276 / 934
八章
3
しおりを挟む
椅子は間違いなく四十二脚あり、ほっと息を吐いた。
何気なく、長テーブルに目をやる。
それが、隙になったのだろう。目の前の長テーブルに寮の長テーブルを連想し、そこで真向かいに座っていた女の子を幻視した僕は、仕事の最中は考えまいとしていたある重要案件を思い出してしまった。職務怠慢を指摘され一分も経たぬ間に、同じ状態になる訳にはいかない。僕は頭を鋭く振り、クリスマス会に関する那須さんのメールを忘れようとした。だが那須さん繋がりでエイミィの件も意識に浮上してしまい、危うく頭を抱えそうになった。考えまいとすればするほど、那須さんとエイミィが心の中で肥大してゆく。僕みたいなヘタレ男が、あんなに綺麗な女の子たちと、ダンスを・・・・
「猫将軍君、こういう広い室内にいると、私は不思議な音が聞こえてくるの。それって変かな」
思考を混乱させ前のめりになっていた僕に、芹沢さんが優しく話しかけてきたのだった。
慌てて上体を起こし、声の方に顔を向けた。すぐ隣に、ちょっぴり恥ずかしげな気配をまとった芹沢さんがいた。それは九月一日の早朝、第八寮の前庭で、前世の記憶を持つことを話してくれた時の芹沢さんと同じ気配だった。あの日、この類いまれな女性はそれを話すことで、僕と昴の苦悩を少しでも減らそうとしてくれた。前世の記憶という、奇異な目で見られるかもしれない秘密を、僕と昴のためにこの女性は打ち明けてくれたのだ。あの時と同じ気配をまとっているという事は、芹沢さんは再び、その身を犠牲にしようとしているのかもしれない。
そんなこと、絶対させる訳にはいかないじゃないか!
僕という存在の核心からほとばしった叫びが、混乱した思考をいっぺんに吹き飛ばしてゆく。するとそれに代わり、以前美鈴にきつく言い渡されたことがくっきり浮かび上がって来た。「大切な女性を守るためなら命もいらぬという本心を、私達三人以外には見せちゃダメだよ、お兄ちゃん」 脳裏に映る妹に了解と告げ、僕は普段の口調で芹沢さんに話しかけようとした。のだけど、
「それ、俺も同じかもしれない。キーンという耳鳴りが微かに聞こえるような、それでいて耳鳴りなんて全然していないような、そんな不思議な感覚に俺はいつもなるな」
知的好奇心を爆発させた北斗に出鼻をくじかれてしまった。しかもすかさず「ふふん、してやったり」という不敵な笑みをこれ見よがしにしたものだから、怒りが爆発した僕は北斗をプロレス技で締め上げようとした。とはいえ、
「それっ、凄く似てるかも!」
と瞳を輝かせる芹沢さんと、
「俺も劇場でいつもその感覚になる!」
と身を乗り出す中島を無視するなどもっての外なので、不本意の極みだが、小学校時代に北斗から聞いた話を僕は思い出すことにした。
『可聴域に含まれない音を、人は気配として感じることがある。大地震直前の地殻が崩壊する極低音を不穏な気配として、静かな体育館に満ちる可聴域を上回る高音を耳鳴りに似た音として、人は稀に感じる事がある。耳で聴きとれなくとも、音という空気の振動を体全体で知覚する能力が、人にはあるのかもしれないな』
僕は心を沈め、ホールの音に耳を澄ませた。生命力強化をしなくても犬笛を楽々聞き分ける僕の聴覚は、四方八方から均一にやって来る微細な高音をはっきり知覚することができた。でも、それだけじゃない。その直感のもと、僕は一層耳を澄ませた。すると耳鳴りに似たその音の奥を、楽しげな気配がちらりとかすめた気がした。
ダンスに青春をかける若者達を見つめ続けてきた、このホール。
雨や風、夏の暑さや冬の寒さから若者達を守ってきた、このホール。
ありがとうございましたと一斉に頭を下げられ、そして熱心にモップ掛けをしてもらってきた、このホール。
それら一連の出来事を楽しげに回想しているホールの想いを、僕は音の気配として微かに感じた気がしたのだ。
その気配を、芹沢さんも感じているのだろう。大和撫子の鑑は楚々とした所作で椅子に腰を下ろし、言葉を紡いだ。
「華道は、音のない世界。書道も基本的に、音のない世界。茶道は音を、静けさを増すために使う。そして筝曲は、音に溢れている。華道と茶道と書道と筝曲は音と異なる接し方をしているけど、私はいつも感じているの。それに打ち込んでいるとき私の中に流れる、楽しげな音楽を」
芹沢さんは胸に両手を当て、そっと目を閉じる。僕ら男三人は床に座るも、姫君を守る三騎士の気構えで、芹沢さんの話に耳を傾けていた。
「その音楽に似た音が、こういった場所で心を震わせることがある。どこか一カ所から聞こえてくるのではなく、身を包むこの広い室内が楽しげに歌っている、そんな音ね」
一般的に女性は、男性より耳が良い。高音部は特にそれが顕著らしく、男性は女性に大きく水を開けられているそうだ。しかしそれだけでは説明できない特別な力を、この稀有な女性に僕は強く感じた。
「その歌には、クリスマス会も含まれている気がする。明日は、きっと楽しい日になる。だから猫将軍君、いろいろあるかもしれないけど、それは明日が終われば良い思い出になっているって、私は思うよ」
返事をする代わりに素早く立ち上がる。そして、
「姫君の仰せのままに」
僕は右手を胸に左手を腰に置き、右足を少し引いて上体を軽く折った。これはダンスの前にする挨拶だから場違いなはずなのに、何故か今はこれこそが、最も相応しい挨拶に思えたのである。そしてそれは、負けじと立ち上がった北斗と中島も同じだったらしい。僕らは頷き合い、三人揃って姫君へ腰を折った。芹沢さんも立ち上がり、スカートを軽くつまんで、優雅に膝を折ってくれた。その、レヴェランスと呼ばれる貴婦人の挨拶に、僕らのテンションはさっきを凌ぐ爆上げ状態となった。
「うおお~~!」
「どりゃ~~!」
「明日は踊るぜ~~!」
などとわめきつつ男三人でホールを駆けまわる。
そんなバカ三人組へ、芹沢さんもさっき以上に楽しげな笑みを浮かべていた。
なのでホールを去るさい僕らは自然に振り返り、
「「「また明日~~」」」
と、四人で声を揃えてホールに挨拶した。
楽しみに待っているよ
ホールから、そう返してもらえた気がした。
何気なく、長テーブルに目をやる。
それが、隙になったのだろう。目の前の長テーブルに寮の長テーブルを連想し、そこで真向かいに座っていた女の子を幻視した僕は、仕事の最中は考えまいとしていたある重要案件を思い出してしまった。職務怠慢を指摘され一分も経たぬ間に、同じ状態になる訳にはいかない。僕は頭を鋭く振り、クリスマス会に関する那須さんのメールを忘れようとした。だが那須さん繋がりでエイミィの件も意識に浮上してしまい、危うく頭を抱えそうになった。考えまいとすればするほど、那須さんとエイミィが心の中で肥大してゆく。僕みたいなヘタレ男が、あんなに綺麗な女の子たちと、ダンスを・・・・
「猫将軍君、こういう広い室内にいると、私は不思議な音が聞こえてくるの。それって変かな」
思考を混乱させ前のめりになっていた僕に、芹沢さんが優しく話しかけてきたのだった。
慌てて上体を起こし、声の方に顔を向けた。すぐ隣に、ちょっぴり恥ずかしげな気配をまとった芹沢さんがいた。それは九月一日の早朝、第八寮の前庭で、前世の記憶を持つことを話してくれた時の芹沢さんと同じ気配だった。あの日、この類いまれな女性はそれを話すことで、僕と昴の苦悩を少しでも減らそうとしてくれた。前世の記憶という、奇異な目で見られるかもしれない秘密を、僕と昴のためにこの女性は打ち明けてくれたのだ。あの時と同じ気配をまとっているという事は、芹沢さんは再び、その身を犠牲にしようとしているのかもしれない。
そんなこと、絶対させる訳にはいかないじゃないか!
僕という存在の核心からほとばしった叫びが、混乱した思考をいっぺんに吹き飛ばしてゆく。するとそれに代わり、以前美鈴にきつく言い渡されたことがくっきり浮かび上がって来た。「大切な女性を守るためなら命もいらぬという本心を、私達三人以外には見せちゃダメだよ、お兄ちゃん」 脳裏に映る妹に了解と告げ、僕は普段の口調で芹沢さんに話しかけようとした。のだけど、
「それ、俺も同じかもしれない。キーンという耳鳴りが微かに聞こえるような、それでいて耳鳴りなんて全然していないような、そんな不思議な感覚に俺はいつもなるな」
知的好奇心を爆発させた北斗に出鼻をくじかれてしまった。しかもすかさず「ふふん、してやったり」という不敵な笑みをこれ見よがしにしたものだから、怒りが爆発した僕は北斗をプロレス技で締め上げようとした。とはいえ、
「それっ、凄く似てるかも!」
と瞳を輝かせる芹沢さんと、
「俺も劇場でいつもその感覚になる!」
と身を乗り出す中島を無視するなどもっての外なので、不本意の極みだが、小学校時代に北斗から聞いた話を僕は思い出すことにした。
『可聴域に含まれない音を、人は気配として感じることがある。大地震直前の地殻が崩壊する極低音を不穏な気配として、静かな体育館に満ちる可聴域を上回る高音を耳鳴りに似た音として、人は稀に感じる事がある。耳で聴きとれなくとも、音という空気の振動を体全体で知覚する能力が、人にはあるのかもしれないな』
僕は心を沈め、ホールの音に耳を澄ませた。生命力強化をしなくても犬笛を楽々聞き分ける僕の聴覚は、四方八方から均一にやって来る微細な高音をはっきり知覚することができた。でも、それだけじゃない。その直感のもと、僕は一層耳を澄ませた。すると耳鳴りに似たその音の奥を、楽しげな気配がちらりとかすめた気がした。
ダンスに青春をかける若者達を見つめ続けてきた、このホール。
雨や風、夏の暑さや冬の寒さから若者達を守ってきた、このホール。
ありがとうございましたと一斉に頭を下げられ、そして熱心にモップ掛けをしてもらってきた、このホール。
それら一連の出来事を楽しげに回想しているホールの想いを、僕は音の気配として微かに感じた気がしたのだ。
その気配を、芹沢さんも感じているのだろう。大和撫子の鑑は楚々とした所作で椅子に腰を下ろし、言葉を紡いだ。
「華道は、音のない世界。書道も基本的に、音のない世界。茶道は音を、静けさを増すために使う。そして筝曲は、音に溢れている。華道と茶道と書道と筝曲は音と異なる接し方をしているけど、私はいつも感じているの。それに打ち込んでいるとき私の中に流れる、楽しげな音楽を」
芹沢さんは胸に両手を当て、そっと目を閉じる。僕ら男三人は床に座るも、姫君を守る三騎士の気構えで、芹沢さんの話に耳を傾けていた。
「その音楽に似た音が、こういった場所で心を震わせることがある。どこか一カ所から聞こえてくるのではなく、身を包むこの広い室内が楽しげに歌っている、そんな音ね」
一般的に女性は、男性より耳が良い。高音部は特にそれが顕著らしく、男性は女性に大きく水を開けられているそうだ。しかしそれだけでは説明できない特別な力を、この稀有な女性に僕は強く感じた。
「その歌には、クリスマス会も含まれている気がする。明日は、きっと楽しい日になる。だから猫将軍君、いろいろあるかもしれないけど、それは明日が終われば良い思い出になっているって、私は思うよ」
返事をする代わりに素早く立ち上がる。そして、
「姫君の仰せのままに」
僕は右手を胸に左手を腰に置き、右足を少し引いて上体を軽く折った。これはダンスの前にする挨拶だから場違いなはずなのに、何故か今はこれこそが、最も相応しい挨拶に思えたのである。そしてそれは、負けじと立ち上がった北斗と中島も同じだったらしい。僕らは頷き合い、三人揃って姫君へ腰を折った。芹沢さんも立ち上がり、スカートを軽くつまんで、優雅に膝を折ってくれた。その、レヴェランスと呼ばれる貴婦人の挨拶に、僕らのテンションはさっきを凌ぐ爆上げ状態となった。
「うおお~~!」
「どりゃ~~!」
「明日は踊るぜ~~!」
などとわめきつつ男三人でホールを駆けまわる。
そんなバカ三人組へ、芹沢さんもさっき以上に楽しげな笑みを浮かべていた。
なのでホールを去るさい僕らは自然に振り返り、
「「「また明日~~」」」
と、四人で声を揃えてホールに挨拶した。
楽しみに待っているよ
ホールから、そう返してもらえた気がした。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
妹はわたくしの物を何でも欲しがる。何でも、わたくしの全てを……そうして妹の元に残るモノはさて、なんでしょう?
ラララキヲ
ファンタジー
姉と下に2歳離れた妹が居る侯爵家。
両親は可愛く生まれた妹だけを愛し、可愛い妹の為に何でもした。
妹が嫌がることを排除し、妹の好きなものだけを周りに置いた。
その為に『お城のような別邸』を作り、妹はその中でお姫様となった。
姉はそのお城には入れない。
本邸で使用人たちに育てられた姉は『次期侯爵家当主』として恥ずかしくないように育った。
しかしそれをお城の窓から妹は見ていて不満を抱く。
妹は騒いだ。
「お姉さまズルい!!」
そう言って姉の着ていたドレスや宝石を奪う。
しかし…………
末娘のお願いがこのままでは叶えられないと気付いた母親はやっと重い腰を上げた。愛する末娘の為に母親は無い頭を振り絞って素晴らしい方法を見つけた。
それは『悪魔召喚』
悪魔に願い、
妹は『姉の全てを手に入れる』……──
※作中は[姉視点]です。
※一話が短くブツブツ進みます
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるかも。
◇なろうにも上げました。
婚約破棄ですか。別に構いませんよ
井藤 美樹
恋愛
【第十四回恋愛小説大賞】で激励賞を頂き、書籍化しました!!
一、二巻、絶賛発売中です。電子書籍も。10月8日に一巻の文庫も発売されました。
皆様の応援のおかげです。ありがとうございます。
正直、こんな形ばかりの祝賀会、参加したくはありませんでしたの。
だけど、大隊長が参加出来ないのなら仕方ありませんよね。一応、これでも関係者ですし。それにここ、実は私の実家なのです。
というわけで、まだ未成年ですが、祝賀会に参加致しましょう。渋々ですが。
慣れないコルセットでお腹をギュッと締め付けられ、着慣れないドレスを着せられて、無理矢理参加させられたのに、待っていたは婚約破棄ですか。
それも公衆の面前で。
ましてや破棄理由が冤罪って。ありえませんわ。何のパーティーかご存知なのかしら。
それに、私のことを田舎者とおっしゃいましたよね。二回目ですが、ここ私の実家なんですけど。まぁ、それは構いませんわ。皇女らしくありませんもの。
でもね。
大隊長がいる伯爵家を田舎者と馬鹿にしたことだけは絶対許しませんわ。
そもそも、貴方と婚約なんてしたくはなかったんです。願ったり叶ったりですわ。
本当にいいんですね。分かりました。私は別に構いませんよ。
但し、こちらから破棄させて頂きますわ。宜しいですね。
★短編から長編に変更します★
書籍に入り切らなかった、ざまぁされた方々のその後は、こちらに載せています。
忍チューバー 竹島奪還!!……する気はなかったんです~
ma-no
キャラ文芸
某有名動画サイトで100億ビューを達成した忍チューバーこと田中半荘が漂流生活の末、行き着いた島は日本の島ではあるが、韓国が実効支配している「竹島」。
日本人がそんな島に漂着したからには騒動勃発。両国の軍隊、政治家を……いや、世界中のファンを巻き込んだ騒動となるのだ。
どうする忍チューバ―? 生きて日本に帰れるのか!?
注 この物語は、コメディーでフィクションでファンタジーです。登場する人物、団体、名称、歴史等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
ですので、歴史認識に関する質問、意見等には一切お答えしませんのであしからず。
❓第3回キャラ文芸大賞にエントリーしました❓
よろしければ一票を入れてください!
よろしくお願いします。
引っ込み思案のJKがサバゲーをするだけの物語
夜桜月霞
キャラ文芸
耳が良いという以外は平均以下の少女、音羽は引っ込み思案を直したいと思っていた。そこで偶然知り合ってしまった片言日本語の先輩と、ゴスロリ美少女(自称ガンスミス)と共にサバゲーをはじめ、少しずつ成長しつつ友情を深めていく。
※実在の団体、法律、とは一切関係がありません。
※この作品の中の世界には青少年育成条例はありません。
【完結】陰陽師は神様のお気に入り
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
キャラ文芸
平安の夜を騒がせる幽霊騒ぎ。陰陽師である真桜は、騒ぎの元凶を見極めようと夜の見回りに出る。式神を連れての夜歩きの果て、彼の目の前に現れたのは―――美人過ぎる神様だった。
非常識で自分勝手な神様と繰り広げる騒動が、次第に都を巻き込んでいく。
※注意:キスシーン(触れる程度)あります。
【同時掲載】アルファポリス、カクヨム、エブリスタ、小説家になろう
※「エブリスタ10/11新作セレクション」掲載作品
完結済💛 痛快・ダメンズへ鉄槌!! 「うちの総務には『賢者』がいる」
水ぎわ
キャラ文芸
『そのカレ、『ダメンズ係数』2610点と出ました。続けますか、捨てますか?』
三ツ星機械、経理課のお局、高瀬 凪(たかせ なぎ)は
『ダメンズ係数』を電卓でたたき出す、通称『総務の賢者』。
的中率120%の恋愛相談は大人気で、予約待ち……。
高瀬の後輩、門脇むつみは、
『ダメンズ係数』なんて信じない。
付き合っているカレからのプロポーズは秒読みだし……。
そこへ美人社員、スミレが『賢者の予約を取ってー!』と泣きついてきたが!?
『総務の賢者』は、戦う女子の強い味方です!💛
表紙はUnsplashのSteve Jerryが撮影
男女比の狂った世界で愛を振りまく
キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。
その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。
直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。
生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。
デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。
本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。
※カクヨムにも掲載中の作品です。
Vtuberだけどリスナーに暴言吐いてもいいですか?
天宮暁
キャラ文芸
俺、人見慧(ひとみけい)は、ただのユルオタ高校生だ。
そんな俺は、最近Vtuberにドマハリしてる。
ヴァーチャル・マイチューバー、略して「Vtuber」。イラストやCGを顔認識アプリと連動させ、まるで生きてるように動かしながら、雑談したり、ゲームしたり、歌を歌ったり、イラスト描いたり、その他諸々の活動をしてる人たちのことである。
中でも俺が推してるのは、七星エリカっていうVtuberだ。暴言ばっか吐いてるんだけど、俺はなぜか憎めないんだよな。
そんな彼女がコラボ配信で大炎上をやらかしたその翌日、いつも通り友人と教室でだべってた俺は、いきなりクラスの女子にからまれた。
神崎絵美莉というその女子は、絵に描いたようなザ・陽キャ。ユルオタの俺と接点なんてあろうはずもない……はずだった。
だが、その後のなりゆきから、俺は神崎の「秘密」を知ることになってしまい――!?
※ ご注意
この話はフィクションです。実在する団体、人物、Vtuberとは一切関係がございません。作者は、業界の関係者でもなければ関係者に直接取材をしたわけでもない、一介のVtuberファンにすぎません。Vtuberについての見解、業界事情等は100%作者の妄想であることをご理解の上、お楽しみくださいませ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる