駆られたのである。それを経て僕は知った。戦友達と語らい、笑い、背中を預けて戦う時間がどれほど素晴らしく、そして掛け替えのないものだったのかを。
だから、
「うおりゃ~!」
僕は走った。幾十幾百の衝動を一纏めにしたが如く、ペース配分もサークルに残す余力も何もかも忘れて、僕は突っ走った。
――新忍道に没頭したい。
それだけを胸に、全身の筋肉を全力で使い続けた。その甲斐あって、いつもより十分早くプレハブの扉を開ける事ができたのだけど、
「おはようございます!」
と挨拶するなり、僕は床にへたり込んでしまったのだった。
「ったくお前は、叱るべきなのか褒めるべきなのか、判断付かん事をするな」
副長の荒海さんが後輩の不始末を叱る口調で、けど頬はしこたま緩めて、クーラーボックスから冷たいタオルを取り出し僕に放った。これは本来、激しい練習をした後に使うタオルだったため、僕は大いに躊躇った。だがサークル長を務める真田さんの逞しい笑みに促され、ありがたく使わせて頂くことにした。顔と首周りの汗を拭き、胸にあてて心臓を冷やす。最も酷使され暑がっている心臓を、こうして冷やしてあげるのが、発汗を押さえ呼吸を整える近道なのだ。
「眠留、準備開始まで残り八分だ」
「残り四分になったらタオルを受け取るから、今は回復に集中しろよ」
北斗と京馬がそう囁き、練習服に着替え始めた。母屋の掃除を済ませてから家を出る僕は、二人が練習服に着替え終わったあと、プレハブの敷居をまたぐのが常と言える。確かに僕は今日、いつもより十分ちょい早くここに着いたけど、二人がまだ制服姿でいたのは少し遅い気がした。もしかすると二人は、今年初めてサークルに参加する僕を待ち、三人揃って練習服を身に着けたかったのかもしれない。それを思うと僕の頭は、寄りかかっていた壁を離れ、前へ傾斜せずにはいられなかった。
その頭を、
「こらこら、副長に同じことを二度言わせるんじゃないよ」
四年の黛さんが撫でた。顔を上げるとそこに、優しく微笑む黛さんがいた。
「眠留は気持ちが顔にそのままでるから、一目で分かったよ。サークルに出たくて出たくて、無我夢中で走って来たんだろ」
背筋を伸ばし僕は頷いた。黛さんは苦笑するも首を縦に振り、元日の想い出話をした。
今年は真田さんと荒海さんが新忍道の全国大会を目指す最初の年であると共に、お二人がサークルに籍を置く最後の年でもある。よって皆は話し合い、神社に参拝することを決めた。毎日の通学は無理でもお昼に待ち合わせるくらいなら難しくない緑川さんと森口さんも加わっていたので、サークルメンバー全員が、揃って初詣をしてくれたのである。祖父母はそれを大層喜び、新忍道サークルの優勝祈願を急遽執り行った。元日の飛び入りだったため略式の祈願ではあったが、先輩方は祖父母へ深々と腰を折り、心のこもった謝意を述べていた。その光景に貴子さんは目元を赤くし、「友達だけでなく先輩にも恵まれているなんて、ボンはどこまで果報者なんだい」と、僕の髪をぐちゃぐちゃにしていた。
「眠留のご家族は清々しい方々で、眠留がどれほど大切な仕事をしているかを俺達は肌で感じた。しかしそれでも、サークルを始める日が待ち遠しくてならず、お前はここまで走って来た。練習前に過度の運動をしたのは責任者として叱らねばならないが、同じ道をゆく仲間として、副長は頬を緩めずにはいられないんだ。だから顔を上げて、今は回復に専念するんだよ」
今年、サークル唯一の五年生になる黛さんは、次期サークル長への就任が決定している。真田さん、荒海さん、そして黛さんという素晴らしい上級生に恵まれた僕は、まこと貴子さんから髪の毛をぐちゃぐちゃにされて然るべき、果報者なのだった。
その後、九時から正午まで新忍道に打ち込んだ。射撃訓練、潜入訓練、実戦、そのどれもが楽しく、どれか一つを選べと言われたら苦悶する他ないが、何が一番嬉しかったと問われたら、自信を持って答えることができた。それは北斗が受け身の試験を、十一日間連続で合格したことだった。危険性の極めて高い新忍道は受け身の試験を毎回必ず実施していて、それに合格しないとモンスターとの戦闘に参加できない規則になっている。北斗は決して運動音痴ではないが、要求される受け身の水準が凄まじく高いため、当初の合格率は5%にも満たなかった。だが北斗は負けなかった。風の日も雨の日も北斗は自主練を続け、七月中に合格率を33%にし、冬休み前にはそれを90%まで引き上げていた。そして僕が十日間の休みに入る前日、彼は密かに決意した。「眠留が休む十日間、受け身の試験にすべて合格するぞ」と。
翌日以降、北斗は合格を勝ち取り続けた。
全校休校日となる元日もアイに事情を話し一人練習場に現れ、合格をもぎ取っていた。
