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八章
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分身の術を成すのは、爆渦軸閃だけではない。静集錐閃も、分身の術をなす技術の一つだ。ただ水晶によると静集錐閃の使い手は、爆渦軸閃の使い手より分身の術が苦手らしい。理由は技の優劣にあるのではなく、両者の性質の違いにあった。高速連続移動により複数化を錯覚させる分身の術は、敵の予想しえぬ方角へ瞬時に跳躍する爆閃と相性が良い。しかし静閃は、基本的に同一直線上を移動する技術なので、四方八方へ自在に跳ぶことを苦手とし、それが分身の術にも影響を及ぼすのである。だがそれは裏を返せば、静閃は直線移動が得意という事。よって直線移動で発動しやすい「重ね掛け」に関しては、爆閃の使い手と静閃の使い手は、立場が逆転するのだそうだ。
重ね掛けの仕組みには、しばしば電車が用いられる。例えば時速10キロで走る電車の乗客が、進行方向に時速10キロで走ったら、その乗客は電車の外から見ると、時速20キロで走っているのと同じになる。かつその最中、乗客がボールを時速10キロで投げたら、ボールは時速30キロで飛んでいる事になる。この現象を翔人は「重ね掛け」と呼び、そして静閃の使い手は、重ね掛けを習得しやすいらしい。輝夜さんは事実それが大の得意で、秒速500メートルの火花を三連続発動すると、秒速1500メートルにきっちりなると言う。僕が生命力を900倍に圧縮をしてやっと出るスピードに、輝夜さんは100倍圧縮で届くのである。目にも止まらぬ速さの戦闘は中二病心を激しくくすぐるから、重ね掛けを大の得意とする輝夜さんが、僕は羨ましくてならなかった。
とはいえ、重ね掛けにも弱点はある。それは、意識速度と移動速度の乖離。例えば翔化中に僕が百圧をしたら、意識速度と移動速度は、どちらも等しく十倍になる。しかし輝夜さんが重ね掛けの百圧を三連続ですると、意識速度は十倍でも、移動速度は三十倍になってしまう。頭脳明晰な輝夜さんならこのギャップを苦もなく修正できても、僕の残念脳味噌ではそうはいかない。まあでもそんなのは慣れっこだから、重ね掛けの修業を僕は焦らず気長に続けていた。
音と予備動作の有無も、爆閃と静閃では異なる。例えば僕が道場で爆閃をすると、ドンという音がする。三連続でしたらドドドンという音が道場に響き、そして爆閃を得意とする僕でも、二回目と三回目に予備動作をどうしてもする事になる。だが輝夜さんの静閃に、音は無い。静という字が使われているように、無音でスッと近づいて来る。しかも輝夜さんは達人だから、たとえ三連続でしようと、音や予備動作がまるで生じないのだ。かつて昴が輝夜さんを評したように、「気づくと目の前に迫っている」という状況を、輝夜さんの静閃は容易に作り出せるのである。
このように爆閃と静閃は、対を成す技術と言われている。よってこの二つに優劣はないが、はっきり「上」とされる技術もある。昴の陽炎がそれだ。その理由は、擬音語で表現すると理解しやすいだろう。例えば爆閃の擬音語をドンとすると、二連続ならドドン、三連続ならドドドンになる。これは静閃も同じで単発はスッ、二連続はススッ、三連続はスススッになる。ドとスの違いこそあれ、リズミカルな音になるのは同じなのだ。けど陽炎に、それはない。単発だろうが連発だろうが、すべて「ゆらゆら」になる。陽炎は無拍子、つまりリズムが無いため、ゆらゆらとしか表現できないのである。行動予測を困難にする無拍子は、最強の魔想である魔邸との戦闘において、強力な武器になると言われていた。
よって多くの場合、というか水晶によるとたった二人の例外を除き、翔人は陽炎の習得に数十年という歳月を費やす。それが、陽炎は爆閃と静閃の上位技術という根拠になっているのだけど、昴はなんと見習中に、陽炎を習得してしまった。しかもこれまでは、爆閃か静閃のどちらかを身に付け、それを磨き抜いてから陽炎を目指すのが常だったのに、昴はどちらもできぬまま陽炎をあっさり自分のものにしてしまったのである。本来ならこれは頭を抱える事態なのだろうが、そこはさすが水晶。「そなたらには翔人の常識すら通用せんのだの」と水晶は豪快に笑い飛ばし、昴の肩から重荷を取り除いたのだった。
二人の例外のもう一方は、言うまでもなく美鈴だ。正確には美鈴は、まだ陽炎を身に付けていない。ただ美鈴は輝夜さんの静閃を見るなりそれを習得し、そして今は陽炎を、とても楽しそうに練習している。爆閃と静閃の精度を上げると同時に、陽炎を驚くべき速さで、しかも楽しげに身に付けつつあるのだ。そんな美鈴を見るたび、翔人の常識すら通用しないという水晶の言葉を、僕は思い出さずにはいられなかった。
いやいやそれだけじゃないな、と僕は口をモギュモギュ動かしながら首を横に振った。爆閃と静閃と陽炎を「料理を作るのも、食べるのも、食べてもらうのもみんな大好き!」的なノリで捉えている美鈴に影響され、僕は最近、ある光景を思い浮かべるようになったのだ。それは僕と輝夜さんと昴が、力を合わせて魔邸と戦っている光景だった。
まずは僕が先陣を切り、爆閃を駆使した分身の術で魔邸に挑む。
だが複数個所への同時集中に秀でる魔邸は、ほどなく分身の術に慣れる。
分身の術を見破られた僕は窮地に立つ。
けどそれは、陽動。
恐れおののく僕に慢心した魔邸の眼前に、昴が現れる。
陽炎をまとった昴が、我こそは本命とばかりに魔邸へ挑みかかる。
分身の術に慣れた魔邸は揺らめく陽炎をことさら奇異に感じ、動揺する。
その動揺を、輝夜さんが突く。
火花を重ね掛けした輝夜さんは閃光と化し、魔邸にとどめを刺すのだ。
そんな光景を僕は最近、しばしば脳裏に描くようになったのである。それぞれがそれぞれの得意分野を活かし、力を結集する事によって、最強の敵である魔邸を葬ってゆく。それはなんとも心躍る光景で、僕はこれを心のスクリーンに映すたび、自然に頬が緩んだ。
いや、緩んでしまうのであった。
「お兄ちゃん、さっきから何をニマニマしているの?」
美鈴が朝ごはんを食べる手を止め、僕に問いかけた。そうここは、台所のテーブル。毎朝恒例の賑やかな朝食に安心した僕は、会話に参加することも会話を聞くこともせず、妄想に一人ふけっていたのである。
でももしそれが、爆閃と静閃と陽炎の違いを武術的に考察している最中の問いかけだったなら、僕はそれを喜んで披露しただろう。皆もそれに興味を示し、食卓は大いに盛り上がったはずだ。けど間の悪いことに、その問いかけは妄想中になされた。しかもその妄想に、美鈴は入っていなかった。たとえ架空の世界であろうと、美鈴を危険な場面に登場させたくなかったのだ。しかしそれでも、美鈴だけを除け者にした事実は変わらない。翔人である限り魔邸との戦いは避けられないのだから、むしろ積極的に美鈴を参加させ、安全性の高い作戦を模索すべきだった。それこそが兄としての真の務めだったと、僕はやっと気づいたのである。それを告げるべく僕は姿勢を正し、世界一大切な妹に向き直った。
が、それが告げられることはなかった。魔邸訓練には必ず水晶がいて、そして今朝の水晶の姿があまりに衝撃的だったせいで、魔邸戦の話をするには水晶のあの姿を明かさねばならないと、僕は勘違いしてしまった。正しくはそんなこと更々なく、今朝の訓練で鞭を五本切ったことを土台にすれば良いだけだったのに、僕の低スペック脳はそれに辿り着けなかった。別れ際に水晶と交わした約束を守るには話をどう持って行けばよいのかと、残念すぎる勘違いに僕は陥ったのだ。
それを、水晶に心酔しきっている輝夜さんと昴が、見過ごすわけがない。
「あやしい」
「うん怪しい。眠留くん、私達に何か隠しているでしょう」
三白眼で睨みつける二人に、僕はすくみ上った。そこへ、
「お兄ちゃん、それは秘密にしないといけない話なの?」
重ね掛けの仕組みには、しばしば電車が用いられる。例えば時速10キロで走る電車の乗客が、進行方向に時速10キロで走ったら、その乗客は電車の外から見ると、時速20キロで走っているのと同じになる。かつその最中、乗客がボールを時速10キロで投げたら、ボールは時速30キロで飛んでいる事になる。この現象を翔人は「重ね掛け」と呼び、そして静閃の使い手は、重ね掛けを習得しやすいらしい。輝夜さんは事実それが大の得意で、秒速500メートルの火花を三連続発動すると、秒速1500メートルにきっちりなると言う。僕が生命力を900倍に圧縮をしてやっと出るスピードに、輝夜さんは100倍圧縮で届くのである。目にも止まらぬ速さの戦闘は中二病心を激しくくすぐるから、重ね掛けを大の得意とする輝夜さんが、僕は羨ましくてならなかった。
とはいえ、重ね掛けにも弱点はある。それは、意識速度と移動速度の乖離。例えば翔化中に僕が百圧をしたら、意識速度と移動速度は、どちらも等しく十倍になる。しかし輝夜さんが重ね掛けの百圧を三連続ですると、意識速度は十倍でも、移動速度は三十倍になってしまう。頭脳明晰な輝夜さんならこのギャップを苦もなく修正できても、僕の残念脳味噌ではそうはいかない。まあでもそんなのは慣れっこだから、重ね掛けの修業を僕は焦らず気長に続けていた。
音と予備動作の有無も、爆閃と静閃では異なる。例えば僕が道場で爆閃をすると、ドンという音がする。三連続でしたらドドドンという音が道場に響き、そして爆閃を得意とする僕でも、二回目と三回目に予備動作をどうしてもする事になる。だが輝夜さんの静閃に、音は無い。静という字が使われているように、無音でスッと近づいて来る。しかも輝夜さんは達人だから、たとえ三連続でしようと、音や予備動作がまるで生じないのだ。かつて昴が輝夜さんを評したように、「気づくと目の前に迫っている」という状況を、輝夜さんの静閃は容易に作り出せるのである。
このように爆閃と静閃は、対を成す技術と言われている。よってこの二つに優劣はないが、はっきり「上」とされる技術もある。昴の陽炎がそれだ。その理由は、擬音語で表現すると理解しやすいだろう。例えば爆閃の擬音語をドンとすると、二連続ならドドン、三連続ならドドドンになる。これは静閃も同じで単発はスッ、二連続はススッ、三連続はスススッになる。ドとスの違いこそあれ、リズミカルな音になるのは同じなのだ。けど陽炎に、それはない。単発だろうが連発だろうが、すべて「ゆらゆら」になる。陽炎は無拍子、つまりリズムが無いため、ゆらゆらとしか表現できないのである。行動予測を困難にする無拍子は、最強の魔想である魔邸との戦闘において、強力な武器になると言われていた。
よって多くの場合、というか水晶によるとたった二人の例外を除き、翔人は陽炎の習得に数十年という歳月を費やす。それが、陽炎は爆閃と静閃の上位技術という根拠になっているのだけど、昴はなんと見習中に、陽炎を習得してしまった。しかもこれまでは、爆閃か静閃のどちらかを身に付け、それを磨き抜いてから陽炎を目指すのが常だったのに、昴はどちらもできぬまま陽炎をあっさり自分のものにしてしまったのである。本来ならこれは頭を抱える事態なのだろうが、そこはさすが水晶。「そなたらには翔人の常識すら通用せんのだの」と水晶は豪快に笑い飛ばし、昴の肩から重荷を取り除いたのだった。
二人の例外のもう一方は、言うまでもなく美鈴だ。正確には美鈴は、まだ陽炎を身に付けていない。ただ美鈴は輝夜さんの静閃を見るなりそれを習得し、そして今は陽炎を、とても楽しそうに練習している。爆閃と静閃の精度を上げると同時に、陽炎を驚くべき速さで、しかも楽しげに身に付けつつあるのだ。そんな美鈴を見るたび、翔人の常識すら通用しないという水晶の言葉を、僕は思い出さずにはいられなかった。
いやいやそれだけじゃないな、と僕は口をモギュモギュ動かしながら首を横に振った。爆閃と静閃と陽炎を「料理を作るのも、食べるのも、食べてもらうのもみんな大好き!」的なノリで捉えている美鈴に影響され、僕は最近、ある光景を思い浮かべるようになったのだ。それは僕と輝夜さんと昴が、力を合わせて魔邸と戦っている光景だった。
まずは僕が先陣を切り、爆閃を駆使した分身の術で魔邸に挑む。
だが複数個所への同時集中に秀でる魔邸は、ほどなく分身の術に慣れる。
分身の術を見破られた僕は窮地に立つ。
けどそれは、陽動。
恐れおののく僕に慢心した魔邸の眼前に、昴が現れる。
陽炎をまとった昴が、我こそは本命とばかりに魔邸へ挑みかかる。
分身の術に慣れた魔邸は揺らめく陽炎をことさら奇異に感じ、動揺する。
その動揺を、輝夜さんが突く。
火花を重ね掛けした輝夜さんは閃光と化し、魔邸にとどめを刺すのだ。
そんな光景を僕は最近、しばしば脳裏に描くようになったのである。それぞれがそれぞれの得意分野を活かし、力を結集する事によって、最強の敵である魔邸を葬ってゆく。それはなんとも心躍る光景で、僕はこれを心のスクリーンに映すたび、自然に頬が緩んだ。
いや、緩んでしまうのであった。
「お兄ちゃん、さっきから何をニマニマしているの?」
美鈴が朝ごはんを食べる手を止め、僕に問いかけた。そうここは、台所のテーブル。毎朝恒例の賑やかな朝食に安心した僕は、会話に参加することも会話を聞くこともせず、妄想に一人ふけっていたのである。
でももしそれが、爆閃と静閃と陽炎の違いを武術的に考察している最中の問いかけだったなら、僕はそれを喜んで披露しただろう。皆もそれに興味を示し、食卓は大いに盛り上がったはずだ。けど間の悪いことに、その問いかけは妄想中になされた。しかもその妄想に、美鈴は入っていなかった。たとえ架空の世界であろうと、美鈴を危険な場面に登場させたくなかったのだ。しかしそれでも、美鈴だけを除け者にした事実は変わらない。翔人である限り魔邸との戦いは避けられないのだから、むしろ積極的に美鈴を参加させ、安全性の高い作戦を模索すべきだった。それこそが兄としての真の務めだったと、僕はやっと気づいたのである。それを告げるべく僕は姿勢を正し、世界一大切な妹に向き直った。
が、それが告げられることはなかった。魔邸訓練には必ず水晶がいて、そして今朝の水晶の姿があまりに衝撃的だったせいで、魔邸戦の話をするには水晶のあの姿を明かさねばならないと、僕は勘違いしてしまった。正しくはそんなこと更々なく、今朝の訓練で鞭を五本切ったことを土台にすれば良いだけだったのに、僕の低スペック脳はそれに辿り着けなかった。別れ際に水晶と交わした約束を守るには話をどう持って行けばよいのかと、残念すぎる勘違いに僕は陥ったのだ。
それを、水晶に心酔しきっている輝夜さんと昴が、見過ごすわけがない。
「あやしい」
「うん怪しい。眠留くん、私達に何か隠しているでしょう」
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