そして昨日、十日連続合格を得て決意を成就させた北斗は、それを皆へ打ち明けた。すると、予想外の事が起こった。先輩方の誰もが厳しい表情をして、明日も合格しろと命じたのである。北斗はすぐ理解した。密かに決意し誰知れず過ごした十日間は自己完結の練習でしかないが、明日は違う。皆にそれを打ち明け、皆の注目のもと試験に臨む明日は、公式戦とも呼べる本番なのだと、北斗は悟ったのである。
そして今日、北斗はサークルメンバー全員の前で受け身の試験を受けた。いつもは受け身の練習が試験を兼ねるのだが、今日は公式AIによる「試験開始」の号令のもと、たった一人で試験に臨んだ。事情を聴かされとても緊張していた僕とは裏腹に、北斗はいつも通りの北斗で受け身をしていた。「合格!」という声と歓声が轟いたのち、真田さんが北斗の肩に手を置いて言った。
「練習は本番のように、本番は練習のように。それをお前は今日、皆の前で示してくれた。サークル長として、礼を言うぞ北斗」
個人的に感極まり涙を流すことは、沢山あった。
そういう皆を目にすることも、数限りなくあった。
だが、メンバー全員の男泣きを見たのは、サークル発足から七か月と五日を経た今日が、初めてだった。
0
あなたにおすすめの小説
ママはヤンママ女子高生! ラン&ジュリー!!
オズ研究所《横須賀ストーリー紅白へ》
キャラ文芸
神崎ランの父親の再婚相手は幼馴染みで女子高生の高原ジュリーだった。
ジュリーは金髪美少女だが、地元では『ワイルドビーナス』の異名を取る有名なヤンキーだった。
学校ではジュリーは、ランを使いっ走りにしていた。
当然のようにアゴで使われたが、ジュリーは十八歳になったら結婚する事を告白した。
同級生のジュリーが結婚するなんて信じられない。
ランは密かにジュリーの事を憧れていたので、失恋した気分だ。
そう言えば、昨夜、ランの父親も再婚すると言っていた。
まさかとは思ったが、ランはジュリーに結婚相手を聞くと、ランの父親だと判明した。
その夜、改めて父親とジュリーのふたりは結婚すると報告された。
こうしてジュリーとの同居が決まった。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。
昼寝部
キャラ文芸
俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。
その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。
とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。
まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。
これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。
私の守護霊さん
Masa&G
キャラ文芸
大学生活を送る彩音には、誰にも言えない秘密がある。
彼女のそばには、他人には姿の見えない“守護霊さん”がずっと寄り添っていた。
これは——二人で過ごした最後の一年を描く、かけがえのない物語。
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
シスターヴレイヴ!~上司に捨て駒にされ会社をクビになり無職ニートになった俺が妹と異世界に飛ばされ妹が勇者になったけど何とか生きてます~
尾山塩之進
ファンタジー
鳴鐘 慧河(なるがね けいが)25歳は上司に捨て駒にされ会社をクビになってしまい世の中に絶望し無職ニートの引き籠りになっていたが、二人の妹、優羽花(ゆうか)と静里菜(せりな)に元気づけられて再起を誓った。
だがその瞬間、妹たち共々『魔力満ちる世界エゾン・レイギス』に異世界召喚されてしまう。
全ての人間を滅ぼそうとうごめく魔族の長、大魔王を倒す星剣の勇者として、セカイを護る精霊に召喚されたのは妹だった。
勇者である妹を討つべく襲い来る魔族たち。
そして慧河より先に異世界召喚されていた慧河の元上司はこの異世界の覇権を狙い暗躍していた。
エゾン・レイギスの人間も一枚岩ではなく、様々な思惑で持って動いている。
これは戦乱渦巻く異世界で、妹たちを護ると一念発起した、勇者ではない只の一人の兄の戦いの物語である。
…その果てに妹ハーレムが作られることになろうとは当人には知るよしも無かった。
妹とは血の繋がりであろうか?
妹とは魂の繋がりである。
兄とは何か?
妹を護る存在である。
かけがいの無い大切な妹たちとのセカイを護る為に戦え!鳴鐘 慧河!戦わなければ護れない!
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる